【更新5/31】 東京・千代田区に事務所を置くアメリカの債権回収会社「MRIインターナショナル」が、診療報酬を保険会社に請求できる権利を債権化した金融商品(MARS)を米国で扱い、年利6・0~8・5%で資金を運用できると大手新聞、経済雑誌等で広告を載せ、日本の顧客から1300億円を超える資金を集めその多くが不明になっていることが発覚。 証券取引等監視委員会は、顧客にうその説明をして投資を勧誘した疑いがあるとして4月26日に強制調査した。 同日、金融庁はインターナショナルの金融商品取引業者の登録を取り消し、業務改善命令を出した。 (注:この投稿記事の構成⇒前口上の後に報道記事時系列掲載。続報は随時中段以降に追加。【5/3 フジナガ社長の豪邸情報追加】。【5/7】麻生太郎副総理・財務・金融相は7日「今の段階で行政調査としては終わった形になる」と述べた。【5/8】MRI被害弁護団結成。【5/12】被害者弁護団説明会、1500人超参加、【5/16, 5/17】 「MRI、一部払い戻し開始」に関する報道追加【5/31】MRI社長を詐欺容疑で告訴、資金回収・捜査に国境の壁|海外口座、凍結難しく)
MRIはラスベガスに本社を置くが、エドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長が投資資金の口座の管理を一人でやっていたとみられ実態は調査中だ、報道によると副社長の鈴木順造氏は口座管理には関与していていないという。 さらに、顧客の資金を管理する口座には数億円しか残っていないことが関係者への取材で判明している。
金融庁、証券取引等監視委員会は26日、少なくとも2011年2月以降、日本の投資家から資金を集めたファンドの運用実態がなかったと明らかにしている。 これは、出資金を集めた上で後からの出資金を先行した出資者に返還することで運用しているように見せる古典的詐欺の手口で、「ポンジースキーム」(Ponzi scheme)と呼ばれるものだ。 この手法の最も有名な事件は、元ナスダック(NASDAQ)会長のバーナード・ローレンス・マドフ(Bernard Lawrence Madoff)が2008年12月11日に詐欺の罪でFBIによって逮捕された「マドフ事件」(史上最大級の巨額詐欺事件)だろう、日本では昨年発覚した「AIJ投資顧問事件」。
今回のMRIインターナショナルは「第二のAIJ事件だ!」と言いたいところだが、手法は同じポンジースキームでも被害者層がAIJとは異なるのでそうは言わない。 AIJの場合の被害者層は究極的には厚生年金基金に積み立てていた中小企業の従業員達であったのに対し、今回のMRI事件の被害者はそれなりにまとまった資金を保有していた富裕層の個人投資家が多いようだ。 「安愚楽牧場の詐欺」といいこのMRIの事件といい、持てる者がその資産を増やそうとして年利6.0~8.5%にのせられて投資して被害にあったという構図だ。 今の低金利時代に年利6.0~8.5%は、庶民からすれば大変な高配当だ。 高配当にはリスクが付き物だが、株などへの投資に付き物のリスクは避け安定して年利6.0~8.5%をうたうMRIのMARS投資に欲の皮がつっぱったのだろう。 長期金利より高い確定利回りには、必ず何らかの理由や裏やリスクがある。 美味い話にはそれなりに何かがあるものだ。
ポンジースキームは上手くやれば10年、15年、継続することが可能だ。 償還期限がきたら、投資家に再投資させる。 既存顧客の再投資率が高く、新規の投資顧客の資金が加われば、配当金を払っている限りなんとか15年ぐらい騙し続けることも可能だろう(マドフ事件の時は何十年も騙し続けた)。 年利6.0~8.5%の金利はポンジースキームの長期化には絶妙な金利だと思う。 投資をするさい、高配当の確定利回りはなぜそれが可能なのか合理的メカニズムが説明されていないものには投資すべきではない。 簡単に言うと、リスクがない高配当の確定利回りなど詐欺だと思ったほうがいい。 なぜ人は「マドフ事件」を忘れてしまうのか? それだけ、人間の本性として欲の皮がつっぱっているということなのか…
今回のMRIによるMARS投資詐欺はネットで警鐘を鳴らしているブログや書き込みがそれなりにあった。 視点はこうだ――
● MARS投資というが、所詮は債権回収の差額利益の配当だ。 債権回収できないものもあり、不良債権リスクある。 債権購入、回収、差額利益のデーター提示はあるのか?
● 為替差損があっても年利6.0~8.5%の配当をなぜできるのか?
● なぜ、日本だけから資金調達をするのか?
MRI社が用意した高級パンフレットにイラスト入りでいろんな説明がされていようとも、この単純な質問に明快に答えていなければ投資すべきではない。 それでも投資するならギャンブルだと思うべきだ、つまり何にも無くなることもあるということだ。 そしてそうなったと言えよう。
背景には金融庁の規制緩和問題があるのも事実だ。 AIJの問題も規制緩和によって参入してきた投資顧問会社が引き金になっている。 規制緩和によって業者は雨後の竹の子のように増えたが、肝心の監視機能が働いていない。 増えた業社に対し監視する側の人員が圧倒的に足りないのだ。 ファンドを取り扱うMRIのような業者は金融商品取引法で第二種金融商品取引業者とよばれるものであり全国で計1279社もある。 このままではMRIのような事件はまた起こり得る、いや既に起きている可能性は否定できない。
あなたはメディアの報道のこの点を疑問に感じたことはないか? メディアはこう報道した「MRI社は1998年設立、日本で2008年6月、第二種金融商品取引業者の登録」。 MRI社は設立後すぐに日本で営業を開始していた。 では、2008年に登録するまでの10年間はどうしていたのか? 報道はこの点に触れていないのではないか?
実は2007年の法改正までのあいだ、この業種は規制緩和と言う名の下に野放し状態だったのだ。 それではいかんと ⇒ 2006年3月に「証券取引法等の一部を改正する法律」が国会に提出され、同年6月に成立し、金融先物取引法などの金融商品に関する法律群をこの法律に統合し、それに伴い、名称が「金融商品取引法」に改題されることが決定し、2007年9月30日に施行された ⇒ この法律に改正によってMRI社は第二種金融商品取引業者の登録をしないと資金集めの継続が困難になるので登録したというところだろう。 この辺の経緯をメディアは説明していないのではないか….
