ブラック「すき家」に深夜1人体制の廃止を提言⇒第三者委員会は、深夜時間帯に1人で勤務する体制を早急に廃止すべきだとする報告書をまとめ会社に手渡した…

牛丼チェーンの「すき家」がアルバイト不足などで店舗の一時休業を余儀なくされたことを受けて、会社側が設けた第三者委員会は、深夜時間帯に1人で勤務する体制を早急に廃止すべきだなどとする報告書をまとめました。

ブラック「すき屋」に深夜1人体制の廃止を提言_画像1牛丼チェーンの「すき家」を全国で展開する「ゼンショーホールディングス」は、アルバイトの人手不足が深刻化するなどして、ことし4月までに、123店舗で一時休業をしたり、124店舗で深夜営業をやめたりする事態となっていました。

ブラック「すき屋」に深夜1人体制の廃止を提言_画像2これを受けて、会社側は、従業員の労働環境の改善を検討する第三者委員会を設置し、31日、委員長の久保利英明弁護士が改善策をまとめた報告書を会社側に手渡しました。

ブラック「すき屋」に深夜1人体制の廃止を提言_久保利 英明弁護士・すき屋第三者委員会委員長_画像1報告書では、慢性的な労働力不足に陥っていて、アルバイトの中には1か月の労働時間が400時間から500時間に上る人がいるなど、過酷な労働環境があり、経営陣にも過重労働に対する意識が足りなかったと指摘しています。

ブラック「すき屋」に深夜1人体制の廃止を提言_久保利 英明弁護士・すき屋第三者委員会委員長_画像2そのうえで、第三者委員会は、会社側に対して、長時間労働を絶対に禁止するルールを策定するとともに、「深夜時間帯に複数が勤務する態勢を確立すべき」として、深夜に1人で勤務するこれまでの態勢を廃止するよう提言しています。 また、経営陣に対しても、「強制的な研修」を行うなどして意識の改革を求めています。

ブラック「すき屋」に深夜1人体制の廃止を提言_久保利 英明弁護士・すき屋第三者委員会委員長_画像3ゼンショーはここ数年、急速に店舗網を拡大し、全国でおよそ2000店舗を出店していますが、今回の提言を受けて、これまでの出店戦略やすべての店舗で24時間営業するという業態の見直しも迫られそうです。

報告書を受けて「ゼンショーホールディングス」の小川賢太郎社長は「一緒に働いているアルバイトやパート、それに社員に労働力不足で過重な負担をかけ、経営者としても遺憾で、本当に反省している。労働時間という観点からの従業員の管理が甘かった」と述べました。

小川賢太郎社長・ゼンショーホールディングス(画像)1_NHKニュース「すき屋に深夜1人体制の廃止を提言」 小川賢太郎社長・ゼンショーホールディングス(画像)2_NHKニュース「すき屋に深夜1人体制の廃止を提言」

NHKニュース 「すき家 深夜1人体制の廃止を提言」(7月31日18時12分)ソース: NHKニュース 「すき家 深夜1人体制の廃止を提言」(7月31日18時12分) http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140731/t10013443121000.html


すき家・第三者委員会の調査報告書_画像

記事にある「すき家」第三者委員会の調査報告書のPDFをこのリンクから閲覧できます――

⇒ http://www.sukiya.jp/news/tyousahoukoku%20A_B.pdf

小川賢太郎

☛ 2012年は40位(資産533億円)、2013年は43位(資産708億円)、2014年は48位(資産546億円)にランキングされている(参照: 小川賢太郎・フォーブス日本の富豪50人|Hashigozakura)。

☛ 1948年7月29日生まれ。 すき家などを展開するゼンショーの創業者で、現会長兼社長。 石川県出身。 東京都立新宿高等学校を経て東京大学に進学するも、全共闘運動に関わり中退。1978年吉野家に入社。吉野家の倒産などをきっかけに独立し、1982年にゼンショーを創業。ランチボックス(弁当店)、すき家などを開業。その後、M&Aで外食チェーンを次々と傘下に収め、同社を急成長させた。ゼンショーの名は『全勝』『善意の商売』『禅の心で商売を行う』に由来するという。 (参照: Wikipedia 「小川賢太郎」)

 【ゼンショー

☛ 株式会社ゼンショー(ZENSHO CO., LTD.)は牛丼を中心とする「すき家」(すきや)等を運営する企業。親会社の株式会社ゼンショーホールディングス(旧・株式会社ゼンショー)により各種外食チェーンを展開している。 2011年3月期連結売上高は日本の外食産業トップ。 現在の法人は2011年5月27日に分割準備会社として設立され、10月の持株会社「ゼンショーホールディングス」発足に伴う吸収分割で、すき家等のゼンショー直営事業を承継し称号を変更した2代目である。 (参照: Wikipedia 「ゼンショー」)

すき家

☛ 株式会社ゼンショーが経営する、日本国内店舗数最多の牛丼チェーン店。 2012年9月時点で、47都道府県・合計1,856店舗[1]を展開している。店舗の看板には屋号とともに、「牛丼」と「カレー」の文字が使われており、牛丼とカレーが主力商品となっている。 1982年7月に開店した弁当店「ランチボックス生麦店」をルーツとして、同年11月に牛丼業態のビルイン[4]型店舗1号店「すき家生麦駅前店」を開店した。「すき家」の名前は「すき焼き」が由来のひとつであり、実際に創業初期の1983年には「すき焼ディナーセット」といったメニューも扱っていたという。 社長の小川賢太郎は牛丼チェーン吉野家に1978年から1982年まで在籍していた[7]が、近年まで「公式にはそのような話はない」と否定してきた。 駅前や繁華街の省スペースに店を構える従来の牛丼店に比べると、車での利用客を想定した郊外の幹線道路沿いなどに立地する郊外型店舗を展開の主軸としている。またカウンター席だけでなく、テーブル席を設けるなど、従来の個人客を中心にしたスタンダードな牛丼店のスタイルに比べ、ファミリーレストランのような家族連れの客を想定した形態になっている。2000年代以降はドライブスルーの設置や、ショッピングセンターのフードコート内への出店に積極的である。 全店舗が直営で、フランチャイズは一切ない。 最大の特徴は、牛丼の上に各種トッピングが可能な点であり、さらにカレーライスや各種丼ものなどが存在するなど、多くのメニューを取り揃えている。 店舗ごとの連絡先は非公開で、レシートに書かれている電話番号は本社お客様相談室のもののみである。従業員募集の求人応募も集中受付センターのみ。 (参照: Wikipedia 「すき家」)

バイトが逃げ出し、営業停止に追い込まれた店舗が急増した5月に日経が掲載した記事をクリップ。 読んでみて下さい――

消える明かり 「すき家」、バイト反乱で営業不能
(日経 2014/5/20)

