自衛隊機の緊急発進800回超 対中国機が最多 ⇒ 2013年度の緊急発進は810回に及び24年ぶりに800回超え、その51%は中国機に対するスクランブルなのだ…

<東シナ海、波高し> 4月9日、防衛省は航空自衛隊戦闘機による緊急発進(スクランブル)の平成25年度(2013年4月1日~2014年3月31日)実施状況を発表した。 昨年11月の中国による一方的な東シナ海上空防空識別圏設定以降、緊急発進回数が増大しているのは報道で認識していたが…ナント、この1年間の緊急発進は810回に達したのだ、昨年度20年ぶりに500回を超えた「567回」を大幅に上回った。 冷戦末期の1989年度以来、24年ぶりに800回を超え「810回」のスクランブルとなった。

自衛隊機緊急発進(スクランブル)回数推移グラフ_過去55年間(1958~2013年度)  自衛隊機緊急発進の回数(国別・地域別_過去5年度の推移)グラフ

国別で最も多かったのは「中国」だ。 中国機に対するスクランブルは415回で前年度と比べて109回の増加。 この1年間の緊急発進総数の51%が対中国機なのだ! 2011年度までは対スクランブル発進する航空自衛隊F-15J戦闘機_連続画像ロシア機へのスクランブルが国別で1番多かったが、2012年度に対中国機へのスクランブル回数が306回となり初めてロシアを抜いた、そして中国が2年続けて最多となった。

その中国機、昨年7月には南西諸島の上空を横切って初めて太平洋側へ出る飛行をした。 昨年9月に東シナ海上空で発見された国籍不明の無人機も中国機だ(公式には「中国機の可能性が高い」という発表だが)。 領空侵犯は無かったものの、Y-8型機、Y-12型機、H-6型機、TU-154型機の飛行などで、活動範囲が拡大していると防衛省は中国機の動向を注視している。

中国の旧型機だろうが無人機だろうが、日本の空を守る我が航空自衛隊戦闘機F-15Jはスクランブルをかける。 日本領空接近の回数をドンドン増やし、空自による緊急発進回数を大幅に増加させ自衛隊を疲弊させようとする「中国の数による戦略」! 自衛隊は日夜奮闘しているのだ。 「ガンバレ自衛隊!」と声援を送りたい。 メディアよ、「自衛隊は頑張っています」と報道したらどうか? 「佐村河内守」事案や「小保方晴子・STAP細胞」事案では朝から晩まで連日同じ話を報道しながら、自衛隊機の緊急発進の急激な増加そしてその要因となっている中国の強気の拡大政策の危うさに関してはチョット報道してお仕舞いなのか! それでは国が危うい….

ところで、昨年4月17日にこのブログでは、「空自スクランブル22年ぶり500回超、中国機最多の306回|中国機に対するスクランブルは12年9月の尖閣諸島国有化後に急増…」という2012年度緊急発進に関する記事を掲載している。 合わせて読んで頂ければよいのだが….。

以下、NHKニュースのクリップと防衛省発表の統計情報を掲載しよう――

戦闘機の緊急発進800回超 中国機が最多
(NHK 4月10日5時58分)

日本の領空を侵犯するおそれがある外国機に対して、昨年度、自衛隊が行ったスクランブル=緊急発進は24年ぶりに800回を超え、このうち中国機に対する緊急発進が最も多く、2年連続で過去最多を更新したことが防衛省のまとめで分かりました。

戦闘機の緊急発進800回超_中国機が最多_(NHK2014-4-10)グラフ画像1防衛省は昨年度1年間に航空自衛隊の戦闘機が行ったスクランブル=緊急発進の回数をまとめ、9日発表しました。 それによりますと、緊急発進の回数は810回で、前の年より240回余り増え、平成元年度以来、24年ぶりに800回を超えました。

戦闘機の緊急発進800回超_中国機が最多_(NHK2014-4-10)グラフ画像2最も多かったのが中国機に対する緊急発進で、全体の半数を超える415回と前の年よりおよそ110回増え、2年連続で過去最多を更新しました。

