南海トラフ巨大地震の確率公表、政府地震調査委員会5/24

政府の地震調査委員会(委員長・本蔵義守東京工業大名誉教授)は24日、駿河湾から日向灘の南海トラフで、30年以内に発生するM8~9の巨大地震について12年ぶりに見直し予測確率を発表した。 これまで東海、東南海、南海の3地域に分けて発生確率を出してきたが、東日本大震災が想定外の広域巨大地震だったことを踏まえ、3地域を1つの震源域として算出した。
M8以上の南海トラフ地震の発生予測、30年以内に60~70%の確率今後30年以内にM8~9の巨大地震が起きる確率は60~70%の高い確率で発生するとの予測結果。 今回の南海トラフ地震確率は東日本震災前の「南海地震」「東南海地震」の確率とほとんど変わっていない。

以下、NHKニュース、朝日新聞朝刊の記事の順にクリップ、掲載――

南海トラフ巨大地震の確率公表1 南海トラフ巨大地震の確率公表2 南海トラフ巨大地震の確率公表3 南海トラフ巨大地震の確率公表4 南海トラフ巨大地震の確率公表5 南海トラフ巨大地震の確率公表6南海トラフ巨大地震の確率公表
(NHK 2013年5月24日18時6分)

政府の地震調査委員会は、東海から西の南海トラフで想定されるマグニチュード8から9の巨大地震が起きる確率を24日、公表しました。
今後30年以内に発生する確率は60%から70%で、地震調査委員会は切迫性がかなり高いとしています。

政府の地震調査委員会は、東日本大震災を教訓に、東海から西の太平洋にある南海トラフで将来起きる可能性のある地震について、規模や確率を見直し、24日公表しました。

これまで駿河湾周辺と、紀伊半島沖、それに四国沖の3つの領域に分けて、地震が発生する確率を計算していましたが、最新の研究ではそれぞれの領域だけで地震が繰り返すという考え方では説明できないとして、地震が南海トラフの一部や全域で起きる場合も含めて、どこかでマグニチュード8から9の巨大地震が起きると想定しました。

その結果、今後10年以内に地震が発生する確率は20%程度、今後20年以内では40%から50%、今後30年以内では60%から70%としました。

地震調査委員会の本蔵義守委員長は、「今回は南海トラフ全域のうちのどこかでマグニチュード8以上の地震が起きる可能性を見積もっている。60%から70%というのは切迫性がかなり高いという結果で、今後の地震津波対策を着実に推進して、防災と減災に努めてもらいたい」と話しています。

また、政府の中央防災会議が防災対策を検討するために想定したマグニチュード9を超える巨大地震については、過去数千年に発生した記録が見つかっていないことから、確率を出すことはできず今後の課題としています。

■ 検討の経緯は

これまで政府の地震調査委員会は、「南海トラフ」では過去の歴史記録から、およそ100年から200年の間隔で、大規模な地震が繰り返し起きていたと考えてきました。 将来起きる地震を検討するにあたっては、「地震はほぼ同じ領域で周期的に発生する」という考え方などに基づいて、四国から紀伊半島の沖合の「南海地震」、紀伊半島から東海の沖合の「東南海地震」、駿河湾周辺の「東海地震」と、3つの地震を想定し、それぞれ発生確率を出してきました。

しかし、東日本大震災を引き起こしたおととし3月の巨大地震では、これまで想定していた震源の領域を越えて地震が発生していたほか、300年前の江戸時代に発生した「宝永地震」では、3つの領域にまたがって地震が発生していた可能性があるという指摘があります。

さらに、津波の堆積物の調査などから、2000年前にはこれまでの想定を上回る津波が起きていた可能性も出ていて、「南海トラフ」の地震はより複雑で、これまでの考え方では説明できないことが分かってきています。

このため政府の地震調査委員会は、「南海トラフ」の震源域をマグニチュード8から9の大規模な地震が想定される1つの領域と考えて、今回、発生確率を見直しました。 発生確率は、これまでと同じように、記録に残されている大地震の間隔と直近で発生した大地震から経過した年月を基に計算しているため、記録がない地震については計算できないとしています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130524/k10014825391000.html

南海トラフ・調査委予測M8~9、50年以内90pct以上(朝日)M8~9の地震 50年以内90%以上
南海トラフ 調査委予測
(朝日朝刊39面「社会」 2013年05月25日)

政府の地震調査委員会は24日、駿河湾から九州沖まで延びる南海トラフで起きる恐れがある大地震の発生確率を公表した。トラフ沿いのどこかでマグニチュード(M)8~9の地震が起きる確率は、50年以内に90%程度以上、10年以内なら20%程度などで「切迫性が高い」とした。

南海トラフ・M8以上の主な震源域(朝日)調査委は2001年に確率を初めて発表した。以後、東海、東南海、南海の3領域に分けて予測してきたが、東日本大震災を想定できなかった反省から12年ぶりに方法を見直した。

前回との大きな変更は、全域で統一して予測した点。南海トラフでは、歴史的な記録がある白鳳(はくほう)地震(684年)以降、繰り返しM8級の大地震が起きてきた。南海や東南海といった領域でそれぞれ起きたり連動したり多様な現れ方をしてきたため、これまでの領域ごとの予測では実態にそぐわないと判断した。

新たに計算した結果、今後50年以内なら90%程度以上としたほか、30年以内は60~70%、40年以内は80%程度などと出た。

内閣府の有識者会議は、最大M9・1の巨大地震を想定して被害を算出しているが、調査委は「少なくとも過去数千年間は確認できておらず評価は困難。100~200年間隔で繰り返し起きている大地震に比べ、頻度は1桁以上低い」として、確率は出さなかった。

本蔵(ほんくら)義守委員長(東京工業大名誉教授)は「切迫性はかなり高いという認識。今後の地震、津波対策を着実に推進し、防災、減災に努めてほしい」と話した。

調査委の南海トラフに関する今年1月時点の予測は、M8程度の東海地震が88%(参考値)、M8・1前後の東南海地震が70~80%、M8・4前後の南海地震が60%程度の確率で30年以内に起こるなどとしていた。 (合田禄)

今回の発表は政府の地震研究推進本部のHP http://www.jishin.go.jp/main/index.html で公開されている。 公開ページ「南海トラフの地震活動の長期評価(第二版)について」 http://www.jishin.go.jp/main/chousa/13may_nankai/index.htm で発表資料全文(PDF版)を閲覧することができる。 下記はダイレクト・リンクされているのでクリックしてPDFを閲覧できる。

「南海トラフの地震活動の長期評価(第二版)について」
平成25年5月24日公表 地震調査研究推進本部 地震調査委員会


(書きかけ中…….上記資料のダイジェストを掲載予定です。)

