桑田氏、体罰撲滅訴え大阪・教職員研修会で講演⇒体罰は卑怯

桑田・大阪で公演1大阪市立桜宮高校で体罰を受けた男子生徒が自殺した問題を受け、府と市の教育委員会は2日、プロ野球元巨人投手の桑田真澄氏(44)を招いて、体罰追放を訴える講演会を開催した。大阪市内の施設で非公開で行い、橋下徹大阪市長のほか、体罰が発覚した市立高2校の全教職員と中学、高校などの運動部顧問ら約500人が参加した。

さて、各紙の報道を比較してみたい――

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関連ブログ記事
■ 「大阪桜宮高校体罰・自殺|体罰問題、桑田・元巨人投手へのインタビュー記事」 Posted on 2013/01/12 (記事タイトルをクリックでジャンプ)
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桑田氏、体罰撲滅訴え「駄目、論理いらない」
(サンスポ 2013.2.2 18:34)

大阪市立桜宮高の体罰問題を受け、市教育委員会が2日、元巨人の桑田真澄さんを招いて教職員向けの研修会を市内で開いた。報道陣には非公開で、桑田さんが終了後に記者会見し「スポーツマンシップがどうあるべきかを話した」と紹介。体罰について「駄目なものは駄目で、論理なんていらない。絶対服従の中で行われ、一番ひきょうだ」と撲滅を訴えた。

市教委によると、研修会には体育科のある桜宮高や市立汎愛高の運動部顧問ら513人が出席。桑田10+ 件さんが体験を55分間話した後、教員らと質疑応答した。橋下徹市長も議論に加わった。

桑田さんは会見で、米大リーグで選手だった当時、現地の学校を訪れたエピソードを披露。「怒鳴る、殴るは一切なかった。伸びやかに、ゆったりと野球をしていた。その中からメジャーリーガーが出ており、体罰がなくても素晴らしい選手が育つ証しだ」と述べた。

さらに「体罰の痛みや恐怖心で根性が付いた実感は僕には全くない。助けられたことも一度もない」と強調。「声を大にして言いたいのは、(市立桜宮高で)1人の尊い命が失われたという重大さだ」と指摘した。

桑田さんは会見場に現れた橋下市長と握手。橋下市長は「話を聞いて開眼させられた。大阪全体で生徒や保護者と認識を共有したい」と述べた。

http://www.sanspo.com/geino/news/20130202/tro13020218360008-n1.html

桑田・大阪で公演2

体罰は絶対ダメ 桑田氏、大阪の教員らに講演 指導者意識変わるか
(産経 2013.2.2 18:12)

大阪市立桜宮高の男子バスケットボール部主将=当時(17)=が体罰の後に自殺した問題で、大阪市教委と大阪府教委は2日、体罰に批判的な元プロ野球投手の桑田真澄氏(44)を招き、スポーツ指導教員向けの研修会を開いた。参加者からは「体罰で子供を伸ばすことはできないとはっきり分かった」との声が相次いだ。柔道女子日本代表監督が辞任するなど、体罰問題が日本スポーツ界全体に広がるなか、指導者の意識は変わるのだろうか。

研修会は同日午後、大阪市教育センター(港区)で開かれ、市立や府立の小中高でスポーツを指導する教員ら513人が出席した。

約1時間の講演は非公開で、桑田氏によると自らが小中学生のときに体罰を受け、効果がなかったことなどを説明。桜宮高の在校生の一部に体罰を愛情と容認する声があることには、「子供も体罰は良くないということを学習しないといけない」と述べた。

講演を聴いた市立住吉商業高ソフトボール部顧問、比楽靖教諭(57)は、桑田氏のコーチ論に感銘を受けたという。4輪馬車の意味もあるコーチの役割は、選手とともに目的地まで伴走するというのが本来の意味であり、体罰はそもそも必要ない-という内容で、スポーツ指導上での体罰不要の思いを強くし、「桜宮高の問題を機に、体罰はなくしていかないといけない」と話した。

中学の元野球部顧問の男性教諭も、「スポーツ指導で体罰をしても、子供は伸びない」と断言する桑田氏に賛同。「体罰が容認される風潮をなくさないといけない」と話した。

出席した橋下徹市長も会見し、桜宮高の将来像について「旧態依然とした指導法の殻を破り、世界最先端のスポーツ指導理論を教えたい」と語った。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/130202/edc13020218130002-n1.htm

桑田氏「体罰はひきょう」 大阪市教委の研修会で
(日経 2013/2/2 20:14)

大阪市立桜宮高校(同市都島区)2年の男子生徒(17)が自殺した問題で、市教育委員会は2日、元プロ野球選手の桑田真澄氏を招いて教員向け研修会を開き、桑田氏は「体罰はひきょうな行為。スポーツマンにふさわしくない」と体罰根絶を訴えた。

研修会は市教委と大阪府教委の共催で、体育科のある桜宮高と市立汎愛高の全教職員と、市立中高の運動部顧問ら計513人が参加し、橋下徹市長も出席。桑田氏は「スポーツ指導とスポーツマンシップ」と題して約1時間講演した。

桑田氏は講演後の記者会見で「小学校時代から体罰を受けすごい嫌だった」と吐露。「絶対服従の仕返しされない構図で行われる一番ひきょうな行為」と批判し「ダメなものはダメ。論理はいらない」と訴えた。

根強い容認論には「昔は体罰が正しい教育とされたが、今はそういう時代じゃない」と強調。「痛みや恐怖心で根性が付いたと言う人もいるが、体罰が僕を助けてくれたことは一度もない」と話した。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0202W_S3A200C1CC1000/

大阪桜宮高校体罰・自殺|体罰問題、桑田・元巨人投手へのインタビュー記事

大阪市立桜宮高校バスケットボール部の顧問教師から体罰を受けていた男子生徒が自殺した問題について、桑田真澄・元巨人投手はNHKのインタビューに応じて「体罰は指導者の勉強不足による安易な指導方法であり、決して体罰で選手は強くならない」と自らの経験を踏まえて訴えた。 そのインタビューの一部はNHKのニュースで1月11日に放送され、またNHKのWEB特集ページにインタビューのやり取りが掲載されている。 今朝、1月12日の朝日新聞朝刊の39面「社会」にも朝日新聞の岡雄記者が桑田・元巨人投手とインタビューした記事が大きく掲載されていた。

