<AIJ浅川社長、ITM西村社長ら4人、19日に逮捕>1000億円以上の資産を消失させたAIJ問題は刑事事件に発展…

AIJ投資顧問(東京都中央区)による企業年金消失問題で、顧客の厚生年金基金などから受託した資産をだまし取った疑いが強まったとして、警視庁捜査2課は18日、同社の浅川和彦社長(60)と傘下のアイティーエム(ITM)証券の西村秀昭社長(56)ら4人について、詐欺容疑で逮捕状を取った。19日に逮捕する。1000億円以上の資産を消失させたAIJ問題は刑事事件に発展することになった。▼捜査関係者によると、浅川社長らは、ITM証券を通して年金基金に虚偽の運用実績を示し、実際の価値より水増しした価格で私募投資信託を販売。二つの顧客から昨年新規に受託した計50億円を超える資産を運用に回さずだまし取った疑いがもたれている。▼証券取引等監視委員会のこれまでの調べでは、浅川社長らは03年3月期?昨年3月期に92の年金基金などから1458億円を受託。デリバティブ取引の失敗などにより、昨年3月期までに純資産額は251億円に減っていたが、顧客には虚偽の運用実績に基づき資産が2090億円に増えているように見せかけていた。この虚偽実績を、価格の水増しに利用していたとされる。(毎日 2012年06月19日 02時30分 http://mainichi.jp/select/news/20120619k0000m040141000c.html

AIJ社長ら19日にも逮捕 年金消失、詐欺などの疑い
(日経 2012/6/19 1:04)

AIJ投資顧問(東京・中央)による年金消失問題で、警視庁捜査2課などは18日、同社の浅川和彦社長(60)、傘下のアイティーエム証券の西村秀昭社長(56)ら計4人を19日にも詐欺などの疑いで逮捕する方針を固めた。1千億円を超える年金資産が失われ、企業年金の信頼を揺るがしたAIJ問題は大型詐欺事件に発展する見通しになった。

警視庁は東京地検特捜部や証券取引等監視委員会と連携し、AIJが顧客の年金基金と契約した経緯や資金の流れなどの解明を進める。

捜査関係者によると、AIJは2009年以降、顧客と結んだ契約の大半で受託資産を運用せず、解約を求める基金への払戻金に充てる自転車操業に陥っていた。警視庁は遅くとも同年春にはAIJが実質的に経営破綻したとみており、浅川社長が運用の意思や能力がないのに顧客から資金を集めた行為が詐欺容疑にあたると判断した。

浅川社長らは東京都内のメーカー系年金基金や信越地方の中小企業でつくる基金に嘘の運用実績などを示して、数十億円をだまし取った疑いが持たれている。

浅川社長は衆参両院の証人喚問などで、03年ごろから損失が出始め、虚偽の運用実績で勧誘してきたことを認めたが、「だますつもりはなかった」として詐欺の犯意を否定。警視庁などの任意の事情聴取にも同様の供述をしたとみられる。

監視委は3月、金融商品取引法違反(契約に関する偽計)容疑でAIJ本社や傘下のアイティーエム証券を強制調査。警視庁は顧客などから事情を聴き、契約時の状況や浅川社長の認識について解明を進めてきた。

監視委や警視庁のこれまでの調べで、AIJが自転車操業に陥った09年春以降の新規契約は少なくとも550億円に上り、同社は大半を運用していなかったことが判明している。残余資産は90億円にとどまり、資産を預けた年金基金は巨額の損失処理を迫られた。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1804C_Y2A610C1MM8000/?dg=1

1つのファンドに利益集中 好成績装い集客か
AIJ社長
(日経 2012/6/19 1:04)

AIJ投資顧問(東京・中央)による年金消失問題で、同社の浅川和彦社長(60)が顧客の年金基金から預かった資金を運用していた14のファンドのうち、新規顧客の募集に使う1つのファンドに利益を集中させていたことが18日、捜査関係者への取材で分かった。証券取引等監視委員会や警視庁は顧客に運用が好調なように見せかけるための工作だった疑いがあるとみている。

