高橋成子取締役は衆院証人喚問に出ない、当ブログ「<AIJ衆院財務金融委・証人喚問> 高橋成子取締役員は何を話すだろうか?」に追加情報として彼女の体調不良を理由とする出席拒否を掲載した。(追記4/14。 4/13の財務金融委員会・証人喚問の冒頭で海江田委員長は高橋成子取締役の欠席理由の説明をした―「病状『うつ』のため1ヶ月の入院が必要で、横浜相原病院に入院中、診断書は医師・吉田勝明の署名で提出されている」―横浜相原病院は横浜市瀬谷区にある。吉田勝明(よしだ かつあき)・医師は相原病院の医院長だ。4/13の証人喚問は予想した通り惨憺(さんたん)たるもので、ほとんど新聞記事にもなっていない。 衆院中継動画を昨夜検証したので、別途ブログ記事を書く予定。)
よーく、電子版記事を調べてみよう。 あなたはその出席拒否の配信記事を電子版から見つけれるか? もし紙面版の新聞を取っているなら、あなたの新聞にその記事が出ていたか?
この事件のカギを握る高橋成子取締役員は過去3回の参考人質疑を全て欠席している。 そしてこの証人喚問も「体調不良」を理由に出席しない。 なのになぜ、マディアは取り上げない! 北朝鮮のミサイルばかりだ!
過去3回の参考人質疑、国会議員の質問と追求姿勢のレベルの何と低い事か。 また同じことが繰り返されるのだろう。 国会議員の質疑内容とメディアの報道の推移を鑑(かんが)みると、ある種の意図を感じる。 この問題を深く掘り下げようとしない、そんな暗黙の了解だ。
なぜなのか? 1)年金基金制度の根本的矛盾、2)厚生省の怠慢、2)金融庁の怠慢、3)旧社旗保険庁OBの関与、4)政治家達の関与と怠慢、こんな問題を内包している事案をだれも大事(おおごと)ににしたくない、そういうことだ。 しかし、事は我々のこれからの生活に直接かかわってくる「年金」という重大事件だ。 なぜ、新聞の扱いはこんなにも小さいのか?
なぜ、AIJ・松木新平取締役の名前が出て来ないのか?
なぜ、香港上海銀行(HSBC)は実名でメディアに出て来ないのか?
なぜ、海外取引が得意でないAIJ・佐川和彦社長がケイマン経由のスキームを使えたのか?
なぜ、社会保険庁OB石山勲氏を取り込むことができたのか?
なぜ、金融庁は何年間もAIJを放置していたのか?
なぜの連続である。 どうして国会議員は徹底的に調べて、せっかくの参考人質疑で掘り下げて質問できなかったのか?
メディアは断片的に報道し、ある部部だけをもっともらしく報道したが、実は何も報道していない。
明日の衆院証人喚問、やる前から茶番だとわかっている。
少しは良心の呵責(かしゃく)があるのか4月9日の日経「政財界人の関与も AIJを膨張させた影の仲介者 」はようやく一部を報道し始めた。 それをクリップ。 さらに、毎日の「AIJ問題:穴埋めで「会社倒れる」 零細企業悲鳴」を取り上げたい。 アホーな天下りの無能理事たちがやった安易な投資のツケを、なぜ真面目に働いている我々がしょい込まなければならないのか! 無能国会議員達よ、党利党略に明け暮れそして選挙の事しか考えぬのなら議員を辞めてしまえ。 真摯に、聞け、「零細企業の悲鳴」を!
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政財界人の関与も AIJを膨張させた影の仲介者
(日経 2012/4/9 7:00)
巨額の年金資金が消失したAIJ問題。多くの企業年金がAIJ投資顧問に運用を委ねた背景には、旧社会保険庁OBである年金コンサルタントの働きかけがあったと見られている。だが、それは全体像のごく一部にすぎない。年金基金の現職理事、大手証券OB、著名経済人、そして元首相……。AIJの膨張を促したのは、クモの巣のように複雑に広がる仲介ルートの存在だ。
衆参委員会の参考人質疑で追求が進むAIJ問題。証券取引等監視委員会による調査などでも問題の構図は徐々に解明されつつある。だが、依然はっきりしないのは、新興の運用会社にすぎなかったAIJがなぜ90を超える年金基金、企業、学校法人から1500億円近い資金の運用を受託できたのか、だ。 ![政財界人の関与も AIJを膨張させた影の仲介者 1](https://hashigozakura.wordpress.com/wp-content/uploads/2012/04/e694bfe8b2a1e7958ce4babae381aee996a2e4b88ee38282e38080efbd81efbd89efbd8ae38292e886a8e5bcb5e38195e3819be3819fe5bdb1e381aee4bbb2e4bb8b.jpg?w=244&h=127)
そもそもAIJは野村証券OBの浅川和彦社長が2000年に設立した投資顧問会社が前身。年金基金に本格的に営業を始めた翌年の04年3月期から運用損が生じていたが、顧客に対しては運用成績を水増しして報告していたことが明らかになっている。衆参委員会の参考人質疑での関係者の発言によると、AIJが英領ケイマン諸島に設定した投資信託の傘下にある14の子ファンドの間で損失を付け替え、新規募集分の利回りや資産評価を高く見せかけていた可能性が高い。損失は歯止めなく雪だるま式に膨らんでいった。