なぜ、NHKと朝日は同時期に桑田真澄・元巨人投手にインタビューしたのか。 その理由は桑田真澄の著書「「野球を学問する」(新潮社、平田竹男・早稲田大学院スポーツ科学研究科教授との共著)にある。 彼は野球選手引退後、早稲田大学大学院の1年制の社会人用修士課程コースに入学しポーツ科学科で学ぶ。 そこで、自らが歩んできた野球界の悪しき精神主義、根性主義の問題を研究する。 小中学校時代の野球人生は典型的な体罰連続だった。 彼は平田教授と共に日本のスポーツ界に未だはびこる「精神主義」、「根性主義」を研究し本にした、2010年3月のことである。 現在は、かつて自分も体罰を受けた経験を踏まえて、体罰による指導への反対を訴えながら、全国で講演活動や子どもたちの指導に当たっている。 それが、今回の大阪市立桜宮高校バスケットボール部体罰問題・自殺問題でNHKと朝日がインタビュー取材した理由なのだろう。

桜宮高校体罰・自殺問題(いや、事件だ)で、桑田真澄以外にハッキリと言える人間はいないのではないか。 その成長過程の野球少年時代に日常的に体罰を経験した超一流の元プロ野球選手、そしてその体罰を疑問に持ち学問を通して見つめなおした超一流の元プロスポーツ選手、そんな彼の言葉には圧倒的な説得力がある。 私も中学時代に剣道部に所属し体罰の洗礼を幾度となく受けた経験がある(40数年前の話だが)、故に桑田真澄氏の話はよーく分かる。 朝日紙面版の記事、NHK Web特集の記事を掲載したい、長いが一読を。

先ずは朝日のインタビュー記事から行きたいのだが、朝日はWeb版にその記事を載せている、ただ紙面版といささか表現が違う。 Web版の記事は紙面版に比べると何故か加筆箇所が多い、それがどういう理由なのかは知らないが。 私は紙面版の記事の方が本来のインタビューを反映しているような気がする、という事で紙面版記事を掲載する――

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追記、2013-1-13 12:10】 橋下徹・大阪市長が昨日(12日)午後、自殺した桜宮高2年宅を訪れ遺族に面会し謝罪した。橋下市長は体罰に対する自身の考え方を大きく変えたという。そのきっかけになったのが桑田真澄氏が発信している体験談、体罰を否定する意見だった。それを書いているサンスポの今日の記事「橋下市長、涙の改心…桑田氏の言葉に感銘」(2013.1.13 05:01)をこの投稿記事末尾に追加した。一読されたし…
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それでは朝日のインタビュー記事――

中学まで毎日練習で殴られた 服従で結びつく時代終わり
(朝日1月12日朝刊、39面「社会」)

体罰・桑田真澄インタビュー記事(朝日)体罰問題について、元プロ野球投手の桑田真澄さん(44)が朝日新聞の取材に応じ、「体罰は不要」と訴えた。 殴られた経験を踏まえ、「子どもの自立を妨げ、成長の芽を摘みかねない」と指摘した。

私は中学まで毎日のように練習で殴られていました。 小学3年で6年のチームに入り、中学では1年でエースだったので、上級生のやっかみもあったと思います。 殴られるのが嫌で仕方なかったし、グラウンドに行きたくありませんでした。 今でも思い出したくない記憶です。

早大大学院にいた2009年、論文執筆のため、プロ野球選手と東京六大学の野球部員の計約550人にアンケートをしました。

体罰について尋ねると、「指導者から受けた」は中学で45%、高校で46%。「先輩から受けた」は中学36%、高校51%でした。 「意外に少ないな」と思いました。 ところが、アンケートでは「体罰は必要」「ときとして必要」との回答が83%にのぼりました。

「あの指導のおかげで成功した」との思いからかもしれません。 でも、肯定派の人に聞きたいのです。 指導者や先輩の暴力で、失明したり大けがをしたりして選手生命を失うかもしれない。それでもいいのか、と。

私は、体罰は必要ないと考えています。 「絶対に仕返しをされない」という上下関係の構図で起きるのが体罰です。 監督が采配ミスをして選手に殴られますか? スポーツで最も恥ずべきひきょうな行為です。 殴られるのが嫌で、野球を辞めた仲間を何人も見ました。 スポーツ界にとって大きな損失です。

指導者が怠けている証拠でもあります。 暴力で脅して子どもを思い通りに動かそうとするのは、最も安易な方法。 昔はそれが正しいと思われていました。 でも、例えば、野球で三振した子を殴って叱ると、次の打席はどうすると思いますか? 何とかしてバットにボールを当てようと、スイングが縮こまります。 「タイミングが合ってないよ。 どうすればいいか、次の打席まで他の選手のプレーを見て勉強してごらん」。 そんなきっかけを与えてやるのが、本当の指導です。

今はコミュニケーションを大事にした新たな指導法が研究され、多くの本で紹介もされています。 子どもが10人いれば、10通りの指導法があっていい。 「この子にはどういう声かけをしたら、伸びるか」。 そう考えた教え方が技術を伸ばせるんです。

「練習中に水を飲むとバテる」と信じられていたので、私はPL学園時代、先輩たちに隠れて便器の水を飲み、渇きをしのいだことがあります。 手洗い所の蛇口は針金で縛られていましたから。 でも今、適度な水分補給は常識です。 スポーツ医学も、道具も、戦術も進化し、指導者だけが立ち遅れていると感じます。

体罰を受けた子は、「何をしたら殴られないで済むだろう」という思考に陥ります。 それでは子どもの自立心が育たず、指示されたことしかやらない。 自分でプレーの判断ができません。

殴ってうまくなるなら誰もがプロ選手になれます。 私は、体罰を受けなかった高校時代に一番成長しました。 「愛情の表れなら殴ってもよい」と言う人もいますが、私自身は体罰に愛を感じたことは一度もありません。

アマチュアスポーツにおいて、「服従」で師弟が結びつく時代は終わりました。 今回の残念な問題が、日本のスポーツ界が変わる契機になってほしいと思います。

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大阪府出身。PL学園高校時代に甲子園で計20勝を記録。プロ野球・巨人では通算173勝。米大リーグに移り、2008年に現役を引退した。09年4月から1年間、早稲田大大学院スポーツ科学研究科で学ぶ。現在はスポーツ報知評論家。今月、東京大野球部の特別コーチにも就任。著書に「野球を学問する」(共著)など。
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ちなみに、朝日のWeb版の記事は http://www.asahi.com/national/update/0111/TKY201301110314.html で読める。 読み比べてみれば分かるが、微妙に違う。

では、NHKの番。 先ずはNHKニュース報道がどのようなものだったか掲載したい。 ちなみに、この部分は当ブログ投稿記事「大阪の高校2年・バスケ部主将自殺、顧問教師の体罰が原因か?|記事を時系列で追ってみる…その2」(1月12日)の一部をスピン・オフしたものである――

桑田真澄さん“体罰では強くならない” (NHK 1月11日18時4分)

桑田真澄・体罰では強くならない1桑田真澄・体罰では強くならない2桑田真澄・体罰では強くならない3大 阪の市立高校でバスケットボール部の顧問の教師から体罰を受けていた男子生徒が自殺した問題について、元プロ野球選手の桑田真澄さんがインタビューに応 じ、「体罰は勉強不足による安易な指導方法で決して強くならない」としたうえで、「スポーツに携わる人全員で議論して、時代に合った指導方法に変えていく べきだ」と訴えました。

