<今度は宮城ナンバーのハーレーがカナダに漂着|漂流がれき> 「宮城 そ 428」、このナンバーに心当たりの人はいないか?

カナダに漂着したバイクはハーレー・ダビットソン、車種は「ナイト・トレイン」と思われる。 ナンバープレートは「宮城 そ 428」だ。 心当たりの人はいないだろうか?

このブログで「<津波・洋上漂流がれき>拡散予測図」を4月7日に投稿しているが、IPRC(ハワイ大学国際太平洋研究センター)の予測より早く漂流がれきがアラスカやカナダに到達しているようだ。 漂流がれきのアラスカ、カナダ太平洋岸、アメリカ西海岸への漂着は今後どんどん増えるだろう。

以下はカナダに漂着したバイク「ハーレー・ダビットソン」のNHKのニュース。 情報源はカナダCBCなので、早速CBCに行って英文ニュースを併載した。

追記、2012-5-1 19:30  MHKの夜7時のニュースの最後7時30分に持ち主が見つかったと報道していた。 ヨカッタ、ヨカッタ。 末尾に詳細を追加。

追記、2012-5-26。 カナダに漂着したハーレーは持ち主・宮城県山元町の横山育生さん(29)の意向によりハーレーUSAに寄贈され、ウィスコンシン州にあるハーレー・ダビッドソン博物館で発見されたときのままの姿で一般に公開されることになった。 詳細は投稿記事末に追加

宮城ナンバーのバイク カナダ漂着
NHK 5月1日 7時5分

カナダ西海岸の島の海岸に、東日本大震災後の津波で流されたとみられる「宮城」のナンバープレートのついたオートバイが漂着していたことが明らかになり、地元の日本総領事館が持ち主を捜すなどの対応に当たっています。

このオートバイが見つかったのは、日本からおよそ6500キロ離れたカナダ西部ブリティッシュコロンビア州のクイーンシャーロット諸島で、先月18日、海岸を散策していたピーター・マークさんが見つけました。

地元のテレビ局が伝えた映像からは、オートバイはトラックに積まれていたとみられるコンテナに入っていて、ナンバープレートから「宮城そ428」が読み取ることができます。

オートバイが見つかったコンテナの中には、このほかにもゴルフクラブやキャンプ用の道具なども流れ着いていたということで、発見したマークさんは、NHKの取材に対し、「持ち主が無事であるとともに、荷物が返せればと思います」と話しています。

オートバイが漂着したことはバンクーバーにある日本総領事館にも伝えられていて、現在、総領事館では外務省と連絡を取り合って持ち主を捜すなどの対応に当たっています。

北米の海岸では、ことし3月にもアメリカ・アラスカ州の島に震災の時に流されたサッカーボールとバレーボールが漂着し、いずれも持ち主が見つかっていますが、バンクーバーの総領事館では、震災で流されたものがカナダに漂着したのは初めてではないかと話しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120501/k10014821281000.html

(発見された場所はカナダ西部ブリティッシュコロンビア州のクイーンシャーロット諸島のグレアム島)

他のメディアの報道で情報源はカナダの CBC (British Columbia) だと分かったのので、早速そのサイトへ行って原文ニュースを当たってみた。 そこには英文記事の他に動画ニュースも掲載されていたが、それを視聴すると日本のニュースで流しているビデオ映像はそれを編集して日本語版にしているということがヨーク分かった。

CBC (British Columbia)の記事と動画はここ <http://www.cbc.ca/news/canada/british-columbia/story/2012/04/29/bc-tsunami-debris-harley.html>

そこに掲載されている写真と記事をクリップ。


Motorcycle washed up in B.C. may be Japanese tsunami debris
(CBC News Apr 29, 2012 5:50 PM)

A beachcomber on British Columbia’s Haida Gwaii islands has discovered what may be the first piece of debris from the Japanese tsunami to arrive in Canada.

Peter Mark was riding his ATV, exploring an isolated beach on Graham Island on April 18, when he made a spectacular find.

“You just never know what you’re going to stumble upon when you go for a drive, and lo and behold you just come across something that’s out of this world,” he said.

Mark found a large white cube, like the back part of a moving truck, just below the high tide mark.

“The door was ripped off it and I could see a motorcycle tire sticking out,” he said. “So I went closer and looked inside and saw a Harley-Davidson motorcycle.”

The bike was rusty, particularly on the wheels and handlebars, but the logo on the fuel tank was unmistakable.