MEGAQUAKE(メガクエイク)III 巨大地震(NHKスペシャル)|シリーズ3放送開始。今夜9時、お見逃しなく…

NHKスペシャル「MEGAQUAKE(メガクエイク)III」が今夜から始まる、巨大地震の脅威を伝える大型シリーズの第3弾です。 今夜9時の第1回は「次の直下地震はどこか~知られざる活断層の真実~」。 このシリーズの「MEGAQUAKE I」は2010年1月と3月に初回放送された。 また、「MEGAQUAKE II」は2012年の4月と6月に初回放送されている。 それらの内容はこのブログの投稿「<巨大地震>NHKスペシャル「MEGAQUAKE II」…(2012/04/01)で紹介しているので、読んで頂ければ…

東日本大震災・3.11の“津波”による被害の衝撃が余りにも大きかったため、我々は津波の怖さにばかり目が行きがちのようだ。 しかし、地震そのものの恐ろしさを忘れてはいけない。 今夜の「MEGAQUAKE(メガクエイク)III」の第1回は直下型地震の脅威に迫る。 日本の地下に眠る活断層…今、福島県いわき市の活断層が動きやすくなっている。 東日本大震災の余波によるものだが、それだけではなく、近く発生する大地震の前兆だともみられている。 阪神大震災などは南海トラフ地震の前触れだとも考えられているそうだ。

日本国内で約2千の活断層の存在が明らかになっているそうだ。 さらに、探せば探すほど活断層は新たに見つかっている。 この現実は無視できない…「オレの住んでるあたりは活断層ないから大丈夫だよ」などと言ってられなさそうだ。 日本には活断層の空白地帯などないと思っていたほうが正解のようだ。  ならば、次の直下型地震はどこで起きるのか…..

MEGAQUAKE(メガクエイク)III 巨大地震 (1) 06

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追記、4月14日】 4月9日にこのブログ投稿をして「日本には活断層の空白地帯などないと思っていたほうが正解のようだ」と書いたが、昨日(4月13日)早朝に兵庫県淡路市で震度6弱の地震が起きた。 高層の建物がゆっくり揺れる「長周期地震動」も起きたようだ。 MegaquakeIIIの第一回が「直下地震」、第二回が「長時間地震動」を題材にしている。 NHKスペシャル、見ておいた方いいですよ…. 因(ちな)みに、「阪神大震災以降、国が警戒する活断層以外で起きた主な地震」の図をこの追記のすぐ下に追加しておきました、参考までに。
関連ブログ投稿記事】(下記タイトルクリックでジャンプ)
■ 兵庫・淡路市で震度6弱 余震に注意を (NHK4月13日6時5分)
■ 淡路市、地震で液状化現象、地面に亀裂も(NHKニュースクリップ)
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活断層以外で起きた主な地震

MEGAQUAKE(メガクエイク)III 巨大地震 (1) 01

メガクエイク III とは

2年前、とてつもない破壊力で日本を襲ったM9.0の巨大地震。 日本列島にかかる力のバランスを大きく変え、“大変動期”とも呼ばれる不安定な状態をもたらした。各地では今も、地震が起きやすい状態が続いている。 あの巨大地震の発生を予期できず、深く挫折した日本の地震学は、M9.0が残した膨大なデータを手がかりに、「次なる地震」のリスクに迫る研究を必死に続けてきた。

それから2年。科学者たちの研究は飛躍的に進化し、新たな知見に次々とつながり始めている。最新の観測技術で得られた科学データが、これまで気づかなかった日本列島の脅威をあぶり出しているのだ。さらに、過去に起きた地震の痕跡や記録を解析することで、今の危機を照射する研究が重視され始め、相次いで重要な手がかりをもたらしている。

その姿に迫れば迫るほど、大きくなる地震の脅威。 しかし、私たちは、直視することから、将来の被害を防いでいかなければならない。 科学者たちが、最新の技術を駆使して発見した、地下と地上に焦点をあてることで新たに見えてきたリスクを、CG、詳細なシミュレーションなどを駆使することで描き出し、迫り来るメガクエイクの脅威に迫る。

http://www.nhk.or.jp/special/megaquake3/about.html

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MEGAQUAKE III (メガクエイク III) ― 巨大地震 ―

第1回 次の直下地震はどこか~知られざる活断層の真実~

放送日: (NHK総合)2013年4月7日(日) 午後9時00分~9時49分
再放送予定: (NHK総合)2013年4月11日(木)午前0時40分~1時29分(10日深夜)

MEGAQUAKE(メガクエイク)III 巨大地震 (1) 02とてつもない破壊力で日本を襲ったM9の巨大地震は、日本列島に大きな地殻変動をもたらし、大地の不気味な動きは、2年たった今も続いている。そんな中で、地震学者たちが危惧しているのが『内陸の地震』だ。原発でも注目されているように、内陸の活断層は、ひとたびずれ動けば、直上の都市や施設にまともに襲いかかり、壊滅的な被害をもたらす。活断層は、推定されているだけでも2000あるが、地震の周期の長さから、メカニズムの解明は遅れてきた。しかし、あの巨大地震が残した膨大なデータが、活断層の研究を進展させ、未知の脅威を次々と浮かび上がらせている。

断層のずれ方によって増す破壊力、そして、引き金となる水の存在・・・。活断層地震が、どこで、どんな規模で私たちの暮らしを襲ってくるのかを読み解く地震学者たちの挑戦が、本格化している。メガクエイク・シリーズ第三弾。3.11後の地震学が解き明かす、“私たちがまだ知りえていない”巨大地震の姿に、最新の科学データを駆使しながら迫る。

http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0407/index.html

MEGAQUAKE(メガクエイク)III 巨大地震 (2) 02

MEGAQUAKE III (メガクエイク III) ― 巨大地震 ―
第2回 揺れが止まらない~”長時間地震動”の衝撃~

放送日: (NHK総合)2013年4月14日(日) 午後9時00分~9時49分
再放送予定: (NHK総合)2013年4月18日(木)午前0時40分~1時29分(17日深夜)

MEGAQUAKE(メガクエイク)III 巨大地震 (2) 012011年3月11日。日本全国に設置された数千の地震計がマグニチュード9.0の地震波形を記録した。あれから2年。波形の解析は進み、あの巨大地震が引き起こした「揺れ」の実態が明らかになってきた。仙台市では、新しい耐震基準の建物や、耐震補強された建物が破壊。長時間にわたり激しい揺れが繰り返し襲う“揺れの波状攻撃”ともいうべき事態が発生し、建物を想定外の破壊に追い込むメカニズムが分かった。揺れは全国に広がり、震源から770km離れた大阪では、超高層ビルを10分以上に渡ってゆっくりと大きく揺さぶった。揺れが大地の中を伝わり大阪平野の地盤で成長、その上の摩天楼に入りさらに成長するという、揺れの恐ろしさも浮かび上がってきた。もし巨大地震の震源が陸地に近ければ、揺れはどのような姿で我々の前に現れるのか。――――私たちはまだ巨大地震の“本当の揺れの恐ろしさ”を知らない。

http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0414/index.html

東日本大震災2年目を迎える前日の2013年3月10日、NHKBS1で夜7時から8時50分にかけて2部構成で「The Next Megaquake (ザ・ネクスト・メガクエイク)」というNHKBS1スペシャルを放送した。 その後再放送もされたが、皆さんはご覧になっただろうか? ご覧になっていない人もいるだろう、紹介したい。 番組1部、2部のそれぞれの画像クリックで動画サイトにジャンプし、動画全編を視聴できると思う。削除されていた時は悪しからず。

