STAP細胞再現できず、理研中間報告⇒来年3月末まで検証実験継続。小保方晴子氏は、9月から第三者立ち会いのもと本格実験へ。

理化学研究所は27日、STAP細胞の存在の有無を確かめる検証実験で、小保方晴子氏らの論文に記載された手法では再現できていないとする中間報告を発表した。 実験に携わった論文共著者の丹羽仁史・理研プロジェクトリーダーによると、実証実験は4ヶ月間に渡り、ネイチャーに掲載された小保方・STAP細胞論文に記載されたものと同様の手法で22回行われたがSTAP細胞を作成することはできなかった。 論文の手法とはどのようなものなのか? NHKニュースで放送された図解が非常に分かり易いので、それをクリップして掲載しよう――

STAP細胞再現できず、理研中間報告_画像解説01STAP細胞再現できず、理研中間報告_画像解説02STAP細胞再現できず、理研中間報告_画像解説03STAP細胞再現できず、理研中間報告_画像解説04STAP細胞再現できず、理研中間報告_画像解説05STAP細胞再現できず、理研中間報告_画像解説06

理研が中間報告 “STAP細胞はできず”
(NHK 8月27日19時31分)

理研が中間報告 “STAP細胞はできず”_NHKニュース画像01STAP細胞が本当に存在するのかの検証実験を進めている理化学研究所のチームは27日、会見し、ことし4月以降論文に書かれたのと同じように弱酸性の刺激を与える方法で作製を試みたもののSTAP細胞はできなかったとする中間報告を明らかにしました。 チームでは今後、実験の条件を変えるなどしてさらに検証を続けるとしています。

理研が中間報告 “STAP細胞はできず”_NHKニュース画像02これは小保方晴子研究ユニットリーダーと共にSTAP細胞の論文を作成した理化学研究所の丹羽仁史プロジェクトリーダーらが記者会見し、明らかにしたものです。丹羽プロジェクトリーダーらはことし4月以降、小保方リーダーとは別にSTAP細胞が本当に存在するのかの検証実験を進めていました。

その結果、論文に書かれたのと同じようにマウスの体から細胞を取り出し、塩酸を使って弱酸性の刺激を与える実験を22回行ったものの、小保方リーダーらが論文で書いたような細胞の万能性に関連した遺伝子が働き始める現象は確認できず、STAP細胞もできなかったということです。

理研が中間報告 “STAP細胞はできず”_NHKニュース画像03理研が中間報告 “STAP細胞はできず”_NHKニュース画像04検証チームは今後、細胞を細い管に通して刺激する方法や、実験に使うマウスの種類などを変えて来年3月まで検証を続けたいとしています。

丹羽プロジェクトリーダーはSTAP論文の共同著者の1人でことし3月、世界各国の研究者からSTAP細胞が再現できないという報告が相次いだ際には小保方リーダーらと共にどのような点に気をつければ、STAP細胞ができるのか、詳しい作製方法を示した文書を作成し、発表していました。

STAP細胞の検証実験はこれ以外に小保方リーダー本人がことし11月末を期限に行うことになっています。

共著者の若山教授「1日も早く解決を」

今回の中間報告の発表について、STAP細胞の論文の共同著者で山梨大学の若山照彦教授は「今回の検証実験に関与していないため、今後の経過を見守りたい。1日も早く解決に向かうことを願い、私もできる限りの協力をしていきたい」というコメントを出しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140827/k10014127391000.html

ITmediaの記事も併載するので比較して読んでみよう――

STAP現象「再現できていない」 理研の検証実験難航 小保方氏は「予備実験中」
(ITmedia 2014年08月27日 19時11分)

理化学研究所は8月27日、「STAP現象」再現実験の中間報告を発表した。撤回した論文の手順通りに細胞を弱塩酸で刺激して万能性を得ようとしたが、再現は難航しているという。また、小保方晴子氏単独の再現実験はまだ予備実験の段階で、本格的な実験は始まっていないという。

理研CDBの丹羽仁史プロジェクトリーダーによると、理研は特定の系統(C57BL/6)のマウスの脾臓細胞を、撤回した論文のプロトコルに従って弱塩酸で刺激して培養し、万能性の証拠となる緑色の蛍光があるか確認する実験を22回行ったという。

小保方・STAP細胞論文に記載された主たるSTAP細胞誘導の手順

その結果、緑色の蛍光はみられたものの、細胞が死滅するときの「自家蛍光」の可能性が高く、万能性の証拠とは言い切れなかったという。「C57BL/6の脾臓からSTAP細胞はできないことが分かった」と丹羽氏は話し、STAP現象の再現は「手ごわい」と吐露する。

実験結果はマウスの遺伝的背景によって左右されるとみており、理研は今後、「F1」「129」などほかの系統のマウスでも再現実験を行う計画。脾臓だけでなく、肝臓や心臓の細胞でも試すほか、酸による刺激だけでなく、細い管を通す方法などさまざまな方法を試し、STAP現象の有無を検証する。

小保方氏は7月から、理研の実験とは別に、単独の予備実験をスタートしている。検証実験を統括する理研CDBの相澤慎一特別顧問によると、予備実験は「第三者の立ち会いのもとで行われた実験ではなく、あくまでコンディショニング」であるため、実験結果は公表できないという。本格的な実験は、「早急に始められる準備ができている」(相澤氏)としている。

これまでの検証実験では、予算1300万円のうち700万円を使ったという。小保方氏の実験は11月末、理研の再現実験は来年3月末で終了する予定。笹井芳樹副センター長が死去した影響で検証実験が長引くことも懸念されていたが、予定に変更はないという。11月末には再び中間報告を行う計画で、小保方氏の報告会見への参加も検討するとしている。

相澤氏は「理研が再現実験を行うことに疑義が持たれていることや、検証する意味はないという意見も十分認識している。小保方氏の参加についての疑義も承知しているが、小保方氏の参加を得て、最終的な決着を付ける道を選んだ。問題の全貌解明にも検証実験は必須と考えている」と、実験への理解を求めた。

 

コメントを残す