メルトダウン4~放射能大量放出の真相~NHKスペシャル|東日本大震災3年、福島第1原発事故による放射能大量放出という“最大の謎”は未だ明らかになっていない。その真相に迫る…

更新2014-3-24 動画情報追加】<NHKスペシャル File.4 放射能”大量放出”の真相>が夜9時、放送される。東日本大震災3.11から3年、人々の関心は薄れていっているのは確かなようだ。しかし、福島第1原発事故による放射能大量放出という“最大の謎”は未だ明らかになっていないのだが…のど元過ぎればなんとやら、古人曰く「天災は忘れた頃にやってくる」。人災は忘れなくてもやってくる。福島第一原発で起きたことは、他の同型の原発に起きる可能性はゼロではないことを忘れないように。原子力発電所の再稼働という現実は刻々と目の前に迫っている。 ということで、今夜のNHKスペシャルはオススメの番組です――

NHKスペシャルFile.4~放射能大量放出の真相~画像01【NHKスペシャル】 メルトダウン File.4 「放射能”大量放出”の真相」
初回放送 2014年3月16日(日)午後9時00分~9時49分(総合)
再放送 ⇒2014年3月20日(木)午前0時40分~1時29分(19日深夜)(総合

NHKスペシャルFile.4~放射能大量放出の真相~画像02「メルトダウンFile.2連鎖の真相(2012年7月放送)」で文化庁芸術祭大賞、「メルトダウンFile.3原子炉“冷却”の死角(2013年3月)」で放送文化基金本賞を受賞したシリーズの第4弾。 今回は、“最大の謎”大量放出の原因に迫る。

NHKスペシャルFile.4~放射能大量放出の真相~画像03福島第一原発の事故でまき散らされた放射性物質は、チェルノブイリに次ぐ量に上り、それが原因で未だに13万人近くが避難を余儀なくされている。しかし、事故から3年たった今も、大量の放射性物質が、なぜ、どのようにして放出されたのか、明らかになっていない。関係者への膨大な取材と、専門家による独自の分析で浮かび上がってきたのは、思いもよらない放射性物質の漏えいルート。日本の原発が誇ってきた「多重防護」の弱点だ。さらに、事故後も、大NHKスペシャルFile.4~放射能大量放出の真相~画像04量放出を防ぐための“最終手段”と位置づけられている「ベント」の思わぬ落とし穴も明らかになってきた。

専門家は「これは福島第一原発だけでなく、他の同型の原発も抱える弱点ではないか」と指摘する。

核燃料がメルトダウンした後、なぜ、どのようにして放射性物質の“封じ込め”に失敗したのか。 科学的な検証とシミュレーション、関係者の証言からその真相に迫る。

http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0316/

NHKスペシャルFile.4~放射能大量放出の真相~画像05NHKスペシャルFile.4~放射能大量放出の真相~画像06NHKスペシャルFile.4~放射能大量放出の真相~画像07NHKスペシャルFile.4~放射能大量放出の真相~画像08◇       ◇

動画】 NHKスペシャル メルトダウンFile4 放射能大量放出の真相
Pideo スマホ版 http://m.pideo.net/video/youku/4ba4159d6f3ce1cf/
Pideo PC版 http://www.pideo.net/video/youku/4ba4159d6f3ce1cf/
(下の画像クリックでジャンプ) (動画情報2014-3-24追加)
NHKスペシャル_メルトダウンFile4_放射能大量放出の真相(pideo)

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メルトダウンに関するNHKスペシャルは過去に3回放送されているが、File2とかFile3などとは過去の放送の際に題名に付いてたわけではない。 NHKが後からそう呼んでいるだけの話。 今回メルトダウンに関する4番目の番組なのでFile4を付けたようだ。 では、過去3回の番組の紹介と現時点で視聴可能な動画情報を掲載します――

NHKスペシャル メルトダウンFile3
3.11 あの日から2年 メルトダウン 原子炉”冷却”の死角
初回放送 2013年3月10日(日) 午後9時00分~9時58分