捜査関係者によると、AIJは2002年に設立した外国投資信託「AIMグローバルファンド」の下に14のファンドをつくり、それぞれが金融商品の先物取引などに投資して利回りを確保する運用手法を採用。これらのファンドの販売はAIJ子会社のアイティーエム証券が手掛けていた。

浅川社長らは新規顧客を受け入れるファンドをその都度、指定。グローバルファンド名義で保有する金融商品のうち、含み損が出たものをほかの13のファンドに買い取らせ、含み益が出たものだけを新規顧客向けのファンドに集中させていたという。

ファンドが保有する金融商品などの資産の時価を示す「基準価格」は香港の信託銀行が把握。新規顧客がアイティーエム証券に口座を開いてファンドに資金が入ると、信託銀行から同証券に基準価格が通知されていた。

含み損をほかのファンドに買い取らせる工作の結果、グローバルファンド全体では巨額の運用損が発生しても、新規顧客向けのファンドだけは好調な運用が続いていると見えるようになっていた。

衆参両院での証人喚問などで浅川社長は「実際にはグローバルファンド設立直後から運用損の発生が続いていた」と証言している。警視庁などは浅川社長らが、新規顧客専用のファンドに利益を集中、このファンドの基準価格を調整し、勧誘時に成績が良好なように見せかけていたとみている。

浅川社長は4月24日に開かれた参院財政金融委員会の証人喚問で、特定のファンドに利益を意図的に集中させた目的を問われ「訴追の恐れがあるので答えられない」と答弁している。新規顧客専用のファンドへの利益集中はAIJが実質的に破綻したとされる09年春ごろまで続いていたとみられる。警視庁などはその後、浅川社長が顧客から預かった資金をどのように扱っていたかについても捜査を進める。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1802Y_Y2A610C1CC1000/

AIJ社長、破綻状態で利回り約束「絶対のリターン」
(日経 2012/6/18 14:35)

AIJ投資顧問(東京・中央)による年金消失問題で、同社の浅川和彦社長(60)が年金基金に投資信託を売り込む際、「絶対リターン商品」などと確実に利回りが得られるかのような勧誘をしていたことが18日、捜査関係者への取材でわかった。こうした勧誘は問題が発覚する直前まで続いていたという。

警視庁捜査2課は2009年春にはAIJが実質的に破綻状態にあり、新規客の資金を運用に回さず、解約金に充てていたとみている。浅川社長が運用の意思がないのに、基金から資金を集めていた行為が詐欺にあたると判断。浅川社長らについて詐欺容疑などでの強制捜査に向け、詰めの捜査を進めている。

捜査関係者によると、浅川社長は06年以降、関東地方のメーカー系企業年金基金を訪れた際、自ら運用実績を水増しした虚偽の運用成績を説明。「絶対のリターンが得られる」などと契約を促していたという。

この基金は06~11年までの間に、複数回にわけて計約10億円の投資一任契約をAIJと結んでいた。問題発覚後、大部分が消失していることが判明し、すでに全額を損失処理した。この基金の担当者は取材に対し「まことしやかな説明を受け、期待利回りが高かったので選んでしまった」などと話している。

浅川社長らは経営破綻状態に陥ったとされる09年春以降も同様の営業方法を続けていたという。AIJの09年以降の新規契約は少なくとも550億円に上るとみられる。顧客と結んだ契約の大半で受託した資産を運用せず、別の顧客の払戻金に充当する「自転車操業」を続けていた。

これまでの調べなどによると、浅川社長は年金基金に水増しした虚偽の運用実績を提示し、資金をだまし取った疑いが持たれている。浅川社長は「だますつもりはなかった」などと詐欺の認識を否定しているという。