桑 田さんは、高校野球で2度の全国優勝を果たし、プロ野球の巨人などで活躍したあと、大学院でスポーツの精神主義の問題点などについて学びました。 現在は、かつて自分も体罰を受けた経験を踏まえて、体罰による指導への反対を訴えながら、全国で講演活動や子どもたちの指導に当たっています。

桑 田さんは男子生徒が自殺した今回の問題について、「本当に心が痛いとしか言いようがない残念な出来事だ」と述べたうえで、「体罰は指導者の勉強不足によ る、いちばん安易な指導方法で、チームや選手は本当の意味では決して強くならない」と指摘しました。 また、自分自身が小学校時代から体罰を受けていたことに触れ、「グラウンドに行って殴られない日がない時代で、それが当たり前とされていたが、殴られて愛 情を感じることはなかった。理屈で話して説明してほしかった」と語りました。

さ らに、「体や技術が出来上がったプロの選手でさえミスをするし、ホームランを打たれ、三振もする。だから、子どものミスに対して体罰というのは絶対に反対 だ」と述べました。 そして、「かつては練習中に水を飲んではいけなかったが、今は“どんどん飲みなさい”と反対のことが正解になっている。指導方法も時代に合わせて変えてい くべきで、今回の問題をむだにしないためにも、スポーツに携わる人全員で議論して、子どもたちの育成につながる指導方法を考えていきたい」と訴えました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130111/k10014748731000.html

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「野球を学問する」(新潮社) 桑田真澄/著 平田竹男/著
あの大投手が、大学院での渾身の研究成果を明らかに! 研究テーマは、「野球道」。後輩いじめ、体罰、長時間練習……。日本野球界の悪しき伝統は、いつどのようにして生まれ、広まっていったのか?日本野球の根源的問題をえぐり出す。野球の未来はどこにあるのか? http://www.shinchosha.co.jp/book/323961/
野球を学問する1野球を学問する2野球を学問する3
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NHK Web特集では、桑田真澄氏とのンタビューをこのように掲載している――

桑田真澄さん 体罰は安易な指導
1月11日 20時15分

大阪の市立高校でバスケットボール部の顧問の教師から体罰を受けていた男子生徒が自殺した問題について、元プロ野球選手の桑田真澄さんがインタビューに応じました。

桑田さんは、高校野球で2度の全国優勝を果たし、プロ野球の巨人などで活躍したあと、大学院でスポーツの精神主義の問題点などについて学びました。 現在は、かつて自分も体罰を受けた経験を踏まえて、体罰による指導への反対を訴えながら全国で講演活動や子どもたちの指導に当たっています。

インタビューの中で、桑田さんは「体罰は安易な指導方法で決して強くならない」としたうえで、「今の時代にあった指導方法に変えていくべきだ」と訴えました。

NHK Web特集 桑田真澄さん 体罰は安易な指導■ “体罰には猛反対”

Q:大阪の市立高校で起きた体罰についてどう思いますか?

桑田: まず心が痛いです。ご両親や身内の方のことを思うと、本当に心が痛いとしか言いようがないです。残念な出来事です。

Q:体罰によって命が奪われる事態はあってはならない?

桑田: 僕も当然(小中学生時代は)体罰を受けてきましたし、グラウンドに行って殴られない日がない、そういう時代でした。 毎日、何発か殴られて、ほっぺたに手の跡をつけて帰ったり。ケツバットされてお尻にバットの跡が3本も5本もついて、自転車に乗って帰るんですけど、サドルに座れないぐらい腫れ上がったこともありました。

よく体罰は愛情だと言いますが、僕は殴られて愛情だと感じることはなかったですね。 僕は体罰には猛反対なんです。 あるべきではないと思っています。 体罰をすることで指導する方法って、僕はいちばん簡単だと思うんです。 「なぜ、できないんだ」「気合を入れろよ」と体罰をするのではなくて、もう少し話をして、できなければできるように、いろんな角度から説明をする指導方法のほうがもっと難しいんですね。

手っ取り早い指導方法が体罰だと僕は思っています。 いろんな考えがあるとは思いますけど、僕は体罰には反対ですね。

■ 体罰を生む背景は

Q:桑田さん自身、厳しい指導があったから一流になれたという見方もありますが?

桑田: 当時、体罰を受けていた選手が、全員、プロ野球選手になったかと言ったら、ならなかったわけじゃないですか。今は体罰は少なくなっているけど、プロ野球選手が出ていないかというと、出ているわけじゃないですか。

僕は高校1年生のときに3年生の試合とかに出ていましたので、上級生からプレーできないような体罰を受けたりとかしましたけど、どうしてそんな卑怯なことをするんだろう、スポーツマンがそんな卑怯なことをしたらだめじゃないかとずっと思っていました。

何だ偉そうに言っているなと思う人もいるかも知れないですけれど、僕は体罰をやられて嫌だったので、体罰はしなかったです。 人がやっているのを見るのも嫌ですし、当然、自分はしたくないと思っています。

Q:体罰を生む背景は?

桑田: 勝利ですね。 「チームが勝ちたい」「自分が勝ちたい」ということですね。例えばチーム内であれば、自分がレギュラーになるために後輩をつぶしていかないと自分がレギュラーになれないとか、指導者は優勝しないと周りに対しての示しがつかないとか、首になるとかですね、勝利至上主義になってしまっているということですね。

本来、誰もが、子どもを育てる、選手を育てるという育成を目的にしているのにもかかわらず、実際にスポーツの現場で行われているのは勝利至上主義ですよね。 僕はプロ野球は勝利至上主義でいいと思っているんです。 でも、アマチュアは勝利至上主義よりも人材育成主義、育成主義ではないとダメだと思っています。

■ 体罰をなくすためには

桑田: 僕は体罰を受けたからといって、その人を恨んでいるかと言ったら、全く恨んでいないです。 なぜかというと、その時代はそれが当たり前だったんですね。 みんなが、それが正解だと思っていた時代なんですよ。 当然、運動中には水を飲んではいけない時代でしたけど、今は水を飲みなさいという時代です。 まったく反対ですよね。 僕の時代、水を飲んだらばてるし、上手くならないと言われていたんですよね。 ところが、今は15分か20分おきに水分を補給しなさいと言われる時代です。 じゃあ、僕たちのあの時代は何だったのかと。 それはスポーツ医科学がまだまだ解明されていなくて、その時代はそれが正解だったんですね。

指導方法も体罰は当たり前の時代だったんです。 でも今は時代が違うということです。 いろんなことが解明されてきて、指導するに当たってもビデオを使ったり、いろんな角度から指導できるわけじゃないですか。 ですから指導方法も変わっていかないといけない。 時代にあわせて指導方法も変えていかないといけないということを、みんなで共有して取り組んでいかないといけない時期に来ていると僕は思います。

Q:体罰をなくすために指導者には何が必要ですか?