<NHKスペシャル・メルトダウンFile3>3.11あの日から2年_メルトダウン_原子炉冷却の死角_画像1<NHKスペシャル・メルトダウンFile3>3.11あの日から2年_メルトダウン_原子炉冷却の死角_画像2「人類は原発を制御できるのか」「安全対策は本当に十分なのか」。再稼働をめぐって社会的な議論が続く原発。発端となった東京電力福島第一原子力発電所の事故が、なぜどのように起きたのか。事故から2年たったにも関わらず、いまなお謎と課題は残されたままだ。「メルトダウン」シリーズでは、最初に水素爆発を起こした1号機の検証をおととし12月に、その後メルトダウンに至った2号機・3号機の検証を去年<NHKスペシャル・メルトダウンFile3>3.11あの日から2年_メルトダウン_原子炉冷却の死角_画像37月に放送、大きな反響を得た。その後の取材で浮かび上がってきたのは、“複数号機”が同時多発的にメルトダウンを起こすという世界で初めての事態が、事故の対処をより困難にした、という事実だった。型が全く異なる冷却装置を使ってメルトダウンへの対応を行った1号機と2号機。現場では2号機への危機感が強かったにもかかわらず、実際の事故の進展は1号機の方がより危機的だった。また3号機と4号機では、稼働中だった3号機の原子炉の冷却に力を注いでいる間に、運転が止まっていた4号機燃料プールの1535本の使用済み核燃料棒がメルトダウンの危機にさらされるという事態に陥った。

番組では、さらに国内外の専門家チームとともに、原子炉を模した海外の巨大な施設での実証実験やコンピューター解析(コンピューター・シミュレーション)を実施。そこからは原発の安全性の根幹に関わる驚くべき事実が浮かび上がってきた。事故は本当に防げなかったのか。全国で原発再稼働の動きが進む中、事故の教訓はどこまで生かされているのか。証言に基づく再現映像やデータに基づくCGを駆使して検証する。
https://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0310/

動画】 3.11 あの日から2年 メルトダウン 原子炉”冷却”の死角 
(NHKスペシャル メルトダウンFile3)
Pideo スマホ版で視聴できるもよう。 同一リンクでPCでも可。 http://m.pideo.net/video/dailymotion/0020c05c318007a3/ (画像クリックでジャンプ。)
3.11_あの日から2年_メルトダウン_原子炉冷却の死角(NHKスペシャルPIDEO動画画像)▼          ▼          ▼

NHKスペシャル メルトダウンFile2
メルトダウン 連鎖の真相
初回放送 2012年7月21日(土) 午後9時00分~9時58分
<NHKスペシャル・メルトダウンFile2>連鎖の真相_画像1あの日「メルトダウン」していく事故の現場でいったい何が起きていたのか? 福島第一原子力発電所の事故は、発生から1年4ヶ月がたった今なお多くの謎を残したままだ。 番組では今回、1号機が爆発した3月12日から2号機がメルトダウンをおこした3月15日までの3<NHKスペシャル・メルトダウンFile2>連鎖の真相_画像2日間を徹底検証する。

実は、この期間にほとんどの放射性物質が外部へ放出されていた。 しかもそのほとんどは「水素爆発」によるものではなく、これまで国や電力会社が想定もしていなかったあるルートからだった可能性が浮かび上がってきた。史上最悪レベルの事故を防ぐことは出来なかったのか? 現場の作業を阻んだ放射線。そして外部からの支援も途絶え孤立していった原発の実態。 独自のデータと最新のシミュレーション、そして現場の当事者たちの証言から事故の真相に迫る。
<NHKスペシャル・メルトダウンFile2>連鎖の真相_画像3       <NHKスペシャル・メルトダウンFile2>連鎖の真相_画像4
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/0721/

動画】 メルトダウン 連鎖の真相 
(NHKスペシャル メルトダウンFile2)
Pideo スマホ版で視聴できるもよう。 同一リンクでPCでも可。 http://m.pideo.net/video/youku/bc5a110769e24c06/ (画像クリックでジャンプ。)
メルトダウン_連鎖の真相(NHKスペシャルPIDEO動画画像)▼          ▼          ▼

NHKスペシャル メルトダウンFile1>
シリーズ原発危機 メルトダウン~福島第一原発 あのとき何が~
初回放送 2011年12月18日(日) 午後9時15分~10時04分
<NHKスペシャル・メルトダウンFile1>シリーズ原発危機 メルトダウン~福島第一原発 あのとき何が~画像1レベル7、世界最悪規模の放射能汚染を引き起こした東京電力・福島第一原発事故。発災から8ヶ月経つが事故の全容解明は未だ道半ばだ。NHKでは福島第一原発であの時いったい何が起きていたのか、独自の取材をもとに徹底解明する。