Next Megaquake

日本を襲ったM9.0の超巨大地震。 地震研究の最先端を行く日本の科学者たちが築き上げてきた自信は、完全にうち砕かれた。 しかし、日本列島にくまなく張り巡らされた世界でも類を見ない地震観測網は、人類史上初めて巨大地震と巨大津波の全貌を捉えていた。

超巨大地震と巨大津波を引き起こした地下の「大連動」と「時間差」のメカニズム。 首都東京や大阪の高層ビルを揺さぶった長周期地震動。 数日前から東北沖の海底と上空で起きていた数々の「異変」。 巨大地震の直後から活発化し始めた断層地震と火山活動など…。

失われた多くの命。その一方で人類が初めて手にした「膨大なデータ」と、その瞬間を捉えていた「膨大な映像」。 それらを手がかりに、次の巨大地震に立ち向かう地震学者たち。 地震学がたどり着いた最新の知見を地球規模の視点で取材し、“次の巨大地震”に迫っていく。

Next Megaquake 1

【動画リンク】 NEXT MEGAQUAKE 1 3.11巨大地震~明らかになる地殻変動

NEXT MEGAQUAKE 1 3.11巨大地震~明らかになる地殻変動
2013年3月10日(日) NHK BS1 午後7:00~7:50  放送

3.11の巨大地震と大津波は、世界で初めて非常に多数の観測機器でその全貌を知るデータが捉えられ、その解析から知られざる発生メカニズムが次々と明らかになってきた。地震発生の数日前から海底と上空で起きていた数々の異変、想定外のプレート境界のずれがアスペリティー破壊の連鎖を引き起こし地震を巨大化させていったプロセス、海底の時間差変動がもたらしていた津波の巨大化。 番組では、解析結果から明かになった地下のドラマをCGで完全再現。さらに、巨大地震がメキシコなど世界各地で地震を誘発させ、大津波がチリや南極にまで到達し被害をもたらしていた実態など、地球規模で起きていた知られざる地殻変動の真相を解き明かす。

NEXT MEGAQUAKE 2 大変動期 最悪のシナリオに備えろ

【動画リンク】 NEXT MEGAQUAKE 2 大変動期 最悪のシナリオに備えろ

NEXT MEGAQUAKE 2 大変動期 最悪のシナリオに備えろ
2013年3月10日(日) NHK BS1 午後8:00~8:50  放送

世界の地震・津波研究者による巨大地震の詳細な分析や、過去の巨大津波の痕跡の調査結果から浮かび上がってきたのは、「巨大地震が連鎖する“活動期”に突入したのではないか」という可能性だ。この先、一体何が起きるのか。研究者たちは、最新データによるシミュレーションから日本列島を襲う次の巨大地震や巨大津波、そして、日本最大の火山・富士山の大噴火など「最悪のシナリオ」を描き始めている。 アメリカやチリ、日本など世界で進み始めたGPSデータを駆使した“次の巨大地震・津波”の発生を予測する研究から“大変動期”の世界と日本の姿を描きだす。

http://www.nhk.or.jp/special/megaquake/next/

(書きかけ中…..)

<巨大地震> NHKスペシャル「MEGAQUAKE II」今夜9時。 第一弾が放送されたのは大震災の1年2 ヶ月前の1月10日。 「こんな事がそう起きるか?」と当時思った。 だが警告は現実のものとなった..

今夜9時、NHKスペシャル「MEGAQUAKE(メガクエイク)2 巨大地震」が放送される。 東日本大震災一年を受けて、前回放送された「MEGAQUAKE 巨大地震」のシリーズ2として放送するようだ。 (追加情報    [再放送 第1回(4月4日深夜)4月5日(木) 午前0:50~午前1:40、第2回(4月11日深夜)4月12日(木)午前0時50~1時39、再放送 第3回 (16日深夜)6月17日(日)午前1時20分~2時33分])

前回のシリーズ第一回「次の巨大地震をつかめ ―人類の果てしなき戦い」が放送されたのは2010年1月10日だった。 最終回の第四回「TSUNAMI 襲来の悪夢」は3月14日に放送された。 全放送を妻と一緒に見たのだが、「ちょっと大げさだよな。 こんなのそうそう起きるもんじゃない。」というのが我ら夫婦のその時の感想だった。

それからちょうど一年後、東日本大震災は起きた。 番組の警告は現実となった。

夫婦ともども震度6強を経験し、三日に渡る停電の中で暮らした。 明かりはなく、暖と食事を取るのに苦労し、遠くにいる子供たちと安否を確認する通信手段は寸断され…

NHKの番組紹介によれば、『3.11から1年、再び巨大地震に立ち向かう地震学者たちの挑戦を追う。最新科学が解き明かす巨大地震の真実と“次の巨大地震”に迫るドキュメンタリーシリーズ「MEGAQUAKE(メガクエイク)2」』となっている。 全3回放送するようである。 我ら夫婦の東日本大震災の経験からも「ぜひ一人でも多くの人にこのシリーズを見てもらいたい」、と「会えぬ君に伝えたい」。

NHKから頼まれたわけではないが、「MEGAQUAKE II」シリーズの紹介と前回は何が放送されたのか紹介したい。 ちなみに、前回のシリーズ全四回は今回のシリーズ2放送ににさきがけて30日深夜、3月31日(土)午前1時45分~3時34分(第1回、2回)と31日深夜、4月1日(日)午前0時30分~2時09分(第3回、4回)の二日に分けて再放送された。 見た方はいるだろうか….

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追記、2013-4-7】 関連投稿記事情報の追加。

 MEGAQUAKE(メガクエイク)III 巨大地震(NHKスペシャル)|シリーズ第3弾の放送開始。今夜9時、お見逃しなく…」 (投稿日:2013/04/07)
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メガクエイクとは

「マグニチュード9の地震を全く予見できなかった。
東北にそんな危険が潜んでいることを想像もできていなかった」。

世界のトップを走り続けてきた、地震研究先進国・日本の地震学者たち。
あの日、日本を襲った巨大地震によって、築き上げてきた自信は完全にうち砕かれた。
しかし、深い悔恨を抱きながらも、彼らは立ち止まるわけにはいかない。
日本列島に張り巡らされた、世界でも類を見ない観測網は、巨大地震の膨大なデータを捉えていたのだ。

東日本大震災の1年前、私たちは、最新科学が描き出す巨大地震の脅威を、NHKスペシャル「MEGAQUAKE」(4回シリーズ)で放送した。
その脅威が現実のものとなったいま、私たちは、多くの犠牲を代償に手にした「未知のデータ」を手がかりに、再び巨大地震に立ち向かう地震学者たちの挑戦を追う。
そして、最新科学があぶり出す巨大地震の姿を、CGや詳細なシミュレーションを駆使して映像化する。

