<AIJ、衆院参考人質疑> こんなジジ達に質疑して何の意味がある。衆院財務金融 委員会のパフォーマンス、税金の無駄づかいだ!

■ 衆院財務金融委員会の委員長は民主党・海江田万里氏だ。 渦中のAIJ投資顧問年消失問題を取り上げて、「私達はやってますよ」と国民に見せるだけのパフォーマンス程度の参考人質疑ではないか。

AIJ・浅川和彦社長が出席を拒否するのは誰でも予測が付くことだろう。 次々に明るみに出る事実で逮捕されのは覚悟していると思われる人物が、TVで日本国中に晒される参考人質疑にノコノコ出てくると思うか? 任意出席なのだから、出てこんのは衆院財務金融委員の議員達も承知のはず。 要するに「我々は出席を要請したが、彼は拒否した」という事を国民に見せるための茶番でしかない。 一応やってますよとアピールするだけのパフォーマンス。

本当にその気があるなら、最初から強制力のある「証人喚問」が選択肢だろう(ただし、捜査との兼ね合いで微妙)。 断るのが分かり切ってた当事者から断られてから、「理事会で(浅川氏の)証人喚問をしっかり議論したい」(海江田万里委員長)とは悠長な。 東日本大震災・福島第1原発事故後の迷走した対応さながらに間の抜けた話だ。 これが今の日本の国会、国会議員達のレベルなのだ。

■ 衆院参考人質疑に呼ばれて出てきたジサマ達は既に皆が知っている話しかしないではないか。 質疑応答をみれば、「これじゃ、AIJにカモられるわ~」と日本国中が思ったのではないか。 私が一番注目してたのは日本証券投資顧問業協会の岩間陽一郎会長だ、なぜなら日本証券投資顧問業協会の設立の目的にはこう書いている。

目的: 協会は、会員の行う投資運用業および投資助言・代理業の公正かつ円滑な運営を確保することにより投資者保護を図るとともに、投資運用業および投資助言・代理業の健全な発展に資することを目的としています。 http://jsiaa.mediagalaxy.ne.jp/profile/gaiyou.html

さらに、協会設立の背景2にはこう書いている。

【協会設立の背景2: 投資顧問業法制定以前において、一部悪質な業者による投資者の被害が発生し、こうした被害を未然に防止する社会的要請が強まったこと http://jsiaa.mediagalaxy.ne.jp/profile/gaiyou.html

しかしながら、国会で彼いわく『「再発防止策として浮上している投資顧問やファンドへの監査義務づけに関しては、「費用対効果もよく考慮しないといけない」と指摘。運用利回りの開示義務化についても「顧客との守秘義務に反する」として消極的な見解を示した。』(日経電子版 2012/3/14 12:37)。

所詮、日本証券投資顧問業協会は大手投資・金融会社OB金融庁OBの再就職先にしか過ぎないのではないか。 多くの独立行政法人と同じく機能性・有効性が疑問視される。

【日本証券投資顧問業協会 役員一覧】

会長(常) 岩間 陽一郎 前東京海上アセットマネジメント投信株式会社取締役社長
副会長(非) 猪股 伸晃 JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社取締役社長
副会長(非) 前田 良治 三井住友アセットマネジメント株式会社取締役社長
副会長(非) 横井 正道 大和住銀投信投資顧問株式会社取締役社長
副会長(専務理事)(常) 長尾 和彦 元証券取引等監視委員会事務局長
理事(非) 相澤 淳一 大和証券株式会社執行役員
理事(非) 有森 鉄治 三菱地所投資顧問株式会社取締役社長
理事(非) 乾  文男 社団法人 投資信託協会副会長専務理事(元.金融庁総務企画局長)
理事(非) 上田 照章 大和企業投資株式会社取締役社長
理事(非) 宇野  淳 早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授
理事(非) 大松 正志 UOBアセットマネジメントジャパン株式会社代表取締役CEO
理事(非) 奥山 弘幸 日本公認会計士協会常務理事
理事(非) 數間 浩喜 損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント株式会社取締役社長
理事(非) 蟹江 洋司 日本証券業協会専務執行役
理事(非) 北野 幸広 住友信託銀行株式会社常務執行役員
理事(非) 髙谷 正伸農 林中金全共連アセットマネジメント株式会社取締役社長
理事(非) 出川 昌人 ブラックロック・ジャパン株式会社取締役社長
理事(非) 巻島 一郎 一般社団法人 不動産証券化協会専務理事
理事(非) 松田  昇松田 昇法律事務所弁護士(元.最高検察庁刑事部長)
理事(非) 森本 紀行 HCアセットマネジメント株式会社取締役社長
監事(常) 得能 英夫 元警察庁東北管区警察局長
監事(非) 藤瀬  宏 T&Dアセットマネジメント株式会社取締役社長
監事(非) 吉野 俊之岡三 アセットマネジメント株式会社取締役社長
———————————————
名誉顧問 本村 正忠 元協会長
名誉顧問 辻  雅夫 前協会長

http://jsiaa.mediagalaxy.ne.jp/profile/pdf/yakuin.pdf

国会議員達は選挙のことばかり考えて、てっとり早くインパクトのある代表質問でのパフォーマンスを意識しすぎる。 用意されたフリップは質問されている人間に見せるのでなく、中継しているTVカメラの方を向いている。 TVを見ている国民向けだ。 どうだろう、同じものを二枚用意して一枚は質問されている人に向けてもう一枚は中継カメラに向けては。 そうでなければただの国民向けパフォーマンスではないか。 国民は議員の小手先のパフォーマンスに乗るほどバカではない。 それを分からないところがこの国の議員達がアホである何よりの証拠ではないか?