<NHKスペシャル・メルトダウンFile1>シリーズ原発危機 メルトダウン~福島第一原発 あのとき何が~画像2まず、原発の命綱ともいえる電源を奪った津波はどのように発電所を襲ったのか。専門家による新知見を踏まえてCGで再現、思わぬ経路から海水が進入した事実を明らかにする。続いて、核燃料のメルトダウンはどのように進んだのか。原子炉の水位や圧力、放射線量の記録など膨大なデータを改めて検証。最新の解析ソフトでシミュレーションを実施し、全電源喪失から、燃料のメルトダウン、水素爆発にいたるまでの詳細なメカニズムを明らかにする。さらに、メルトダウンが進む原発で発<NHKスペシャル・メルトダウンFile1>シリーズ原発危機 メルトダウン~福島第一原発 あのとき何が~画像3電所員らはどう事故に向き合ったのか。事故想定をはるかに超える長時間の全電源喪失。通信装置が壊れ連絡が取れない建屋内部。照明が消えた制御室に迫る放射性物質。取材を通して、壮絶な現場の状況も明らかになってきた。

事故直後から独自取材で集めた証言をもとに中央制御室を再現。最新のデータ分析と証言を重ねて「あの日」の“真実”に迫り、人類はこの巨大な原子力エネルギーにどう向き合うべきなのか、根源的な問いを投げかける。
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2011/1218/

動画】 シリーズ原発危機 メルトダウン~福島第一原発 あのとき何が~
(NHKスペシャル メルトダウンFile1)
Pideo スマホ版で視聴できるもよう。 同一リンクでPCでも可。 http://m.pideo.net/video/youku/f61d28cf5159bfd3/ (画像クリックでジャンプ。)
シリーズ原発危機 メルトダウン~福島第一原発 あのとき何が~(NHKスペシャルPIDEO動画画像1)◇     ◇     ◇

福島第一原発の原子炉はGE製マークⅠ型原子炉
同型の原子炉ならびにマークⅠ改良型原子炉を使用している原発は
以下のようになっている

マーク1型一覧
東北電力 女川原発1号炉
東京電力 福島第一原発1号炉(廃炉)
東京電力 福島第一原発2号炉(廃炉)
東京電力 福島第一原発3号炉(廃炉)
東京電力 福島第一原発4号炉(廃炉)
東京電力 福島第一原発5号炉
日本原電 敦賀原発1号炉
中部電力 浜岡原発1号炉(廃炉)
中部電力 浜岡原発2号炉(廃炉)
中国電力 島根原発1号炉

マーク1改良型一覧
東北電力 東通原発1号炉
東北電力 女川原発2号炉
東北電力 女川原発3号炉
中部電力 浜岡原発3号炉
中部電力 浜岡原発4号炉
北陸電力 志賀原発1号炉
中国電力 島根原発2号炉

マーク1型原子炉を使用している原発の一覧と地図

“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録<NHKスペシャル>⇒東日本大震災を自衛隊ヘリなどが撮影した膨大な映像。巨大津波や津波火災の知られざる実像が浮かび上がってきた…

NHKスペシャル 「“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~」> 東日本大震災発生の14分後、状況撮影のため自衛隊のヘリが仙台市から飛び立った。事態を冷静に伝える訓練を受けていた搭乗員だが、感情を抑えきれず、映像にはうめき声が混じる。 発生から3日間で、消防なども含めのベ400機のヘリが出動した。 その膨大な未公開の空撮映像を解析し、あの日の真実に迫る。 多くの命を奪った津波、だが到達の3分前の映像では、海にほとんど変化はなかった。 一方、上陸後の津波の動きには昔の地形が大きく影響していることが判明する。 番組では、寸前に津波から逃げおおせた住民を取材。 減災への大きなヒントを提示する。 (【更新2014-3-2】 動画情報を後段に追加。)

“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像33NHKスペシャル「“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~」画像01NHKスペシャル “災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~
初回放送 2014年3月1日(土)午後9時15分~10時04分 NHK総合
再放送⇒ 2014年3月3日(月)午前0時10分~0時59分(2日深夜) NHK総合

NHKスペシャル「“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~」画像02東日本大震災を空から記録した膨大な映像がある。自衛隊や国土交通省のヘリコプターが撮影した被災直後の動画や、宇宙から撮影した人工衛星の画像などだ。 高い場所から現場を俯瞰し、客観的に事象を捉えたこれらの映像は、人類が大震災と巨大津波を初めて「空から見た」貴重な記録だ。 その価値に気づいた研究者たちが体系的に解NHKスペシャル「“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~」画像03析したところ、大震災の知られざる真実が浮かび上がってきた。