超巨大地震・津波を引き起こした地下の「大連動」そして、「時間差」のメカニズム。
新たに観測された「前兆」から探る予知。
最新の地震考古学から明らかになる世界各地の巨大地震の脅威。
そして活動期に入ったとされる日本で、巨大地震・富士山噴火など大災害が連動する「最悪のシナリオ」とは――。

3.11から1年、地震学がたどり着いた最新の知見を、世界各地のルポも交え、地球規模の視点で取材し、“次の巨大地震”に迫るドキュメンタリーシリーズである。

http://www.nhk.or.jp/special/megaquake2/about.html

放送スケジュース
Schedule
MEGAQUAKE II 巨大地震

第1回 いま日本で何が起きているのか
2012年4月1日(日) 午後9:00~9:49
[再放送 (4月4日深夜)4月5日(木) 午前0:50~午前1:40]
再々放送 6月9日(土)午前1時30分~2時19分(8日深夜)

第2回 津波はどこまで巨大化するか
2012年4月8日(日) 午後9:00~9:49
[再放送 (4月11日深夜)4月12日(木)午前0時50~1時39]
再々放送 6月9日(土)午前2時20分~3時09分(8日深夜)

第3回 日本列島”大変動期” 最悪のシナリオに備えろ  
2012年6月9日(土) 午後9:00~9:49
再放送 6月17日(日)午前1時20分~2時33分(16日深夜)

http://www.nhk.or.jp/special/megaquake2/about.html

番組内容

第1回 いま日本で何が起きているのか

地震研究先進国・日本を襲ったマグニチュード9.0。最先端の地震学者たちが築き上げてきた自信は、完全にうち砕かれた。しかし今、彼らは深い悔恨を抱きながらも、次の巨大地震に備える新たな挑戦を始めている。その手がかりは、世界でも類を見ない観測網が捉えていた膨大なデータにある。解析が進むにつれ、巨大地震の知られざる発生メカニズムが浮かび上がりつつあるのだ。巨大地震発生の一ヶ月前から本震の震源に向かいながら起きていた無数の微小地震。そして3月11日、宮城沖で始まった地震は、まもなく予想外のプレート境界の破壊によって際限なく巨大化していった。番組では、東北沖のプレート境界で発生した地震が、次々と連動し広がっていった地中のドラマを詳細なデータに基づいてCGで完全再現する。さらに世界で進むGPSデータによる“次の巨大地震”の予測研究の最前線に密着。アメリカ、チリ、そして日本など、世界のプレート境界に潜む巨大地震のリスクに迫っていく。

第2回 津波はどこまで巨大化するか

どこまで津波は巨大化するのか、そして次のリスクはどこに潜んでいるのか。東日本大震災から1年、世界の津波研究者たちは、今回得られた津波のデータや過去の巨大津波の痕跡=“地球の記憶”を手がかりに新たな闘いを始めている。東北を襲った津波の詳細な分析から明らかになってきたのは、地震が複雑に・時間差で連動していくことで、津波が増幅していく巨大化のメカニズムだ。また、過去の津波の堆積物や巨大津波石の調査からは、世界各地で今回と同じような超巨大津波が数百年の周期で発生していることもわかってきた。この地球の記憶が警告しているのは、「世界は巨大地震が連鎖する“活動期”に突入したのではないか」という可能性だ。次々と明らかになる巨大津波の新たなリスクにどう備えるのか。世界の第一線の津波研究者たちに密着し、その最新の研究成果を紹介。数十万通りのシミュレーションから巨大津波の「最悪のシナリオ」をあぶり出し、特撮CGによって想定外の被害を詳細に描き出す。

第3回 日本列島”大変動期” 最悪のシナリオに備えろ

東日本大震災を境に、各地で様々な異変が続いている。東北が中心だった余震が南へ移動し、首都圏の直下で頻発。また、活火山の中には発光現象などが観測さ れ、活動が活発化した可能性を指摘されるところもある。「日本は今、長いサイクルで繰り返されてきた“大変動期”に入ったのではないか」という見方も生ま れている。 そうした中、最新の科学は、今回の地震が残した膨大なデータを手がかりに、次の巨大地震や大災害を読む研究を加速させている。首都直下地震が危惧される 東京。多くのプレートが重なりあう複雑な地下構造が明らかになり、複数のリスクがあることが、浮かび上がってきた。どこに、どんな規模の地震の可能性があ るのか、詳細な調査が始まっている。さらに、300年間沈黙を続けている富士山。最新の研究から、直下にある“マグマだまり”が、巨大地震による地殻変動 や余震によって“変形”を起こしている可能性が浮かび上がってきている。 番組では、最新のシミュレーションとCGにより「最悪のシナリオ」を描き出す。日本に住む限り逃れられない巨大地震と火山噴火にどう向き合っていけばいいのか。最新の予知研究も紹介しながら考えていく。

前回のシリーズの内容

<NHKスペシャル MEGAQUAKE・巨大地震>

第1回 次の巨大地震をつかめ 人類の果てしなき闘い (初回放送 2010年1月10日(日) 午後9:00~9:58)

「巨大地震はいつ、どこで起きるのか」 阪神淡路大震災から15年、その問いに迫る闘いは新しいステージに入っている。高感度地震計やGPSという最新観測技術を手に入れたクエイクハンターたちは、地球の内部を克明に捉え、「地震の巣」をピンポイントで明らかにしつつある。日本沿岸では、複数の中規模地震がわずかな誤差で予測可能になってきた。巨大地震の発生時期の解明につながる可能性を秘めたサインも世界各地で観測されるようになった。さらに、世界各地に眠る地層の痕跡を読み解くことで、これまで記録がなく「空白域」とされてきた地域に迫る巨大地震の可能性が次々とあぶり出されている。アメリカでは先住民族の伝承でしか伝えられなかった過去の地震が明らかになり、シアトルなどアメリカ北西沿岸部の都市は、M9の巨大地震の脅威にさらされることになった。日本列島でも、東海・東南海・南海地震がさらに西側に広がる、未知の“3連動プラス1”超巨大地震の可能性が新たにクローズアップされている。地球上での繁栄を謳歌してきた人類は、最新科学を描き出す巨大地震のリスクとどう向き合えばよいのか。人類と地震の攻防、その到達点を描く。

第2回 KOBE 15秒の真実 そのとき地下で何が (初回放送 2010年1月17日(日) 午後9:00~9:49)

初めて現代都市を直撃したメガクエイク、阪神・淡路大震災。わずか15秒の揺れが、なぜあれほどの惨禍をもたらしたのか? 震災を機に急速に発達した地震観測網とデータ解析技術が、その答えとなる知られざる「地下のリスク」を少しずつ明らかにしている。
活断層破壊の引き金となった地下深くに滞留する「水」。断層面にアスペリティ(固着域)が2つあったため、2波連続で発生し、木造住宅を破壊した強力な地震波。入り組んだ表層地盤が生みだした複雑な揺れによって致命傷を負い、倒壊した高速道路。揺れが収まったその時に、郊外の住宅地で起きた時速40キロの高速地滑り…。
番組では、明らかになった地下のメカニズムに、木造住宅、高速道路、地滑り、それぞれの生存者の証言をもとにした再現ドラマを組み合わせ、15秒の「完全再現」を試みる。高精細のデジタルシネカメラで撮影した再現ドラマは専門家の監修による解析CGと最新のVFX技術によって融合。これまで映像化されてこなかった「15秒の真実」とは.
都市直下の活断層の脅威を世界に知らしめた「KOBEの15秒」。その真実を最新科学で見つめ、次なる活断層地震にどこまで備えられるのか、その到達点を描く。