景気低迷に覆い隠されていた日本経済の弱点が、白日の下にさらされた。労働力の供給が細る中、景気が回復して構造的な人手不足が露呈している。その影響をもろに受けたのが、牛丼チェーンの「すき家」。店舗が相次いで営業時間の短縮や休業に追い込まれた。人手が足りない上に業務量の増加が追い打ちをかけ、アルバイトが逃げ出した。多くの小売りや外食企業に、採用難の問題は野火のように広がる。

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それは異様な光景だった。

4月中旬の午後7時、東京都世田谷区にある牛丼チェーン大手の「すき家」桜新町駅前店。周囲の飲食店やコンビニエンスストアの照明が煌々(こうこう)と夜空を照らす中、この店だけは電気が消え、暗闇の中に沈んでいた。もちろん本来は年中無休・24時間営業の店舗だ。

「本日の営業は終了しました。申し訳ございません」。入り口の自動ドアに目を凝らすと、殴り書きのような貼り紙の文字が浮かび上がった。

消える明かり「すき家」、バイト反乱で営業不能 (日経記事)画像1飲食店が1日で最も繁盛する夕食時で、人通りが多い好立地。牛丼を好みそうなサラリーマンや学生らしき人が次々に通り過ぎる。にもかかわらず、この店舗は営業していない。実は2014年3月以降、全国各地のすき家で、同じような異変が相次いで起きている。

原因は人手不足だ。すき家の店舗には正社員はほとんどおらず、アルバイトが運営を担う。店員を確保できず、約2000の店舗のうち、一時は123店が、閉店や営業時間の短縮に追い込まれた。

「近所のすき家、人手不足で閉店しているよ」。3月頃からツイッター上では店舗の貼り紙の画像とともに消費者のつぶやきが飛び交い始めた。「ほかの店舗が24時間営業を諦めたなら、うちだって止めたい」。ツイッターで情報が拡散するのに従い、営業時間を短縮する店舗がドミノ倒しのように増えた。

なぜ店員が足りなくなったのか。景気回復でアルバイトの採用が難しくなる中、2014年2月に発売した「牛すき鍋定食」が引き金を引いた。店舗ごとに牛肉を煮て、野菜や豆腐などの具材を切り、1人前ずつ小分けし冷蔵庫で保管するなど仕込みに手間がかかる。

トータルの仕込み時間は、牛丼の15分に対し、牛すき鍋は1時間かかるという。「本部からは20分でできると言われたが絶対無理」。東日本のすき家の店舗で働くアルバイト店員の石川康子さん(仮名)はこう断言する。

すき家の売り物は、「吉野家」などの競合と比べて豊富な約30種類ものメニュー。メニューが多いと当然、店員への負荷も高まる。そこに、手間がかかる牛すき鍋が加わった。アルバイトを増やそうと募集しても集まらない。

「もう限界」。鍋メニューの投入で不満が爆発し、すき家を去るアルバイトが相次いだ。「忙しさに耐え切れなくなって辞めていく。私が働き続けるのは、店の仲間に迷惑をかけたくないだけ」。前出の石川さんはこう話す。

集客につながる上、単価が牛丼(並盛で税抜き250円)の2倍以上になるからと、新商品を導入した経営陣。現場の負荷がどれだけ高まるかを十分考えなかったことが、バイトの離反を招いた。

「鍋の乱」。すき家の営業時間の短縮・休業はインターネット上などでこう呼ばれている。

“ワンオペ”では、トイレ休憩もままならない

実は鍋の乱以前にも、すき家の店員が不満を募らせるメニュー改定があった。2014年1月にメニューを拡充した朝定食だ。ご飯やみそ汁のほか3つの小鉢が付く。牛丼と比べて、洗い物が多く業務量が増えた。「何とかやりくりしていたのに、さらに面倒な鍋メニューが増えた」。首都圏のすき家店舗で働く近藤和也さん(仮名)はこう嘆く。

鍋メニューは、吉野家が2013年12月、すき家に先駆けて投入した。鍋は、50代など新しい顧客層の開拓に寄与。客単価も上昇し、吉野家ホールディングスは2014年2月期、前期比16%の営業増益を確保した。各店に、社員1人を含む最低2人の店員を配置する吉野家では、バイトの離反は見られない。

2014年2月に牛すき鍋定食を投入したすき家も、鍋がけん引役となって既存店売上高が30カ月ぶりに前年同月を上回った。しかし、現場の悲鳴を受けて、すき家は準備していた新しい鍋料理の投入を断念。3月いっぱいで鍋メニューの休止に追い込まれた。

消える明かり「すき家」、バイト反乱で営業不能 (日経記事)画像2そもそも、相次ぐメニュー改定の前からすき家のバイトは激務で知られていた。とりわけ過酷なのが、1人で勤務する「ワンオペレーション(ワンオ ペ)」だ。会計から掃除、接客、洗い物、仕込みまでを1人でこなさないといけない。ゼンショーは、売り上げが一定の水準に達しない店舗にワンオペを導入 し、コストを徹底的に抑えて利益を確保してきた。

「厨房や店頭を離れられず、トイレ休憩さえままならない。バイト中、喉は渇くが水分を控えている」(近藤さん)

ワンオペは店舗運営のコストを抑えられる一方で、防犯が手薄になる。これに目を付けた強盗が相次いだため、2011年には社会問題となった。

警察庁の指導を受けたすき家は、防犯設備の増強とともに、採用を強化。人員を増やすことで一時ワンオペの店舗数を2割弱までに減らした。しかし、バイトが相次いで逃げ出した今では、事件発生時と同じ5割程度の店舗がワンオペで運営している。

店員が逃げ出す中、石川さんの忙しさは極限に達している。4月だけで25日間働き、勤務時間は300時間を超えた。勤務表には「0~14」という文字が並ぶ。午前0時から午後2時まで、14時間ぶっ通しで働くことを意味する。

昼夜が逆転しているため帰宅後もなかなか寝付けず、睡眠薬を服用し無理やり、数時間眠る。家事やペットの世話をこなすと出勤時間になり、また夜通し店に立 つ。過酷な勤務で体調が悪化し、3つの病院に通う。勤務時間を減らしたいが、代わりの人はいない。ほかの職を探す時間も気力もない。

消える明かり「すき家」、バイト反乱で営業不能 (日経記事)画像3この忙しさに、「パワーアップ工事」が追い打ちをかけた。同工事は、厨房などを改装し顧客満足度を高めるためとして、全国で実施されている。中に は、6月まで閉める店舗もある。「人が足りないので苦し紛れに『工事中』としている店も多い」。3月までアルバイトとして働いていた白河達彦さん(仮名) はこう証言する。

 白河さんが勤めていた店の近隣にはすき家が6店舗あったが、3店舗はパワーアップ工事中。このため営業中の店舗にお客が集中し、より忙しくなった。「パワーアップしてほしいのは店ではなく人手。でも本部は分かってくれない。だから辞めた」(白河さん)。