巨大津波が見せた予想外の挙動。 従来の防火の常識が通用しない津波火災、3日以上延焼し続けた「津波火災」の知られざる実像。 番組では、そこに映る人々の証言や、救助にあたった乗組員たちの証言を交えながら、あの日の真実に迫り、減災の教訓を探る。

http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0301/index.html

NHKスペシャル「“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~」画像04   NHKスペシャル「“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~」画像05
NHKスペシャル「“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~」画像06NHKスペシャル「“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~」画像07  NHKスペシャル「“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~」画像08
NHKスペシャル「“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~」画像09NHKスペシャル「“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~」画像10NHKスペシャル「“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~」画像11

2014-3-2 追加

NHKスペシャル
「“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~」番組キャプチャ

(画像クリックで拡大)

2011年3月11日午後2時46分、M9の巨大地震が発生。 3分後には津波警報が発表された。
“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像01被害の状況を確認するため、仙台平野では地震発生から14分後には最初のヘリコプター(自衛隊機)が離陸。 自衛隊、消防など10機以上が次々と飛び立った。
“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像02 “災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像03

最初に飛び立った陸上自衛隊機――「こちらは撮影機です。 撮影機は“ヒトゴーマルマル(1500時)”、霞目(駐屯地)を離陸。 現在、仙台港の南を宮城県北部に向けて飛行しております。 これより『東北災宮城津波警報あり』のコースに基づいて海岸線沿いに飛行。 被害状況の撮影をしてまいります。」
“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像04 “災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像05 “災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像06

東北方面通信群・空中伝送班・山元清晃(現在の階級は3曹)が実況を担当。 ヘリからの映像と音声は自衛隊司令部のほか県の災害対策本部や首相官邸にも送られる。
“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像07ヘリは先ず三陸方向に向けて北上した。 しかし…「現在撮影機は松島湾の上空を飛行しております。上空視界がほぼゼロのため北進することができません。」(山元の実況)――分厚い雪雲に阻まれ北上を断念。 司令部からの指示で、仙台市中心部の調査へと向かった。
“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像08“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像09“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像10

仙台市上空での山元の実況――「現在、市街地の状況を若干ズームして撮影しておりますが…火災の状況および建物の倒壊等は上空からは確認することができない状況です。」
“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像11 “災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像12

「あれだけの大きな揺れがあったわりには…私は被害を確認できませんでしたので、まあ、ちょっとひと安心は…その時はしたんです」と山元清晃3曹は語る。
“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像13しかしその頃、青森県八戸市から飛び立ったヘリが岩手県久慈市の沖合で、異変を捉えていた――「現在、久慈の市街地…南側…うねり、うねり確認。」「波の高さについては、5m以上、5m以上の浪です。」「非常に高い波が押し寄せてきています。」
“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像14 “災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像15 “災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像16
“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像17“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像18“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像19

仙台市上空にいた山元清晃3曹のヘリも市の南部を流れる名取川にそって海岸へと向かった。
“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像20「名取川の細部状況を撮影しています…..あ、あれ、あれなんだ、あれ…あ、いま津波確認です。 津波が、川を遡上していくのが確認できます。」と実況する山元。 津波の先端、海岸から5キロも離れた地点だ。 海に向かってヘリを飛ばす。
“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像21 “災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像22

「はい、現在、えー、津波…アー、車両…津波が、えー、はたけ、はたけに押し寄せて行くのが確認できます…ビニールハウスをなぎ倒しながら…あ…押し寄せて行くのが確認できます。(あぶねいな、こりゃ、あー)…えー、現在、撮影機、名取川の河口付近の状況を撮影しておりますが…わぁー…津波で大きな被害が発生しています。」と実況する山元。 内陸奥深うまで及んだ津波…予想を超える事態に、厳しい訓練を積んできた山元も動揺を隠せなかった。
“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像23 “災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像24

「えー、えー、こちら撮影機です、さつえい…うわぁー…さつえいき..げんざい…なとり…名取川、名取川の河口を…付近を…飛行しておりますが、つなみ…」
“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像25“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像26“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像27
“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像28“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像29“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像30

NHKの取材に山元はこう語った――「私は、あの時はちょっと自分の感情を…感情を無視すると言いますか、感情を抑えることができませんでした。 あの光景を前にして…淡々とナレーションすることが、私にはできませんでした。」
“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像31仙台平野には8機以上のヘリが集結。 巨体津波の姿を史上初めて空から多角的に捉えた。 そこには津波の実態に迫るための手がかりが残されていた。 今回入手した映像の中には、津波の専門家も初めて見るものがあった。 東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授は――「これは意外ですね…仙台平野での津波の記録というのは非常に限られていて…極めて珍しい映像だと思いますね。」
“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~画像32実は、仙台平野に迫る津波を海岸で撮影した映像はほとんどが第2波以降のもの。 今回被害のほぼ全てをもたらした第1波の到達の様子は謎だった。 その瞬間を捉えた映像が残されていた。 ヘリが撮影した映像である…