“First I thought, this has got to be the craziest thing anyone has ever found,” he said.

“Then I looked a little closer and the licence had Japanese writing on it. The wall of the trailer had Japanese print on the tags. And the first thing that popped into my head was this is likely from the Tsunami in Japan.”

The motorcycle’s licence plate shows it was registered in Miyagi Prefecture, and writing on the container matches photos of a commonly used Japanese moving van.

Mark also found a few golf clubs, tools and camping equipment in the container.

“It defies all logic,” he said. “I cannot for the life of me figure out how that stuff stayed in there. The motorcycle was not strapped down. Everything was just laying loose on the bottom of the floor.”
‘Quite an eerie feeling’

Miyagi Prefecture was the worst hit part of Japan, with more than 11,000 people dead and missing. Video taken at the time of the tsunami shows numerous white trucks, similar to the cube that washed up on Haida Gwaii, getting washed away.

The Kuroshio ocean current runs in an almost direct path from Japan’s east coast over to North America, passing right by the islands of Haida Gwaii.

Mark said seeing someone’s possessions wash up on a beach 5,000 kilometres away was incredibly sobering.

“I gotta say, the first thing that popped into my mind when I was looking at the scene [was] I really wonder what happened to this person. I really hope this person is OK,” he said. “It’s quite a shock to actually see it and to actually walk into it … [It’s] quite an eerie feeling, knowing what happened to Japan and to those people. It kind of hits home quite a bit.”

The beach where the motorcycle washed up is remote ? getting there requires an off-road vehicle and crossing several rivers ? which is partly why Mark left everything where he found it.

“I think the most important thing is that people treat the things they find with respect,” he said. “These are parts of people’s lives. Some people lost everything in the disaster, and I think people have to keep that in mind when they make a find like this.”

The Japanese consulate in Vancouver has the licence plate number and is trying to determine who owned the items ? and whether that person is still alive.

“In many cases, I believe the original owners will welcome reuniting with their lost objects,” said Hideki Ito, Japan’s consul general in Vancouver.

Ito expects discoveries of personal items in the debris will be extremely rare, as most larger items will sink.

More than 1.5 million tonnes of tsunami debris is drifting across the Pacific Ocean toward Canada’s West Coast, but until now only bottles, buoys and other small items have washed ashore.

1日、東日本大震災の津波でカナダの島に流された宮城ナンバーのバイク「ハーレーダビッドソン」の持ち主が判明した。 バイクの持ち主の横山育生さん(29)は「たまたまというか、奇跡的というか。ありがとうということを、マークさんですか、あの方に伝えたいと思うんですけど。ちょっと伝える方法もないので、この場をお借りして伝えたいなと」と話した。 宮城・山元町に住む横山育生さんは、東日本大震災の津波で自宅を流され、家族3人を亡くし、今は仮設住宅で暮らしている。

FNN (05/01 20:04 仙台放送)  http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00222402.html

[追記。 ハーレーは日本に戻ってくるようだ。 日本までの輸送はハーレー・ダビッドソン本社が全面協力するとのこと、修理もしてくるそうだ。 戻ってきても仮設住まいの横山さんには保管場所の問題があるが、横山さんにハーレーを販売したお店がが保管を申し出ている。どうやら、津波で流され太平洋を横断したハーレーは横山さんの元へ戻ってくるようだ。]

横山さんへ、ご家族3人が亡くなられたとのことですが、言葉がありません。 頑張って下さい、としか私には言葉がありません。 ビデオの映像では元気を少しは取り戻しているようにお見受けいたしましたが….

[追加投稿 2012-5-26]

ハーレのプレス・リリース「津波被害でカナダ沿岸に漂着したハーレーダビッドソンについて」によると―『ハーレーダビッドソン社(本社:米国ウィスコンシン州ミルウォーキーNYSE:HOG)は、カナダのブリティッシュコロンビア州グレアム島の沿岸に漂着したハーレーダビッドソンを、当該車両のオーナーである横山育生氏と協議の結果、多くの尊い人命を奪った東日本大震災の追悼品として、ミルウォーキーにあるハーレーダビッドソンミュージアムに寄贈いただき、保存することを決定いたしました…..』と発表されている。

<http://www.harley-davidson.co.jp/company/csr/pdf/120525.pdf>

[英文・Harley-Davidson USA] MILWAUKEE (May 25, 2012) -A Harley-Davidson motorcycle recovered on the coast of British  Columbia after drifting for more than a year and 4,000 miles across the Pacific Ocean following last year’s Japanese Tsunami will be preserved by the Harley-Davidson Museum in Milwaukee as a memorial to the tragedy that claimed more than 15,000 lives, in accordance with the wishes of its owner, Ikuo Yokoyama…..