すき家のアルバイト店員が集まらないのは時給が安いからではない。むしろ近隣のコンビニエンスストアや飲食店よりも高い場合が多い。

消える明かり「すき家」、バイト反乱で営業不能 (日経記事)画像4冒頭に紹介した桜新町駅から2駅先にある三軒茶屋駅。商店街に並ぶ店は、どこも軒先でアルバイト募集の貼り紙を掲げている。時給は多くの店舗で1000円を超えるが、その中でもすき家は1250円(深夜)と高い部類に入る。都内では時給が1600円(深夜)を超える店舗すらある。だが「時給が高い働き口は、ほかにたくさんある中で、強盗に遭う可能性も否定できないすき家で働く理由はないでしょうね」と前出の石川さんは諦め顔でこう話す。

本社は店員不足の深刻さに気付かず

「まさかこんなことになっているとは…」。3月上旬、すき家の本社では、各地から上がってくる店員不足に関する報告を聞いた経営陣が頭を抱えた。これほど深刻化するまで、本社は正確に状況を把握できなかったのだ。

この反省を踏まえ、すき家は2014年6月に全国7つのエリアに分社化する。現場の情報を迅速に把握する体制を整えると同時に、従来は本社決裁を経ないと決められなかった時給や手当の支給、勤務形態の変更などの権限を、各エリアのトップに移管する。

さらに5月、久保利英明弁護士を委員長とする第三者委員会を設置した。第三者委員会の報告を待って、労働環境の改善にも乗り出す。

現状や今後の対応について、経営トップはどう考えているのか。すき家を運営するゼンショーホールディングスの小川賢太郎社長に再三取材を申し込んだが、「第三者委員会に任せているので、現時点で私が答えることはない」と、応じることはなかった。

「すき家は特殊な事例」。そう受け止める人も少なくないだろう。だが、多くの小売り・外食企業も深刻な人手不足に直面している。パート・アルバイトに無理を強いる経営は、もはや継続することが困難になりつつある。鬱積する非正規の不満が、多くの企業に戦略転換を迫っている。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK14035_U4A510C1000000/

平均寿命男女とも過去最高、男性は初の80歳超え

去年(2013年)の日本人の平均寿命は男性が80.21歳と初めて80歳を超え、女性も86.61歳と2年連続で世界1位となった。

厚生労働省が7月31日に発表した「簡易生命表」によると、去年の日本人の平均寿命は、男性が80.21歳、女性が86.61歳で、おととしと比べて男性は0.27歳、女性は0.20歳上回り、いずれも過去最高を更新した。

男性の平均寿命は初めて80歳を超え、香港、アイスランド、スイスに次いで世界4位となっている。 女性は2年連続で世界1位となった。 男性と女性の平均寿命の差は6.40歳で一昨年より0.07歳縮まった。

平均寿命が女性だけでなく男性も80歳を超えたのは、世界でも香港やスイスなど一部の国や地域に限られていて日本人の長寿は世界のトップレベルとなっている。

日本人の平均寿命の推移グラフ_厚労省2014年7月31日発表「簡易生命表」より
厚労省は毎年1回、各年齢の人が平均してあと何年生きられるかを表す「平均余命」の見込みを計算していて、そのうち0歳の平均余命が平均寿命となる。平均寿命を押し上げたのは、各年齢でがんや心疾患、脳血管疾患、肺炎の死亡状況が改善したためという。

ソース:

■ NHK 「日本人男性の平均寿命80歳超える」 (7月31日 15時06分」 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140731/t10013435871000.html

■ 朝日新聞 Apital 「日本人男性の平均寿命、初の80歳超え 女性も過去最高」(2014年7月31日) http://apital.asahi.com/article/news/2014073100009.html


厚生労働省2014年7月31日発表の「平成25年簡易生命表の概況」サイト ⇒ http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life13/index.html へ行くと、発表された各種のデータ、グラフ等を閲覧することができる。 その中から、以下の表を掲載します――

平均余命表_厚生労働省2014年7月31日発表の「平成25年簡易生命表の概況」より平均寿命の年次数表_厚生労働省2014年7月31日発表の「平成25年簡易生命表の概況」より特定年齢まで生存する者の割合の表_厚生労働省2014年7月31日発表の「平成25年簡易生命表の概況」より

【更新8/3】猫を解剖..人を殺して解剖してみたくなり、我慢できなくなった⇒佐世保・高1女子殺害容疑者少女の狂気…酒鬼薔薇との類似性|冷蔵庫から猫の首みつかる!

更新8/3 記事追加「冷蔵庫から猫の首みつかる」】 <佐世保・高1女子殺害事件> 次々と明るみ出る容疑者少女の常軌を逸した動機。容疑者少女は「恨みはなかった」という、しかし、小動物解剖癖があり、それがエスカレートし「人を殺して解剖してみたい」という衝動を抑えられなくなかった。 酒鬼薔薇事件との類似性――神戸連続児童殺傷事件の犯人「酒鬼薔薇聖斗」の場合は祖母だけが頼りだった中学生がその死をきっかけに精神障害を悪化させ、狂気の連続殺人件を起した――一方、今回の容疑者の場合は、仲が良く頼りにしていた母親が2013年10月に膵臓ガンで亡くなった後の半年後に父親が再婚しようとした。その父親の寝込みを襲って金属バットで殴り、頭の骨や歯を折るなどの重傷を負わせていたりしている。結局、その弁護士をしているらしい地元名士の父親は5月に再婚する。精神障害を悪化させた状況は酒鬼薔薇事件との類似性を思い起こさせる。 以下、報道記事のクリップ――

“猫を解剖 人殺したいと思うように”と供述
(NHK 7月30日19時27分)

猫を解剖、人殺したいと思うようになった(NHK7月30日)長崎県佐世保市で高校1年生の女子生徒が殺害された事件で、逮捕された同級生の女子生徒は動機について、「猫を解剖するうちに、人を殺したいと思うようになり、我慢できなくなった」などと供述していることが、捜査関係者への取材で分かりました。また、被害者については「仲のいい友達だ」と供述しているということで、警察は、供述の内容について、慎重に捜査を進めるとともに、当時の精神状態についても調べることにしています。

今月27日、長崎県佐世保市のマンションの部屋で、15歳の高校1年生の女子生徒が死亡しているのが見つかり、被害者の同級生で、この部屋に1人で住む16歳の女子生徒が、殺人の疑いで警察に逮捕されました。

猫を解剖、人殺したいと思うようになった(NHK7月30日)画像2これまでの調べに対し、女子生徒は「人を殺してみたかった」という趣旨の供述をしていることが分かっていますが、その後の調べで、「猫を解剖するうちに、人を殺したいと思うようになり、我慢できなくなった」などと、動機について供述していることが、捜査関係者への取材で分かりました。また、被害者については「仲のいい友達だ」と供述し、特に取り乱した様子はなく、取り調べに応じているということです。