NHKスペシャル「“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~」より――「ヘリが記録した大震災」の画像

NHKスペシャル「“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~」より――「ヘリが記録した大震災」の画像

NHKスペシャル「“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~」より――「ヘリが記録した大震災」の画像

NHKスペシャル「“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~」より――「ヘリが記録した大震災」の画像

NHKスペシャル「“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~」より――「ヘリが記録した大震災」の画像

NHKスペシャル「“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~」より――「ヘリが記録した大震災」の画像

今回のNHKスペシャル「“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録」は、できるだけ多くの人に見てもらいたい番組だった。 NHKはこの番組を金曜日の夜にに放送し、再放送を何故か翌々日の日曜日の深夜にやるというヘンテコリンなことをしている。 あとはNHKオンデマンドでどうぞということなのか!? けしからんゾ! そこで、動画情報――

動画|NHKスペシャル「“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録」
画像クリックで動画へジャンプ――
“災害ヘリ”映像は語る~知られざる大震災の記録~NHKスペシャル動画Pideo ⇒ http://www.pideo.net/video/youku/84f28894ed79e141/

(注 ☛ Pideoは直ぐに映像が流れない傾向がある。30~40秒は待たないと。)

日本は世界屈指の自然災害大国だ。 つい最近も関東甲信越に未曾有の雪害があったばかりだ。 日本に生まれ、生きて行くなら、自然災害が自分の住むところでもいつの日か起きると覚悟しておいた方がいいようだ。 3.11・東日本大震災・巨大津波…あれから三年になろうとしているが、.決して他人事ではない。 首都直下地震、南海トラフ地震、そしてそれによる津波…起きることだけは分かっている。 いつなのかは誰にも分からない。 「天災は忘れた頃にやってくる」、故・寺田虎彦先生の言葉と言われるが、まさにその通りだ。 (Hashigozakuraの独り言)

<南海トラフ地震・有識者検討会> 地震・津波の新想定発表 3月31日

政府の有識者検討会―「南海トラフの巨大地震モデル検討会」は今日、3月31日に新想定を発表した。

検討会(座長・阿部勝征東京大学名誉教授)は大震災で想定外の巨大地震と津波が起きた反省を踏まえ、同様の海溝型地震が起きる南海トラフの想定を見直してきた。トラフ付近で震源断層が大きく動き、津波が巨大化する大震災タイプの津波断層域(M9・1)を新たに導入したほか、断層面を東西方向や陸側に広げ、強い揺れを起こす強震断層域を従来のM8・7からM9・0に上方修正した。

検討会は今回の推計について、「最大級の地震を想定したもので、次に起こる地震の規模を予測したものではない。『何年間に何%』という発生確率を念頭に試算したものでもない」とし、慎重な対応を呼びかけている。

この新想定の詳細、解説はNHKニュースが詳しい。 以下の南海トラフ地震震度分布図新旧比較画像に続いてNHKニュースをクリップ。 電子版配信の新聞記事よりかなり充実した内容だと私は思う。 [追加情報 4月1日。 毎日新聞4月1日の「クローズアップ2012:南海トラフ津波想定 対策、根底から見直し」の記事が中々よかったのでNHK記事の後に追加した。(【追記2013-5-25南海トラフ巨大地震の確率公表、政府地震調査委員会5/24」(投稿日2013-5-25)を追加した。タイトルをクリックで記事へジャンプ。)

今回の新想定に基づく南海トラフ地震震度分布図 (画像クリックで拡大)
比較してみる

前回(9年前)の2003年中央防災会議による東海・東南海・南海地震の震度分布図

南海トラフ巨大地震・新想定震源域
南海トラフ巨大地震・新想定最大クラスの津波高

【政府公開情報】 詳細な内容は後ほど、内閣府の「南海トラフの巨大地震モデル検討会」のウェブページ http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/nankai_trough/nankai_trough_top.html
に掲載される。 31日の夜に下の画像のように掲載されていた。

上図のようにクリックすると南海トラフの巨大地震モデル検討会(第15回)平成24年3月31日(土)のページに行く。 以下のようなイメージ。

報道発表の資料一式が(1)から(12)までリストされているが、「(10)市町村別の最大となる震度」と「(12)都道府県別市町村別の最大となる津波高<満潮位>」あたりが一般的に関心のある資料かと思う。 直リンクは (10) http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/nankai_trough/15/kisya_10.pdf  (12) http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/nankai_trough/15/kisya_12.pdf

