STAP細胞、パブピアーにチェックメイトされた小保方晴子博士 ⇒ PubPeer(パブピアー)、研究論文の不正を暴く「研究者の匿名投稿サイト」。その指摘に小保方ユニットリーダーと理研に後はないようだ…

更新3/16、3/15、6/4、後段に記事追加】 小保方晴子・理研ユニットリーダーのSTAP細胞論文…その疑問点、いや疑惑を次々と指摘したのは「研究者の匿名投稿サイト」”PubPeer(パブピアー)”のようだ。 STAP細胞論文が発表された1月29日、PubPeerによる論文の検証論議が始まっている。 最初の画像流用疑惑は2月5日にPubPeer上で指摘された。 それから次々と矛盾点、疑問点、不正疑惑が指摘されており、現在もPubPeer上で続いている。

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関連情報追加6/4】 <STAP細胞全論文撤回へ、トドメを刺した理研・遠藤高帆上級研究員らの研究報告書「STAPは別のマウスの細胞の疑い」> (リンク済み、タイトルをクリックで投稿記事へジャンプ。)
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新聞記事やTVニュースでは、なぜか”PubPeer(パブピアー)”の名前が出て来ない。 メディアは単に「….という疑問がインターネット上で指摘されています」と報道しているだけだ。 いずれにしても、PubPeer(パブピアー)上で、明確な根拠とともに突き付けられた不正疑惑は、小保方ユニットリーダーが主筆したSTAP細胞論文とさらに彼女の博士論文に「王手飛車取り」、いやいやチェスで言うチェックメイトをかけたようだ。 小保方ユニットリーダーと理化学研究所には、「もう後がない」のではなかろうか….

PubPeer(パブピアー)とは何なのか? PubPeerは匿名で意見投稿できる研究者のためのソーシャルメディアで、2012年10月に立ち上げられた。 研究者たちの匿名での意見投稿を通して、世界で公開された科学論文の検証、議論をしているサイトだ。 Natureのブログ記事でも目にするが英語で”peer view”、日本語で言うと「相互評価」。  PubPeerは”publication peer view” から名付けたものだろう(この場合のpublicationは発表論文を指す)。 PubPeerの場合、多くは発表された論文に使用されている画像の整合性や論文の倫理性が議論されているといわれている――研究論文の不正を暴くと言った方が分かり易い。 一昨年(2012年)の5月には米オレゴン健康科学大学の「クローン技術を使い、ヒトの皮膚細胞からES細胞(胚性幹細胞)を作り出すことに初めて成功」とういう論文(主執筆者、シュークラト・ミタリポフ教授)の複数の間違いを指摘し、ミタリポフ教授はそれを認めた――

■ 「クローンES細胞論文に複数の間違い、主執筆者が認める」(AFP 2013年05月24日)
http://www.afpbb.com/articles/-/2945916?pid=10795440

■ “Stem-cell cloner acknowledges errors in groundbreaking paper” (Nature 23 May 2013)
http://www.nature.com/news/stem-cell-cloner-acknowledges-errors-in-groundbreaking-paper-1.13060

今回の小保方主筆によるSTAP細胞論文問題ををPubPeer(パブピアー)で調べてみよう。 PubPeerのサイトへ行くと検索欄の画面が表示されている。 その検索欄に、発表されている英文の論文名を入力して検索するようになっている。 小保方・STAP細胞論文は二つ発表されている―「Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency」と「Bidirectional developmental potential in reprogrammed cells with acquired pluripotency」の二つ。 検索するとこうなる――

● https://pubpeer.com/に行って検索欄に「Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency」と入力して、検索欄の下にある「Search Publication」をクリックして検索する――
PubPeer(パブピアー)での検索方法・手順1● こいう画面が出てくるので、「comment(s)」をクリックする――
PubPeer(パブピアー)での検索方法・手順2● 以下のような1月29日から始まる投稿コメントが出てくる――
PubPeer(パブピアー)での検索方法・手順3https://pubpeer.com/publications/24476887