国会で議論すべきはAIJの問題が起きた根本的原因の究明と解決策だろう。 小泉政権下で自由化という名のもとに行われた金融緩和政策と金融法の弛緩。 それは金融大国・アメリカの外圧に迎合した結果以外の何物でも無かったはずだ。 その結果のザル法・金融法を放置したのは自民党・民主党その他多くの政党だろう。 心ある経済評論家は10年前からその危険性を指摘している。 我々は何を解決しなければいけないのか? そしてどう解決するのか? それが今の日本にとって最も大切なことで、小手先の大衆受けする事ばかり考える議員達の国会論議ではこの国は潰れてしまう。

今の日本の国会議員にに志士は居ない。

ちなみに、国会の審議は録画されており「衆議院 TVインターネット中継」でビデオクリップをいつでも見ることが出来る。 今回の財務金融委員会はトータルで2時間15分。 各政党の質問者ごとに動画がフリップされておりネット配信されている。 http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=41650&media_type=

AIJ委託「高リスクは認識」 運用難の厚年基金
衆院委で参考人質疑
(日経 2012/3/14 12:37)

衆院財務金融委員会は14日午前、AIJ投資顧問の年金資産消失問題についての参
考人質疑を開いた。AIJに27億円(元本ベース)の運用を委託していた全国卸商業
団地厚生年金基金の神戸厚常務理事は「(厚生労働省が財政危機とみなす)指定基金
にならないためにどうするかを考えて、AIJを選んだ」と説明した。

神戸氏は「運用で勝つためには、どうしてもハイリスク・ハイリターンにならざる
を得なかった」と述べ、高リスクを認識しながらAIJに委託していたことを明らか
にした。年金基金の自己責任についても「あると思う」と認めた。

AIJ問題では、運用難に陥った「総合型」の厚生年金基金が高利回りを求めてA
IJに委託した構図が指摘されているが、神戸氏の証言はそれを裏づけた格好だ。

一方で、「商品については直接情報提供を受けていたが、時価評価は信託銀行から
送られてくる報告をずっと信じてきた」と指摘。「信託銀行の報告を疑うことは考え
られなかった」と釈明した。「(詳細な)資金管理情報を受け取っていれば、未然に
防ぐことも議論できたのではないか」とも述べた。

日本証券投資顧問業協会の岩間陽一郎会長は「会員であるAIJが迷惑と心配をか
けていることは遺憾だ」と表明。「今回の事件は悪質で巧妙な印象を受けており、そ
の点も考慮して対策を考える必要がある」と指摘した上で、「業界としても再発防止
に何ができるかを考え、工夫していきたい」と述べた。

ただ、再発防止策として浮上している投資顧問やファンドへの監査義務づけに関し
ては、「費用対効果もよく考慮しないといけない」と指摘。運用利回りの開示義務化
についても「顧客との守秘義務に反する」として消極的な見解を示した。

企業年金連合会の村瀬清司理事長は企業年金の運用能力やリスク管理体制を強化す
るため、「実務担当者に対する教育・研修を今後拡充、強化していきたい」との意向
を示した。AIJ問題を受け、企業年金からの問い合わせに答える法律相談窓口を開
設したことも明らかにした。

旧社会保険庁OBが厚年基金に天下りしていた点は「厚労省の対策チームの調査を
待たないと軽々に言えない」と評価を避けた。

参考人として出席を求められていたAIJの浅川和彦社長は「証券取引等監視委員
会の検査などに連日忙殺されている」として、欠席した。財金委の海江田万里委員長
は「理事会で(浅川氏の)証人喚問をしっかり議論したい」と述べた。参考人質疑で
は民主、自民、公明、共産、新党きづなの5党の議員が質問に立った。

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819591E3E6E2E2E78DE3
E6E2E1E0E2E3E09790E0E2E2E2

◇おまけのニュース◇

AIJ関連会社がパー券 計80万円、長野の前議員
(2012-3-13 中国新聞)

AIJ関連会社がパー券 計80万円、長野の前議員 AIJ投資顧問(東京)が実質
的に支配するアイティーエム証券が、後藤茂之ごとう・しげゆき前衆院議員(56)
(自民)の政治資金パーティーの券を、2度にわたり、計80万円分購入していたこと
が13日、分かった。

同証券の代表取締役個人から50万円の寄付も受け取っていたほか、後藤前議員は同
証券の株式200株、額面で計1千万円分を保有していた。

13日までの共同通信の取材に、長野県諏訪市の事務所は「事実のようだが、額や日
時など詳細は分からない」としている。後藤前議員本人からの回答はなかった。

後藤前議員の資金管理団体「藤信会」の政治資金収支報告書などによると、200
1年と02年にパーティーの代金としてそれぞれ40万円を受け取っていたほか、00年に
同証券の代表取締役から50万円の寄付を受け取っていた。

アイティーエム証券は、AIJの巨額年金資産消失問題では、AIJの指示のもと
で、企業年金の資産約2千億円のほぼすべてを英領ケイマン諸島の特定ファンドに投
資。05年には測量機器大手ソキアの株に絡む株価操縦事件で、関係先として家宅捜索
を受けていた。

後藤前議員は旧大蔵省出身で長野4区から出馬し00年に初当選。09年に落選するま
で3期連続で衆院議員を務め、05年には国土交通政務官にも就任した。次期衆院選へ
の立候補を予定している。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201203130231.html

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