桑田: われわれ指導者の勉強ですね。やっぱり、勉強が足りないと思います。
ちょっと指導者講習会に行ってライセンスを取ったのだけれど、俺は俺のやり方でという人が結構多いと思うんです。 また、これは統計をとったわけではないですけれど、往々にして昔ながらの指導をしている人が結果を出しやすいのがスポーツ界なんです。

でも、勇気を持って今の時代にあった新しい指導方法を現場で実践する指導者が1人でも多く出てきてもらいたいです。 そのために、僕も全国で指導者講習会を一回でも多く開いて、みんなに伝えていきたいと思います。

http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/0111.html

追記、2013-1-13 12:10】  サンスポ記事追加。

遺族に面会した橋下徹大阪市長「橋下市長、涙の改心…桑田氏の言葉に感銘」
(サンスポ 2013.1.13 05:01)

大阪市立桜宮高のバスケットボール部主将(当時17歳)が顧問の男性教諭(47)から体罰を受けた後に自殺した問題で、同市の橋下徹市長(43)が12日、大阪府内の生徒宅を初めて訪れ、遺族に「行政側の責任です」と謝罪した。橋下氏は、これまで自身の高校時代のラグビー経験を踏まえ、体罰を容認するともとれる発言をしていたが、「考え方を改めないといけない。反省している」と語った。

橋下氏は午後2時ごろから約2時間、生徒の両親と兄に面会。その後、大阪市内で取材に応じ、生徒の遺書の内容について問われると、目に涙を浮かべた。

「そこまで追い詰められていたのかと。あの年代で家族に対して最期の言葉をつづっている。その姿を想像するだけで耐えられません…」

橋下氏は遺族に「命を奪ったことに釈明の余地はありません。学校、現場、僕も含め100%行政側の責任です」と謝罪。その上で、真相究明、再発防止に「しっかり取り組んでいきます」と、生徒の遺影の前で誓ったという。

そして、面談の中で遺族から「しっかり旗を振ってほしい」と強く言われたのが、保護者の意識改革だという。

橋下氏は8日に生徒の自殺が発覚した後、自身が府立北野高ラグビー部時代に指導者から平手打ちされたことを例に挙げ「それは愛情。僕にとって『ビンタ』ではなく教育だった」と、場合によっては体罰もあり得るとの見解を示していた。

しかし、市の教育委員や教育専門家らと情報交換などをするうち目に入った元プロ野球選手、桑田真澄氏(44)の体験談に「自分の考え方は前近代的」と思い直すようになったという。

桑田氏は12日付のサンケイスポーツ紙面などで、「小学生のとき、練習で毎日殴られていたが、体罰に愛情を感じたことはない。一番ひきょうなやり方で、安易な指導法」と体罰を否定した。

あそこまで極めた方が言ってることに反論できる人はいない。考え方を改めないといけない。反省している

さらに橋下氏を深く考え込ませたのは、同校で昨年末に実施した生徒、保護者へのアンケート。「早く試合をしたい」「顧問の指導を受けたい」とする回答が多かったことだという。

仲間が命を落としたのに異常な世界だ。この雰囲気が怖い。親が意識改革しないといけない。正していくべきです。やりますよ、これは

橋下氏は今後、教育委員、教育専門家らとスポーツ指導における体罰を排除していく方向で、話し合いを進めていく。

http://www.sanspo.com/geino/news/20130113/tro13011305030001-n1.html

大阪の高校2年・バスケ部主将自殺、顧問教師の体罰が原因か?|記事を時系列で追ってみる…その2

続報2013-2-13】<体罰自殺問題 顧問教諭を懲戒免職>(NHK、記事は中段に..)>>>>

<大阪の高校2年・バスケ部主将自殺、顧問教師の体罰が原因か?|記事を時系列で追ってみる…その2――大阪市立桜宮(さくらのみや)高校のバスケットボール部主将の2年男子生徒(17)が体罰を受けた翌日に自殺した問題(というより「事件」だと思うが..)。 この件の記事を時系列で追った「大阪の高校2年・バスケ部主将自殺、顧問教師の体罰が原因か?|記事を時系列で追ってみる…」の投稿(1月8日)の続きである。 1月8日の投稿記事が長くなったため「その2」を立ち上げることにした。 恐らく、「その3」に続くことになると思う。 この桜宮高校・バスケ部顧問教師の体罰が招いたキャプテンを務める生徒の自殺は新聞各紙、TVが連日報道しているが、時系列で記事を残すブログがあってもいいだろう。 こまめに報道しているNHKニュースを軸に記事を掲載しようと思う。

次々と明るみに出る市教育委員会と学校側の体質は、大津・中二いじめ自殺事件のそれと全く同じではないか! これが現在の日本の「教育界」という「ムラ」の現実なのだ。 この桜宮高校や大津の中学のようなことが、貴方や私の住んでいる地域でも起こり得る、このままでは。どう弁解しようとも「隠蔽」(いんぺい)以外の何物でもない、「隠そう」とする行為によって死ななくていいものが自らの命を絶つ、そんなことがあってはならない。 意図的隠蔽…みんなが声を出さなければ何も変わらない。 このままでは、若者に未来の無い中国以下の国になってしまう。 言論統制が無いだけ中国よりはましだが….

以下は記事のインデックスだが、最上部が最新の記事のタイトルと報道された日時である、 下に行くにしたがって日時が遡る。 記事本文はインデックスの下に掲載されている――

■ 体罰自殺問題 顧問教諭を懲戒免職 (NHK 2月13日)

■ 過去の体罰 自殺防止に生かせず (NHK 1月13日19時35分)

■ バスケ部員 管理人なしの共同生活も (NHK 1月13日0時20分)

■ 「橋下市長が遺族に謝罪“行政の責任”」 (NHK 1月12日19時19分)

■ 「母親“鼻の腫れ見て体罰と思った”」 (NHK 1月12日4時57分)

■ 「バスケ部顧問“体罰は強い部に必要”」 (NHK 1月11日 18時54分)

■ 「桑田真澄さん“体罰では強くならない”」(NHK 1月11日 18時4分)

■ 「橋下市長 早急な体罰調査指示」(NHK 1月11日 12時16分)

■ 「教師かばうため体罰を報告せず」(NHK 1月11日 7時6分)

■ 「高校生自殺 キャプテン就任後に頻繁に体罰」(NHK 1月11日 6時15分)

■ 「文部科学相 高校生自殺で政務官派遣」(NHK 1月11日 4時42分)

■ 「高校生自殺 “Bチーム”ほのめかされる」(NHK 1月10日 20時23分)