また、検索欄に「Bidirectional developmental potential in reprogrammed cells with acquired pluripotency」と入力して同じように検索すると、以下のような2月13日から始まる意見投稿が出てくる――

PubPeer(パブピアー)での検索結果2https://pubpeer.com/publications/1F3D9CBBB6A8F1953284B66EEA7887

日本のメディアが報道している疑惑の画像、論文盗用・剽窃の情報源は、”PubPeer(パブピアー)”上に投稿・掲載されている意見やリンクのようだ。 研究者たちの投稿なので根拠も明示されている。 私は科学者ではないが、PubPeerを読んでみて…残念ではあるが、小保方晴子博士はアウトだと思わざるを得ない。 博士号も取り上げられることになるのではないかと思う。

ちなみに、PubPeer(パブピアー)と連動している以下の日本語ブログ記事を読んでみてはいかがか。 メディアで報道していない詳細がよく分かる――

  • 小保方晴子のSTAP細胞論文の疑惑

疑惑ではなく「不正」だったのか….。 早稲田大学・大学院での博士論文の審査の段階で剽窃・盗用を見抜けたはずなのに….そうすれば、こんなことにはならなかったのだが。 それにしても、どうしてこんなすぐバレるようなことをしたのだろうか。 事件とは兎角そのようなものなのかも知れないが….

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記事追加 2014-3-15】 今日は3月15日。 小保方・STAP細胞論文事案とは関係ないが、3月15日はジュリアス・シーザーが暗殺された日だ。 Et tu, Brute? 「ブルータスお前もか」とはシーザーが最後に発した言葉だと言われている。 小保方・STAP細胞と時期を同じくして、偽作曲家「佐村河内」事案があったので、似たような状況になってきた小保方・STAP細胞論文事案に….「小保方晴子、お前もか?」と思う次第である。 さて、昨日(3月14日)の午後に理研の調査中間報告の会見が行われた。 メディアの報道で皆さん詳細をよくご存じだろう。 今日、追加して取り上げたいのは小保方晴子・早稲田大学博士論文の件である。

理研の調査中間報告の会見が行われる直前の13時44分に、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が早大博士論文に関し<「下書きで使った物が残っている」―小保方氏、博士論文巡る疑惑で>という電子版記事を配信した――

「下書きで使った物が残っている」―小保方氏、博士論文巡る疑惑で(WSJ2014-3-14)多くの疑問点が指摘されている幹細胞に関する2つの論文の筆頭執筆者、小保方晴子氏(30)が数週間に及ぶマスコミへの沈黙を破って14日、疑惑の一部について説明した。 小保方氏は14日朝にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)宛てに電子メールを送り、2011年に博士号を取るため早稲田大学に提出した博士論文の無断引用疑惑について回答した。 問題の博士論文は、幹細胞の研究成果をめぐる疑惑を追跡している匿名のブロガーがネットに掲載したもので、その一部が米国立衛生研究所(NIH)のサイトの文章と酷似している。 小保方氏は電子メールで「現在、マスコミに流れている博士論文は審査に合格したものではなく下書き段階の物が製本され残ってしまっている」と説明。 さらに、下書き段階で参考のために転載した文章や図表が引用も訂正もなく、そのまま残っていると述べた。大学側には、小保方氏が下書きだとしているこの論文の撤回を要請したという。 早稲田大学の広報担当者は、そのような要請は認識しておらず、別版の博士論文についても知らないと述べた。また、大学による博士論文について指摘された疑問点に関する調査は継続中だと話した….(WSJ 2014-3-14 13:44)(http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304730304579438263049340856.html)

この記事を読んで「小保方氏本人が本当にそんなメールを送ったのだろうか?」と私は思ったのだが。 誰にでも分かる事だが、調査中間報告会見が行われるのを前にしてこんな取材回答をしたら火に油を注ぐ結果になる。 それほどバカなのか? 解せんな~? 案の定、ネットのアチコチで非難の嵐が吹き荒れた。 ところが今日、日スポが紙面版記事転載で「小保方さん、博士論文撤回を早大に申し出」という電子版記事を11時12分に配信した。 早大広報室広報課に14日に取材して分かったという。 また、毎日新聞電子版も同様の記事「STAP細胞:小保方さん 早大博士論文取り下げの意向」を19時2分に配信した。 一体全体、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の記事は何なのか? 以下に日スポと毎日の記事のリンクを貼るので読んでみてください。 リンク切れもあるので、記事キャプチャも掲載します(サムネイルをクリック)――