これまでの調べでは、2人の間にトラブルは確認されていないということです。 警察は、女子生徒の供述の内容について、慎重に捜査を進めるとともに、当時の精神状態についても調べることにしています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140730/t10013413921000.html

「ネコ解剖したり…人間で試したくなった」同級生殺害の女子生徒が供述
(サンスポ 2014.7.30 20:59)

長崎県佐世保市で同級生を殺害したとして逮捕された高校1年の女子生徒(16)が「ネコを解剖したり、医学書を読んだりしているうちに、人間で試したいと思うようになった」と供述していることが30日、捜査関係者への取材で分かった。「中学生の頃から人を殺したい欲求があった」と供述していることも判明した。

県警は女子生徒の家から医学に関する書籍を押収し、女子生徒の供述内容について慎重に捜査している。精神鑑定が必要との見方をさらに強めている。

また県警は、現場となった女子生徒の自宅マンションに近い市中心部の商店街から、防犯カメラの映像を押収した。

県警によると、女子生徒は事件前の行動について「(被害者と)一緒に買い物をした」と供述している。県警は映像を分析するなどして、2人の足取りを調べている。

関係者によると、県警が押収したのは、遺体が見つかったマンション近くにある、商店街の防犯カメラの映像。

周辺には多くの防犯カメラが設置されており、県警は商店街の関係者に依頼し、事件のあった26日の複数の映像をコピーした。

女子生徒の逮捕容疑は、26日午後8時ごろ、同級生の松尾愛和さん(15)の後頭部を多数回殴り、ひもで首を絞めて殺害した疑い。(共同)

http://www.sanspo.com/geino/news/20140730/tro14073020590014-n1.html

加害女子高生の「異常なサディズム的な傾向」 酒鬼薔薇事件との共通性を指摘する声
(Jcastニュース 2014/7/30 20:00)

長崎県佐世保市の殺人事件は、加害者の女子高生(16)が同級生を解剖したと報じられるなど、残虐な側面が浮き彫りになっている。専門家からは、1997年にあった神戸連続児童殺傷事件との共通性を指摘する声が出ている。

「ネコを解剖したことがあり、人間でもやってみたかった」。加害生徒は、長崎県警の調べにこう供述したといい、同級生は実際に、首や左手首ばかりでなく、胸から腹にかけても大きく切り開かれていたという。
人に苦痛を与えることに性的な興奮を覚える?

生徒は「恨みはなかった」とも供述し、同級生との具体的なトラブルも確認されていない。自宅マンションのベッドの上でこうした行為をしていたとみられ、証拠隠滅を図っただけとは言いがたいようだ。

その異常な行動には、予兆のようなことも度々起こっていたと報じられている。

小学6年生だった2010年12月には、同級生2人に「バカにされた」として給食に洗剤を混入させる騒ぎを5回も起こしていた。中学生時代には、小動物を解剖していたとされている。さらに、母親が13年10月に膵臓ガンで亡くなった後、再婚しようとした父親の寝込みを襲って金属バットで殴り、頭の骨や歯を折るなどの重傷を負わせていたという話もある。生徒は、その後の14年4月から、マンションで高校生としては異例の一人暮らしを始めている。

こうした行動については、神戸連続児童殺傷事件で「酒鬼薔薇聖斗」を名乗り当時14歳の男子中学生だった犯人と似ているとの指摘が多い。

当時の報道によると、中学生は、裁判で精神鑑定にかけられ、2つの精神障害の合併症だとされた。

それは、人や動物に対して攻撃的な特徴のある重症の「行為障害」と、人に苦痛を与えることに性的な興奮を覚える「性的サディズム」だ。行為障害とは、大人なら人格障害に当たり、人格が完成していない子供に使われる。

ネコ殺しなど異常行為の積み重ねが原因?

精神科医の町沢静夫さんは、今回の加害女子高生も、2つの精神障害を発症していたのではないかとみる。

「ネコを解剖したり、給食に洗剤を入れたりしたのは、行為障害に当たると思います。それを積み重ねることによって、殺すことに快感を覚える性的サディズムになったのではないでしょうか。女性には珍しいですが、酒鬼薔薇のケースと同じように、同性に対してもありうるはずですよ」

ただ、酒鬼薔薇事件では、精神病は認められず、責任能力はあったとされており、今回の加害生徒も同様ではないかとしている。

報道によると、生徒は、ハンマーなどの凶器を事前に購入しており、殺すことに計画性があった。「マンションで一緒にテレビを見るなどしていたら、我慢できなくなった」と供述しているともいい、最後まで同級生を殺すことへの葛藤がありながらも衝動を抑えられなかったようだ。

町沢さんは、生徒が母親を慕っており、「母親が亡くなって起こったことのショックが大きかったのではないか」と見る。酒鬼薔薇事件でも、祖母だけが頼りだった中学生がその死をきっかけに精神障害を悪化させたとされており、今回の生徒もその可能性があるとみている。

加害の対象が同級生に向いたのは、「親の愛に恵まれていた同級生に無意識のうちに嫉妬するなどしていたこともあったのでは」とも話している。

http://www.j-cast.com/2014/07/30211918.html

これまでの報道記事に関しては、以下のブログ記事を参照(タイトルをクリックでジャンプ)――

関連記事追加 8月1日】 ☛ <「女子生徒は人を殺しかねない」と精神科医が電話相談、6月に⇒相談を受けた「佐世保こども・女性・障害者支援センター」は相談を放置したのか? 何という事だ、高1女子殺害事件は防ぎ得た可能性が浮上してきた…> (8月1日01:00 スピンオフ投稿記事、記事タイトルはリンク済み)

続報 8月3日13:00】  佐世保高1女子殺害事件の容疑者少女の「猫の解剖」に関し続報が出てきた。 ナント、容疑者少女の自宅マンションの冷蔵庫から「猫の首」(頭蓋骨)が見つかっていた。 8月1日夜の朝日TV・報道ステーションで報道されたようだが、ネット配信記事では時事通信が8月2日に、また、東スポは今日(8月3日)その件を取り上げている。 この「冷蔵庫から猫の首」はやはり、酒鬼薔薇事件との類似性が高いことを示しているのではないか。 以下、記事の抜粋とキャプチャ画像――

