【更新2013-10-28 「AJI事件その後」後段に追加】 AIJ1取締役の高橋成子容疑者(53)…入院中のため警視庁捜査二課は逮捕するかどうか慎重に検討中というのが先週土曜深夜の報道だったが、結局6月19日(火)にはAIJ浅川和彦社長(60)、アイティーエム証券社長・西村秀昭容疑者(56)、アイティーエム証券役員小菅康一容疑者(50)らともども逮捕された。 浅川社長、西村社長は参院参考人質疑や衆院証人喚問で飽きる程その厚顔を飽きるほどみたが、影の存在またはAIJの「女帝」と言われたりしている高橋成子取締役のお顔は謎に包まれままだった。 逮捕の報道があっても写真の一枚も出てきていない…唯一、NHKニュース6月19日のニュースにちっちゃく出てきたこの写真以外は――
(NHKニュース「AIJ浅川社長ら4人を逮捕」(6月19日11時52分)掲載動画より http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120619/k10015934731000.html)
何分にも元の写真があまりに小さすぎるので、2倍に拡大したが解像度が悪くて…
今週の週刊誌には一杯出てくるのかもしれないが、これだけ写真が出て来ないのも不思議と言えば不思議。
ちなみに、高橋成子取締役の略歴と役割は――
☛「AIJ取締役・高橋成子」 大手証券会社の投資信託販売をしていたが、浅川和彦氏の外資系ペイン・ウェーバー証券での営業時代に知り合う。その後、一吉証券で佐川氏の秘書となる。 佐川氏のAIJ社長就任にともなって同社役員となる。 また、平成17年2月から19年6月まで旧社保庁OB・石山勲氏の東京年金経済研究所の役員も兼務し、実印を預かり、会社の庶務については実質的な決定を行い実務全般を取り仕切っていた。
浅川社長の略歴は――
☛「AIJ社長の浅川和彦氏(59)」は横浜市立大学卒業で、75年に野村證券に入社。個人営業部門で実績を積み上げてきた凄腕で、「成績はトップクラスの伝説の営業マンだった」というのが野村OBの評。京都支店営業次席、熊本支店長と出世階段を上っていったが、突然、退社した。バブル崩壊で、個人的な株投資で失敗し借金を抱えたためといわれている。
94年に個人顧客を引き連れて外資系の米ペイン・ウェーバーに転じ、一介の営業マンとして日本株を売る個人向け営業に携わった。この時の上司がオリンパス事件で指南役として逮捕された野村證券OBの中川昭夫容疑者(61)。同じ指南役を務め、所在が不明となっている野村OBの佐川肇・アクシーズ・アメリカ元社長は同僚だった。運命のいたずらというほかはない。
中川氏はペイン社を辞めたあと、佐川氏とともにアクシーズ・ジャパン証券を設立し、オリンパスの損失隠しの指南役を務めることになる。一方、浅川氏は、96年頃に歩合外務員として一吉証券に移った。営業マンとして抜群の成績をあげ、個室と秘書を与えられるという破格の待遇を受けた。当時の一吉証券での女性秘書がAIJの高橋成子取締役である。
その後、独立してAIJの前身の投資顧問会社を買い、2004年ごろから企業年金を扱うようになる。AIJの実質支配下にあり、信託銀行を通じて募集した年金資産をタックス・ヘイブン(租税回避地)のケイマン諸島で運用していたアイティーエム証券(同一ビルに入居)の西村秀昭社長は、山一證券の国際部門の出身。山一が破綻しため98年に同社を設立。浅川氏が外資系証券会社にいた当時からアイティーエムの西村氏とは盟友だったという。営業一筋の浅川氏が企業年金を集め、国際業務に精通した西村氏が運用する役割だ。
以上は当ブログ投稿記事「<あえぐ年金基金、むらがる野村OB、はびこる社保庁OB天下り>」(投稿日:2012/03/06)より転載。
このブログにはAIJ関連の記事が一杯載っているがその記事のリンクをリストアップするのは大変なので、こうやってググってみては。
グーグルの検索欄に以下をそのままコピペして検索 ⇒ site:hashigozakura.wordpress.com AIJ
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AIJ投資顧問取締役、高橋成子(しげこ)容疑者(53)の役割が捜査の焦点となっている。ファンドの運用実績を水増しして私募投資信託を販売したとして、同社社長、浅川和彦容疑者(60)ら他3人と共に逮捕されたが、ファンドの残高を閲覧できるパスワードは浅川、高橋両容疑者が共有していたといい、警視庁捜査2課は「AIJの実態を熟知するキーパーソン」とみている。
AIJ浅川・高橋容疑者、10年にわたり“水増し”
(ANN 06/22 11:38)
AIJ投資顧問の巨額年金消失事件で、運用実績の書き換えは社長の浅川和彦容疑者(60)の指示で行われ、経理担当の高橋成子容疑者(53)が10年にわたって水増ししたデータを作成していたことが分かりました。
AIJは、2002年に年金基金を運用するファンドを海外に設立しました。運用実績の確認にはパスワードの入力が必要でしたが、AIJの社内では、浅川容疑者と高橋容疑者の2人だけで管理していたことが捜査関係者への取材で分かりました。
運用実績の書き換えは浅川容疑者の指示で行われ、高橋容疑者が水増ししたデータを作成していました。警視庁は、ファンド設立の翌年から10年にわたってデータを改ざんしていたとみて、運用の実態を詳しく調べています。