■ 「大阪 バレー部でも顧問が体罰」(NHK 1月10日 19時8分)

■ 「顧問教師 “指導方針理解得ている”」(NHK 1月10日 18時27分)

■ 「自殺前日“30~40発たたかれた”」(NHK 1月10日 12時6分)

■ 「高校生自殺 学校の責任追及などの声相次ぐ」( NHK 1月10日5時7分)

1月8日~9日の記事はこれを読んで下さい「大阪の高校2年・バスケ部主将自殺、顧問教師の体罰が原因か?|記事を時系列で追ってみる…」(タイトルクリックで投稿記事へジャンプ)。

体罰自殺問題 顧問教諭を懲戒免職 (NHK 2月13日18時52分)

体罰自殺問題 顧問教諭を懲戒免職大阪市立桜宮高校で、バスケットボール部の男子生徒が顧問の教諭から体罰を受けたあと自殺した問題で、大阪市教育委員会は、13日、顧問を懲戒免職にしました。

この問題は、大阪市立桜宮高校で、バスケットボール部のキャプテンだった男子生徒が、去年12月下旬、顧問の小村基教諭(47)から体罰を受けたあと自殺したもので、大阪市教育委員会は、13日、顧問の処分を発表しました。

それによりますと、顧問はバスケットボール部の部員に対する暴力を効果的な指導方法と考え、恒常的に平手打ちや足蹴りなどを繰り返していたということです。そして、亡くなった男子生徒に対しては、自殺する5日前の他校との練習試合の際、少なくとも数回、また前日に行われた練習試合でもおよそ20回、顔を平手でたたくなどしたということです。

男子生徒はキャプテンだったため叱られることが多く、精神的な苦痛を受けていて、教育委員会は、顧問の暴力が自殺の大きな要因と考えられると結論づけたうえで、顧問を13日付けで懲戒免職にしました。

教育委員会によりますと、大阪市の教職員で体罰を理由に懲戒免職になったのは初めてだということです。
また、教育委員会は、以前、停職処分を受けたことがある桜宮高校の男子バレーボール部の顧問の教諭に対して、再び体罰を行ったことを理由に停職6か月の処分にしました。

■ 顧問“すべてが慢心だった”

教育委員会によりますと、顧問は、提出したてんまつ書に、「自分の指導が一方的だったことに気付いた。たたくことで部員が成長し、チームが強くなったことから、自分は間違っていなかったというおごりがあり、すべてが慢心だったと心から反省している」などと記しているということです。また、「ご遺族に大変申し訳ないことをした。教育委員会と桜宮高校の関係者にはご迷惑をおかけした」と話したということです。

■ 橋下市長“処分内容は妥当”

大阪市の橋下市長は、13日夜、記者団に対し、懲戒免職の処分について、「一線を越えた暴力行為だったということであり、処分内容は妥当だ。独善に陥ってしまい、取り返しのつかない結果を生じさせてしまったので、処分としてはやむをえない」と述べました。
また、橋下市長は「暴力的な指導方法をよしとした日本の社会がこういう不幸な結果を作ったわけで、日本社会全体で考え直さなければいけない問題だと思う」と述べました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130213/k10015497241000.html


過去の体罰 自殺防止に生かせず (NHK 1月13日19時35分)

過去の体罰 自殺防止に生かせず2 大阪市教育委員会は13日、顧問が4年余り前、部員以外の生徒に行っていた体罰の詳しい事実関係を明らかにしたうえで、「過去の体罰を今回の自殺の防止につなげられず、申し訳ない」としています。

生徒に体罰を加えていた顧問の教師は、大阪市教育委員会の調査に対し、「数年前にも部員以外の生徒に体罰をしたことがある」と話していました。 教育委員会は13日夕方、記者会見を開き、この体罰が平成20年9月の体育の授業で、体育祭の練習をしていた際、生徒1人の顔を平手で数発たたいたものだったと明らかにしました。 このときには、顧問にてん末書を提出させ、厳重注意したということです。 教育委員会は、「結果的に、過去の体罰を今回の自殺の防止につなげられず、遺憾で申し訳ない」としています。

また、バスケットボール部の部員が、管理人を置かないまま学校近くで共同生活をしていたことについて、記者会見に同席した高校の校長は、「昨夜、顧問に電話で聞き取りをしようとしたが、本人の気持ちが落ち着いておらず、正確な事実を確認できなかった。引き続き調査したい」と述べました。  http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130113/k10014776631000.html

バスケ部員 管理人なしの共同生活も (NHK 1月13日0時20分)
バスケ部員 管理人なしの共同生活2

大阪の市立高校でバスケットボール部の顧問の教師に体罰を受けていた男子生徒が自殺した問題で、部員数人が管理人のいないところで共同生活をしていたことが新たに分かりました。 学校によりますと、現在は行われていないということですが、大阪市教育委員会は不適切だとして調査を行うことにしています。

これは、大阪市立桜宮高校の佐藤芳弘校長が12日夜、会見をして明らかにしたものです。 それによりますと、バスケットボール部の男子部員数人が、去年の秋まで管理人のいないところで、共同生活をしていたということです。 佐藤校長は、去年の秋にほかの教師から指摘を受けて把握し、顧問の教師に対して「管理人がいない未成年の共同生活は不適切だ」と指導したということです。 しかし、その後も共同生活は続いたため、顧問に直ちにやめるよう指示し、現在は行われていないということです。

この共同生活には、自殺した男子生徒は参加していなかったということですが、生徒の遺族は教育委員会に対して、「共同生活は9年くらい前から続いていたと聞いている」と説明しているということです。 大阪市教育委員会は、生徒だけで共同生活をすることは不適切だとして今後、調査を行うことにしています。

これについて大阪市の橋下市長は、「事実であれば、ものすごく閉鎖的な環境で部活動が運営されていたことになり、大変な問題だ」と述べました。
バスケ部員 管理人なしの共同生活3

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130113/k10014768071000.html

橋下市長が遺族に謝罪“行政の責任” (NHK 1月12日19時19分)
橋下市長が遺族に謝罪
大阪の市立高校で、バスケットボール部の顧問の教師に体罰を受けていた男子生徒が自殺した問題で、大阪市の橋下市長は12日午後、遺族のもとを訪れ、「釈明の余地はなくすべて行政側の責任です」と謝罪しました。

大阪市の橋下市長は、12日午後、遺族の自宅を訪れたあと記者団の取材に応じ、遺族に対し「命を奪ってしまったことに釈明の余地はなく、すべて行政側の責任です」と謝罪したことを明らかにしました。 遺族は「今回のことをきっかけに、学校現場や保護者が『スポーツの指導ではある程度の体罰は必要だ』という意識を改めてほしい」と要望したということです。