口上が長くなってしまった。 この手の詐欺に今後引っかかる人がないことをただただ祈る。 メディアの報道クリップを掲載しよう。 この件を上手くまとめている日経の4月27日の記事を掲載し、その後は時系列で報道記事を掲載(新情報を随時追加する)⇒(米国国税当局(IRS)がMRIを査察しているようだ)――
MRI、米本店が主導か 配当に資金流用
(日経 2013/4/27 1:40)
米金融業者MRIインターナショナルが日本の投資家の資金を流用していた不正の舞台は米国だった。金融庁、証券取引等監視委員会は米当局と連携し、実態解明を急ぐが、残存資金の把握や回収には時間がかかる可能性が高い。
「国内に運用資金は一切残っていない」。監視委の担当幹部はこう明かす。
監視委は昨年12月に投資家の通報でMRIのファンドの配当支払いが滞っている事実を把握。3月に日本支店(鈴木順造代表)の検査に入ると、いきなり壁に当たった。
MRIの日本支店には昨年末時点で27人の役職員がいるが、資金の流れには介在していなかった。投資家はMRI本店の米国の銀行口座に資金を直接入金し、配当などは米国から投資家の日本国内の銀行口座に振り込まれる仕組みだ。
監視委は、不正の実行部隊が米国にいる可能性が高いと判断。米証券取引委員会(SEC)に協力を求めた。その結果、直近2年は米国の診療報酬請求債権(MARS)で運用しているはずのファンドにお金は回っておらず、新規資金は他の投資家の配当支払いに流用された事実をつかんだ。
もっとも、被害の実態は未解明な部分が多い。被害者は何人いて、被害総額はいくらなのか。MRIは顧客は約8700人、預かり金は1365億円と公表しているが、当局は会社側の情報自体が虚偽の可能性もあると見ている。
金融庁、監視委が公表を急いだのは日本支店が4月以降もファンドの募集に向けてパンフレット作りなどを進めようとしたため。被害をこれ以上広げるわけにはいかないという判断からだった。
米当局に米本店の強制調査やエドウィン・ヨシヒロ・フジナガ代表取締役の聴取を依頼する構え。実態解明は始まったばかりだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2603L_W3A420C1EA2000/?dg=1
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ところで、前段で掲載しているドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長の画像だがお気付きの通りNNNのニュースをキャプチャしたものである。NNNはMRIの日本支店のHPに掲載されていたフジナガ社長の画像を取り込んでTVニュースで流した(現在はHPで閲覧できない)。 より鮮明なフジナガ社長の画像があったので掲載する(画像クリックで拡大)。
(画像入手先 http://beauty.geocities.jp/bkok41105/LasVegas01.html。 参照: 「2ちゃんねる」⇒「MRIに騙されたオジサマ」 http://uni.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1366947113/289。)MARS・プレミアム投資家はMRI本社(ベガス)へのツアーに招待されて見学、親睦会が行われ、グランドキャニオンへのオプション・ツアーも組まれていたとういう報道がなされているが、こういうことだったらしい(画像クリックで拡大)――
● MRIインターナショナル本社所在地は 5330 South Durango Drive Las Vegas, Nevada 89113
⇒ グーグルマップで見ると(クリック)
⇒ ストリートビューで見ると(クリック)
● MRIインターナショナルのエドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長の豪邸
共同通信4/30 16:27配信の記事によれば「ラスベガス市内に所有する高級住宅を3月中旬から売りに出している」とのことだが、この段階では訴追されている訳ではないのでプライバシーの問題上メディアもその豪邸の写真を公開していない。 合法的に公開されている情報から所の所在地を解明、グーグルマップの航空写真で豪邸を確認した。
☛ フジナガ社長の豪邸所在地の確認方法はこうである ⇒ フジナガ社長は米国税庁から召喚状を受けていたがそれに応じておらず、召喚不服申し立てをネバダ州の地方裁判所に提訴している。 アメリカでは訴状は電子版で公開されている。 公的機関公開のものは登録していればだれでも基本的に無料で閲覧できる(私的機関が公開しているのもは有料)。 という事で米国裁判所公開のアーカイブでPDF版を閲覧した。不服申し立ての訴状は添付書類を含めて22ページだが8ページ目にフジナガ社長の住所が出てくる。 以下はその訴状の1、2、8ページのキャプチャ画像だが、住所の細部はぼかした、悪しからず。
⇒ さて、その住所をグーグルマップで探すと豪邸の場所はここのようだ
(ラスベガス市中心街から西へ約10キロ離れた高級住宅街グリーンズボーロレーン)
⇒ 住所地点をグーグルマップ(航空写真)で拡大するとMRI・フジナガ社長の所有の豪邸と思われる写真はこれになる(クリックで拡大)――
【追記 2013-5-8】 このフジナガ社長の豪邸に関して「Uryu Mai」さんと言う方から貴重なコメントが寄せられた(最後段のコメント欄参照)。 ちなみに、被害者のお一人だとか。 刑事告訴とか逮捕されている訳ではないのでフジナガ社長の豪邸の住所を私は公開していないが、Uryu Mai はこの掲載された写真から住所を割り出しいろいろお調べになったらしい。 アッパレ! 詳しくはコメント欄をどうぞ(訴状をの探し方も書いてある)。 さて、ついでではあるが、この豪邸どのぐらいの値段で売れるかと言うと…米国ネバダ州ラス・ベガスの不動産情報によると1億~2億円ぐらいのようだ。 以下をのリンクをクリックすると詳細のキャプチャ画像がみれる――
● MRI エドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長の豪邸の値段 File 1
● MRI エドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長の豪邸の値段 File 2
【追記 2013-5-18】 ダイヤモンド・オンラインに「『ど素人』でも業者登録可能 MRI事件誘発の構造問題」と言う記事が掲載されている、一読されては。 記事はこう始まる―― 「不思議としか言いようのない金融商品がある」――。こんな書き出しで週刊ダイヤモンド2007年6月16日号特集「金融商品の罠」が、名指しで疑問を呈したものがある。その商品の名は「MRIシリーズ・セレクトA」。そう、1000億円にも上る顧客資産が消失した恐れがあるとして、証券取引等監視委員会(SESC)が強制調査に乗り出した米MRIインターナショナル(本店・ネバダ州ラスベガス)が販売したものだ。円建ての元利確定で年利6~8%と夢のような高利回り。本誌では、為替リスクがほとんど無視されていたこと、デフォルトリスクの中身が不透明なこと、こうした有利な商品をわざわざ日本の個人投資家に販売していることの三つの疑問点を指摘したうえで、MRIに取材を申し込んだ….. http://diamond.jp/articles/-/35765
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◇ ◇ 【MRI報道記事・概ね時系列掲載】 (下記インデックス後に記事本文) ◇ ◇