第3回 巨大都市を未知の揺れが襲う 長期地震動の脅威 (初回放送 2010年3月7日(日) 午後9:00~9:49)

近い将来高い確率で発生が危険視されている南海トラフでの巨大地震。スーパーコンピューターによる最新解析によると、放出された膨大な地震波のエネルギーは、とくに東京・大阪・名古屋といった大都市圏に集中的に襲いかかり、長く大きく高層ビル群を揺らし続ける「長周期地震動」を発生させると予測されている。関東大震災以後、大地震を知らずに発展を続けてきた日本のメガシティは、その危機を乗り越えられるのか。
未知なる脅威「長周期地震動」の実像を知る手がかりは、25年前に中南米最大の都市メキシコシティを襲った巨大地震に隠されていた。震源からはるか400キロ離れた都市直下で急激に増幅し、およそ1分間にわたってビル群を揺さぶり、破壊した謎の地震波。その背景には、もともと非常に脆弱な地盤を人間が埋立て、都市を築いてきた歴史が秘められていたのだ。
メキシコシティと同様、江戸期以降あいつぐ土地改良と埋立てによって世界最大級の都市を築き上げてきた東京。しかし、長周期地震動のリスクは高層ビル設計の中で長年“想定外”とされ続けてきた。さらに、長く揺れ続けることによって湾岸部などでは液状化被害が拡大し、建物の基礎や地下のライフラインに深刻な被害を与えることも最新研究でわかってきた。にわかに突き付けられた未経験の災害の脅威に、都市文明はどう向き合うのか。最新研究成果と都市の秘められた歴史を軸に、メガシティに迫る危機の実像をつぶさに描き出す。

第4回 TSUNAMI 襲来の悪夢 (初回放送 2010年3月14日(日) 午後9:00~9:49)

第四回は津波と人類の闘いの最前線を見つめる。人類誕生以来、幾千万もの命を奪い、海外では”Killer Wave”と呼ばれることもある津波。22万人以上の犠牲者を出したインド洋大津波から5年、世界の研究者たちが次に大津波が襲来すると警鐘を鳴らしているのが日本だ。そして「その時」、有史以来初めて、高度に発達した都市住民が津波に見舞われることになる。大津波が日本の都市を襲う時一体何が起き、そして人々の命は救われるのか。これまで誰も検証出来なかった難しい問いに、今、津波研究者たちが挑んでいる。海底調査や津波堆積物調査による次の津波の規模の予測から、市街地に入り込んだ津波の挙動を詳細に解析する「高精細シミュレーション」や都市を津波から守る世界初の浮上式津波防波堤の開発まで、様々な角度から対策が進められているのだ。そうした研究者たちに共通するのが「津波は自然災害の中で人々が向き合うのが最も難しい災害である」という思いだ。発生が極めて低頻度であるがゆえに被災体験が共有されず、しかし、一度起きれば広域に甚大な被害をもたらすからだ。
番組では、一人でも多くの命を救いたいと地道な努力を続ける研究者たちのルポにドラマを絡めながら、都市を襲う津波の真の姿を”未来の被災者”にリアリティ豊かに伝えていく。やがて確実に訪れる「その時」を前に、「巨大地震のある惑星に生きることの意味」を問うシリーズ最終章である。

http://www.nhk.or.jp/special/megaquake/p_schedule.html

MEGAQUAKE II 第1回 いま日本で何が起きているのか

Megaquake II 第1回 いま日本で何が起きているのか(動画)

Megaquake II 第1回 いま日本で何が起きているのか(動画)

<南海トラフ地震・有識者検討会> 地震・津波の新想定発表 3月31日

政府の有識者検討会―「南海トラフの巨大地震モデル検討会」は今日、3月31日に新想定を発表した。

検討会(座長・阿部勝征東京大学名誉教授)は大震災で想定外の巨大地震と津波が起きた反省を踏まえ、同様の海溝型地震が起きる南海トラフの想定を見直してきた。トラフ付近で震源断層が大きく動き、津波が巨大化する大震災タイプの津波断層域(M9・1)を新たに導入したほか、断層面を東西方向や陸側に広げ、強い揺れを起こす強震断層域を従来のM8・7からM9・0に上方修正した。

検討会は今回の推計について、「最大級の地震を想定したもので、次に起こる地震の規模を予測したものではない。『何年間に何%』という発生確率を念頭に試算したものでもない」とし、慎重な対応を呼びかけている。

この新想定の詳細、解説はNHKニュースが詳しい。 以下の南海トラフ地震震度分布図新旧比較画像に続いてNHKニュースをクリップ。 電子版配信の新聞記事よりかなり充実した内容だと私は思う。 [追加情報 4月1日。 毎日新聞4月1日の「クローズアップ2012:南海トラフ津波想定 対策、根底から見直し」の記事が中々よかったのでNHK記事の後に追加した。(【追記2013-5-25南海トラフ巨大地震の確率公表、政府地震調査委員会5/24」(投稿日2013-5-25)を追加した。タイトルをクリックで記事へジャンプ。)

今回の新想定に基づく南海トラフ地震震度分布図 (画像クリックで拡大)
比較してみる

前回(9年前)の2003年中央防災会議による東海・東南海・南海地震の震度分布図

南海トラフ巨大地震・新想定震源域
南海トラフ巨大地震・新想定最大クラスの津波高

【政府公開情報】 詳細な内容は後ほど、内閣府の「南海トラフの巨大地震モデル検討会」のウェブページ http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/nankai_trough/nankai_trough_top.html
に掲載される。 31日の夜に下の画像のように掲載されていた。

上図のようにクリックすると南海トラフの巨大地震モデル検討会(第15回)平成24年3月31日(土)のページに行く。 以下のようなイメージ。

報道発表の資料一式が(1)から(12)までリストされているが、「(10)市町村別の最大となる震度」と「(12)都道府県別市町村別の最大となる津波高<満潮位>」あたりが一般的に関心のある資料かと思う。 直リンクは (10) http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/nankai_trough/15/kisya_10.pdf  (12) http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/nankai_trough/15/kisya_12.pdf

以下はNHKニュースのクリップ。 記事に先行する下記キャプチャー画像はクリックすると拡大する

    

         

         

         

「南海トラフ」地震・津波の新想定
(NHK 3月31日 17時56分)

東海から西の太平洋沿岸の「南海トラフ」付近で起きる巨大地震について、国の検討会は、各地を襲う最大クラスの揺れと津波の高さの想定をまとめ、新たに公表しました。 従来の国の想定の2倍近い680余りの市町村で震度6弱以上の激しい揺れが想定されているほか、四国などの23の市町村では、20メートル以上の巨大な津波が想定されています。