<http://investor.harley-davidson.com/phoenix.zhtml?c=87981&p=irol-newsArticle&id=1699932>

この件、今朝のNHKニュースではこのように報じられていた――

漂着バイク 米の博物館に展示へ
(NHK 5月26日 8時50分)

東日本大震災の被災地からカナダ西海岸の島に流れついたオートバイについて、持ち主の宮城県の男性が、震災の記憶を風化させないために役立てて欲しいと希望したため、オートバイのメーカーは、当初予定していた修理は行わず、アメリカ国内の博物館で一般に公開すると発表しました。

このオートバイは、先月、日本からおよそ6500キロ離れたカナダ西部のグラハム島に住むピーター・マークさんが海岸で発見しました。ナンバープレートなどから、持ち主は宮城県山元町の横山育生さん(29)で、震災による津波で流されたものと分かり、製造したアメリカのハーレー・ダビッドソンが、無料で修理したうえで、横山さんに届けたいと申し出ていました。

しかし、横山さんが、オートバイを多くの犠牲者を出した東日本大震災の記憶を風化させないために役立ててほしいという意向を伝えてきたため、メーカー側は、アメリカ中西部のウィスコンシン州にあるハーレー・ダビッドソン博物館で、発見されたときのままの姿で一般に公開すると、25日、発表しました。

現在、カナダのバンクーバーに保管されているオートバイは、近くアメリカに移送されるということで、博物館に展示する際には、横山さんと発見者のマークさんを現地に招待したいとしています。マークさんは、NHKの取材に対し、「横山さんの申し入れは理解できますし、多くの人に見てもらうのはいいことです。オートバイを見つけて、本当によかったと思います」と話していました。
<http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120526/k10015391901000.html>

<津波・洋上漂流がれき> 拡散予測図 IPRC vs 京都大学(環境省委託)

昨日(4月6日)、東日本大震災の津波によって日本の八戸港から流出、漂流した無人漁船が米沿岸警備隊の25ミリ機関砲の艦砲射撃によって撃沈されたが、いわゆる洋上「漂流がれき」問題だ。

今朝のテレビでNHKのニュースをみているとこの「漂流がれき」問題に関して、環境省から委託されて京都大学が調査・シュミレーションした「漂流がれき」の米西海岸への到達予測図のが放送されていた。 確かに3月8日の電子版記事(「洋上の漂流がれき、京大と共同で調査 環境省」[産経])は環境省の京都大学への委託を報道している。 そこで環境省と京都大学を調べてみたがこの時点では「漂流がれき拡散予測図」は発見できなかった。

ただし京都大学が立ち上げている東日本大震災に伴う洋上漂流物に係わる緊急海洋表層モニタリング調査(委託元環境省、委託先京都大学) ― 洋上漂流予測・再解析」というホームページを発見した。 http://marine-debris.kugi.kyoto-u.ac.jp/   これからそのサイトに情報が掲載される思われ。

日本の科学者と環境省のプロジェクトチームが「漂流がれき」の意見交換のためハワイ大学の国際太平洋研究センター(IPRC = International Pacific Research Center)を今年の2月8日に訪れている。 IPRCは大震災の津波の後、いち早く「漂流がれき」の追跡と拡散予測に取り掛かりそのウエブ・ページで公開している。 京都大学の予測図がまだ公開されないので、IPRCの情報を掲載しよう。 京都大学の方は発表あり次第IPRCの下に掲載予定。

東日本大震災・津波による洋上漂流がれき 「ハワイ周辺海域への到達追跡図」 
(IPRC = ハワイ大学国際太平洋研究センター)

今、海に流された瓦礫(がれき)はどこにあるのか? それは今の所この予測図ぐらいしか検討の付けようがない。

東日本大震災・津波による洋上漂流がれき 「太平洋上拡散予測図」
(IPRC  = ハワイ大学国際太平洋研究センター)

環境省水・大気環境局水環境課海洋環境室が今年3月9日に発表した「東日本大震災により流出した災害廃棄物の総量推計結果の公表について(お知らせ)」によれば、岩手県、宮城県、福島県から流出した廃棄物の総量は約500万t。 そのその8割程度は家屋等で、全体の7割程度が日本沿岸付近等の海底等に堆積し、残りの3割程度が漂流ごみとなったと推計されている。