● 資金回収・捜査に国境の壁 MRI社長を詐欺容疑で告訴 海外口座、凍結難しく
(朝日朝刊34面「社会」 2013年5月31日)
● MRI:投資額の一部を顧客2人に送金 (毎日新聞 2013年05月17日07時30分)
● 一部払い戻し「近く始める」 米MRIが声明 (日経 2013/5/16 13:28)
● MRI「事実認定争う」 金融庁の改善命令に (朝日 2013年5月16日10時27分)
● MRI資産消失、弁護団説明会に1500人超 (TBSnewsI 12日17:17)
● MRI資金問題 弁護団結成 (NHK 5月8日18時15分)
● 財務・金融相、MRI問題「行政調査としては終了」 (日経 2013/5/7 11:10)
● MRIフジナガ社長の刑事告発、国境の壁で難航 (読売 5/3 17:29)
● MRI、出資金貸し付け 社長説明、募集時の説明と相違 (朝日朝刊 5/30)
● MRI社長、米の高級住宅売却へ 現金化急ぐ? (共同 4/30 16:27)
● MRI幹部親族も実態知らず投資 資産消失疑惑 (共同 4/30 01:12)
● 米当局もMRIを査察、納税申告に虚偽か 資産消失疑惑 (朝日朝刊 4/30)
● 資産消失疑惑:MRI社長 事業報告書虚偽記載認める (毎日 4/29 10:18)
● MRI資金消失、フジナガ社長1人で米口座管理 (読売 4/28 17:42)
● MRI社長、10法人を解散 ダミー会社か、当局調査 (共同 4/28 16:37)
● 顧客の資金管理口座 残りは数億円 (NHK 4月27日 18時53分)
● 顧客維持へ著名人利用か MRI、資金難後も会報 (朝日 4/27日 21:35)
● 安心 派手に演出 <MRI社 高利・低リスク強調> (朝日朝刊 4/27)
● MRIを強制捜査 監視委 うそ広告で集金容疑 (朝日朝刊 4/27)
▼報道記事本文(直下が最新追加続報)▼
資金回収・捜査に国境の壁 MRI社長を詐欺容疑で告訴 海外口座、凍結難しく
(朝日朝刊34面「社会」 2013年5月31日)
顧客の資産約1300億円を消失させたとされる「MRIインターナショナル」(本社・米ネバダ州)。被害弁護団は30日、同社社長を詐欺容疑で告訴した。疑惑発覚から1カ月余り。資金回収や捜査に「国境の壁」が立ちはだかる。
「一刻も早い捜査着手が、資産保全につながる」
警視庁と東京地検に告訴状を提出した直後の記者会見で、被害弁護団の山口広団長は語気を強めた。
弁護団は今、MRIの資産凍結を急ぐ。一般的に投資詐欺事件では、会社や役員の手元に残った資産の差し押さえが最優先だ。「財産を隠されては、民事裁判で勝っても意味がない」と弁護団の1人は語る。
国内の金融機関なら、振り込め詐欺救済法によって、犯罪の可能性が生じた時点で口座の凍結が可能だ。しかし、海外の口座はその国の捜査機関が主体的に動かないと無理だ。現時点でその動きはない。
米国にあるMRIの関連口座は、今も資金の出し入れが可能な状態という。弁護団は早期に米国の裁判所に資産の保全を申し立てる方針だが、肝心の資金の流れがつかめない。
今月22日、弁護団の五十嵐潤弁護士は渡米。MRIの銀行口座を管理していたとされる会社を訪ねた。「当社は31日をもって営業を終了します」。門の前に紙が張り出されていた。「早くしなければ、金の流れを追うのがどんどん難しくなる」
■資料収集に時間ロス
証券取引等監視委員会の調査にも「国境の壁」がある。現在、金融商品取引法違反(誇大広告)の疑いで強制調査を実施しているが、権限が及ぶのはあくまでも国内。米国での調査は米証券取引委員会(SEC)の協力が欠かせない。
さらに誇大広告だけでは、容疑が固まっても米国に身柄の引き渡しを求められない。日米間には犯罪人引き渡し条約があるが、法定刑の上限が1年以上の懲役や禁錮の罰則が必要。誇大広告は同懲役半年以下で適用外だ。捜査側の立件には、より要件が厳しい、金商法の「偽計」(同懲役10年以下)や刑法の詐欺(同)での立証が不可欠だ。
「(SECに)資料の回収を依頼しても、こちらに届くまでに、どうしても通常より時間がかかる」(監視委幹部)。日米の「連携」がかぎになりそうだ。
■出資者「社長、物静かで印象薄い」
告訴されたエドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長。MRIは顧客向けの会報で「社長も含め、スタッフは保険のプロ」と強調したが、人物像はおぼろげだ。高額出資者として米ラスベガスへの無料ツアーに招かれた横浜市の男性は「物静かな感じで、印象は薄い」。同じく広島県の女性も「愛想が無い感じ」と語る。
出資者らの目に「資金集めの実動部隊」と映っていたのは日本支店の幹部らだ。代表の男性は、説明会で弁舌巧みに投資の利点をアピール。その息子は、11年にMRIが開いた慈善コンサートで著名な指揮者と壇上に上がり、「数年来の親友です」と人脈の広さを誇示した。千葉県の男性は「その姿を信頼して追加で投資した」と後悔する。代表の男性は弁護団の調査に、「(一連の疑惑を)自分は知らなかった」と釈明したという。
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Hahsigozakura 注 ☛ 下線の引いてある「代表の男性」とはMRIインターナショナル・日本代表の「鈴木順三」氏を指しているのでしょうね。
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MRIが一部支払いに応じるとし無料のコールセンターを開設した。報道によると、顧客2人に微々たる金額だが送金された。 MRIは声明を出し、「支払い能力はまだある」、「日本の金融庁の業務改善命令に対し、事実認定を争う」などと発表している。 一方、弁護団は「顧客を混乱させるための見せ金だ」と指摘している。 私も同感だ、「恥の上塗り」ならぬ「詐欺の上塗り」で時間稼ぎがいいところだ。 以下、報道記事――
MRI:投資額の一部を顧客2人に送金
(毎日新聞 2013年05月17日07時30分)
米国の資産運用会社「MRIインターナショナル」が日本の顧客から預かった資産を消失させた疑惑で、同社が金融商品取引業の登録取り消し(4月26日)を受けた後、顧客に金を支払っていたことが被害弁護団への取材で分かった。同社は投資額に応じて一部支払いに応じる方針を15日に表明したが、実際に払われたのは決められた配当などの一部に過ぎず、弁護団は「顧客を混乱させるための見せ金だ」と指摘している。 弁護団によると、支払いが確認されたのは2人の顧客。今月14?15日に送金されたが、いずれも定められた期限を過ぎていた。1人は約2100万円を出資し、年間の配当約120万円を受け取る予定だったが、未払い分の約23万円のうち、約15万円が送られた。もう1人は元本を含め未払いだった約3万2000ドルのうち、約3000ドルが支払われた。同社から事前の通知などはなかったという。【牧野宏美】 http://mainichi.jp/select/news/20130517k0000m040119000c.html
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一部払い戻し「近く始める」 米MRIが声明
(日経 2013/5/16 13:28)