ここまで来たら、早大の調査結果が出て博士号取り消しになる前に自ら論文を取り下げするのが、彼女にとって最善の選択だろう。 それをしなかったら、ObokataではなくObaka’ta方になってしまう。 小保方さん、早大博士論文取り下げ意向 関係者にメール(朝日20140316)3月16日早朝追記: 朝日新聞のこの記事「小保方さん、早大博士論文取り下げ意向 関係者にメール」(3月16日00:01)によると―早大側は小保方さん側からの論文の取り下げはできない、としている。早大の関係者によると、博士論文の取り消しは大学しかできない。大学が博士の学位と同時に論文も取り消すことになっているという。―ところが、日経配信の記事だと話が違ってくる。詳しくは、後段の3月16日追加記事を参照。)

さて、「コピペしまくり」とネットを駆け回った問題の早大博士論文―WSJの記事は「幹細胞の研究成果をめぐる疑惑を追跡している『匿名のブロガー』がネットに掲載したもの…」と書いているが、その匿名のブロガーとは…いや既にこのブログ記事の中で既に紹介している http://stapcells.blogspot.jp/ のこと。 彼か彼女か分からないが、その匿名の研究者と思われる人物は PubPeer に色々な情報を投稿している。 3月14日には小保方氏の「2011年早大博士論文」をスキャンしたPDF版のリンクを以下ののようにPbuPeerに投稿している――

PubPeer_Obata-Doctral-Thesis-2011Obokata’s Doctral Thesis 2011

Background
http://stapcells.up.seesaa.net/image/Background.pdf

References
http://stapcells.up.seesaa.net/image/References.pdf

Chapter 3
http://stapcells.up.seesaa.net/image/Chapter3.pdf

Figures
http://stapcells.up.seesaa.net/image/Figures.pdf

Acknowledgements
http://stapcells.up.seesaa.net/image/Acknowledgements.pdf

Curriculum Vitae
http://stapcells.up.seesaa.net/image/CurriculumVitae.pdf

■ 小保方晴子・早大博士論文をチョット見てみよう

下の画像(クリックで拡大)は左から、表紙、論文題目、目次の最初となっている――
小保方晴子・早稲田大学博士論文-001(表紙)   小保方晴子・早稲田大学博士論文-002(論文題目)   小保方晴子・早稲田大学博士論文-003(目次の始め)

さて、この段落の下に二つのサムネイル(画像クリックで拡大)を掲載しているが、左端が博士論文本文の1ページ目でChapter 1 “Background” の書き出しである。 報道されているコピペ20ページの始まりである。 さて、それをNIH(National Institutes of Health = 米国立衛生研究所)のStem Cell Basicsを解説しているウェブページ(http://stemcells.nih.gov/info/basics/pages/basics1.aspx)と比較してみる。 右側がそのキャプチャなのだが、博士論文の英文はNIHのものと全く同じである。 このようにしてPDF化された論文の各ページをNIHの文章と比較していくと、論文のBackgroundに書いてある英文はNIHの解説の丸写しだと、バレバレになってしまうのだ――
小保方晴子・早稲田大学博士論文-003(本文Page1)     小保方晴子・早稲田大学博士論文(本文Page1)_NIH-StemCellBasicsとの比較

後はくどくど書かなくても http://stapcells.blogspot.jp/ で詳細に指摘されている事なので、この辺にしておくが、ただ論文の最後の方108ページでに書かれている Acknowledgements (謝辞)のキャプチャを掲載したい。 そこに出てくる名前は論文執筆にあたり指導してくれたり、協力してくれた人たちなのだが、今回のSTAP細胞論文に関係のある人たちの名前がずらずらと出てくる――
小保方晴子・早稲田大学博士論文Acknowledgements(謝辞)に出てくる名前博士論文⇒STAP細胞論文⇒特許の申請…今回の騒動は根が深そうだ。 はたして、コピペ・盗用・剽窃などで小保方晴子氏ひとりだけがターゲットになる問題だろうか….