AIJを巡っては、証券取引等監視委員会が今年3月、金融商品取引法違反(契約に関する偽計)容疑で強制調査。捜査2課は、浅川社長らからすでに任意で事情聴取したほか、同社と投資一任契約を結んだ厚生年金基金の担当者からも説明を求めている。傘下の「アイティーエム証券」の西村秀昭社長(56)ら数人の立件の可否について、近く最終判断するとみられる。

http://s.nikkei.com/Lswwpy

<AIJの海外資産返還へ、82億円を国内信託銀に移管>英大手銀行HSBCがAIJが凍結資産の返還に応じるようだ、しかし分配方法を巡り基金の間で調整が難航しそう…

久々にAIJ問題の報道があった。 英大手銀行HSBCがAIJが凍結資産の返還に応じるようだ。 分配方法は被害を受けた89の年金基金と2つの一般法人でつくる意思決定機関で協議するようだが、分配方法を巡り調整が難航しそうだ。

AIJの海外資産返還へ 82億円を国内信託銀に移管
(中國新聞 ’12/6/2)

AIJ投資顧問による年金消失問題で、海外のファンドなどに残された約82億円の年金資産を国内に移管し、早期返還を進める方向で関係者が基本合意したことが1日、分かった。6月中旬にもファンドに対する権利をAIJ傘下のアイティーエム証券(ITM)から三井住友信託銀行に移して資産を保全、混乱の長期化を回避する。

関係者によると、AIJが年金資産を運用した「AIMグローバルファンド」の資産を管理する英金融大手HSBCは、ファンドの名義人で行政処分を受けているITMへの返還を拒否しており、計82億4千万円の年金資産が凍結状態にあった。

今回、AIJと投資一任契約を結ぶ年金基金などすべての投資家の合意を条件に、HSBCが三井住友信託を「受け皿」として資産を返還する意向を固めたことで、返還に向けた動きが加速するとみられる。

今後、年金基金の代理人を務める弁護士らが、投資家の合意取り付けを急ぎ、実際に資産を国内に移した上で、すべての投資家の意向を踏まえ具体的な返還額などを決定する方針だ。

資産の返還をめぐっては、AIJが運用損を隠すため、複数のファンド間で不正な資産の付け替えを繰り返していたとされ、基金ごとの損失を確定させるのが困難な状態。今後、投資家の合意が得られるかが焦点になる。

AIJは預かった1458億円のうち、デリバティブ(金融派生商品)取引で1092億円の損失を出すなど年金資産の大半を消失した。警視庁が事情聴取を開始しており、金融商品取引法違反(契約の偽計)容疑のほか、詐欺容疑での立件の可否を検討するとみられている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201206020093.html

AIJ資産回収に着手 直前解約の扱い焦点
「不正利得」返還訴訟の動き
(日経 2012/6/2 2:00)

AIJ投資顧問による年金消失問題で、厚生年金基金などがAIJに残っている海外の資産の回収に乗り出す。規模は現預金など約100億円。海外の銀行が管理する資産を日本の信託銀行に移す枠組みがまとまり、それを年金基金に分配する。一方、問題が表面化する直前に急いで解約し資金を引き揚げた基金から回収が進められるかどうかが今後の焦点だ。

厚生年金基金や企業年金基金がAIJに預けた2千億円の大半は運用の失敗で消失した。多額の資産を失った基金は、わずかに残る約100億円を巡り弁護士を通じて回収の交渉をしてきた。

このほどAIJが海外で運用していた「グローバルファンド」を管理する英金融大手HSBCから、三井住友信託銀行がつくる「受け皿信託」に資産を移すことで合意した。受け皿信託は年金基金への分配が終わるまで、資産を保全する役割を担う。

残る資産の内訳は円やドル建ての現預金80億円と、株式などで海外のファンドの持ち分20億円。分配方法は被害を受けた89の年金基金と2つの一般法人でつくる意思決定機関で協議する。早期の返還を求める点では一致しているが、分配方法を巡り調整が難航する可能性もある。