日本の投資家から集めた巨額の資産を消失させた疑いが出ている米資産運用会社「MRIインターナショナル」(ネバダ州ラスベガス)は15日、投資家への一部払い戻しを近く始めるとの声明を発表した。声明は「MRIには支払い能力がある」と強調したが、投資額に対して払い戻す割合などの条件は明らかにしていない。 MRI被害弁護団の五十嵐潤弁護士は「弁護団の調査では、払い戻しは昨年末から止まっていたことが判明している。このタイミングで本当に支払いができるとは思えない」と話した。 【ロサンゼルス=共同】 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1601Y_W3A510C1CC0000/
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MRI「事実認定争う」 金融庁の改善命令に
(朝日 2013年5月16日10時27分)
顧客資産約1300億円を消失させた疑いがある資産運用会社「MRIインターナショナル」(本社・米ネバダ州)は15日、日本の金融庁の業務改善命令に対し、「事実認定を争う」との声明を出した。同時に日本の投資家向けに無料のコールセンターを開設した。 声明で、同社は「過去14年間、常に投資家のために全力を尽くし、支払いが滞ったこともない」と強調。そのうえで、投資家には予定期日に従い、一部精算に応じるなどとしている。投資家向けコールセンターの番号は、0120・717・874。MRIによると、日本時間16日未明現在、3件の問い合わせがあったという。 【ロサンゼルス=藤えりか】 http://www.asahi.com/national/update/0516/TKY201305160023.html
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5月12日、MRIインターナショナル」による資産消失問題で、被害対策弁護団が初めて被害者に対する説明会を開いた。 1500人を超える投資家たちが参加したという――
MRI資産消失、弁護団説明会に1500人超
(TBSnewsI 12日17:17)
アメリカの投資会社「MRIインターナショナル」による資産消失問題で12日、被害対策弁護団が初めて被害者に対する説明会を開きました。
MRIインターナショナルはアメリカでの診療報酬回収ビジネスへの投資を募り、日本人の投資家8700人から1300億円を集めたとされますが、資産のほとんどが消失したとみられています。
12日、金融被害に詳しい弁護士ら60人からなる被害対策弁護団が都内で初めて説明会を開きました。集まった1500人以上の投資家に対し、事件の概要について説明したうえで、「一日も早く、多くの被害を取り戻したい」と話しました。
「配当は無理でも元本だけは・・・」
「(投資額は)3000万円近い。(MRIの)資産を凍結していただいて、いくらかでも返ってくれば・・・」(MRIに投資した人)
今後、弁護団は被害者を取りまとめて刑事告訴する方針です。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5329897.html
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MRI被害で弁護団結成が結成されたとの報道がなされている。 山口広弁護士を団長とするが弁護団が東京・霞が関の司法記者クラブで今日(5月8日)記者会見を開いた。 NHK、共同通信、時事通信の配信記事と何故か消されてしまったTBS NewsIの動画ニュスの中の山口広弁護団長のキャプチャ画像を掲載する――
MRI資金問題 弁護団結成
(NHK 5月8日18時15分)
エムアールアイインターナショナルが集めた1300億円を超える資金が失われたとみられる問題で、東京の弁護士などが弁護団を結成し、今月12日に、東京で説明会を開いて、実態の把握を急ぐことにしています。
東京・千代田区に事務所を置くアメリカの債権回収会社「エムアールアイインターナショナル」は、アメリカの医療関係の事業への投資として、日本の個人客などから1300億円を超える資金を集めたとしています。 しかし、関係者によりますと、客の資金を管理するアメリカの銀行口座には、資金はほとんど残っておらず、大半が失われたとみられることから、投資した人を救済するため、東京などの弁護士50人余りが、弁護団を結成しました。 会見で山口広弁護団長は、「救済のためには、日米両国で一刻も早い対応が必要になる」と述べ、今月12日に、東京で説明会を開いて、実態の把握を急ぐとともに、今後の救済策について、説明することにしています。
また、弁護団は、9日から投資した人の相談に電話で対応することにしています。 電話番号は、東京03ー5363ー5667で、平日の午前10時から午後4時まで受け付けています。
この会社に対しては、証券取引等監視委員会が、先月、うその広告で投資を勧誘した疑いがあるとして、強制調査を行っていて、弁護団は今後、刑事告訴も検討しているとしています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130508/k10014436151000.html
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MRI社長を詐欺容疑で告訴へ 資産消失疑惑で被害弁護団
(共同通信 2013/05/08 18:29)
米資産運用会社「MRIインターナショナル」による巨額資産消失疑惑で、被害弁護団は8日、米国本社のエドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長を近く詐欺容疑などで捜査当局に告訴する方針を明らかにした▽弁護団は消費者問題に詳しい弁護士ら約50人で結成。12日に都内で被害者説明会の開催を予定している。東京・霞が関の司法記者クラブで8日に会見した弁護団長の山口広弁護士は「多くの人に参加してもらい、被害回復に尽力したい」と話している▽同社をめぐっては、金融庁が4月、金融商品取引業者としての登録を取り消した。証券取引等監視委員会も金融商品取引法違反容疑で強制調査。 http://www.47news.jp/CN/201305/CN2013050801001623.html
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MRI被害で弁護団結成=説明会開催、刑事告訴も
(時事通信 2013/05/08-19:49)
米資産運用会社「MRIインターナショナル」による顧客資産消失問題で、消費者被害に詳しい弁護士約50人が8日までに、被害弁護団を結成した。9日から電話相談に応じ、12日には東京都内で被害者説明会を開き、今後の活動方針などについて説明する▽弁護団によると、MRI本社のあるネバダ州の弁護士と連携して調査を進めるほか、日米の金融当局などに働き掛け、資産凍結を目指す。エドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長(66)らについては、近く詐欺容疑などで刑事告訴する方針▽インターネットなどで被害救済をかたる勧誘に応じ、金銭をだまし取られる二次被害も起きているといい、注意を呼び掛けている。 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013050800870
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この弁護団結成の件を含めて「TBS NewsI」の5月8日17:02分配信のニュース(動画)で報道さていた、タイトルは「MRI資産消失、“豪華接待”の裏に“不自然な実態”」。私はこの動画ニュースを夜7時半頃みていたが、突然動画が消えて記事も抹消されてしまった。 何故だろう? どこかからクレームでも出たのか?