東日本大震災により流出した災害廃棄物の総量推計表

廃棄物の種類 漂流ごみ(千t) 海底ごみ(千t) 計(千t)
家屋等 1,336 2,783 4,119
自動車 313 313
海岸防災林から生じた流木 199 199
漁船を含む船舶 1 101 102
養殖施設 16 16
定置網 18 18
コンテナ 35 35
1,536 3,266 4,802
≒500万t

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kaiyou/hyouryuu/pdf/siryou.pdf より抜粋

日経電子版は「震災がれき、北米に10月到達 環境省予測」(2012/4/7 1:59)はこのように報じている

環境省は6日、東日本大震災で海に流れた洋上漂流物(漂流がれき)の漂流予測を発表した。家屋が壊れた板や漁船は半分水没して漂い、2012年10月ごろに北米大陸の沿岸域に到達。13年2月までに沖合10キロメートルの範囲に約4万1300トンが流れ着くとした。米ハワイ大が13年に米西海岸に近づくとしたこれまでの予測よりも早い。

環境省は3月に被災3県から出た漂流がれきの総量を480万トンと推計。漁船など半分水没して漂うがれきは約133万トンと試算した。海流と風のデータを活用し、12年10月には約1.2トン、12年12月には3万1000トンがたどり着くと予測した。

また、ブイなど海面上に出ている部分が多い漂流物は一部が12年2月ごろに接近するとした。既に到達している可能性がある。海にほとんど沈んだ状態で流れている漂流物は、13年6月ごろに北米大陸の沖合に到達すると予測している。

http://www.nikkei.com/news/latest/article /g=96958A9C889DE6E2E0E1EBE2E0E2E2E5E2E6E0E2E3E09191E3E2E2E2

また、毎日jpは「漂流のシミュレーションは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の陸域観測技術衛星「だいち」の画像を解析して得た漂流物の初期分布から、海流や風などを考慮し移動速度を算出して行った」と報じて「だいち」の画像データーが使われたことがうかがえるがこれに言及したのは私の知る限り毎日jpだけだ。 http://mainichi.jp/select/news/20120407k0000m040097000c.html

いづれにしても多くの電子版は「環境省発表」だけ報じて「京都大が研究チーム」が解析にあたったことには触れていない。 NHKとMSN産経ぐらいではないかそのことに触れているのは。 NHKニュースは予測シュミレーション動画を交えてニュース配信している。 以下、NHKのシュミレーション動画をキャプチャーした画像とニュース記事を掲載する。  京大の「洋上漂流予測・再解析」プロジェクト・サイト http://marine-debris.kugi.kyoto-u.ac.jp/ に「予測シュミレーション」がいつアップロードされるんだろうか…

「漂流がれき」の米西海岸への到達予測画像(キャプチャー版)。 画像クリックで拡大、左から右で時系列推移。


漂流がれき 北米の西海岸接近か

(NHK 4月7日 4時3分)

東日本大震災による津波で太平洋に流出したがれきの動きを、風の影響などを考慮して予測したところ、漁船など風を受けやすいものの一部は、北アメリカの西海岸にすでに接近している可能性があることが分かりました。 政府は今後、漂着した場合の処理などについて、関係国と協議を進めることにしています。

震災による津波で海に流出した、壊れた家屋や漁船などは、およそ150万トンに上るとみられ、政府は、ほかの国に流れ着く可能性や時期について、京都大学を中心とする研究チームに委託して、分析を進めてきました。

その結果、漁船や漁に使うブイなど、海面から出ている部分が大きく、風の影響を受けやすいものの一部は、ことし2月ごろに、すでに北アメリカの西海岸に接近している可能性のあることが分かりました。

また、流出したがれきのおよそ90%を占める、家屋の破片などの一部は、ことし10月ごろに北アメリカに接近し、来年2月ごろには4万トン余りが、沿岸から10キロ以内にまで達する見込みだということです。

アメリカの研究機関の調査では、がれきは来年、沿岸に接近すると予測されていますが、今回の調査では、海流だけでなく、風の影響も考慮してシミュレーションをしたため、接近する時期が早まったとしています。 政府は今後、漂着した場合の処理などについて、関係国と協議を進めることにしています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120407/k10014281181000.html

(京大予測データー発表後、加筆予定。 4月23日現在、何の発表もない。)