  • 「冷蔵庫から猫の頭蓋骨みつかる」<佐世保高1女子殺害>_時事通信8月2日東スポ ☛ 発見時、女子生徒の遺体はベッドの上にあった。県警捜査1課の取り調べに対し、少女は被害者の後頭部を金づちで殴打し、犬をつなぐリード(ひも)で首を絞めたことや、のこぎりで遺体の一部を切断したことを淡々と説明。取り乱す様子はなく、謝罪や反省の言葉もないという。 「ネコを解剖したことがあり、人間でもやってみたかった」という趣旨の供述もあり、マンションの冷蔵庫からはネコの頭蓋骨が見つかった。 凄惨(せいさん)な行為にもかかわらず、少女が冷静に供述していることなどから、県警と長崎地検は家裁送致前に精神鑑定を行う前提で、慎重に捜査を進めている。(時事通信「整然と供述、見えない心=精神鑑定視野に捜査-逮捕から1週間・高1女子殺害」(2014/08/02-15:33) http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014080200193
  • 「冷蔵庫から猫の首みつかる」<佐世保高1女子殺害>_東スポ8月3日時事通信 ☛ 1日放送の「報道ステーション」(テレビ朝日系)によると、Aの自宅マンションを家宅捜索した結果、冷蔵庫から猫の首が見つかったという。これまでにAは「猫を解剖したことがあり、人間でもやってみたかった」と供述していたが、過去の話ではなく、事件直前まで猫を殺していた可能性が出てきた。 マンションは国道沿いにあり、路地を入ると野良猫がいる。だが「この辺りで猫の虐待があったとは聞いたことない。ただ、野良猫はたくさんいます」と周辺住民。特に夜になると野良猫の数は多くなる。殺したい欲求を抑えきれなかったということなのか。 (東スポ 「<佐世保高1殺害>疑問点だらけの「父親との確執否定」(2014年08月03日 09時00分) http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/296746/)

この事件は未然に防ぐことができた。 そのチャンスは今年に入ってからでも何度もあった――

  1. 容疑者少女A子がまだ中学生だった今年の3月にトンデモ弁護士であるバカ親父を金属バットで殴り怪我をさせた時 ―― トンデモ弁護士であるバカ親父は、これから結婚しようとしているので表ざたにしなかった。警察などに相談して適切な措置をとることをしなかった。
  2. 容疑者少女A子は4月に高校生となりマンションで一人暮らしを始めたことに対し、学校が1人暮らしに懸念を抱き親に忠告した時(時期は4月~5月と思われる) ―― トンデモ弁護士であるバカ親父は、新妻との生活を優先させ忠告を無視し、一人暮らしの娘を放置した。
  3. 容疑者少女A子を診察していた精神科医がA子が「危険な状態」にあり何か大変な事をしでかす可能性があるとA子の両親に伝えた時(5月~6月と思われる) ―― トンデモ弁護士であるバカ親父は新妻との新生活で頭が一杯で医師の言葉を無視し、一人暮らしの娘を放置状態を続行。
  4. 容疑者少女A子を診察していた精神科医が児童相談所に相談し、「人を殺しかねない」と伝えた時(6月10日) ―― トンデモ弁護士であるバカ親父の娘の事だとピンときたはずだが、佐世保の名士・弁護士との今までの経緯があり、医師の相談に対し適切な対処をしなかった。

以上のように今年に入ってからでも少なくとも4度、決定的なチャンスがあったはずだ。 そのうち、3度はトンデモ弁護士であるバカ親父の自己中心性によってチャンスを逸している。 そもそも、自分の妻が昨年の10月に亡くなってから時を置かずに婚活ざんまいに走ったトンデモ弁護士・バカ親父である。 元々おかしい娘の精神状態がさらにおかしくんったのもバカ親父にせきにんがある。 そして、この事件を未然に防ぐチャンスを今年に入って少なくとも3度潰したのもこのバカ親父である。 死ななくてもいい15歳の少女が一人死んでいるのである、それも凄惨な方法で…..。 。 何と弁明しようとも、バカ親父の責任は万死に値する。

マスコミはこの事件を報道しなくなるだろう。 その兆候は既に表れている。 別途、ブログ投稿してさらにこの事件を追う。

無縁化、さまよう墓<不法投棄続々、墓の墓も>⇒とんでもない事が起きている、なぜ? 少子化で墓主不在、過疎化が進み各地で無縁仏となった墓が撤去されている。 他人事ではない、そのうち我が身に起きうる事だ…

「無縁化、さまよう墓<不法投棄続々、墓の墓も>」は今日の朝日新聞の一面を飾った記事だ。兵庫県南あわじ市の推定1500トンに及ぶ墓石の不法投棄現場の写真は衝撃的だった。これが、少子高齢化と社会構造が急速に変化した日本の現実なのか!現実は予想を超えて急速に進んでいる。 そのうち日本国中に無縁仏化した墓が溢れるかもしれない。 「またさか~」と思っているなら、甘い! 例えば、いま問題になっている「空家問題」を考えると「無縁仏化する墓」問題と表裏一体だと分かる。 今、日本の空家率は全国平均で13.5%だ、すなわち10軒に1軒が空家だ。 最も空家率の高い山梨県の場合は22%だ、5軒に1軒が空家なのだ。 これも少子高齢化と地方の過疎化、人口移動の首都圏一極集中化の結果だ。 地方に住む人がいなくなり、地方は無人化して行く、そして先祖代々の墓でさえも無縁仏となって行く…それが、今の日本で急速に起きている現実なのだ。 前置きが長くなりましたが、朝日新聞一面の記事と二面に掲載された記事をクリップして、会えぬ君に伝えたい――

無縁化、さまよう墓_兵庫県南あわじ市の推定1500トンに及ぶ墓石の不法投棄現場_画像2無縁化 さまよう墓 … 不法投棄続々、「墓の墓」も
(朝日新聞朝刊1面 7月30日)

無縁化、さまよう墓(朝日新聞7月30日)先祖代々受け継がれてきた墓が受難の時を迎えている。墓守が絶えた無縁墓から撤去された墓石は、慰霊の場を離れ、さまよう。人里離れた山中に“墓の墓”が現れ、不法投棄も後を絶たない。

高松市のJR高松駅から車で30分の山中に“墓の墓”がある。約1ヘクタールの空き地にコンクリートで固めた最大幅100メートル、高さ15メートルの扇状の巨大なひな壇が設けられ、壇上に墓石1万基が並ぶ。

「古石材預り所」と称する管理者(52)によると、中四国や関西の寺から撤去された墓石を石材店などの業者が持ち込んでくる。家庭の事情で墓を引き払い不要になった墓石のほか、無縁墓もある。1基1万円で受け入れ、最近は年300基ほど集まる。クレーン機で石を整然と並べ、定期的に雑草をとる。「ここ数年でどんどん増えている。もうけはないが、やめたくてもやめられない」。まだ9万基収容できるという。

一方、不法投棄された“墓の山”もある。兵庫県南あわじ市の山中には推定1500トンの墓石が山積みにされ、山の頂は高さ4メートルに達する。6月半ば、県淡路県民局の職員3人が墓石に合掌しながら現場を見て回った。

