どうやら官邸は早い段階で情報を入手していたようだ。 自衛隊制服組は順当に情報伝達していたが、問題は首相官邸と防衛省役人の方にあるようだ。 当初の報道から見ると官邸と防衛省役人は自衛隊に責任をかぶせようとしていたとしか思えないね。
官邸は肝っ玉のチンコイ人間しかいないね、去年の東日本大震災・原発事故当時の菅政権の官邸と同じ。 どうだろう、民主党の次の選挙のマニフェストにこんなのを掲げたら、「混乱、迷走、責任回避――国民が最後」。
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以下、電子版時系列掲載。 毎日(4/16 21:39)、NHK (4/16 22:00)、日経 (4/16 22:57)の順。 NHKが詳しい、だが、「野田首相・米村内閣危機管理監、発射3分後にSEW入手していた」というのは日経だけが書いている。 どうなんだろうか? 明日になればもっと詳しい報道があると思うが….
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北朝鮮ミサイル:官邸と防衛省 連携不十分が浮き彫りに
(毎日 2012-4-16 21:21)(最終更新 21:39分)
政府は16日、北朝鮮のミサイル発射の発表が約45分後まで遅れた問題で、首相官邸の対策室が発表約20分前の13日午前8時過ぎに、ミサイル発射を示す早期警戒情報(SEW)の報告を防衛省から受けていたことを明らかにした。 また田中直紀防衛相も午前8時に自衛隊から「海へ落下し、日本に影響なし」と具体的な報告を受けていたが、その内容が発表されたのは23分後だった。 官邸と同省の情報共有と連携が不十分で、国民への情報提供が遅れた実態が浮かんだ。
16日の自民党外交・防衛部会で政府側が説明した。 発射の13日、対策室は「防衛省からSEWの連絡を受けたのは(政府の発表直前の)午前8時16分」としていたが、同部会の冒頭で内閣官房の担当者は「説明が不正確だった」と陳謝。 午前8時0?5分に同省局長が官邸の危機管理センターで口頭で報告していたことを認めた。
一方、午前8時には自衛隊の統合幕僚副長が田中氏に、SEWなどに基づいて日本の領土・領海には影響がないと報告。だが同じころ、同省局長は官邸で「SEWが正確か確認中」とだけ報告しており、連携不足が発表の遅れにつながった。
http://mainichi.jp/select/news/20120417k0000m010104000c.html
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政府 “発射”情報伝達の検証開始
(NHK 4月16日 22時0分)
政府は、北朝鮮が人工衛星としている事実上のミサイル発射の発表を巡って、当日の経緯をまとめるとともに、検証チームを発足させ、情報伝達の在り方が適切だったかどうか検証作業を始めました。
内閣官房と防衛省がまとめた先週13日の発射当日の経緯によりますと、午前7時40分ごろ、防衛省が、何らかの飛しょう体が発射されたというアメリカ軍の早期警戒情報を受信し、41分ごろ、田中防衛大臣に伝えられました。
7時42分には、野田総理大臣や藤村官房長官、米村・内閣危機管理監が「何らかの飛しょう体が発射されたもようで、現在、確認中」という情報を入手しました。
その後、8時ごろから8時5分ごろの間に、総理大臣官邸の危機管理センターで、防衛省の松本運用企画局長が、米村内閣危機管理監に対し、「早期警戒情報が正確なものか確認中であり、現時点で、わが国に飛来している飛しょう体は、わが国のレーダーでは確認していない」と報告しました。
そして、8時3分、Em-Net=緊急情報ネットワークシステムで、「わが国としては、発射を確認していません」と発表しました。
一方、8時ごろ、自衛隊の幹部から田中防衛大臣に「何らかの飛しょう体が発射され、洋上に落下したもようで、日本に影響はない」と報告があり、田中大臣は、8時3分ごろ、藤村官房長官に電話で連絡しました。
このあと、8時7分に藤村官房長官が危機管理センターに入りましたが、防衛省の局長は「確認中であり、現時点で、わが国のレーダーでは確認していない」と再び報告しました。
こうしたなか、8時6分ごろ、田中防衛大臣に「飛しょう体は1分以上飛行し、複数個の物体となって洋上に落下したもよう」と報告が上がり、田中大臣は、8時13分ごろ、藤村官房長官に電話で伝えました。
そして、8時16分に、防衛省の中央指揮所から危機管理センターに資料を送信したうえで、田中大臣が8時23分に記者会見して、発射を発表しました。
また、8時25分には、防衛省の中央指揮所から危機管理センターに発射場所や発射方向に関する情報が書かれた資料が送信されました。
これに対し、Em-Netで8時30分に発表した内容は「発射については確認中だが、わが国の領域への影響はないものと考えられる」というもので、発射場所や発射方向についての発表は、8時36分でした。
当時の政府の対応について、自民党などからは「発表まで時間がかかりすぎだ」といった批判や、「早期警戒情報が入った時点で直ちに公表すべきだったのではないか」などといった指摘が出ています。
政府は16日、齋藤官房副長官をトップとする検証チームを発足させ、情報伝達の在り方が適切だったかどうか検証作業を始めました。
藤村官房長官は、2週間程度で検証結果をまとめたいという考えを示しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120416/t10014491821000.html
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ミサイル発射情報提供遅れ、官邸と防衛省で認識にズレ
(日経 2012/4/16 22:57)
北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射を巡る情報の公表が遅れたことを巡り、首相官邸と防衛省の見解が食い違っている。 官邸は同省からの情報伝達の遅れを指摘していたが、官邸対策室トップの米村敏朗内閣危機管理監が米国の早期警戒衛星からの情報(SEW)を発射直後に得ていたことが発覚。 防衛省も独自情報による確認ができず、課題を残した。政府は16日に発足した検証チームで改善策を取りまとめる。
防衛省は2009年に誤った情報を流した教訓から、米軍情報だけでなく自衛隊のレーダーなど自前情報で「ダブルチェック」する正確さ重視の体制で臨んでいた。 同省は13日、発射1分後の午前7時40分ごろに米軍の早期警戒衛星から情報を入手。 しかし自衛隊のレーダーで情報が取れずにダブルチェックできず、官邸などへの情報伝達が目詰まりを起こした。
自衛隊幹部は「地球は丸いので、ある程度の高さまで飛ばないと発射を確認できない」と言う。 韓国国防省によるとミサイルは151キロメートル上空を頂点に落下。 日本の水平線上でミサイルは確認できなかったというわけだ。 省内地下の中央指揮所では北朝鮮のミサイル発射直後、射程距離が短い「スカッド」など別の短距離ミサイルが発射されたのではないかとの見方も出た。
一方、藤村修官房長官や内閣官房の13日の説明では、官邸地下の危機管理センターの対策室にSEWが届いたのは午前8時16分。 自治体などに提供する情報ネットワークシステム「Em―Net(エムネット)」は防衛省から長距離弾道ミサイルの発射情報が無ければ発信しない運用にしていた。 官邸対策室は8時3分のエムネットに総合判断で「発射を確認していない」と流した。
ただ、16日になって野田佳彦首相や危機管理監が発射3分後にSEWを入手していたことが明らかになった。 官邸は情報入手後に「確認せず」のエムネットを流したことになる。
政府は16日に発足した検証チームでこうした食い違いをチェックする。斎藤勁官房副長官、長島昭久首相補佐官がそれぞれチーム長、副長に就任。 米村敏朗内閣危機管理監を事務局長とし、官邸や防衛省の関係幹部で構成。 同日は官邸と防衛省の情報伝達や、国民への情報発信について検証して改善策をまとめる方針を確認した。