また橋下市長は、男子生徒の遺書を遺族から見せてもらったことを明らかにしたうえで、「生徒は相当追い込まれていてつらかっただろう。最後の言葉をつづっている姿を想像するだけでも耐えられない」と述べました。 さらに橋下市長は、「私自身もスポーツの指導で手をあげることはあり得るという認識があったが甘かった。『スポーツの指導で手をあげることは全く意味がない』という専門家の意見に触れて、正していくべきではないかと感じている」と述べました。

一方、この問題で、学校側は、大阪市教育委員会に提出するために部員の保護者に行ったアンケートの結果を、回答した保護者の了解を得ずに先月30日に遺族に見せ、今月9日の保護者説明会で保護者に謝罪していたことが分かりました。 教育委員会は、男子生徒が自殺した経緯などについて、引き続き調査を進めることにしています。  http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130112/k10014766691000.html

母親“鼻の腫れ見て体罰と思った” (NHK 1月12日4時57分)母親“鼻の腫れ見て体罰と思った”

大阪の市立高校でバスケットボール部の顧問の教師から体罰を受けていた男子生徒が自殺した問題で、生徒の母親は、大阪市教育委員会の調査に対して「息子は自殺の5日前にも『顧問にたたかれた』と言い、鼻が腫れていたのを見て体罰だと思った」などと話していたことが、教育委員会への取材で新たに分かりました。

大阪市立桜宮高校のバスケットボール部のキャプテンだった2年生の男子生徒は、顧問の教師から体罰を受けて、その翌日の去年12月23日に自殺しました。 大阪市教育委員会によりますと、生徒の母親は、これまでの教育委員会の調査に対して「息子は自殺する5日前にも部活から帰宅した際『顧問に10発くらいたたかれた』と言い鼻が腫れていた。それを見たとき指導にしては行き過ぎた体罰だと思った」などと話したということです。

また母親は「その翌日に顧問に会い『先生の言うキャプテン像は息子にはできないと思う。かえてもらって結構です』などと直接、訴えた」と話したということです。

一方、顧問は「平手でほおを2回から3回たたいた。側頭部も数回たたいた」と説明しているということです。 教育委員会は、体罰が行われた状況やいきさつについてさらに調査を進めています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130112/t10014760221000.html

「バスケ部顧問“体罰は強い部に必要”」 (NHK 1月11日 18時54分)

バスケ部顧問“体罰は強い部に必要”2大阪の市立高校で、バスケットボール部の顧問の教師から体罰を受けていた男子生徒が自殺した問題で、顧問が大阪市教育委員会の調査に対し、「強い部にするためには体罰は必要で、それによって生徒をいい方向に向かわせるという実感があった」などと話していたことが分かりました。

大阪市立桜宮高校では、バスケットボール部のキャプテンだった2年生の男子生徒が先月23日、自宅で自殺し、その前日まで顧問の教師から体罰を受けていたことが明らかになっています。 この問題で、顧問が大阪市教育委員会の調査に対し、みずからの体罰について、「強い部にするためには必要だと思う。体罰で気合いを入れた」と話していたことが分かりました。 教育委員会側が、「体罰のない指導は無理だったか」と聞くと、顧問は「できたかもしれないが、体罰で生徒をいい方向に向かわせるという実感があった」と話したということです。

また、顧問は生徒が自殺する前日の練習試合の際に行った体罰については、「周囲の目があることはそのときは考えられなかった。右手と左手で交互にたたいた。最終的な方法だと思った」と話したということです。 さらに、バスケットボール部の部員以外への体罰を、数年前に行ったことがあると話したということです。

バスケ部顧問“体罰は強い部に必要”3一方、生徒が自殺する4日前に母親が顧問に対して、「息子がキャプテンになっていることで悩んでいる」などと直接相談していたということです。

大阪市教育委員会は11日午後、長谷川教育委員長や永井教育長らが遺族を訪れ、今回の問題について謝罪しました。 これに対して、遺族は、「息子の死をきちんと受け止め、顧問には厳しい処分を求めたい」と話したということです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130111/k10014752191000.html

桑田真澄さん“体罰では強くならない” (NHK 1月11日18時4分)

桑田真澄・体罰では強くならない1桑田真澄・体罰では強くならない2桑田真澄・体罰では強くならない3大阪の市立高校でバスケットボール部の顧問の教師から体罰を受けていた男子生徒が自殺した問題について、元プロ野球選手の桑田真澄さんがインタビューに応じ、「体罰は勉強不足による安易な指導方法で決して強くならない」としたうえで、「スポーツに携わる人全員で議論して、時代に合った指導方法に変えていくべきだ」と訴えました。

桑田さんは、高校野球で2度の全国優勝を果たし、プロ野球の巨人などで活躍したあと、大学院でスポーツの精神主義の問題点などについて学びました。 現在は、かつて自分も体罰を受けた経験を踏まえて、体罰による指導への反対を訴えながら、全国で講演活動や子どもたちの指導に当たっています。

桑田さんは男子生徒が自殺した今回の問題について、「本当に心が痛いとしか言いようがない残念な出来事だ」と述べたうえで、「体罰は指導者の勉強不足による、いちばん安易な指導方法で、チームや選手は本当の意味では決して強くならない」と指摘しました。 また、自分自身が小学校時代から体罰を受けていたことに触れ、「グラウンドに行って殴られない日がない時代で、それが当たり前とされていたが、殴られて愛情を感じることはなかった。理屈で話して説明してほしかった」と語りました。

さらに、「体や技術が出来上がったプロの選手でさえミスをするし、ホームランを打たれ、三振もする。だから、子どものミスに対して体罰というのは絶対に反対だ」と述べました。 そして、「かつては練習中に水を飲んではいけなかったが、今は“どんどん飲みなさい”と反対のことが正解になっている。指導方法も時代に合わせて変えていくべきで、今回の問題をむだにしないためにも、スポーツに携わる人全員で議論して、子どもたちの育成につながる指導方法を考えていきたい」と訴えました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130111/k10014748731000.html

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「野球を学問する」(新潮社) 桑田真澄/著 平田竹男/著
あの大投手が、大学院での渾身の研究成果を明らかに! 研究テーマは、「野球道」。後輩いじめ、体罰、長時間練習……。日本野球界の悪しき伝統は、いつどのようにして生まれ、広まっていったのか?日本野球の根源的問題をえぐり出す。野球の未来はどこにあるのか? http://www.shinchosha.co.jp/book/323961/
野球を学問する1野球を学問する2野球を学問する3
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☛ NHK WEB特集 「桑田真澄さん 体罰は安易な指導」
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/0111.html
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追記、1月12日22:44】 朝日新聞が同様の件で桑田氏にインタビュー取材した記事を12日の朝刊の社会面に大きく掲載していた。 そこで、桑田氏のインタビューをスピン・オフしてブログ投稿記した。 <大阪桜宮高校体罰・自殺|体罰問題、桑田・元巨人投手へのインタビュー記事>(タイトルクリックでジャンプ)
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橋下市長 早急な体罰調査指示 (NHK 1月11日12時16分)