「比較的新しい墓もある。墓碑銘から、代々にわたり大切にされてきたんだろうなと思わせる墓もあります」。県民交流室の小塩浩司環境参事は言う。

2008年に廃棄物処理法違反容疑で逮捕・起訴された石材処理業者は、墓石の処分を安く請け負い、破砕などの適正処理をしないまま淡路島に捨てていた。県は撤去するよう指導するが、ほとんど手つかずのままだ。

墓石の不法投棄は昨年も広島県、京都府内で見つかり、ここ5年の間に茨城、千葉、兵庫など各県で業者が逮捕されている。

不要になった墓石は通常、寺や霊園、石材業者が預かるか、処理業者が破砕処分する。だが別の方法をとる業者は少なくない。関東の石材店の社長は「破砕には手間と金がかかる。たたりを恐れて処分しない業者もいる」と話す。

無縁墓はどれほどあるのか。全国的な調査はないが、熊本県人吉市は昨年、全国でもまれな市内の全墓地995カ所の現況調査をした。

人口はこの10年で1割減り3万4500人。65歳以上が32%を占める。「墓が雑草に埋もれている」「墓石が転げ落ちている」。近年増え始めた市民の相談を受け、役場はまる1年かけて、明らかに長く人の手が入っていない墓を拾い出した。

「結果は想像以上でした」。市環境課の隅田節子課長補佐は言う。市内の墓1万5123基の4割超、6474基が無縁墓だった。8割が無縁の墓地もあった。「市として何ができるか。知恵を絞りたい」。妙案はすぐには浮かばない。(才本淳子)

少子化、墓守が不在 過疎進み、各地で撤去
(朝日新聞朝刊2面 2014年7月30日)

少子化、墓守が不在_過疎化進み、各地で無縁墓を撤去_(朝日7月30日)都市部への人口流入と地方の過疎化、少子高齢化、未婚化。社会の急激な変容が墓の荒廃を加速させる。自治体は無縁墓の撤去を進める一方、血縁に頼らない新たな墓のかたちを模索する。

大阪市平野区の市設瓜破(うりわり)霊園。雑草に覆われた墓前に「大阪市管理地」の立て札が立つ。市が無縁墓と判断し、市の裁量でいつでも撤去できる墓であることを示す。墓石に刻む被葬者の没年は「平成十三(2001)年 行年九十」とあった。

市は管理料を滞納している墓の継承者に連絡を試み、死亡などで絶えていれば親類縁者に管理を打診。それでも継ぐ人が現れなければ官報と墓前に「無縁墳墓等改葬公告」を出し、1年間待って“撤去可”の断を下す。

大阪の市営墓地は管理料の滞納が膨らみ、13年度の滞納額は5年前より4割増の約900万円。1993年から始めた無縁墓の撤去は4095区画に上り、遺骨は敷地内の「無縁塔」に移した。「できるだけ継承者を探す。しかしいつまでも放置するわけにいかない」(市事業管理課)

東京都も2000年から都立霊園の無縁墓の調査・整理を進めている。12年度は1億3千万円かけて約350基を撤去。この5年で約千基整理した。

無縁墓の有無と対応(東京都と43都道府県所在市の公営墓地)_地図朝日新聞社が東京都と道府県庁所在市の計47自治体にアンケートしたところ、44自治体が公営墓地を持ち、うち32自治体が無縁墓があると回答した。このうち無縁墓を撤去している自治体は19。12年度に盛岡、和歌山、13年度には静岡と奈良の各市が始め、撤去自治体は年々増えている。

国内の墓地に占める公営墓地は3・5%。大半は民間霊園や寺が管理するが、墓の問題に詳しい第一生命経済研究所の小谷みどり主任研究員は「公営も民営も無縁化の傾向は同じ。需要がある墓地は新たな使用者のために無縁墓の撤去を進める。需要がない墓地はそのまま荒れ果てていく恐れがある」と指摘する。

継承前提「時代に合わず」

「墓は社会のありようを映し出す」。墓と社会の関係を研究する京都女子大の槇村(まきむら)久子客員教授(環境デザイン学)は言う。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、人口に占める65歳以上の高齢化率は2025年には3割を占め、団塊の世代は75歳を超え「多死時代」が到来する。一方で未婚化が進み、中高年を中心に35%が単身世帯となる。過疎化も劇的に進む。民間研究機関「日本創成会議」は、40年までに全国896自治体が「消滅可能性都市」になると予測する。

「つまり墓を継ぐ子がいない独り身の死亡者が増え、特に過疎地では墓を世話する人そのものがいなくなる」(槇村さん)

日本の墓は長く子孫が守り継いできた。民法は「祖先の祭祀(さいし)を主宰すべき者が承継する」と定める。しかし茨城キリスト教大の森謙二教授(法社会学)は「継承を前提とする墓のシステムは時代に合わなくなり、対応できない事象が起きている」と指摘する。

永続的管理を研究/血縁離れ合葬も

親から子へ、子から孫へ受け継ぐ墓のありかたが、見直しを迫られている。

2012年の熊本県知事選で、蒲島郁夫知事は2期目のマニフェストに「公的な新たな形の霊園のあり方についての研究」を掲げた。

「それぞれに宗教観や死生観があり、墓は個人の問題」と県議会から反対の声があったが、知事は「死後に墓がどうなるのか、不安を抱く人が増えている」とこだわった。

6月、熊本県庁に集まった県内45市町村の墓地管理担当者を前に、県の担当者が永続的な墓地管理の仕組みや支え手の創出に取り組む必要を訴えた。「介護と同じように福祉として墓の不安を解消し、熊本らしい墓のあり方を考えたい」

聖徳大学の長江曜子教授(墓地、葬送研究)は「これまで行政は土葬のなごりで伝染病を防ぐなど、公衆衛生の視点で墓の施策を進めてきた。それを熊本は人間の尊厳を尊重する福祉として捉えようとしている」と評価する。

血縁の有無にかかわらず不特定多数の人を埋葬する「合葬墓」を設ける自治体も増えている。朝日新聞のアンケートでは東京都と11の道府県庁所在市が公営墓地に整備していた。

都立小平霊園(東村山市)に11年度整備された合葬墓は、木々の下に1万人の遺骨を埋葬できる。12年度は500人分の募集に16倍の申し込みが、昨年度は1600人分の募集に10倍の申し込みがあった。高まる需要に、13年度には都立八柱霊園(千葉県松戸市)に10万人埋葬できる巨大墳墓を整備した。大阪市も10年度に市設瓜破霊園(平野区)に合葬墓を設置。2万4千人埋葬でき、現在956人が眠る。(才本淳子)