http://news.tv-asahi.co.jp/news/web/html/220622020.html
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小菅容疑者が調整役か AIJ巨額年金消失事件
(ANN 06/23 11:48)
AIJ投資顧問の巨額年金消失事件で、傘下のアイティーエム証券の小菅康一容疑者(50)が新規の顧客から集めた資金を別の顧客の解約金に充てる調整役を担っていたことが分かりました。
AIJを巡っては、経営が破綻状態にあった2009年4月以降も92の年金基金と契約し、約600億円を集めていました。そのほとんどは運用されず、社長だった浅川和彦容疑者(60)の指示で、解約を希望する顧客への払い戻しに充てられたとみられています。その後の捜査関係者への取材で、AIJ傘下のアイティーエム証券の取締役だった小菅容疑者が払い戻しの対象や金額を決める役割を担っていたことが新たに分かりました。AIJの資産状況や水増しの実態については、経理担当の高橋成子容疑者(53)が把握していたとみられ、警視庁は、小菅容疑者と高橋容疑者が連絡を取り合い、自転車操業の実務を取り仕切っていたとみて実態の解明を急いでいます。
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/220623008.html
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AIJ浅川社長ら3人起訴、70億円詐欺で
法人は見送り 東京地検
(日経 2012/7/9 12:26)
AIJ投資顧問による年金詐欺事件で、東京地検特捜部は9日、東京都と長野市の年金基金から総額約70億円をだまし取ったなどとして、同社社長、浅川和彦容疑者と同社取締役、高橋成子容疑者(53)、同社傘下のアイティーエム証券社長、西村秀昭容疑者の3人を詐欺と金融商品取引法違反(契約に関する偽計)の罪で起訴した。法人としてのAIJと、同証券取締役(50)の起訴は見送った。
これに先立ち証券取引等監視委員会は同日、浅川被告ら3人とAIJを金商法違反容疑で特捜部に告発した。
契約に関する偽計の禁止規定を適用した告発・起訴は初めて。特捜部は被害者弁済に充てる残余資産をできる限り多く確保するため、罰金の求刑につながる法人の起訴を見送ったとみられる。 (http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG09028_Z00C12A7CC0000/)
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AIJ浅川社長を詐欺容疑で再逮捕 立件額100億円に
(日経 2012/7/9 20:26)
AIJ投資顧問(東京・中央)による年金詐欺事件で、警視庁捜査2課は9日、東京都内の厚生年金基金など4つの基金から計30億円をだまし取ったとして、同社社長の浅川和彦容疑者(60)、同社傘下のアイティーエム証券社長の西村秀昭容疑者(56)ら4人を詐欺容疑で再逮捕した。
東京地検は同日、浅川社長ら3人を約70億円の詐欺と金融商品取引法違反(契約に関する偽計)の罪で起訴しており、一連の事件の立件額は約100億円となった。
再逮捕容疑は2010年10月~11年10月の間、都内の厚生年金基金に私募投資信託の虚偽の運用報告を示して約10億円の投資一任契約を結ばせるなど、4つの基金から計30億円を詐取した疑い。
捜査関係者などによると、AIJは09年春以降、新規顧客から集めた資金を別の顧客の解約払戻金に充てる「自転車操業」を続けていた。警視庁は10年中の契約についても実質破綻状態を隠しながら資金を集めた詐欺容疑に当たると判断したもようだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0904D_Z00C12A7MM8000/?dg=1
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【AIJ事件のその後】(2013-10-28追加)
で、この事件はどうなったか――
AIJ事件、審理再開=次回結審へ――東京地裁
(WSJ 2013年10月11日 12:30)
AIJ投資顧問の年金資産詐欺事件で、詐欺と金融商品取引法違反(契約の偽計)罪に問われた元社長浅川和彦被告(61)ら3人の公判が11日、東京地裁(安東章裁判長)であった。判決言い渡しの予定だったが、年金基金への被害弁償に関する追加証拠が提出されたため、審理が再開された。判決期日は指定されず、次回期日の30日に改めて結審する。
検察側は論告で、浅川被告に懲役15年、元役員高橋成子(54)、傘下のアイティーエム証券元社長西村秀昭(57)両被告に懲役8年、3人に追徴金計約218億円を求刑している。
浅川被告の弁護側は最終弁論で、詐欺罪については無罪主張に転じ、金商法違反は認めた。高橋被告は全面無罪を訴え、西村被告はいずれも認めていた。
[時事通信社]
http://jp.wsj.com/article/JJ11251640617794984064016552372382648549329.html
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