資産を失った年金基金は、解約で流出した多額の資金に関しても回収を目指す。AIJは総額約700億円の解約請求に対し高い利回りを上乗せして資金を返還していた。実際は高利回りは虚偽で、新規の契約や継続で得た顧客の資金を返還資金に流用していた。

事件直前に一部の基金が資金を解約していた。一部の年金基金の間では解約を通じた資産の流用を問題視し「不正利得の返還を理由に訴訟を起こすべきだ」との声が上がっている。訴訟の準備に入る動きもみられる半面、回収が可能かどうかの判断は不透明だ。

巨額の運用詐欺が明らかになった米マドフ事件では管財人が、不当な利益を上げたとしてヘッジファンドや金融機関などを相次ぎ提訴した。著名な個人投資家が6億ドル超の返還で和解した例はあるが、多くの訴訟が続いている。

被害を受けた基金では積み立て不足など深刻な財政事情が目立ち、回収額を少しでも多くしたいのが本音だ。一方でAIJの不自然な運用に疑問を感じて、自らの判断で解約した基金もある。どこまでが不正な利益と判定できるかは線引きが難しい面もある。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0102T_R00C12A6EE8000/

<AIJ年金消失> 浅川社長、高橋成子取締役の役員報酬は一体いくらだったのか?(毎日vs日経)

更新2013-10-28 「AJI事件その後」後段に追加】 浅川社長、高橋成子取締役の二人は一体いくら役員報酬を取っていたのか? 毎日の見出し「AIJ企業年金消失:社長ら2人、報酬45億円 9年間「身内」会社通じ」は錯誤を起こしかねない、また記事も分かり難い。 日経の見出し「AIJ社長と事務担当役員、年間報酬計1億円超」は記事とも一致している。 毎日の記事をよく読むと9年間で「管理報酬45億円のうち成功報酬9億円」とでている。 つまり、二人で年一億円。 毎日の記事の上面(うわつら)だけをよむと9年間で45億円の報酬だったのかと受け取ってしまう人も多いのではないか。 日経の記事は説明が丁寧だ。 二人で年1億円。 ただし強制捜査の結果、もっとボロボロ出てくるんだろう….

毎日と日経の記事を併記した。 現時点で判明している両社の記事を読み比べて見て欲しい。
追記。 NHKと毎日の続報(AIJの報酬と偽造監査報告書)が配信されたので日経の記事の後に追加した。

AIJ企業年金消失:社長ら2人、報酬45億円 9年間「身内」会社通じ
(毎日新聞 2012年3月24日 東京朝刊)

金融商品取引法違反(契約の偽計)容疑で証券取引等監視委員会による強制調査の対象となったAIJ投資顧問の浅川和彦社長と高橋成子取締役が、英領バージン諸島の管理会社を通じて計約45億円の報酬を得ていたことが23日、監視委の調べで分かった。監視委は同日の会見で「受託資産の明確な不正流用は確認できなかった」としたが、偽計に伴う高額報酬が判明した。

監視委によると、AIJの集めた年金資産の受け入れ先となった英領ケイマン諸島籍の「AIMグローバルファンド」の収入は、03年3月期から11年3月期の9年間で、年金基金の受け入れが1458億円、株の売買が14億円の計1472億円。一方、支出は運用損失1092億円▽基金への解約支払い17億円▽委託手数料61億円▽管理報酬45億円▽監査報酬6億円▽投資事業組合への出資181億円(うち現預金などAIM持ち分32億円)▽海外ファンド持ち分21億円▽現預金49億円--の1472億円で、収支が均衡していた。

ただし、支出のうち管理報酬45億円は、浅川社長と高橋取締役が役員を務める「身内」のファンド管理会社「エイム・インベストメント・アドバイザーズ(AIA)」への支払い。同社は2人の実質的なペーパーカンパニーとみられ、45億円のうち9億円は運用の成功報酬名目とされる。