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye5326820.html
動画をみながら画像をキャプチャしていたのでそのスクリーンショットを掲載する。 放送してマズイのだったら最初から放送するな、TBS!――
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財務・金融相、MRI問題「行政調査としては終了」
(日経 日経 2013/5/7 11:10)
麻生太郎副総理・財務・金融相は7日午前の閣議後記者会見で、米金融業者MRIインターナショナルによる巨額資金の消失問題に関し「今の段階で行政調査としては終わった形になる」と述べた。そのうえで「これが犯罪ということになれば、司法の手に入ってくる形になる段階だと思う」との見解を示した。 米当局との連携については「いろいろやっているが、これくらいの(被害)額だと言える段階まで詰まっている訳ではない」と説明した。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL070MA_X00C13A5000000/
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MRIフジナガ社長の刑事告発、国境の壁で難航
(読売 2013年5月3日17時29分)
米国の資産運用会社「MRIインターナショナル」(本社・米ラスベガス)による投資資金消失問題で、証券取引等監視委員会が強制調査を行ってから、3日で1週間となる。
監視委は、米国在住のエドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長(66)の刑事告発を目指しているが、投資家の出資金はすべて米国に移されており、調査は国境の壁に阻まれ難航することが予想される。
◆別の容疑立証◆
監視委は4月26日、金融商品取引法違反(誇大広告)容疑でMRI日本支店などを強制調査。集められた出資金はすべて、フジナガ社長が1人で管理、運用していたことから、監視委は資金消失の経緯を把握しているとみて社長の刑事告発を目指しているが、高いハードルが待ち受ける。
米国在住のフジナガ社長を日本で刑事訴追するには、日米犯罪人引き渡し条約に基づき、身柄を引き渡してもらう必要がある。
同条約は、死刑や1年を超える懲役・禁錮刑に当たる法律違反にしか適用できないが、強制調査の容疑となった誇大広告の法定刑は、懲役6月以下または50万円以下の罰金。条約を適用するには、法定刑の重い別の容疑を立証しなければならない。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130502-OYT1T01648.htm?from=ylist
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MRI、出資金貸し付け 社長説明、募集時の説明と相違
(朝日朝刊34面 2013年5月3日 クリップ)
顧客資産約1300億円を消失させたとされる資産運用会社「MRIインターナショナル」(本社・米ネバダ州)の社長が、証券取引等監視委員会の調べに対し、「関連の病院などに計数百億円を貸し付けた」と話していることがわかった。MRIは集めた資産を、米国の金融商品にだけ投資すると宣伝していた。 監視委によると、エドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長が貸付先に挙げた病院などは、大半が債務超過とみられる。説明通りならば、資金回収は困難だ。
MRIは、日本の顧客からの資金で、米国の病院から診療報酬の請求権を安く買い取り、回収率を高めて利益を得ると宣伝していた。だがフジナガ社長は監視委に、MRIの傘下にあったり、提携先だったりする米国の病院や処方箋(せん)薬局、債権回収業者などに顧客資産を貸し付けたと説明。これらはいずれも資金繰りが悪化しており、投資ではなく、目先の運転資金に充てられた疑いがある。
MRIは、多額の資金を出資した顧客を、本社のある米ネバダ州ラスベガスに招待。診療報酬の請求権を買い取ったとする病院などを見学させていた。顧客の信用を高めるための工作で、病院の経営が健全な状態にあるとみせかける必要性があったとみられる。
フジナガ社長は監視委のこれまでの調べに、2011年以降、資産を運用しておらず、新規顧客から得た資金の大半は、別の顧客への配当や償還金に流用していたことを大筋で認めている。ただ、証言に一貫性がなく、事実と異なる説明も多いとして、監視委は貸し付けの話についても慎重に裏付けを進めている。 監視委は今後も、米証券取引委員会(SEC)と連携して、資金の流れの全容解明を急ぐ方針。
■ 米国の本社「社長いない」
米ネバダ州ラスベガスにあるMRIインターナショナルの本社を、記者が訪ねた。関係者はコメントを拒むばかりだった。
カジノ客で昼夜騒がしい中心部から西へ10キロ余り。砂漠も見えるひとけの少ない郊外に、本社はあった。 れんがやベージュ色の壁にヤシの木を配したリゾート風の外観で、さして大きくはない平屋建てだ。表のガラス戸は鍵がかかり、中をのぞくと受付の女性と警備の男性が出てきた。「強制調査についてフジナガ社長と話せないか」と尋ねると、やや困った表情で答えた。「ここにはいない。対応できる人は誰もいない」。奥ではスタッフらしき女性が何度か顔を出し、様子をうかがっていた。 MRIと投資家の間に入り売買代金を保全する役割を担う会社も訪ねた。「MRIに行ってくれ」。出てきた女性に「日本の記者」と言いかけただけで、厳しい口調で追い返された。
MRIの代理人を務めるフェラン弁護士からは事務所訪問の数時間後、約100字のメールが届いた。「金融庁の業務改善命令を精査している。それが済むまでコメントできない」という。添付されたMRIの報道発表文には「顧客の懸念について、心からおわびする」とあった。
日本の法人登記簿に記載されたフジナガ社長の自宅は、カジノ街から北西二十数キロの高級住宅街にある。うっそうとした木々に囲まれ、警備員が出入りを監視する「ゲーテッド・コミュニティー」の一角で、近づけない。電話をかけるとすぐにファクス音に切り替わった。 【ラスベガス=藤えりか】
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MRI社長、米の高級住宅売却へ 現金化急ぐ?