■ 見えてきた「ネットワーク」
しかし、なお集金のからくりの全貌(ぜんぼう)は闇の中だ。それをたどって行くと、幾重にも張り巡らされた仲介のネットワークが見えてくる。
東京・墨田区に事務局を置き、約1万3000人、400社以上が加入する東日本文具販売厚生年金基金。2003年5月、年金基金としてAIJを採用した第1号だ。しかし、今回の年金消失問題で、この年金基金は被害を受けていない。なぜか。AIJ採用後、常務理事の交代を機に、後任者がAIJへの運用委託を打ち切ったからだ。
委託を打ち切ったその後任者は語る。「AIJに尋ねても『運用成績がプラスだ』というだけで、どうしてプラスになったのか教えてくれない。それでは信用できない」。AIJを含め前任者が結んだ契約の解除を決めたが、「後始末にずいぶん苦労した」という。
■ 難を逃れたある年金基金
AIJを切って難を逃れた東日本文具販売厚生年金基金。この基金でAIJと密接なかかわりを持っていた「前任者」とは参考人質疑にも登場した石山勲氏だ。東日本文具販
売厚生年金基金を去った後、AIJから資金支援を受け、04年に年金コンサルティング会社を設立。AIJ採用を企業年金に提案する側に回った旧社保庁OBである。石山氏はAIJに運用を委託していた大手企業の年金基金の担当者を自らのコンサルティング会社に採用するなどして、AIJ採用の呼びかけを本格化していく。
石山氏はAIJの年金消失問題が表面化した今年2月下旬、こう語っている。「厚年基金の常務理事はほとんど全部が社保庁OB。よく知っている先輩や後輩がおり、お互いにやりやすかった」。社保庁OBのネットワークで口コミ的にAIJの評判が広がったことをうかがわせる。
特に石山氏の人脈が色濃く感じられるのは愛知県だ。同氏の社保庁退職時、最後の赴任地となった土地で、大勢の後輩が年金基金の現役幹部として働いている。
例えば、ある厚年基金の現職理事。やはり石山氏の後輩にあたるこの理事はAIJの販路拡大に関与している。複数の基金関係者はこの理事が「遠く離れた他県にまで出向き、AIJの採用を働き掛けたこともある」と証言する。自らが運用委託するだけでなく、AIJの新たな投資家探しに汗をかいていたというわけだ。
例えば、ある厚年基金の現職理事。やはり石山氏の後輩にあたるこの理事はAIJの販路拡大に関与している。複数の基金関係者はこの理事が「遠く離れた他県にまで出向き、AIJの採用を働き掛けたこともある」と証言する。自らが運用委託するだけでなく、AIJの新たな投資家探しに汗をかいていたというわけだ。
いくら後輩とはいえ、善意だけでわざわざよその県まで足を運ぶとは思えない。AIJから何らかの便宜が図られていたのか……。ある関係者は「仮にAIJから仲介手数料などを受け取っていた場合、厚年基金の役職員が『みなし公務員』と扱われれば、刑事事件に発展する可能性もある」と指摘する。
■ ゴルフコンペには首相経験者も
厚生労働省によれば、全体の3分の2にあたる366の厚年基金に、旧社保庁OBら国家公務員が役員として関与していた。さらに厚年基金で運用を担当する役職員の9割が資産運用業務の経験がないことも明らかになっている。厚年基金は株式相場の低迷で慢性的な運用難に苦しんでいる。ある基金の常務理事は自身が「運用の素人」としたうえで、こう打ち明ける。「億円単位の委託を決める際には、第三者の評価が決め手となることがある」。運用のノウハウがない年金基金の理事たちは運用成績を上げるためにAIJに頼らざるを得なかった構図が浮かび上がる。![政財界人の関与も AIJを膨張させた影の仲介者 3](https://hashigozakura.wordpress.com/wp-content/uploads/2012/04/e694bfe8b2a1e7958ce4babae381aee996a2e4b88ee38282e38080efbd81efbd89efbd8ae38292e886a8e5bcb5e38195e3819be3819fe5bdb1e381aee4bbb2e4bb8b2.jpg?w=584)
社会的にも有名な人物の薦めがあったとしたら、その効果はなおさら大きいだろう。
そのひとりは政府の要職を歴任してきたある財界OB。「社会的にも有名な人物」には適任の人材だ。この財界OBは数年前、AIJと親密な関係があった。AIJ幹部らとともに年金基金の理事長らと接触していた。「私もAIJに大変お世話になっています」。そう相手に伝えることで「AIJは安心」のムードを演出していたのだ。
「広告塔」となった有名人の広がりは財界だけでなく、政界にも及ぶ。AIJが主催するゴルフコンペには首相経験者も顔を出していたという。そのコンペに参加した年金基金の関係者が証言する。「AIJは首相経験者を招くほど政界に太いパイプを持っているのかと驚いた」。AIJに任せておけば大丈夫――。参加者にそんな思いを抱かせる宣伝効果は抜群だった。
浅川社長と同じ野村証券OBが果たした役割も見逃せない。AIJの営業を担当したアイティーエム証券は社長こそ山一証券出身の西村秀昭氏だが、実質的には野村OBが取り仕切っていた。ヘッジファンド投資で有名なある企業年金は04年以来、アイティーエムから勧誘を数回受けた。ファクスで「安定した成績」を示す文書が送りつけられ、営業攻勢が続く。