盗んでも食べたい<土用の丑の日の『うな重』>、容疑者「食べたかった」⇒「ニッポンが世界のウナギを食い尽くす日」=土用の丑の日

国産ウナギの「うな重」の万引きで、茨城県境町の43才・無職の女が29日、窃盗の疑いで現行犯逮捕された。中国産より値段の高い国産を食べたかったそうだ。 盗んでも食べたいウナギ――日本人はウナギを食い尽くすのか? 日本は、世界のウナギ消費の7割を占めるとされる。 日本人はウナギの生息数が回復するスピードを超えて取り、食べ続けてきた。 漁獲量が明確に落ち込んだ1980年代以降、日本人の胃袋は、その代替をヨーロッパウナギなど異種の海外からの輸入に求め、輸入ウナギをパック詰めした冷凍かば焼きが大量に出回るようになった。その結果、ヨーロッパウナギが2009年にワシントン条約で国際取引の規制対象になり、今は、代わりの輸入先を東南アジアなどに求める業者が現れ、ビカーラウナギなど別のウナギの減少も招いている。

国内のシラスウナギ(稚魚)の年間漁獲量のグラフ以下は「うな重」窃盗現行犯逮捕を伝える朝日の記事、そして日経の記事「ニッポンが世界のウナギを食い尽くす日」のクリップ記事――

土用の丑にうな重盗んだ疑い 容疑者「食べたかった」
(朝日新聞 2014年7月29日18時29分)

土用の丑にうな重盗んだ疑い 容疑者「食べたかった」(朝日新聞7月29日)スーパーマーケットからうな重などを盗んだとして、茨城県警境署は29日、境町の無職の女(43)が窃盗の疑いで現行犯逮捕されたと発表した。「土用の丑(うし)の日なのでウナギが食べたかった。中国産より値段が高い国産を盗んだ」と容疑を認めているという。

署によると、女は29日午後1時20分ごろ、茨城県境町のスーパーマーケット「カスミ境店」の総菜コーナーからうな重(2246円)や、から揚げ、コロッケなど計42点(総額8945円)を万引きした疑いがある。着ていた薄手のパーカの中で抱きかかえるようにして商品を隠しており、様子を見ていた警備員の女性(53)に店内から出たところで取り押さえられたという。

http://www.asahi.com/articles/ASG7Y5V63G7YUJHB020.html?iref=com_rnavi_srank

ニッポンが世界のウナギを食い尽くす日_画像1ニッポンが世界のウナギを食い尽くす日
(日経 2014/7/7 7:00)

7月29日の土用の丑(うし)を前にウナギ消費が盛り上がってきた。ここ数年続いた稚魚の不漁で価格が高騰したが、漁獲高が回復した今年は安くなる可能性が出てきたのだ。一方でニホンウナギが絶滅の恐れがある「レッドリスト」に指定され、「ウナギ消費大国」ニッポンへの世界の視線は厳しくなっている。不漁、回復、絶滅危機――。いったいウナギに何が起きているのか。ニッポンはウナギを食べ続けることができるのか。

今年限りの活況?

東京・北千住の目抜き通りにあるうな丼チェーン店「名代 宇奈とと」。昼時になるとサラリーマンや周辺住民でごった返す。なれた手つきでかば焼きをあぶる店員。煙と香ばしいにおいは、店内だけでなく外へも流れ、道行く人の食欲を刺激する。

大半の客のお目当ては一杯1000円(税込み)の「うな丼ダブル」。肉厚のかば焼きが2つ乗っている。7月上旬、東京電機大学の男子学生4人が奥のボックス席を陣取っていた。「2週に1回は来ている。仕送りの身で1食1000円はつらいが、やめられない」

さらに50メートル先に進むと、今度は「すき家 北千住西口店」が掲げる「うな牛」の大きなポスターが目に入ってきた。ウナギのかば焼と牛丼の具が相盛りになっており、価格は1杯830円(税別)。近くの会社に勤める20代の女性は、この弁当を5、6個注文していた。「今日は部長のおごりなんです」とうれしそうだ。

こうしたチェーン店のうな丼の価格は、おおむね700~1000円と牛丼の並盛りの2倍以上もするが、この時期になると客足は途絶えない。先安観にもかかわらず、「今シーズンのウナギの調達は既に終えているので、今から値段を変えることはない」(吉野家)と強気でいられるのも、日本人のウナギ好きに支えられてのことだろう。

ニッポンが世界のウナギを食い尽くす日_画像2一方、首都圏のスーパーではゴールデンウイーク頃から1匹1000円前後の中国産かば焼きが目立ち始めた。店によっては前年の半額に近い。稚魚であるシラスの漁獲量の回復でウナギ卸値の下落が続いているためだ。

ウナギ料理専門店も笑顔を取り戻している。昨年までは、うな重2000円を4000円、5000円を1万円にするような大幅な値上げをしてきたが、それでも原料ウナギの高騰に追いつけず、老舗の廃業が相次いでいた。「相場が落ちつけば、ようやく正常な商売ができる」。福岡県北九州市の人気店「田舎庵」社長の緒方弘は期待を寄せる。

だが、この活況は一時的なものに終わる可能性が高い。東アジア全域に生息する種、ニホンウナギ。そして、欧州全域に生息する種、ヨーロッパウナギ。日本人が食べる「二大ウナギ」が絶滅の瀬戸際にあるからだ。

ニッポンが世界のウナギを食い尽くす日_吉野川のシラスウナギ漁の様子_画像3淡水と海水を行き来するウナギの生態は謎が多い。ニホンウナギの場合、産卵期になると川を下り北西太平洋のマリアナ諸島周辺の海嶺(かいれい)に向かうとされる。海で生まれた稚魚はシラスと呼ばれ、初冬から春先にかけて川へ遡上してくる。漁師はそれを網ですくい、問屋を通じて養殖業者に売る。育ったウナギは再び問屋を通じてスーパーや料理店、かば焼き加工業者などに出荷され、消費者の口に届く。

川で捕らえる天然ウナギは数が限られる。水産総合研究センター増養殖研究所の研究グループが2010年に完全養殖に成功しているが、商業ベースに乗せるにはほど遠い。つまり、シラス漁の出来不出来が、ウナギ相場全体を左右する。

法外な値段をふっかけた仲介業者

ニホンウナギのシラス漁が変調をきたしはじめたのは2010年ごろ。ピーク時には川に遡上するシラスをバケツで簡単にすくえるほどだったが、魚影が見にくくなる日が増え、量の確保に苦労するようになった。深刻な不漁に陥ったのが11年末で、翌12年からかば焼きやうな丼の値段がぐんぐん高くなったのは記憶に新しい。

漁師と養殖業者の間をつなぐ一部のシラス仲介業者にとっては千載一遇のチャンス。海外でとれたシラスを扱う華僑は足元を見てべらぼうな値段をふっかけた。「以前は国内のシラス問屋の口銭は1キロ10万円が相場だったのに、最近までは50万円もサヤを抜いていた」(東京・築地市場の仲卸店)