以下はNHKニュースのクリップ。 記事に先行する下記キャプチャー画像はクリックすると拡大する

    

         

         

         

「南海トラフ」地震・津波の新想定
(NHK 3月31日 17時56分)

東海から西の太平洋沿岸の「南海トラフ」付近で起きる巨大地震について、国の検討会は、各地を襲う最大クラスの揺れと津波の高さの想定をまとめ、新たに公表しました。 従来の国の想定の2倍近い680余りの市町村で震度6弱以上の激しい揺れが想定されているほか、四国などの23の市町村では、20メートル以上の巨大な津波が想定されています。

東海から西の太平洋沿岸の「南海トラフ」と呼ばれる海底付近では、東南海・南海地震などの巨大地震がおよそ90年から150年ごとに繰り返し起きています。 東日本大震災を受けて、国が設けた専門家による検討会は、去年12月、「南海トラフ」で起きる最大規模の巨大地震として、マグニチュード9.0の想定震源域などをまとめ、31日、新たに最大クラスの揺れと津波の高さの想定を公表しました。

このうち揺れの強さは、5つのパターンの地震の起こり方から市町村ごとに最大の震度を推計しています。 震度6弱以上の激しい揺れが想定されたのは、24の府県の687の市町村で、国が9年前までにまとめた東南海・南海地震などの想定に比べて2倍近くに増え、名古屋市の一部や、静岡市、和歌山市、徳島市、宮崎市など、10の県の153の市町村では、震度7の非常に激しい揺れが想定されています。

また津波の高さは、最新の研究成果に基づいて11の津波発生のパターンから最大の値を推計し、関東から九州にかけての11の都県の90の市町村では、高さ10メートル以上の大津波が想定されました。 さらに、高知県黒潮町で34.4メートルなど、四国や東海などの23の市町村では従来の国の想定にはなかった20メートル以上の巨大な津波が想定されています。

検討会は、来月以降、より詳細な地形のデータに基づく津波の高さや、東南海・南海地震などが一定の時間差をおいて発生した場合の津波への影響、それに浸水が予想される範囲などを検討する予定です。 これを受けて、国はことし6月ごろまでに被害想定をまとめ、この秋から冬にかけて総合的な防災対策を検討していくことにしています。

■ “堤防では抑えることができない”

検討会の会合のあと記者会見した中川防災担当大臣は「最大クラスの津波は堤防では抑えることができず、都市計画や避難の在り方、防災教育などを対策に組み込んでいく必要がある。自治体の既存の防災計画が否定されるものではなく、最大級の想定を加えて見直していくべきで、国としても計画の策定を支援していきたい」と述べました。

また、検討会の座長を務める阿部勝征東京大学名誉教授は「東日本大震災との違いは、大きな津波が早いところでは2分から3分で到達するということだ。どうすれば避難することができるのか、ソフト面の対策の強化を進める必要がある」と指摘しました。 そのうえで阿部座長は「今回の想定に関わらず、日本列島ではどこで地震が起きてもおかしくないということを念頭に置いて防災対策を進めてほしい」と述べました。

■ なぜ津波想定は高くなったのか

今回の想定で津波の高さが極めて高くなったのは、去年3月の巨大地震の最新の調査などに基づいて、津波発生についての考え方が大きく見直されたためです。

去年3月の巨大地震では、東北沖の「日本海溝」付近で陸側の岩盤が大きくずれ動いたため、巨大な津波が発生したとみられることが、専門家の調査から分かってきました。 このため検討会は、東北沖と同じように、「南海トラフ」付近の海底にも岩盤が大きくずれ動くと仮定して、11のパターンの津波を計算しました。

またこれまでの研究成果から、海側の岩盤が陸側の岩盤の下に沈み込む速度は「南海トラフ」の西側ほど速い傾向が見られることを踏まえ、地震の際岩盤がずれ動く量が西の地域ほど大きくなると推定して計算しています。 この結果、高知県で30メートルを超える巨大な津波が予想されるなど、従来の国や自治体の想定に比べて極めて高い津波が想定される結果となりました。

ただ、今回の想定の計算には比較的粗い50メートル四方の地形のデータが使われているため、検討会は来月以降、より精度の高い10メートル四方の地形データに基づいて改めて津波の高さを推計することにしています。