(共同通信 2013/04/30 16:27)
【ラスベガス共同】 巨額の出資金を運用せず消失させた疑いが持たれている米資産運用会社「MRIインターナショナル」の社長(66)が、ラスベガス市内に所有する高級住宅を3月中旬から売りに出していることが30日までに分かった。3月は、MRIの顧客から「配当が遅れている」との相談を昨年末に受けた証券取引等監視委員会が、MRIの検査に着手した時期。当局の追及が近づいたことを知った社長が、自らの資産の現金化を急いだ可能性がある。近所の住民によると、この住宅には1年ほど前までイタリア製の高級外車に乗った人々が出入りしていたが、次第に見かけなくなったという。 http://www.47news.jp/CN/201304/CN2013043001001956.html
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MRI幹部親族も実態知らず投資 資産消失疑惑
(共同通信 2013/04/30 01:12)
米国の資産運用会社「MRIインターナショナル」が投資家から預かった巨額資産を消失させた疑惑で、日本事務所幹部の親族が同社の金融商品に100万ドル(約9800万円)以上を投資し、社員らの多くも投資していたことが29日、同社関係者への取材で分かった。 証券取引等監視委員会の検査では、出資金は大半が配当に流用されていたことが判明。日本事務所幹部らは資産運用の実態を知らずに自社商品に投資していたとみられ、不正な会計は米国本社社長(66)側が主導していた疑いが強まった。 監視委は検察当局への刑事告発に向け、資産の状況や流用の詳しい経緯を調べている。 http://www.47news.jp/CN/201304/CN2013042901002138.html
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「笑うにも笑えん話だね~」 Hashigozakura
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米当局もMRIを査察、納税申告に虚偽か 資産消失疑惑
(朝日朝刊35面 2013年4月30日 クリップ)
顧客資産約1300億円を消失させた疑いがある資産運用会社「MRIインターナショナル」(本社・米ネバダ州)が、米税務当局の査察を受けていることが分かった。証券市場関係者によると、過去の納税申告で、書類にうそを記載した可能性があるという。
MRIや同社のエドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長は現在、日本の国税当局にあたる米国の内国歳入庁(IRS)の査察を受け、その調査が違法だとして、米国政府を相手取って訴訟を起こしている。
訴訟記録によると、IRSはMRIの2009年度の納税申告内容について査察を実施。日本の顧客への支払いの実態を含めて、米国での税の申告が適正だったかどうかについて調べているとみられる。
IRSは今年3月、査察の一環としてMRIとフジナガ氏に召喚状を送り、取引先の医療機関からの請求内容や、MRIの経費に関する記録を提出するよう求めた。特に、「海外の関係者へ支払った利子や配当」は設立時の1998年7月までさかのぼって要求されており、日本の顧客へ払った配当や償還金などに関するすべての会計、税務記録が対象になっている。
さらに、フジナガ氏に関連する四つの銀行口座の出入金記録や、MRIによる飛行機購入の費用を証明する記録、09年度に事務所費用として使ったとする計619万ドルの記録などの提出も要求。IRSは、同社やフジナガ氏に「査察の対象を拡大する」と通告しているという。
MRI側は「あまりにも(召喚状の)範囲が広く、権利の乱用だ」と主張。米国で複数の訴訟を起こして、争う姿勢をみせている。
MRIは、日本の顧客から集めた資金で米国の医療機関から診療報酬の請求権を安く買い取り、差額で利益を得るビジネスを展開。出資金に対して年利6・0~8・5%を顧客に配当すると宣伝していた。
しかし、今年3月から検査をした日本の証券取引等監視委員会によると、MRIは少なくとも11年以降、米国での資産運用実績はなく、新規顧客から得た資金の大半を、別の顧客への配当や償還金に流用。 監視委は強制調査に乗り出すとともに、米証券取引委員会と連携して実態解明を進めている。
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資産消失疑惑:MRI社長 事業報告書虚偽記載認める
(毎日新聞 2013年04月29日最終更新10時18分)
米国の資産運用会社「MRIインターナショナル」が日本の顧客から預かった資産を消失させた疑惑で、エドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長(66)が証券取引等監視委員会の聴取に対し、虚偽の内容を記載した事業報告書を関東財務局に提出したと認めていたことが分かった。顧客の出資金を不正に流用するなどして会社の資産を過大に計上した疑いがあり、監視委はフジナガ社長がずさんな資産管理を主導したとみて調べている▽同社は2008年6月、日本でファンドの募集などを行う第2種金融商品取引業の登録をして、事業や財務の状況を記した事業報告書を財務局などに提出する義務を負った。今年3月に同社の検査に着手した監視委が口座記録などを調べたところ、実態とは異なる資産や負債の額を事業報告書に記載していた疑いが浮上した。▽監視委は、米証券取引委員会の協力を得て米国在住のフジナガ社長から事情聴取。フジナガ社長は「事実と異なる虚偽の財務内容を書いた」と認める供述をしたという。日本の顧客が同社のファンドに出資した資金を会社の口座に不正に移すなどして、財務状況が良好なように見せかけていた疑いがあるとみられる。▽監視委によると、同社が米税務当局に提出した納税申告書にも実態とかけ離れた財務状況が記載されていた上、関東財務局に出された事業報告書とも異なる内容だった。監視委は、フジナガ社長らが自社の都合の良いように複数の虚偽の財務資料を作成していたとみて経緯を調べている。 http://mainichi.jp/select/news/20130429k0000e040122000c.html
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共同通信の4月28日16:37配信のニュースによると、MRIインターナショナルのエドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長はMRIを設立した1998年以降、10法人を解散させ、さらに3法人を倒産や経営破綻させていたという。 また、読売の報道によると、フジナガ社長は投資資金口座を一人で管理していた。 やはり、MRIの日本での資金集めは長期的ポンジースキームを意図した計画的なものだったと思えてならない――
MRI資金消失、フジナガ社長1人で米口座管理
(読売 2013年4月28日17時42分)