■ 野村OBによる営業攻勢
「なんでこんな良いファンドをやらないのか。私の友人がやっているから絶対に大丈夫だ」。運用担当者のもとには、野村OBで別の運用会社の幹部が足を運び、AIJを強く推奨したという。
企業年金がAIJへの委託を決めるまでの仲介ルートは巧妙であるとともに、複雑かつ多岐にわたる。新興の独立系運用会社がわずか10年間で、受託実績を一気に膨らましてきた背景には、安定した高利回りという、分かりやすいうたい文句だけが存在していたわけではない。AIJの浅川社長に象徴される強力な営業力は、系列の証券会社、そしてAIJを取り巻く無数の仲介ルートを抜きに語ることはできない。
衆院財務金融委員会は浅川氏や石山氏ら関係者の証人喚問を13日に実施する。議院証言法により、虚偽答弁をすれば偽証罪に問われる。AIJの資金運用の実態にどこまで切り込めるのか。待ち構える闇は深い。
(R&I「年金情報」編集部)
http://www.nikkei.com/biz/focus/article /g=96958A9C93819499E2E4E2E1908DE2E4E2E6E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2; p=9694E3E4E3E0E0E2E2EBE0E0E4E3
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AIJ問題:穴埋めで「会社倒れる」 零細企業悲鳴
毎日新聞 2012年04月12日 02時30分(最終更新 04月12日 10時15分)
AIJ投資顧問による企業年金消失問題で、同社の浅川和彦社長の証人喚問が13日に国会で行われる。AIJに委託した企業年金は10年度末で84あるが、このうち中小企業などで作る74の厚生年金基金は公的資金の一部(厚生年金の代行部分)も運用しているため、損失が生じれば加入企業などが「持ち出し」で穴埋めしなければならない。企業の中には個人の預貯金を取り崩して運転資金に充てている零細企業もあり、さらなる負担を懸念しながら喚問を注視している。
84基金(加入・受給者約88万人)のAIJへの委託総額1852億円余のうち、74基金(同約81万人)の委託額は1578億円を超える。委託割合が最も高いのは56.9%の神奈川県印刷工業厚生年金基金。加入企業の一つで、川崎市内の印刷会社の70代社長は、「AIJでなくなったお金は加入者1人当たり260万円と基金から説明を受けた。うちだけで780万円だ」とため息をつく。
従業員9人のうち、既に年金受給者の社長自身と妻、パートを除くと、厚生年金を支払う正社員は長男ら40代の男性3人。30年以上前に工場を始めた際、従業員は25人だった。近年、印刷物は軒並み電子データに置き換わり、売り上げは当初から約4割の減。仕事を依頼してきた同業者が未払いのまま行方不明になったり、倒産したこともあった。
年金受給者となった10年ほど前から自身は無給。土曜日も含めて午前8時半から午後5時までほぼ毎日、役所やなじみ客を回る。だが約6年前、地域の大規模病院から受注していた数万枚のカルテが電子化され、大きな仕事を失った。経理担当の妻も無報酬だ。
自身の月約二十数万円、妻の十数万円の年金収入のほか、預貯金を取り崩して日々の資金や設備投資で生じた数千万円の借金返済に充ててきた。
従業員の給与や正社員の基金掛け金(月約6万円)は一度も穴を開けていないが、社員からは「先の見えない年金の掛け金を払うのはやめたら」との声も上がる。「社員が安心と思えないのがつらい。でも、うちのような小さな会社がなくなれば、従業員の再就職は難しい」と社長は案じる。
年金受給者となった10年ほど前から自身は無給。土曜日も含めて午前8時半から午後5時までほぼ毎日、役所やなじみ客を回る。だが約6年前、地域の大規模病院から受注していた数万枚のカルテが電子化され、大きな仕事を失った。経理担当の妻も無報酬だ。
自身の月約二十数万円、妻の十数万円の年金収入のほか、預貯金を取り崩して日々の資金や設備投資で生じた数千万円の借金返済に充ててきた。
従業員の給与や正社員の基金掛け金(月約6万円)は一度も穴を開けていないが、社員からは「先の見えない年金の掛け金を払うのはやめたら」との声も上がる。「社員が安心と思えないのがつらい。でも、うちのような小さな会社がなくなれば、従業員の再就職は難しい」と社長は案じる。
http://mainichi.jp/select/news/20120412k0000m040152000c.html
http://mainichi.jp/select/news/20120412k0000m040152000c.html
http://mainichi.jp/select/news/20120412k0000m040152000c3.html
http://mainichi.jp/select/news/20120412k0000m040152000c4.html
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