慌てた環境省は13年2月にニホンウナギを絶滅危惧種に指定したが、有識者からは「もう手遅れ」との声が漏れる。

昨年秋に始まったシラス漁は一転して「捕れすぎ」の状況にかわったが、絶滅の危機が去ったと考える関係者はほとんどいない。ウナギ研究の第一人者、日本大学生物資源科学部教授の塚本勝巳は「海水温の変化で太平洋海域での産卵場所が北上し、アジアに向かう潮の流れにシラスが乗りやすくなったのが影響したのではないか」と話す。

なぜ絶滅の危機に陥ったのか。環境汚染や気候の変化が一因と考えられているが、それらを上回る大きな要因は日本人の胃袋を満たすためのシラスの乱獲だ。

江戸時代中頃に活躍した学者、平賀源内が夏場のウナギ販売キャンペーンとして「本日丑の日」の貼り紙を思いついたとのエピソードからも分かるとおり、ウナギは古くから日本人に愛されてきた。ただ、健康食品やハレの日に食べる高級食材としての位置づけが長く、日常の食卓に上がる食材として大量消費されるようになったのは本格的な養殖技術が定着した1980年代以降のことだ。

90年代には、コストを抑えるために中国や台湾で養殖し、活ウナギや加工かば焼きとして日本に輸出する流通経路が確立。スーパーでのかば焼きの特売が増え、外食チェーンやコンビニエンスストアが500円以下の「ワンコインうな丼」を取り扱うようになったのもこの頃だ。中国産かば焼きが100円ショップで売られたこともあった。

だが、こうした消費の裾野の広がりが、シラスの買いあさりに拍車をかけた。当時、日本で捕れるニホンウナギのシラスは毎年20トン前後だったが、アジア各地や欧州からもかき集め、2000年前後にはシラス150トン相当のウナギが日本で消費されたこともある。

欧州や中国でもウナギは食べられるが、食材の1つや郷土料理の一品としてであり、ウナギだけで何千もの専門店が経営できるのは日本だけ。業界推計などによると、世界のウナギ消費量の7割を日本が占める。欧米での健康志向や中国の消費拡大などで需給がタイトになっているマグロ類、牛肉、乳製品などとは話がちがうのだ。

さらに、ここを稼ぎ時とみた関連業者の暗躍も資源枯渇に拍車をかける。近年の相場高騰と今春の大幅下落には、一段の高騰を当て込んでシラスを高値で売買した結果という側面もある。

密輸業者が暗躍

例えば昨シーズン(12年12月~13年5月)、日本では13トン弱のシラスが養殖池に入ったが、水産庁の資料によるとその6~7割は輸入物だ。貿易統計をみると輸入元は香港だが、香港ではシラスは捕れない。これはどういうことか。

水産庁は「中国や台湾で捕れたシラスが香港経由で日本に入ってきていると考えられる」と認める。中国、台湾ではシラスの輸出を禁じているため、規制のない香港が経由地となったわけだ。事情通の市場関係者が手口を明かしてくれた。「飛行機に比べてチェックの甘い船で香港まで持ち込むことが多い。中には洋上で引き渡すケースもある」

ニッポンが世界のウナギを食い尽くす日_画像4こうした不透明な取引で絶滅の縁に追いやられているのは、ニホンウナギだけではない。ヨーロッパウナギも厄災を被っている。

ニホンウナギより割安なヨーロッパウナギは90年代、欧州から中国にシラスを輸出して養殖し、成魚を日本へ輸出する供給網が確立。コンビニや外食チェーンの格安うな丼を支えた。その結果は、乱獲による絶滅の危機の深刻化。国際的な商取引を規制するワシントン条約の対象になり、2010年12月以降、欧州からのシラスの輸出は禁止されている。

ということは、欧州から中国、そして日本へという経路は途切れたはずなのだが、実態はそうなっていない。東京都内のウナギ輸入業者は「ヨーロッパウナギのシラスは、欧州からモロッコやチュニジアを経由して今も中国にやってきている」と明かす。ニッポンの胃袋を当て込んだ密輸が絶えないのだ。

密輸の実態を裏付ける調査がある。北里大学海洋生命科学部講師、吉永龍起は昨年、大手スーパーや弁当店、外食チェーンで流通するウナギのDNAを解析した。13社23商品のかば焼き製品のうち、すき家、吉野家、イトーヨーカドーなど8社が扱う9製品の原料がヨーロッパウナギとの結果が出た。さらに今年の調査では、吉野家の製品はヨーロッパウナギとアメリカウナギが混在していることが分かったという。

表向きは「10年12月より以前に中国に入ったシラスがようやく食べられる大きさになった。ワシントン条約の対象になる前なのだから問題ない」との理屈が成り立つが、養殖期間がすべて3年以上というのは不自然に長い。スーパーや外食チェーンはウナギの流通経路を完全に把握しているわけではないので、「善意の第三者」とも主張できるだろうが、結果としてはウナギ希少種絶滅の一端を担っていることになる。

前年の4倍に達した養殖池のシラス

こうした不透明な取引に一時的なシラス漁の回復も相まって、今春までに日本とアジアの養殖池に入ったシラスの量は実に前年の4倍に達した。需給逼迫が供給過多に変わったのだから、相場下落は当然の流れ。活ウナギの価格は5月下旬から下落に転じ始め、その後の1カ月で約2割も安くなった。さらに、土用の丑に向かって相場は下げ足を速めている。この日を過ぎると値下がりに拍車がかかるため、養殖業者はできるだけ早く出荷してしまいたいのだ。東京都内の活ウナギ問屋は「今出回っているのは成長が十分でない細いウナギばかり」とこぼす。

高値で仕入れたシラスを育てたウナギの相場が下がれば養殖業者は逆ざやになる。これはシラス不漁期に暴利をむさぼった一部のシラス仲介業者にとっても困った展開だ。

「多くの仲介業者はシラスを売った養殖業者のウナギを買い戻して流通させている。近年はシラスの仕入れ費用を融資していたケースも多く、ウナギの値段が下がると資金が回収できなくなる恐れが出てくる」(愛知県のウナギ問屋)。ウナギの高値を前提にした取引があだとなったわけだ。

6月12日、世界の科学者らで組織する国際自然保護連合(IUCN)がニホンウナギを絶滅の恐れがある野生動物(レッドリスト)に指定した。2年後にはワシントン条約によって輸入禁止や輸入規制の対象になる可能性が高いとされる。世界のウナギをかき集め食い尽くそうとするニッポンへの警告とも読める。

ウナギに安値を求める時代は終わったようだ。「ウナギを食べるのは特別な日」――。以前のように、ハレの日の高級食材に回帰することが、資源確保と食文化を両立させる現実的な選択肢かもしれない。=敬称略

(吉野浩一郎、黒井将人、石塚史人)

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK04H0H_U4A700C1000000/