米国の資産運用会社「MRIインターナショナル」(本社・米ラスベガス)が、日本の投資家から集めた資金を消失させた問題で、資金は直接、米国の口座に集められ、エドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長(66)が1人で管理していたことが証券取引等監視委員会の調査で分かった。 ほかの2人の役員や東京支店の従業員約30人は、資金の運用には直接携わっていなかったといい、監視委ではフジナガ社長が主導していたとみて実態解明を進めている。 関係者によると、監視委は、米証券取引委員会と連携し、米国在住のフジナガ社長だけでなく、同じく米国在住の副社長や、東京支店の代表を務める日本人男性からも事情を聞いた。同社の役員は、この3人だけだが、日本から振り込まれた米国口座の資金の出し入れなどは、フジナガ社長1人で行っており、副社長は、ほとんど同社の運営には関わっていないことが分かった。また、東京支店代表は「米国内の詳しい仕組みは社長しかわからない」と説明しているという。 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130427-OYT1T01439.htm?from=ylist
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MRI社長、10法人を解散 ダミー会社か、当局調査 (共同通信 2013/04/28 16:37)
【ラスベガス共同】 巨額の出資金を運用せず消失させた疑いが持たれている米資産運用会社「MRIインターナショナル」の社長(66)が、MRIを設立した1998年以降、MRIの本社があるネバダ州を中心に少なくとも10法人を解散させ、他に計3法人を倒産や経営破綻させていたことが28日、分かった。 日本の証券取引等監視委員会や金融庁、米証券取引委員会(SEC)はこれらの点に注目。設立した法人のほとんどはダミー会社だった可能性もあるとみて、MRIからの資金流入の有無などについても調べているとみられる。 http://www.47news.jp/CN/201304/CN2013042801001529.html
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顧客の資金管理口座 残りは数億円
(NHK 4月27日 18時53分)
東京に事務所を置くアメリカの会社が、医療関係の事業への投資として日本の顧客から集めた1300億円を超える資金の多くが失われた疑いが出ている問題で、顧客の資金を管理する口座には数億円しか残っていないことが、関係者への取材で分かりました。
証券取引等監視委員会は、会社の資産の状況を詳しく調べることにしています。
東京・千代田区に事務所を置くアメリカの債権回収会社「エムアールアイインターナショナル」は、うその広告で投資を勧誘したとして、26日、証券取引等監視委員会の強制調査を受けました。 この会社は、アメリカの医療機関の診療報酬を回収する事業への投資として、日本の顧客から1300億円を超える資金を集めたとしていますが、関係者によりますと、アメリカにある顧客の資金を管理する口座には数億円しか残っていないということです。 顧客の口座の資金は、別の顧客への配当の支払いに流用されていたほか、一部は会社の口座に移されていたということです。 証券取引等監視委員会の調査に対して、アメリカにいる会社の社長は、資金の流れについて一貫した説明をせず、「預かった資金はほとんど残っていない」などと話しているということです。
この会社は、少なくとも2年前からはアメリカで事業を行った実績もないということで、監視委員会は、預かった資金の大半が外部に流出して失われた疑いもあるとみて、アメリカの証券取引委員会と協力しながら、会社の資産の状況や資金の流れを調べることにしています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130427/k10014239831000.html
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有名人を使ったMRIインターナショナルの会報「VIMO」
顧客維持へ著名人利用か MRI、資金難後も会報
(朝日 2013年04月27日21時35分)
顧客から集めた約1300億円を消失させた疑いがある資産運用会社「MRIインターナショナル」(本社・米ネバダ州)が、昨年3月から、顧客向け冊子に著名人のインタビューを掲載していたことがわかった。証券取引等監視委員会の調べでは、MRIは2011年以降、資産の運用実績がない。資金繰りに困る中、出資者を安心させる方策だった可能性がある。
冊子は、年4回発行の会報「VIMO(ヴィーモ)」。「Valuable Information for MRI Member Only」の略で、「貴重な情報をメンバーの皆様だけに」との意味だという。
15ページのオールカラーで、昨年3月の41号から今年3月の45号にかけて、宇宙飛行士の毛利衛(まもる)、雅楽師の東儀(とうぎ)秀樹、アルピニストの野口健、女優の草刈民代、歌舞伎俳優の市川染五郎の各氏が登場した。インタビュー部分の記事については、各氏の活動ぶりが中心で、MRIの事業に触れた部分は一切なかった。
だが、この会報は「立派な冊子が送られてきて、MRIはもうかっているという印象を受けた」(30代女性)、「いま考えれば、損を隠すために、あえて立派なものをつくっていたのではないか」(70代男性)と出資者の一部に受け止められていた。インタビューは結果的に、MRIの事業の「宣伝」の役割を負わされたことになる。
朝日新聞の取材に、東儀、野口、草刈の3氏の事務所は「企業の宣伝ではない」という条件で取材を受けたと説明した。それぞれ、「陥れられた」(東儀氏の事務所)、「資産の消失なんて知るはずがない」(野口氏の事務所)、「戸惑いと驚きしかない」(草刈氏の事務所)と釈明。いずれも謝礼を受け取っており、額を明かした事務所によると、数万円だったという。3氏の事務所とも「MRIで資産運用はしていない」としている。
毛利氏は海外出張中、市川氏の事務所は詳細について回答がなかった。
5氏のインタビュー記事は、いずれも同一のライターが依頼、執筆していた。朝日新聞の取材に応じたこのライターは、知人の紹介でMRIの会報を手がけるようになったが、「怪しいと思ったことはないし、信頼していた」と経緯を説明。今回の事態に「驚いている。5人には大変ご迷惑をおかけしてしまった。申し訳ない」と話した。
MRIは、日本国内の顧客約8700人から預かった約1365億円を運用していると説明していたが、その大半が失われた可能性が指摘されている。監視委が26日、刑事告発も視野に、金融商品取引法違反(誇大広告)の疑いで強制調査に入っている。
http://digital.asahi.com/articles/TKY201304270076.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201304270076
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有名な芸能人や著名人を広告塔に使った詐欺の例は過去にも一杯ある。 有名人、著名人が宣伝していてもそれを理由に信用してはいけない、というのが鉄則ではないかと私は思う。 色々な御意見があるだろうが…. このMRIの有名人起用の広告に関してZakzakに記事が載っていたの参照されたい⇒「“資産消失疑惑”MRI、有名人起用宣伝のウラ “広告塔”を直撃」(Zakzak 2013.04.27) http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130427/dms1304271446006-n1.htm