■ 自治体の独自想定上回る地域も

今回公表された最大クラスの津波の高さの想定は、従来国が示していた東海地震や東南海・南海地震の津波の想定を大きく上回りました。 関東から九州にかけての9つの府県では、東日本大震災以降独自に津波の高さの想定を検討していましたが、中には今回の新たな想定との間で大きな開きが出た地域もあります。

例えば、▽徳島県阿南市は、県が独自に想定した津波の高さが5.4メートルでしたが、今回の新たな想定はこの3倍近い16.2メートルとなりました。

また、▽三重県志摩市では県の想定の15メートル余りに対して24メートル、▽同じく三重県の尾鷲市では13メートル余りに対して24.5メートルなどと、それぞれ県独自の想定を10メートル前後上回りました。

こうした府県では、今回の新たな想定を受けて改めて想定や防災対策を検討することにしていて、このほかの自治体も今後対策などの見直しを迫られることになります。

■ 原発の沿岸での想定は

国の検討会は、原子力発電所が設置されていたり、建設が計画されていたりする4か所について、想定される津波の高さの最大値を公表しました。

それによりますと、▽静岡県御前崎市にある中部電力浜岡原子力発電所付近では、地震によって地盤が2.1メートル隆起すると予想される一方、地盤の隆起を考慮しても、津波の高さは最大で21メートルに達すると想定されています。

また、▽愛媛県伊方町の四国電力伊方原子力発電所付近では津波の高さが3メートル、茨城県東海村の日本原子力発電東海第二発電所付近では津波が2.6メートルと想定されています。

さらに、▽山口県上関町で中国電力が原子力発電所の建設を計画している付近では、津波の高さが2.9メートルと想定されています。

これら4か所の市町村の最大震度は、▽御前崎市が震度7、▽伊方町が震度6強、▽上関町が震度6弱、それに▽東海村が震度4と想定されています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120331/t10014114281000.html

[追加クリップ記事]

(毎日新聞 2012年4月1日 東京朝刊 より)

クローズアップ2012: 南海トラフ津波想定(その1) 対策、根底から見直し

東海から九州沖の「南海トラフ」で起きる地震について、内閣府の有識者検討会は31日、「最大クラス」で津波や震度を予想した。津波の高さはこれまでの想定の2~3倍。住民の命を守る対策は根底から見直しを迫られる。

 ◇浸水域の公共施設移転 自治体、財源に苦悩

東日本大震災では浸水域の学校や公共施設、職場で大勢の人が犠牲になった。しかし、現在も多くの学校などが浸水想定区域内にある。地元自治体は厳しい財政状況の中、住民の安全確保に苦悩している。

高知県南国市の市立大湊小学校(児童数約90人)に今年3月上旬、校舎屋上への外付け階段が設置された。同小は海から約1キロ。周辺にビルや高台はない。震災前は校舎2階フロア(海抜約8メートル)を避難場所に想定していたが、東日本大震災で根本的に変える必要に迫られ、200人収容できる屋上を避難場所にした。

だが、その屋上も海抜11・5メートル。坂本一美教頭は最大16・2メートルの津波予想に「厳しい。新たな避難場所を考える必要が出てきた」と打ち明ける。

市の担当者も頭を抱える。市は13年度末までに同小の敷地に津波避難タワー(高さ20メートル級)を建設する計画だが、西原三登・市危機管理課長は「津波の高さだけでは単純には決められない」といい、「16メートル以上の津波が来た時、本当に20メートル級タワーで全員が助かるのか。安全だと思っていた避難場所が津波にのみ込まれる事態だけは避けなければ」と強い口調で話した。

静岡県下田市の庁舎は東海地震の浸水想定区域内にある。老朽化もあり現在の場所で建て替える方針だったが、東日本大震災を教訓に高台移転を検討し始めた。これまで沿岸で想定されていた津波の高さは約7メートルだったが、今回の想定で25・3メートルと3倍以上になった。

移転には数十億円かかるが、現在の場所のまま建て替えたとしても、津波対策を講じると高層化などで同じくらいの事業費が必要になる。市施設整備室の担当者は「公共施設の高台移転に対する交付金のようなものがあればいいのに」と悩む。

静岡県は新年度予算に、各市町村の地震・津波対策への補助金として27億円を計上したが、公共施設の移転は想定されていない。県の担当者は「市町村がどう財源を確保するかは今後、難しい問題になる。県もできる限りのことをしたいが、大きい事業で借金を抱える自治体もあるだろう」と話す。