そうそう、もう一つ。 倫理観の問題。 小保方氏は「やっていけないという認識がなかった。」と理研の調査に答えている。 コピペで作った博士論文がスルーした早大。 そういう土壌なのか? STAP論文のコピペ、それは早大時代から皆がやっているいつもことという感覚で行われたことなのか? 「はてな匿名ダイアリー」に「早稲田大学の理工系におけるコピペ文化について」というのが3月14日にアップされていた。 もう既に5千を超えるツイートがなされているが、こういう内容だ――

早稲田大学の理工系におけるコピペ文化について_20140316早稲田大学の理工系におけるコピペ文化について

早稲田大学のコピペ文化が話題になっているので、早稲田の理工ではコピペに対してどのような教育がなされているのかの現状を書きたい。ちなみに、私は早稲田大学の理工を5年ほど前に卒業し、某国立大学の大学院に進学し、いまはふつうの社畜である。

今になってはとても反省しているが、早稲田の理系はコピペで成り立っているといっても過言ではなかったと思う。もちろん全ての学生がそうというわけではないが。

早稲田の理工に入ると、1年生の実験が始まる。週1回の実験で、レポートや試問が課され、それをまとめる必要がある。また、2年生になると学科別の専門的な実験が始まり、レポートの量も増え、求められるものも増える。レポートはダメなところがあると再提出になる。ひとつでもレポートが提出期限を守れていないと即留年である。規則は厳しい。

そこで、そのとてつもない量のレポートを量産するため、学生たちは必死にコピペを行う。先輩たちから大量に受け継がれてきた「過去レポ」をもらい、それを切り貼りして組み合わせるのである。切り貼りする手間がないときは、一字一句同じレポートが作られる。写経である。

教授陣はコピペを容認している。学生がコピペを多用するのを知っていているため、私のいたときはレポートはすべて手書きでないと認められなかった。つまり、こういうことだ。どうせ殆どの学生はコピペをするのだから、それをパソコン上でやっては何も身につかないので、せめて手書きで丸写しをさせて覚えさせよう、と。実際に何人かの先生たちはそれを公に口にしていた。写経ならまだ意味があると。こうなると、どうやって大量の過去レポを得るかが重要である。実験の成績は、コミュニケーション能力を測っているともいえる。つまり、どれだけ過去レポを集める能力があるか、だ…. (全文は http://anond.hatelabo.jp/20140314233406 か、右上のサムネイルをクリック。)

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記事追加 2014-3-16】 今夜、フジTV 「Mr.サンデー」とNHK・Eテレ「サイエンスZERO」で小保方・STAP細胞の謎を検証する番組が放送される。 番組情報――

Mr.サンデー_3月16日_極めてずさんで未熟…小保方氏STAP細胞の謎を検証、深まる疑惑の原点となったサイト追跡 フジTV 「Mr.サンデー」 3/16(日)22:00 ~23:15
番組概要: 極めてずさんで未熟…小保方氏STAP細胞の謎を検証&深まる疑惑の原点となったサイト追跡
☛ 番組が取材を進めるとアメリカの研究者のあるブログには、「発表が若干 から騒ぎのように聞こえる 6つの疑問点が出てきた」などと書かれていた。投稿日はアメリカ時間1月29日。ネイチャーに掲載されたまさにその瞬間、STAP論文が世界中の研究者たちの目にさらされていた。さらに翌日、論文への疑問は広がりを見せる。その起点となったのは論文批評サイト「パブピアー」。科学に詳しい人たちが世界中から集まり、発表された論文について匿名で議論するサイト。当初は実験結果への疑問だったが、多くの研究者の間で疑問は疑惑へと変わっていった。(TVでた蔵<3月22日放送「Mr.サンデー」> http://datazoo.jp/w/%E3%83%91%E3%83%96%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%BC/18174195