監視委によると、報酬はAIJとAIAが交わした規約などで決められていたが、一方でAIJの運用受託報酬は7900万円(10年度)と低額。監視委は、浅川社長らが管理会社を通じ、顧客の目に付きにくい形で高額報酬を得ようとしたとみて解明を進める。【川名壮志】

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120324ddm001020025000c.html

AIJ社長と事務担当役員、年間報酬計1億円超
(日経 2012/3/24 12:04)

証券取引等監視委員会の強制調査を受けたAIJ投資顧問の年金消失疑惑で、同社の浅川和彦社長(59)と事務を担当していた高橋成子取締役(52)が1年間に、2人で合計1億円を超える役員報酬を得ていたことが24日、関係者の話で分かった。受託資産の運用損が膨らむなか、高額報酬を受領していた形で、今後、契約先の年金基金の加入者や運用担当者から批判の声が上がりそうだ。

証券取引等監視委員会の調べや関係者の話によると、AIJが2003年3月期~11年3月期に、年金基金などの顧客から運用を受託したのは1458億円。

同社はこのうち約67億円について運用実務を委託していたシンガポールの金融ブローカーと海外の監査法人などに支払う一方、約45億円を自社と私募投資信託を管理する英領バージン諸島の関連会社への運用報酬に回したという。

AIJ側に渡った45億円のうち浅川社長は月600万円、高橋取締役は月350万円以上を役員報酬として得ており、2人合わせた年間の報酬額は1億円を超えたとみられる。

浅川社長と高橋取締役は、私募投資信託の正規の運用成績などを2人だけで管理し、虚偽の運用成績を作成し直して顧客などに提示していたことが既に判明。監視委は、高橋取締役への報酬に、運用損を外部に漏らさないための“口止め料”の趣旨が含まれていたとみている。

同社は年金基金の運用業務を始めた03年から多額の運用損を出していた。契約先の厚生年金基金の常務理事は「加入者が老後の蓄えを失いかねない状況にあったことを知りながら、高額報酬を受け取っていたことは、契約者への裏切り行為に等しい」と話した。

これまでの監視委の調べなどによると、浅川社長らは09年以降、各地の複数の年金基金と投資一任契約を結ぶ際、運用先である私募投資信託の資産評価や運用実績を良好に見せかけた報告書などを顧客に提示し契約した金融商品取引法違反(契約に関する偽計)の疑いが持たれている。

http://www.nikkei.com/news/latest/article /g=96958A9C93819695E0E1E2E7E68DE0E6E2E1E0E2E3E09191E2E2E2E2

AIJ 報酬など100億円前後
(NHK 3月24日 19時9分)

AIJ投資顧問が1000億円を超える企業年金の資金を失わせた事件で、AIJは、巨額の損失を隠す一方、報酬や手数料として100億円前後を得ていたことが関係者への取材で分かりました。

証券取引等監視委員会は、高額の報酬を得ようと客にうその勧誘を続けていたとみて、調査を進めています。

東京のAIJ投資顧問は企業や年金の基金から預かっていた資金の運用に失敗し、1092億円に上る巨額の損失を出しましたが、こうした事実を隠して客と契約していたとして、23日、証券取引等監視委員会の強制調査を受けました。

これまでの調べによりますと、AIJは預かった年金資金の中からイギリス領のバージン諸島に設立したペーパー会社に管理報酬の名目で45億円を移しかえていたということです。

さらに、契約した顧客が系列のアイティーエム証券に支払った手数料のうち、およそ50億円を受け取っていて、AIJが報酬や手数料として得ていた金額は合わせて100億円前後に上っていることが、関係者への取材で分かりました。

AIJが受け取るこうした報酬や手数料は、客から集めた資金に比例して増える仕組みになっていたということです。

また、浅川和彦社長は、年間7000万円以上の給料を受け取っていたということで、証券取引等監視委員会は、AIJが高額の報酬を得ようとして客にうその勧誘を続けていたとみて、調査を進めています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120324/t10013947051000.html