橋下市長 早急な体罰調査指示大阪の市立高校の運動部で体罰が相次いで明らかになっていることを受け、大阪市の橋下市長は11日、緊急に教育委員会の幹部らを集め、「教育委員会は学校現場の実態を把握しているとは思えない」と述べ、10日に指示した市立学校の体罰に関する調査を早急に行うよう求めました。

大阪市立桜宮高校では、先月自殺したバスケットボール部の男子生徒に対する顧問の教師による体罰があったことが分かっているほか、体罰を理由に停職処分を受けたバレーボール部の顧問の教師が、復帰したあと再び体罰を行っていたことが明らかになっています。

これを受けて、大阪市の橋下市長は11日午前、緊急に教育委員会の幹部らを集めました。 この中で橋下市長は、「体罰が相次いで発覚している学校現場の実態と、教育委員会が言っていることのギャップが大きすぎる。教育委員会が現場の実態を十分に把握しているとは思えない」と述べました。 そのうえで、「学校の実態を把握しないまま、『体罰はいけない』というスローガンだけ言ってもしかたがない」と述べ、10日に指示した市立学校の体罰に関する調査を早急に行うよう求めました。 教育委員会では、11日から外部の調査チームの弁護士らと調査の方法や項目について協議し、できるだけ早く市立のすべての学校での実態調査を始めたいとしています。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130111/k10014736831000.html

教師かばうため体罰を報告せず (NHK 1月11日7時6分)

教師かばうため体罰を報告せずバスケットボール部以外に、バレーボール部での体罰も明らかになった大阪の市立高校の校長が10日夜、記者会見し、去年11月にバレー部で体罰が行われていたことを謝罪したうえで、教師をかばうため、この事実を市の教育委員会に報告していなかったことを認めました。

大阪市立桜宮高校では、バスケットボール部以外にも、バレーボール部の顧問の教師が、おととし、生徒への体罰を理由に停職処分を受け、その後、復帰した去年11月にも再び体罰を行っていたことが、10日明らかになりました。

これを受けて10日夜、佐藤芳弘校長らが記者会見し、体罰があったことを謝罪したうえで、この事実を市の教育委員会に報告していなかったことを認めました。 これについて佐藤校長は、「この顧問は以前にも体罰で処分を受けているので、報告すると次はもっと重い処分になると将来を心配した」と述べ、顧問をかばってのことだったと説明しました。
また、9日行われた記者会見で、体罰があったのではないかと指摘されながら認めなかったことについて「これ以上、学校を混乱させたくないと思った。結果的に隠ぺいと見られてもしかたがない」と釈明しました。

さらに佐藤校長は、去年11月の時点で、ほかの生徒への体罰の調査を行っていれば、今回のバスケットボール部の生徒の自殺が起きなかった可能性もあるとしたうえで、「当時はよかれと思ったがきちんと処理すべきだったと反省している」と述べました。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130111/k10014729971000.html

高校生自殺 キャプテン就任後に頻繁に体罰 (NHK 1月11日6時15分)

キャプテン就任後に頻繁に体罰大阪の市立高校でバスケットボール部の顧問の教師から体罰を受けていた男子生徒が自殺した問題で、体罰は、生徒がキャプテンになった去年9月以降、頻繁に行われていたとみられることが分かりました。

これまでの大阪市教育委員会の調査で、生徒は自殺の前日まで、顧問の教師から体罰を受けていたことが明らかになっていますが、体罰は、この生徒がキャプテンになった去年9月以降、頻繁に行われていたとみられることが新たに分かりました。 顧問は、教育委員会のこれまでの調査に対し、「キャプテンだったので直接指導する機会が多かった。厳しい指導をしていた」などと話しているということです。

一方、教育委員会によりますと、生徒は、自殺の数日前に顧問に宛てて書いた手紙の中で、期待どおりのキャプテンになれないという心境をつづっていたほか、生徒の母親も「息子はキャプテンになってからつらくて悩むようになっていた」と話しているということです。 教育委員会は、強豪チームのキャプテンとしての責任に悩んでいるさなかでの顧問からの体罰が、自殺につながったのではないかとみて、さらに調査する方針です。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130111/k10014729961000.html

文部科学相 高校生自殺で政務官派遣 (NHK 1月11日 4時42分)

大阪の市立高校でバスケットボール部の顧問の教師に体罰を受けていた男子生徒が自殺した問題を受け、下村文部科学大臣は、事実関係を詳細に把握する必要があるとして、義家文部科学政務官を大阪に派遣することを決めました。▽今回の問題について、下村文部科学大臣は、「教育の再生」を掲げる安倍政権にとって看過できない問題だとして、徹底した調査を行う方針です。そして、全国的に同様のケースがないか調べる必要があるとして、各都道府県の教育委員会に緊急調査を行うことを求める通知を出すよう指示しました。▽さらに、下村大臣は、この問題の事実関係を詳細に把握し、再発防止策の検討を進めるため、義家文部科学政務官を大阪に派遣することを決めました。義家政務官は、来週15日にも大阪市を訪れ、教育委員会や学校関係者などから、直接、話を聞く方向で調整を進めています。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130111/k10014730001000.html

高校生自殺 “Bチーム”ほのめかされる (NHK 1月10日20時23分)

高校生自殺 “Bチーム”ほのめかされる高校生自殺 “Bチーム”ほのめかされる2大阪の市立高校で、バスケットボール部の顧問の教師から体罰を受けていた男子生徒が自殺した問題で、大阪市教育委員会は、自殺の前日、男子生徒が母親に対し「顧問に『しんどい』と話したら、『何がしんどいのか。Bチーム行きでもいいんやな』と言われた」などと話していたことを明らかにしました。

自殺したバスケットボール部のキャプテンの男子生徒は、自殺の前日に行われた練習試合で顧問から体罰を受け、その日の夜、今後の部活動について顧問と話し合い、そのやり取りを帰宅した際に母親に話していました。 母親への聞き取りを行った大阪市教育委員会によりますと、男子生徒は「顧問に『しんどい』と話したら、『何がしんどいのか。殴られることか。Bチーム行きでもいいんやな』と言われ、固まって返事ができなくなった」と話したということです。 そして、男子生徒は母親に「顧問から『キャプテンを続けるのか』と聞かれ、『はい』と言ったら、『あす楽しみにしているぞ』と言われた」と続けたということです。

また、大阪市教育委員会は、この生徒が自殺する5日前にも、母親に対し「顧問から10発くらい殴られた」と話していたことも明らかにしました。 大阪市教育委員会は、どのようなやり取りがあったのかなどについて、今後、顧問への聞き取りも行いたいとしています。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130110/k10014724643000.html

大阪 バレー部でも顧問が体罰  (NHK 1月10日 19時8分)