東海から西の太平洋沿岸の「南海トラフ」と呼ばれる海底付近では、東南海・南海地震などの巨大地震がおよそ90年から150年ごとに繰り返し起きています。 東日本大震災を受けて、国が設けた専門家による検討会は、去年12月、「南海トラフ」で起きる最大規模の巨大地震として、マグニチュード9.0の想定震源域などをまとめ、31日、新たに最大クラスの揺れと津波の高さの想定を公表しました。

このうち揺れの強さは、5つのパターンの地震の起こり方から市町村ごとに最大の震度を推計しています。 震度6弱以上の激しい揺れが想定されたのは、24の府県の687の市町村で、国が9年前までにまとめた東南海・南海地震などの想定に比べて2倍近くに増え、名古屋市の一部や、静岡市、和歌山市、徳島市、宮崎市など、10の県の153の市町村では、震度7の非常に激しい揺れが想定されています。

また津波の高さは、最新の研究成果に基づいて11の津波発生のパターンから最大の値を推計し、関東から九州にかけての11の都県の90の市町村では、高さ10メートル以上の大津波が想定されました。 さらに、高知県黒潮町で34.4メートルなど、四国や東海などの23の市町村では従来の国の想定にはなかった20メートル以上の巨大な津波が想定されています。

検討会は、来月以降、より詳細な地形のデータに基づく津波の高さや、東南海・南海地震などが一定の時間差をおいて発生した場合の津波への影響、それに浸水が予想される範囲などを検討する予定です。 これを受けて、国はことし6月ごろまでに被害想定をまとめ、この秋から冬にかけて総合的な防災対策を検討していくことにしています。

■ “堤防では抑えることができない”

検討会の会合のあと記者会見した中川防災担当大臣は「最大クラスの津波は堤防では抑えることができず、都市計画や避難の在り方、防災教育などを対策に組み込んでいく必要がある。自治体の既存の防災計画が否定されるものではなく、最大級の想定を加えて見直していくべきで、国としても計画の策定を支援していきたい」と述べました。

また、検討会の座長を務める阿部勝征東京大学名誉教授は「東日本大震災との違いは、大きな津波が早いところでは2分から3分で到達するということだ。どうすれば避難することができるのか、ソフト面の対策の強化を進める必要がある」と指摘しました。 そのうえで阿部座長は「今回の想定に関わらず、日本列島ではどこで地震が起きてもおかしくないということを念頭に置いて防災対策を進めてほしい」と述べました。

■ なぜ津波想定は高くなったのか

今回の想定で津波の高さが極めて高くなったのは、去年3月の巨大地震の最新の調査などに基づいて、津波発生についての考え方が大きく見直されたためです。

去年3月の巨大地震では、東北沖の「日本海溝」付近で陸側の岩盤が大きくずれ動いたため、巨大な津波が発生したとみられることが、専門家の調査から分かってきました。 このため検討会は、東北沖と同じように、「南海トラフ」付近の海底にも岩盤が大きくずれ動くと仮定して、11のパターンの津波を計算しました。

またこれまでの研究成果から、海側の岩盤が陸側の岩盤の下に沈み込む速度は「南海トラフ」の西側ほど速い傾向が見られることを踏まえ、地震の際岩盤がずれ動く量が西の地域ほど大きくなると推定して計算しています。 この結果、高知県で30メートルを超える巨大な津波が予想されるなど、従来の国や自治体の想定に比べて極めて高い津波が想定される結果となりました。

ただ、今回の想定の計算には比較的粗い50メートル四方の地形のデータが使われているため、検討会は来月以降、より精度の高い10メートル四方の地形データに基づいて改めて津波の高さを推計することにしています。

■ 自治体の独自想定上回る地域も

今回公表された最大クラスの津波の高さの想定は、従来国が示していた東海地震や東南海・南海地震の津波の想定を大きく上回りました。 関東から九州にかけての9つの府県では、東日本大震災以降独自に津波の高さの想定を検討していましたが、中には今回の新たな想定との間で大きな開きが出た地域もあります。

例えば、▽徳島県阿南市は、県が独自に想定した津波の高さが5.4メートルでしたが、今回の新たな想定はこの3倍近い16.2メートルとなりました。

また、▽三重県志摩市では県の想定の15メートル余りに対して24メートル、▽同じく三重県の尾鷲市では13メートル余りに対して24.5メートルなどと、それぞれ県独自の想定を10メートル前後上回りました。

こうした府県では、今回の新たな想定を受けて改めて想定や防災対策を検討することにしていて、このほかの自治体も今後対策などの見直しを迫られることになります。

■ 原発の沿岸での想定は

国の検討会は、原子力発電所が設置されていたり、建設が計画されていたりする4か所について、想定される津波の高さの最大値を公表しました。

それによりますと、▽静岡県御前崎市にある中部電力浜岡原子力発電所付近では、地震によって地盤が2.1メートル隆起すると予想される一方、地盤の隆起を考慮しても、津波の高さは最大で21メートルに達すると想定されています。

また、▽愛媛県伊方町の四国電力伊方原子力発電所付近では津波の高さが3メートル、茨城県東海村の日本原子力発電東海第二発電所付近では津波が2.6メートルと想定されています。

さらに、▽山口県上関町で中国電力が原子力発電所の建設を計画している付近では、津波の高さが2.9メートルと想定されています。

これら4か所の市町村の最大震度は、▽御前崎市が震度7、▽伊方町が震度6強、▽上関町が震度6弱、それに▽東海村が震度4と想定されています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120331/t10014114281000.html

[追加クリップ記事]

(毎日新聞 2012年4月1日 東京朝刊 より)

クローズアップ2012: 南海トラフ津波想定(その1) 対策、根底から見直し

東海から九州沖の「南海トラフ」で起きる地震について、内閣府の有識者検討会は31日、「最大クラス」で津波や震度を予想した。津波の高さはこれまでの想定の2~3倍。住民の命を守る対策は根底から見直しを迫られる。

 ◇浸水域の公共施設移転 自治体、財源に苦悩

東日本大震災では浸水域の学校や公共施設、職場で大勢の人が犠牲になった。しかし、現在も多くの学校などが浸水想定区域内にある。地元自治体は厳しい財政状況の中、住民の安全確保に苦悩している。

高知県南国市の市立大湊小学校(児童数約90人)に今年3月上旬、校舎屋上への外付け階段が設置された。同小は海から約1キロ。周辺にビルや高台はない。震災前は校舎2階フロア(海抜約8メートル)を避難場所に想定していたが、東日本大震災で根本的に変える必要に迫られ、200人収容できる屋上を避難場所にした。

だが、その屋上も海抜11・5メートル。坂本一美教頭は最大16・2メートルの津波予想に「厳しい。新たな避難場所を考える必要が出てきた」と打ち明ける。

市の担当者も頭を抱える。市は13年度末までに同小の敷地に津波避難タワー(高さ20メートル級)を建設する計画だが、西原三登・市危機管理課長は「津波の高さだけでは単純には決められない」といい、「16メートル以上の津波が来た時、本当に20メートル級タワーで全員が助かるのか。安全だと思っていた避難場所が津波にのみ込まれる事態だけは避けなければ」と強い口調で話した。