 ◇「予防」に補助制度なし

政府は防災・減災のための経費として3次補正と12年度予算に1兆円超の「全国防災対策費」を計上した。しかし、学校や役場などの予防的移転に対する補助制度はない。

一方、浸水区域内の集落については、自治体が指定した災害危険区域の住民が高台移転に合意した場合、住宅建設費を補助する「防災集団移転促進事業」が利用できる可能性がある。ただし、これも公共施設は対象外だ。

高知県や和歌山県など太平洋沿岸9県の知事らは3月29日、中川正春防災担当相に対策強化のため「南海トラフ巨大地震対策特別措置法(仮称)」の制定を求めた。徳島県の飯泉嘉門知事は「浸水域にある公共施設をどう移動させるか。補助制度を含めた新しい体系の法律が必要ではないか」と話す。   【小坂剛志、池田知広】

 ◇モデル試算に限界

「実際は(試算を)やや下回るかもしれないし、上回るかもしれない」。有識者検討会の座長を務めた阿部勝征東京大名誉教授は31日、記者会見で想定モデルの限界に言及した。

今回公表された震度分布と津波の高さは「あらゆる可能性を想定した最大クラス」(内閣府)を前提に試算した。国内外の地震・津波や地殻変動の観測データ▽西日本沿岸に残る過去の巨大津波の堆積(たいせき)物調査▽スーパーコンピューターによるシミュレーション--などを基に、プレート(岩板)境界が激しくずれ動いて強い揺れや高い津波を引き起こす領域の位置を、震源域内に複数のパターンで設定。各地の揺れや津波の高さは設定ごとに変わるため、震度分布は5パターン、津波の高さは11パターンの設定で試算し、それぞれの最大値を一枚の地図に重ね合わせている。

それでも、河田恵昭関西大教授は「提示されたケースは考えられるごく一部に過ぎない。本質的に想定外が起こることに対する解決には至っていない」とし、それぞれの現象が発生する確率を示す必要があると指摘する。

検討会委員の今村文彦東北大教授は「防災対策を考える際には、海底の地質調査などで新たな科学的知見が得られれば、想定が変わる可能性があることに注意してほしい」と話す。検討会は、原発を念頭に「より安全性に配慮する必要のある個別施設は、個別の設計基準に基づいた地震、津波の推計が改めて必要だ」としている。  【比嘉洋、八田浩輔】

http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20120401ddm003040139000c.html

クローズアップ2012:南海トラフ津波想定(その2止) 「浜岡」再稼働は困難

 ◇建設中の防波壁で防げず

「そこまで考えなければならないのなら、対策はきりがない」。中部電力浜岡原発を襲う津波が想定をはるかに上回り、最大21メートルにも達することを聞いた原子力関係者がうめいた。東京電力福島第1原発事故を受けた緊急安全対策で、中部電が建設している海抜18メートルもの防波壁を軽々と越える高さだ。再稼働の前提となる安全対策が根底から見直しを迫られるのは必至で、巨額の安全対策費と併せ、浜岡原発の再稼働は一段と厳しくなった。

中部電が浜岡原発で想定した津波は8・3メートル。福島第1原発で15メートル程度まで津波が遡上(そじょう)したことを考慮し、緊急安全対策では防波壁建設、扉の水密化や非常用電源増設などを進める。費用は当初見込みを超え、1400億円に膨らんでいる。

今回の津波想定は、こうした対策の前提条件を揺るがすものだ。安全対策の効果を確認し、再稼働の可否を判断する材料となる安全評価(ストレステスト)の作業も遅れることが確実となった。経済産業省原子力安全・保安院の森山善範・原子力災害対策監は取材に対し「浸水で全電源が失われる事態を考え、重大事故に至る前に取るべき対策をさらに検討するよう求める」と、追加対策が必要との考えを示した。

中部電広報部は「今21メートルの津波に襲われても、停止から約10カ月たって原子炉内の核燃料の発熱量は少ない。炉心が露出するまでには1週間以上余裕があり、炉心損傷は防止できる」と強調。今後の対策については「詳細データを入手し、適切に対応したい」とした。

これに対し、長沢啓行・大阪府立大名誉教授(生産管理システム学)は「そこまで大きな津波だと、建物に大きな力が加わって破壊される危険も出てくる。小手先の安全対策では無理で、立地そのものが問われなければならない」と指摘する。地元、静岡県の川勝平太知事は「18メートルの防波壁では(津波を)防げないと分かった。中部電は、対策についてもう一度考え直す必要があるだろう」と語った。

浜岡原発は1、2号機が廃炉手続き中。残りの3~5号機については、昨年5月に菅直人前首相が要請し、停止した。   【岡田英、西川拓、小玉沙織】

http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20120401ddm002040143000c.html