AIJ:顧客に偽造監査報告書を提示…巨額損失隠し勧誘
(毎日 2012年3月24日 21時32分)

AIJ投資顧問による企業年金消失問題で、同社は運用の失敗で巨額の損失を抱えることを示す監査報告書を作成させながら顧客に開示せず、それでも請求する顧客には偽造した監査報告書を見せていたことが証券取引等監視委員会の調べで分かった。こうした処理は04年ごろには行われていたとみられ、AIJが実際の運用実績を長年隠したまま顧客を勧誘していた実態が鮮明になった。【川名壮志】

監視委によると、AIJは年金基金側から集めた資金を、信託銀行や関連のアイティーエム証券(ITM)を経由して香港のファンド受託銀行に移し、シンガポールの金融ブローカーに運用を委託したり海外ファンドで運用するなどしていた。

こうした運用の監査は外資大手会計監査法人のケイマン籍の監査事務所が担当。この監査事務所はAIJから独立しており、AIJの財務状況を審査して取引実績や運用損による巨額損失を把握、それを反映した監査報告書を作成したという。

しかし、監査報告書の送付先2カ所のうち1カ所は、AIJの浅川和彦社長が取締役を務めるファンド管理会社「エイム・インベストメント・アドバイザーズ(AIA)」で、AIJと事実上一体化していた。もう1カ所のITMは、監査報告書の内容を確認しないままAIJに渡していた。

このため正規の監査報告書は外部に知られることはなく、AIJは顧客の年金基金側から開示を求められても拒否。それでも開示を求める顧客には、知人の公認会計士に偽造を依頼した虚偽の監査報告書を提示し、運用実績が上がっていたように装っていたという。

監査報告書を巡っては、ITM側が03年9月から04年にかけて、内容に目を通していた可能性があるといい、偽造工作はそれ以降に行われたとみられる。

監視委は、ITMが当時、AIJの運用実績を虚偽だと気づく可能性があったのに確認せず、AIJの金融商品を販売し続けたとして23日、6カ月の業務停止命令を出している。

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120325k0000m040061000c.html

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■ <いま年金に何が~AIJ事件・そして公的年金~>NHKスペシャル・今夜4月28日9:30、必見! AIJなどの一任投資顧問が展開する無謀な、バクチに等しいハイリスク投資手法をあばく。 (投稿日 2012-4-28)

■ 浅川社長、高橋成子取締役の役員報酬は一体いくらだったのか?(毎日vs日経  (投稿日: 2012-03-24)

■  受託金最終運用はシンガポールの証券証券会社だった (日経3/22)  (投稿日: 2012-03-22)

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■ 「AIJ投資顧問」企業年金資金消失問題に思う  (投稿日:2012-2-26)

AIJ事件のその後】(2013-10-28追加)

で、この事件はどうなったか――

AIJ事件、その後(2013-10-28)AIJ事件、審理再開=次回結審へ――東京地裁
(WSJ 2013年10月11日 12:30)

AIJ 投資顧問の年金資産詐欺事件で、詐欺と金融商品取引法違反(契約の偽計)罪に問われた元社長浅川和彦被告(61)ら3人の公判が11日、東京地裁(安東章 裁判長)であった。判決言い渡しの予定だったが、年金基金への被害弁償に関する追加証拠が提出されたため、審理が再開された。判決期日は指定されず、次回 期日の30日に改めて結審する。

検察側は論告で、浅川被告に懲役15年、元役員高橋成子(54)、傘下のアイティーエム証券元社長西村秀昭(57)両被告に懲役8年、3人に追徴金計約218億円を求刑している。

浅川被告の弁護側は最終弁論で、詐欺罪については無罪主張に転じ、金商法違反は認めた。高橋被告は全面無罪を訴え、西村被告はいずれも認めていた。

[時事通信社]

http://jp.wsj.com/article/JJ11251640617794984064016552372382648549329.html