静岡県下田市の庁舎は東海地震の浸水想定区域内にある。老朽化もあり現在の場所で建て替える方針だったが、東日本大震災を教訓に高台移転を検討し始めた。これまで沿岸で想定されていた津波の高さは約7メートルだったが、今回の想定で25・3メートルと3倍以上になった。

移転には数十億円かかるが、現在の場所のまま建て替えたとしても、津波対策を講じると高層化などで同じくらいの事業費が必要になる。市施設整備室の担当者は「公共施設の高台移転に対する交付金のようなものがあればいいのに」と悩む。

静岡県は新年度予算に、各市町村の地震・津波対策への補助金として27億円を計上したが、公共施設の移転は想定されていない。県の担当者は「市町村がどう財源を確保するかは今後、難しい問題になる。県もできる限りのことをしたいが、大きい事業で借金を抱える自治体もあるだろう」と話す。

 ◇「予防」に補助制度なし

政府は防災・減災のための経費として3次補正と12年度予算に1兆円超の「全国防災対策費」を計上した。しかし、学校や役場などの予防的移転に対する補助制度はない。

一方、浸水区域内の集落については、自治体が指定した災害危険区域の住民が高台移転に合意した場合、住宅建設費を補助する「防災集団移転促進事業」が利用できる可能性がある。ただし、これも公共施設は対象外だ。

高知県や和歌山県など太平洋沿岸9県の知事らは3月29日、中川正春防災担当相に対策強化のため「南海トラフ巨大地震対策特別措置法(仮称)」の制定を求めた。徳島県の飯泉嘉門知事は「浸水域にある公共施設をどう移動させるか。補助制度を含めた新しい体系の法律が必要ではないか」と話す。   【小坂剛志、池田知広】

 ◇モデル試算に限界

「実際は(試算を)やや下回るかもしれないし、上回るかもしれない」。有識者検討会の座長を務めた阿部勝征東京大名誉教授は31日、記者会見で想定モデルの限界に言及した。

今回公表された震度分布と津波の高さは「あらゆる可能性を想定した最大クラス」(内閣府)を前提に試算した。国内外の地震・津波や地殻変動の観測データ▽西日本沿岸に残る過去の巨大津波の堆積(たいせき)物調査▽スーパーコンピューターによるシミュレーション--などを基に、プレート(岩板)境界が激しくずれ動いて強い揺れや高い津波を引き起こす領域の位置を、震源域内に複数のパターンで設定。各地の揺れや津波の高さは設定ごとに変わるため、震度分布は5パターン、津波の高さは11パターンの設定で試算し、それぞれの最大値を一枚の地図に重ね合わせている。

それでも、河田恵昭関西大教授は「提示されたケースは考えられるごく一部に過ぎない。本質的に想定外が起こることに対する解決には至っていない」とし、それぞれの現象が発生する確率を示す必要があると指摘する。

検討会委員の今村文彦東北大教授は「防災対策を考える際には、海底の地質調査などで新たな科学的知見が得られれば、想定が変わる可能性があることに注意してほしい」と話す。検討会は、原発を念頭に「より安全性に配慮する必要のある個別施設は、個別の設計基準に基づいた地震、津波の推計が改めて必要だ」としている。  【比嘉洋、八田浩輔】

http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20120401ddm003040139000c.html

クローズアップ2012:南海トラフ津波想定(その2止) 「浜岡」再稼働は困難

 ◇建設中の防波壁で防げず

「そこまで考えなければならないのなら、対策はきりがない」。中部電力浜岡原発を襲う津波が想定をはるかに上回り、最大21メートルにも達することを聞いた原子力関係者がうめいた。東京電力福島第1原発事故を受けた緊急安全対策で、中部電が建設している海抜18メートルもの防波壁を軽々と越える高さだ。再稼働の前提となる安全対策が根底から見直しを迫られるのは必至で、巨額の安全対策費と併せ、浜岡原発の再稼働は一段と厳しくなった。

中部電が浜岡原発で想定した津波は8・3メートル。福島第1原発で15メートル程度まで津波が遡上(そじょう)したことを考慮し、緊急安全対策では防波壁建設、扉の水密化や非常用電源増設などを進める。費用は当初見込みを超え、1400億円に膨らんでいる。

今回の津波想定は、こうした対策の前提条件を揺るがすものだ。安全対策の効果を確認し、再稼働の可否を判断する材料となる安全評価(ストレステスト)の作業も遅れることが確実となった。経済産業省原子力安全・保安院の森山善範・原子力災害対策監は取材に対し「浸水で全電源が失われる事態を考え、重大事故に至る前に取るべき対策をさらに検討するよう求める」と、追加対策が必要との考えを示した。

中部電広報部は「今21メートルの津波に襲われても、停止から約10カ月たって原子炉内の核燃料の発熱量は少ない。炉心が露出するまでには1週間以上余裕があり、炉心損傷は防止できる」と強調。今後の対策については「詳細データを入手し、適切に対応したい」とした。

これに対し、長沢啓行・大阪府立大名誉教授(生産管理システム学)は「そこまで大きな津波だと、建物に大きな力が加わって破壊される危険も出てくる。小手先の安全対策では無理で、立地そのものが問われなければならない」と指摘する。地元、静岡県の川勝平太知事は「18メートルの防波壁では(津波を)防げないと分かった。中部電は、対策についてもう一度考え直す必要があるだろう」と語った。

浜岡原発は1、2号機が廃炉手続き中。残りの3~5号機については、昨年5月に菅直人前首相が要請し、停止した。   【岡田英、西川拓、小玉沙織】

http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20120401ddm002040143000c.html

<首都直下地震> 文科省試算・震度分布図資料と各紙解説比較

文部科学省は30日、東京23区東部や川崎市などが最大で震度7の揺れに襲われるとする新しい首都直下地震の震度予測地図を公表した。これまでの国の想定では、23区内は震度6強が最大としていたが、最新の研究成果に基づいて計算し直した。

以下が文科省公表・首都直下地震「震度分布図」資料1~5。 この分布図の後に毎日、日経、NHKの記事を比較。

文科省公表・首都直下地震「震度分布図」 資料1 (画像クリックで拡大)
(ケース1 浅いプレート境界を反映した東京湾北部地震の震度分布)
文科省公表・首都直下地震「震度分布図」 資料2 (画像クリックで拡大)
(ケース2 浅いプレート境界を反映した東京湾北部地震の震度分布)
文科省公表・首都直下地震「震度分布図」 資料3 (画像クリックで拡大)
(ケース3 浅いプレート境界を反映した東京湾北部地震の震度分布)
文科省公表・首都直下地震「震度分布図」 資料4 (画像クリックで拡大)
スラブ内地震の震度分布
文科省公表・首都直下地震「震度分布図」 資料5 (画像クリックで拡大)
本プロジェクトと中央防災会議との震度分布図の比較