もう一つ、日刊ゲンダイのこの記事⇒「MRIが聞いていた ヒルズ豪華パーティーとラスベガス旅行」(日刊ゲンダイ 2013年4月27日)http://gendai.net/articles/view/syakai/142168 この記事によると大手メディア(とくに毎日新聞と日経NBC)の役割が被害を増大させた一因と指摘されている――
- 毎日新聞は04年春ごろから、年数回のペースでMRIの広告を掲載していた。「当社の基準にのっとった審査や外部機関への照会などを経た上で掲載しました。昨年4月10日以降は掲載していません」(社長室広報担当)と言うが、10年近くMRIに“利用”されたことになる。
- 日経新聞系の経済専門チャンネル・日経CNBCは、過去にMRIのインフォマーシャル(広告番組)を放送。11年5月にはMRIとの2社で、計4回の投資 セミナーを開催していた。日経CNBCによると、「投資に関する一般的なセミナーでしたが、その後にMRIの人が講演し、商品のプロモーションを行ったこ ともありました」(広報担当)という。
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以下は朝日新聞紙面版(朝刊)の記事クリップ――
安心 派手に演出
MRI社 高利・低リスク強調
(朝日朝刊35面「社会」 4月27日)
1300億円は、どこに消えたのか。26日、証券取引等監視委員会が強制調査に踏み切った「MRIインターナショナル」。実態はまだ、謎に包まれている。
MRIはウェブサイトのほか、経済専門誌や全国紙、テレビなどに派手な広告を出して顧客を集めていた。「1998年の販売開始から現在まで、元本割れはおろか、商品設定を変えたこともありません」。高利回りと同時に、低リスクの実現を強調。2008年秋のリーマン・ショック後、世界的に景気が低迷するなか、富裕層にとっては安心感の強い、魅力的な金融商品と映ったようだ。
著名人のインタビューなどを掲載した会報も独自に製作。定期的に出資者に配布し、安心感を演出した。川崎市の女性(37)は「立派な冊子が毎月送られてきて、もうかっているように印象づけられていた」。だが、女性が先月、MRIに運用実績を尋ねると、返事は「公開できません」というばかりだった。
監視委によると、大口の出資者や、ほかの出資者を紹介した顧客を毎年、本社がある米国ラスベガスに招待。診療報酬請求債権(MARS)を買い取ったとする病院も見学させていた。
この日、東京都千代田区の事務所を訪れた東京都内の70代の男性は、ツアーに行ったことがあると明かす。「多くの投資家が参加していた。本社を見学したあと、グランドキャニオンの観光にも行った。きちんとした会社だと信用していた」
MRIは、出資金を管理する米国の口座は二重三重に守られていると説明。出資者に配っていた資料では、口座は「エスクロー会社」という信用できる第三者が監視。出資金は「ロックボックスアカウント」という特別の口座に入れているため、容易には引き出せない、と説明していた。
しかし、監視委の検査では、口座を監視する第三者はおらず、資金はMRIが自由に引き出せる状態だったという。
■ 顧客ら「何を信じれば…」
「医療保険に関する手堅い商品と思っていた。いったい何を信じればよかったのか」
問題が明るみに出た26日の朝。千葉県の男性(70)は、東京都千代田区のMRIの事務所に駆けつけた。退職金を元手に、5千万円近くを投資している。
ドアに「本日の営業は終了しました」と張り紙が。ノックしても反応がない。「どうなっているのか」。ぼうぜんと口にした。
東京都の男性(57)も5千万円を投資した。「元本は会社と別の口座で管理していて、絶対に守られる仕組みだと説明していた。まるで組織的な詐欺に遭ったようなものだ」と憤った。
証券取引等監視委員会の強制調査が入った昼までに、出資者20人以上が説明を求めて事務所を訪れた。
■ 同業態、全国に1279社
AIJ投資顧問で、90以上の企業年金基金から運用をまかされた約1500億円が消失した事件の発覚から1年あまり。巨額の資産消失事件が再び起こったことに、金融庁には「被害はどこまで広がるのか」(同庁職員)と衝撃が広がっている。
AIJ事件後、金融庁幹部は似たような事例がないのか問う記者団に、「今のところ悪質な業者はみつかっていない」と繰り返していた。
なぜ、MRIのような悪質な業者を見つけられなかったのか。
昨年のAIJ事件後、金融庁が重点的に調査してきたのは、AIJに似た業者ばかりだったからだ。
金融庁は、AIJと同じ、顧客の資産を預かって運用する「投資運用業者」という分類の金融業者約260社を調査し、ほかにはAIJのような事例はなかったと結論づけていた。
しかし、MRIのようなファンド関連の商品を売る業者は「第2種金融商品取引業者」と呼ばれ、別の分類だった。金融庁は、AIJと同じ業態の「投資運用業者」は重点的に調査していたが、全国に1279社あるMRIのような業者は詳しく調査していなかった。
インターネット上では、MRIの配当が高すぎるのではないか、といった指摘が以前から出ていたという。ただ、金融庁側が「MRIで配当が遅れている」という情報をつかんだのは、昨年12月のことだった。金融庁にとって、限られた人員で、1千社を超える業者を監督するのは難しい面もある。だが、AIJの事件後に、調査対象を十分ひろげないまま、今回の事態を招いた金融庁の責任は重い。
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MRIを強制捜査
監視委 うそ広告で集金容疑
(朝日朝刊1面 4月27日)
資産運用会社「MRIインターナショナル」(本社・米ネバダ州)が巨額の顧客資産を消失させたとされる問題で、証券取引等監視委員会は26日、金融商品取引法違反の疑いで同社などに強制調査に入った。 うその広告で顧客から資金を集めていた疑いがあるという。 刑事告発も視野に実態解明を進める。
監視委は、同社のエドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長(66)も強制調査の対象とした。刑事告発も視野に実態解明を進める。これに先立ち、金融庁は、行政処分を求める監視委の勧告を受けて、MRIの第2種金融商品取引業の登録を取り消し、業務改善命令を出した。
MRIは、顧客から集めた資金を米国で運用し、年利6・0~8・5%で資金を運用できると宣伝。 日本国内の顧客約約8700人から預かった約1365億円を運用していると説明しているが、その大半が失われた可能性が指摘されている。
監視委によると、MRIは少なくとも2011年以降、運用をした実績がなかった。今年3月から検査を実施した結果、11年以降は米国でほとんど金融商品を買っていなかったという。
一方で、新規顧客から得られた資金の大部分を、別の顧客への配当や償還金に流用。顧客資産を人件費など会社の経費にも使っていた。 また、関東財務局に提出した10年と11年の事業報告書で、資産や負債額についてうそを記載していたという。
監視委は昨年12月、「MRIの配当が遅延している」との情報を得て実態解明を進めてきた。 ただ、同社の預かり資産の総額や残り資産について「現時点では全容が解明できていない」としている。
MRIはこれまでの検査のなかで、残り資産の査定方法などについて、監視委にうその説明をしたという。 社長が米国籍で本社も米国にあることから、今後は米証券取引委員会と連携しながら調査を進めている。
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