NHK・Eテレ_サイエンスZERO_3月16日_STAP細胞_その成果が疑問視_謎や疑問を徹底解説■ NHK・Eテレ サイエンスZERO 3/16(日) 23:30~00:00
番組概要: 話題沸騰のSTAP細胞。ストレスを与えるだけで“万能細胞”が生まれるという大発見だが、その成果が疑問視されてるってどういうこと??気になる謎や疑問を徹底解説する。
http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp458.html

Mr.サンデーの番組概要には「深まる疑惑の原点となったサイト追跡」とあるので、研究者による論文検証・匿名サイト「PubPeer」が当然取り上げられるのではないかと思うが。 論文不正を追跡している匿名・日本語ブログ「小保方晴子のSTAP細胞論文の疑惑」の方はどうだろうか。 分からんな~。 そう言えば、産経ニュース(関西版)で3月14日に配信された記事に「理研を追い込んだ〝ネット捜索隊〟」というのがあった。 紹介したい――

[STAP細胞] 理研を追い込んだ〝ネット捜索隊〟
(MSN産経West 2014.3.14 19:45)

【STAP細胞】理研を追い込んだネット捜索隊〟(1_2ページ) - MSN産経west_20140314新型万能細胞「STAP細胞」論文をめぐっては、インターネット上で疑問点が活発に指摘され、理化学研究所が中間報告に乗り出す契機ともなった。

「再生医療に新しい光をもたらした」と評価された小保方晴子・研究ユニットリーダーの論文発表が行われたのは1月末。その約2週間後の2月13日に英語で書かれた論文検証サイトと、日本語で書かれたブログで「異なる条件で作ったはずのマウスの胎盤の画像が似ている。使い回しではないか」と疑問が示された。

掲載された経緯は不明だが、日本語のブログはノバルティスファーマ社の論文不正問題を追及してきた“実績”もあり、指摘は他の掲示板やツイッターなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)で一気に拡散した。理研は同日、調査に乗り出した。

また理研がその後、3月5日に詳細なSTAP細胞の作製方法を公開するまで公的な説明をしなかったのに対し、ネット上の指摘は加速度的に拡大した。

論文中に、ドイツの研究者の論文とほぼ同じ記述があることや、STAP細胞から育ったとされた筋肉細胞などの画像と、小保方氏の早稲田大時代の博士論文の別の細胞画像が酷似していることなど、理研が今回調査対象とした疑問点が次々と指摘された。

【STAP細胞】理研を追い込んだネット捜索隊〟(2_2ページ) - MSN産経west_20140314STAP細胞論文の問題点を指摘するには、高度な専門知識が必要となるが、ネット上では科学者らがSNS上で行う意見交換に、一般の人が加わるシーンも現れた。

14日の会見で、理研の野依良治理事長は、ネット上で検証が広がったことについて「現在のITの革新は10年前には考えられなかった。いい面はあるが、影もできる。高等教育がそれについて行けていない。当惑しているのが今の心境」と述べ、簡単に文章をコピーできると同時に、世界中の文献の中から類似の文章を検索できる状況に困惑の表情を浮かべた。

インターネットに詳しい神戸大大学院工学研究科の森井昌克教授(情報通信工学)は「世界中でスムーズに情報共有ができたため、議論が加速した。閉ざされた場所で行われていた高度な議論に、専門家から一般人までが参加できるようになった」と評価する半面、「問題が単純化されたり、デマが混在したりすることも起きている」とマイナス面も指摘した。

理研の対応については「調査が決して遅いわけではないが、ネット時代のスピードに対応するよう(調査の)体制を考え直す必要があるだろう」と話している。

http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/140314/wlf14031419480032-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/140314/wlf14031419480032-n2.htm

論文検証サイト、論文検証ブログ、ツイッター…ネット時代のスピードに旧態依然とした体制と思考ではついていけないというのは事実だ。 ネット情報は刻々と発信され、あっという間に拡散する。 ある意味、本当に恐ろしい時代になったもんだ。