注1.この件についての文科省ウェブ・ページ
「首都直下地震防災・減災特別プロジェクトにおける震度分布図の公表について」 平成24年3月30日 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/03/1319353.htm

注2.文科省が公表しているPDF入手先。
首都直下地震防災・減災特別プロジェクトにおける震度分布図  (PDF:675KB)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/03/__icsFiles/afieldfile/2012/03/30/1319353_01.pdf

◇ 各紙の報道よりピックアップ ◇

首都直下地震:震度7、湾岸広範囲に 23区大半、6強--文科省試算
(毎日 2012年3月31日)

首都直下地震の想定見直しを進めてきた文部科学省の研究チームは30日、東京湾北部でマグニチュード(M)7・3の「東京湾北部地震」が発生した場合の揺れの強さを試算した新たな震度分布図を公表した。東京都区部~千葉市周辺にかけての震源域のうち、県境の東京湾岸で地震が発生したと仮定した場合、東京都江戸川区、江東区、品川区、大田区、川崎市など広範囲で震度7の揺れが予想された。国は今後、「最大震度7」を念頭に首都圏の被害想定や防災対策を見直す方針。首都圏の各自治体にも見直しが迫られる。

東京大地震研究所を主体とするチームは、首都圏296カ所に新設した地震計で地下構造を調査。その結果、地震を起こすプレート(岩板)境界が、国の中央防災会議の想定より5~10キロ浅いことが分かった。同じ規模の地震なら、震源までの距離が近いほど揺れは強くなる。

この結果を基に、東京湾北部に東西約63キロ、南北約31キロの震源域を設定。この中で、地震が始まる場所を(1)東京・千葉県境付近(2)千葉市周辺(3)東京23区西部の3パターンで震度分布を試算した。

震度7の領域が最も広くなったのは、中央防災会議と同じ想定の(1)の場合で、横浜市や東京・多摩地域東部などでは従来の震度6弱が6強になった。

(2)の場合でも、東京都の隅田川河口付近が震度7、(3)の場合には、隅田川河口付近に加えて川崎市なども震度7となった。

今回の想定見直しにより、従来は最大震度6弱だった東京23区西側を含め、23区の大半が3パターンすべてで震度6強以上と予想された。

チームの纐纈(こうけつ)一起東京大教授(応用地震学)は30日記者会見し、「多くの仮定に基づく試算なので、条件を変えると震度分布も大きく変わる。強い揺れが予測された地域だけ地震災害に備えれば良いのではない。南関東のどこでも直下地震の強い揺れに備えるべきだ」と強調。「試算の精度が甘い」ことを理由に、震度別の自治体名は公表しなかった。【比嘉洋、八田浩輔】

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■ことば  ◇首都直下地震

国の中央防災会議が04年、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県で近い将来に起きると想定したM7級の地震で、発生場所別に18パターンに分類される。このうち「東京湾北部地震」は被害額が112兆円と最大。活断層などで起きる複数のパターンでは既に、震源近くが震度7に見舞われると予想されている。
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http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20120331ddm001040134000c.html

東京・神奈川で震度7も 首都直下地震で文科省試算
(日経 2012/3/30 22:12)

文部科学省の「首都直下地震防災・減災特別プロジェクト」の研究チームは30日、首都直下で起こる東京湾北部地震の各地の揺れを再計算し、最新の震度分布地図を公表した。東京都江戸川区や大田区の一部などに、震度7となる地域が現れた。2004年時に比べて震度が上方修正された地域では、古い木造建物の耐震診断や補強などの必要性が一層高まる。

新しい震度分布地図で震度7になった東京都江戸川区や江東区、大田区、川崎市などの一部は、従来は最大でも震度6強だった。震度6強の地域も東京23区の大部分や横浜市、川崎市、千葉市などに広がり、面積で04年時の約2倍になった。

今回、震度分布地図の作製を担当した東京大学地震研究所の纐纈一起教授は30日の記者会見で「計算結果はあくまで試算で数キロメートルの誤差を含む。市区町村レベルでの震度がどうなるかは公表しない」とコメントした。

首都直下プロジェクトは07~11年度にかけ、首都圏の約300地点に地震計を設置。地震の震度や地震波の伝わり方から、首都圏の地下構造を分析した。日本が載る北米プレート(岩板)と、南から潜り込むフィリピン海プレートの境界面が、従来より約10キロメートル浅いことが分かった。

マグニチュード(M)7.3が想定される東京湾北部地震は両プレートの境界面で起こるとされ、震源の深さも20~30キロメートルと、従来より約10キロメートル浅く見直された。地震の規模が同じでも、南関東の広い範囲で想定震度が上ぶれした。

http://www.nikkei.com/news/headline/article /g=96958A9C93819695E1E2E2E69E8DE1E2E2E1E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2

首都直下地震 震度の分布を公表
(NHK 3月30日 16時14分)

東京湾北部を震源とする首都直下地震が起きた場合の揺れの想定を東京大学などの研究グループが公表しました。
従来考えられているよりも浅いところで地震が起き、最悪の場合、東京の湾岸地域や神奈川県の一部などで震度7の激しい揺れとなる想定となっています。

東京大学地震研究所の纐纈一起教授などの研究グループは、国から委託されて首都直下地震の研究を進めていて、30日、研究結果に基づいた揺れの想定を公表しました。 これまでの研究で、関東平野の地下に沈み込んでいる「フィリピン海プレート」と呼ばれる岩盤と陸側の岩盤との境目が、東京湾の付近で従来考えられていたよりも10キロほど浅いことが分かっています。
こうした結果を基に揺れの強さを分析したところ、国が首都直下地震の1つに挙げている東京湾北部を震源にマグニチュード7.3の地震が起きると、最悪の場合、東京の湾岸地域や横浜市、川崎市などの一部で震度7の激しい揺れになる結果となりました。

さらに、東京23区など東京湾の西側の広い範囲で震度6強の揺れになる想定になっています。 纐纈教授は「震源が少し移るだけで揺れの予想は大きく変わってくる。強い揺れが予測された地域だけでなく南関東のどこでも揺れに備えてほしい」と話しています。 国は来年の春までに首都直下地震の被害想定などを見直すことにしていて、今回の研究成果が新たな想定や対策に反映されることになっています。

国の想定との違いは

今回の想定では、東京湾北部を震源とした場合の揺れの強さを1キロ四方の単位で分析しています。

最悪の場合、震度7の激しい揺れが予想されているのは、東京では江戸川区、江東区、大田区などの一部、神奈川県では横浜市の沿岸部や川崎市の南部などとなっています。

首都直下地震の揺れの想定は、7年前に国の中央防災会議が、地震の震源や深さを変えた18のケースをまとめています。
このうち、東京湾北部を震源とする地震については、国の想定では最大の揺れが震度6強なのに対して、研究グループの想定では東京湾の沿岸部で震度7になるという結果になっています。

また、今回の想定では、震度6強の範囲も国の想定よりも広がっていて、東京では23区の大半が震度6強の揺れとなり、神奈川県と千葉県では沿岸部に広がっています。