大阪 バレー部でも顧問が体罰1大阪 バレー部でも顧問が体罰2バスケットボール部の生徒が自殺した大阪の市立高校で、おととし生徒への体罰で停職処分を受け、その後、復帰したバレーボール部の顧問の教師が、去年11月にも再び、体罰を行っていたことが明らかになりました。

この教師は、大阪市立桜宮高校の35歳のバレーボール部の顧問で、おととし9月、生徒に体罰を繰り返したとして停職3か月の処分を受け、その後、顧問に復帰しました。
大阪市教育委員会は、10日午前、この顧問に対して聞き取り調査を行った結果、復帰後の去年11月にも1年生の男子生徒の頭を平手で2回たたく体罰を行っていたことを認めたということです。 体罰があったことは当時、校長や教頭に報告されていましたが、教育委員会には報告がなかったということです。

この顧問を巡っては、9日夜、高校で開かれた保護者に対する説明会で「処分のあとも体罰を続けているのではないか」といった指摘が保護者から出されましたが、その後の記者会見で、校長や教頭は認めていませんでした。 これについて、大阪市教育委員会は「隠ぺいと受け止められてもしかたがない」などと話しています。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130110/k10014720391000.html

顧問教師 “指導方針理解得ている” (NHK 1月10日18時27分)

顧問教師 “指導方針理解得ている”1顧問教師 “指導方針理解得ている”2大阪の市立高校で、バスケットボール部の顧問の教師に体罰を受けていた男子生徒が自殺した問題で、この顧問が体罰を行っているという情報は、おととしにも大阪市教育委員会に寄せられていましたが、この顧問は学校側の調査に「体罰は一切していない。保護者には自分の指導方針を理解してもらっている」などと答えていたことが分かりました。

先月、自殺した大阪市立桜宮高校のバスケットボール部のキャプテンだった2年生の男子生徒は、自殺する前日まで顧問の教師から体罰を受けていたことが分かっています。
学校には、おととし9月にもこの顧問が体罰を行っているという情報が寄せられ、当時、学校側が顧問に対する聞き取り調査を行いましたが、顧問は「体罰は一切ない。トラブルもない」としたうえで、「保護者会を年に数回開いているので、問題があれば、その場で情報が寄せられる。保護者には自分の指導方針を理解してもらっている」と答えていたことが分かりました。

このときの調査は15分程度で終わり、直接、生徒への調査は行われなかったということで、教育委員会に結果を報告したあとも教育委員会が追加の調査を求めることはなかったということです。

これについて、当時の校長はNHKの取材に対し、「生徒に直接、聞き取り調査することは当時、考えもしなかった。今となっては大変申し訳なかったとしか言いようがない。今回の自殺は防げた可能性があり、本当に後悔していると話しています。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130110/k10014719471000.html

自殺前日“30~40発たたかれた” (1月10日 12時6分)

自殺前日“30~40発たたかれた”大阪の市立高校で、バスケットボール部の顧問の教師に体罰を受けていた男子生徒が自殺した問題で、大阪市教育委員会は男子生徒が自殺の前日に顧問から「30発から40発くらいたたかれた」などと家族に話していたことを明らかにしました。

この自殺前日の体罰について、大阪市教育委員会は、男子生徒がバスケットボールの練習試合を終えて帰宅した際、家族に対して、「きょうもかなりたたかれた。30発から40発くらいたたかれた」などと話していたことを明らかにしました。

大阪市教育委員会は、これまで顧問の教師から聞き取った結果として、「顧問は練習試合の合間に数回たたいた」と説明していました。 これについて大阪市の橋下市長は10日、記者団に対し、「30発から40発たたかれたとしたら大変な事態で、犯罪行為だ」と述べました。

この体罰を巡っては、バスケットボール部の副顧問ら2人が様子を目撃していましたが、2人は学校側の調査に対し、「顧問のこれまでの実績などから、指導に意見を言うような雰囲気ではなかった」などと答えており、大阪市教育委員会は、外部の弁護士などの協力を得て体罰の実態の解明を急ぐことにしています。

橋下市長“100人規模で徹底調査”

この問題で、大阪市の橋下市長は、10日午前、記者団に対し、「これまでの市の教育委員会の調査はずさんで許されない。外部監察チームを100人ぐらいの規模に拡大して徹底して調査する」と述べ、態勢を強化して、調査を徹底させる考えを示しました。
また、橋下市長は、顧問の教師が平成6年4月に今の高校に赴任して以来、1度も異動していないことについて、「18年間いれば校長より強くなる。この教師のやり方に誰も声を上げられないようであれば学校の体をなしていない。なぜ18年間異動がないのか徹底調査する」と述べました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130110/k10014708851000.html

高校生自殺 学校の責任追及などの声相次ぐ (NHK 1月10日5時7分)

桜宮高・保護者説明会1桜宮高・保護者説明会2桜宮高・保護者説明会3大阪の市立高校で、バスケットボール部の顧問の教師に体罰を受けていた男子生徒が自殺した問題で、9日夜、保護者への説明会が開かれ、保護者からは「なぜ体罰を防ぐことができなかったのか」など、学校の対応を批判する声や責任を追及する声が相次ぎました。

9日夜、保護者への説明会が開かれ、初めに佐藤芳弘校長や参加した保護者など全員で亡くなった生徒に黙とうを捧げました。 このあと、学校側は「申し訳なかった」と謝罪し、生徒が自殺した先月23日以降の対応など一連の経過を説明したうえで、すべての運動部の顧問が体罰のない学校にする決意を示したということです。

また自殺する前日に行われた練習試合で、生徒が顧問から体罰を受けていた様子を、部の副顧問ら2人が目撃していたことを明らかにしました。 2人は学校の調査に対し、「顧問のこれまでの実績などから、指導に意見を言うような雰囲気ではなかった」と答えたということです。

こうした説明に対し、保護者からは「なぜ、体罰を防ぐことができなかったのか」や、「体罰自体やめるべきだ」など学校の対応を批判する声や責任を追及する声が相次いだということです。 学校では、今後、これまでに体罰を受けたことがあるかどうかなどについて、運動部の部員全員を対象にアンケート調査を実施することにしています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130110/k10014701271000.html

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☛ 副顧問2人が目撃していたが何も言えなかった。何故か?それはこの2人が顧問の教え子でありバスケット部OBであることに起因している。毎日新聞『クローズアップ2013: 体罰の暴走、止まらず 指導19年、顧問の「王国」(2013年01月13日)』はこう伝えいる『自殺前日、指導を手伝う講師2人が体罰を見たが、止めたり高校に報告したりしなかった。2人は顧問の教え子で「恩師に口出しできなかった」と市教委に説明。同校関係者は「顧問が推薦するOBらを講師に採用していた」と言う。』 http://mainichi.jp/feature/news/20130113ddm003040082000c.html
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