さて、朝日新聞の記事「小保方さん、早大博士論文取り下げ意向 関係者にメール」(3月16日00:01)によると―早大側は小保方さん側からの論文の取り下げはできない、とういのを3月15日の追加記事の中で取り上げたが、これが日経掲載の共同通信配信記事だと話が違ってくる。以下、日経記事をクリップ掲載するが、一体全体マスコミの報道は何が本当やら――

小保方氏が博士論文取り下げの意向 博士号取り消しも
(日経 2014/3/16 1:38 )

英科学誌ネイチャーに新型万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の論文を発表した理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーが、早稲田大に提出した博士論文を取り下げる意向を早大側に伝えていたことが15日、分かった。

早大広報課によると、小保方氏が最近、学内の教員にメールで取り下げの意向を示した。今後、大学へ正式な申し出が来れば、対応を検討するとしている。博士号の取り消しにつながる可能性が出てきた

2011年に博士号を取得した論文は、骨髄から採取した細胞がさまざまな細胞に変化できることを示した内容。約100ページのうち冒頭の約20ページが米国立衛生研究所(NIH)のサイトとほぼ同じ記述だとの指摘や、実験の結果を示す画像がバイオ系企業のサイトにある画像と酷似しているとの指摘が寄せられ、早大が調査している。

小保方氏が論文を取り下げる意向を示した理由について、広報課は「教員とのプライベートなやりとりなので言えない」としている。

一方、ネイチャー誌はSTAP細胞の論文について、サイトの14日付のブログ記事で「全著者の同意がなくても、論文の主な結論を支える証拠がなければ、撤回することがあるかもしれない。異議を唱える著者がいれば、その旨を明記する」との同誌広報担当者の見解を掲載した

理研は14日、STAP細胞の論文には博士論文と同じ画像が使われるなど「重大な過誤があった」との中間報告を発表した。〔共同〕

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1502X_V10C14A3CC1000/

上記の記事によれば、小保方氏から正式な申し込みがあれば早大は対応を検討するとして博士論文取り下げの可能性はある。 さて、Natureに掲載された論文の方だが、これも上記記事にあるように全員が同意しなくても論文取り下げの可能性が大いにあることになる。 日本のメディアが海外の報道記事を参照したり、翻訳した概要記事を掲載している場合はそのまま鵜呑みにしないいけないというのが私の経験則だ。 経験的にいうと、大手マスメディアの海外報道の引用記事や参照記事には結構間違いや誤訳がある。 そのため、原文記事にアクセスできる場合はできる限り原文を読んで確かめるようにしている。 それが一番だ。 ということで、Natureに行って件(くだん)の記事をさがしてみた――

Natureのnewsblog記事、14 Mar 2014 | 18:43 GMTに掲載された”Confusion as institute releases report on controversial acid-bath stem-cell papers” と言う記事の下から2番目のパラグラフの文章がそれだ。 日経記事の内容と一致する、原文にはこう書いてある――

Confusion as institute releases report on controversial acid-bath stem-cell papers _ Nature News Blog_20140314If the RIKEN researchers do request a retraction, Nature‘s journal editors will have to step in. The journal tries to get all authors to agree before retracting a paper. According to a spokesperson for Nature: “In cases where not all of the authors agree on a retraction, Nature evaluates whether the evidence available supports the main conclusions of the paper. We may decide to retract in cases where the authors cannot provide evidence to support the main conclusions of the paper. In such cases, if some authors still disagree with the retraction, we note the dissenting authors in the retraction notice.”

http://blogs.nature.com/news/2014/03/confusion-as-institute-releases-report-on-controversial-acid-bath-stem-cell-papers.html

(また、記事を追加するかもしれません。 あるいは、スピンオフ投稿かもしれません。)

6月1日、6月4日にスピンオフ投稿しました。 以下の記事タイトルはリンク済みです――

STAP細胞、パブピアーにチェックメイトされた小保方晴子博士 ⇒ PubPeer(パブピアー)、研究論文の不正を暴く「研究者の匿名投稿サイト」。その指摘に小保方ユニットリーダーと理研に後はないようだ…」への1件のフィードバック

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