戦闘機の緊急発進800回超_中国機が最多_(NHK2014-4-10)グラフ画像3中国機に対する緊急発進は、おととし9月に尖閣諸島が国有化されて以降増えていて、防衛省によりますと、去年の夏以降は早期警戒機や爆撃機が沖縄本島と宮古島の間を通過して太平洋まで飛行するケースが増えているということです。

戦闘機の緊急発進800回超_中国機が最多_(NHK2014-4-10)中国機画像1 戦闘機の緊急発進800回超_中国機が最多_(NHK2014-4-10)中国機画像2

また、ロシア機に対する緊急発進の回数も359回と前の年よりおよそ110回増えています。 防衛省は「中国機については活動の範囲が拡大する傾向がみられ、ロシア機も日本周辺での活動が活発な状態が続いている」と話しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140410/k10013628641000.html

各紙の報道は防衛省発表の資料を基にしていおり、それは防衛省・統合幕僚監部が公開しているので直に確かめるのが一番いい。 昔はTVや新聞の報道だけが頼りだったが、ネットを通して国が資料を公開するようになったので我々一般市民も資料を直に閲覧できるようになった。 そういう意味ではいい時代になったもんだ。 そのせいでケツに火が付いているのがマスコミだ、なぜなら間違いや誤魔化しはすぐばれるし、また情報操作をしにくくなっている。 ネット、ブログ、ツイッター、SNS、スマホなどの普及はマスコミの権威とやらを揺るがす時代になっている。

平成25年度の緊急発進実施状況について_防衛省・統合幕僚監部報道発表資料_画像01おっと、防衛省の資料の話だった。 防衛省HPhttp://www.mod.go.jp/)から統合幕僚監部のページへ行き、そこの「報道発表資料」のページ(http://www.mod.go.jp/js/Press/press.htm)へ行くと「04/09[公表]平成25年度の緊急発進実施状況について」という資料が掲載されいる。 その資料(pdf)の直リンクは ⇒ http://www.mod.go.jp/js/Press/press2014/press_pdf/p20140409.pdf

さて、ではその資料からグラフや表をピックアップしてキャプチャ画像を掲載しましょう(画像クリックで拡大)。

■ 過去55年間の自衛隊機による緊急発進回数の推移のグラフ
平成25年度の緊急発進実施状況について_防衛省・統合幕僚監部報道発表資料_年度緊急発進回数の推移グラフ■ 航空方面隊別の緊急発進回数の推移(過去5年間) グラフ・表
(画像の後に解説を加えたので読んでみてください)
航空方面隊別の緊急発進回数の推移(過去5年間)_グラフ・表☛ 表に北空、中空、西空、南混などと書いてあるので何のことか分からない人がいるかも知れない。 航空自衛隊は日本の防空域を4つの空域に分けて防衛している。

  • 南混エリア (南西航空混成団) 空域は沖縄、南西諸島、尖閣など(詳しくは http://www.mod.go.jp/asdf/base/south/)。 南西航空混成団司令部は沖縄県那覇市の「那覇基地」。 上の表の「南混」と書いてあるのはこの南混エリアを指し、中国機にスクランブルをかけているのは空自・南西航空混成団指揮下の戦闘機なのです。

■ 国・地域別緊急発進回数(過去5年間)表
国・地域別緊急発進回数(過去5年間)表_2014-4-9■ 四半期毎の緊急発進回数の推移(平成25年度)表
四半期毎の緊急発進回数の推移(平成25年度)表■ 緊急発進の対象となった中国機及びロシア機の飛行パターンの図
緊急発進の対象となった中国機及びロシア機の飛行パターンの図_2014-4-9■ 公表されている中国機に対する自衛隊機の緊急発進の事例一覧 (2013年度・平成25年度)
公表されている中国機に対する自衛隊機の緊急発進の事例一覧(2013年度・平成25年度)_01公表されている中国機に対する自衛隊機の緊急発進の事例一覧(2013年度・平成25年度)_02公表されている中国機に対する自衛隊機の緊急発進の事例一覧(2013年度・平成25年度)_03公表されている中国機に対する自衛隊機の緊急発進の事例一覧(2013年度・平成25年度)_04公表されている中国機に対する自衛隊機の緊急発進の事例一覧(2013年度・平成25年度)_05公表されている中国機に対する自衛隊機の緊急発進の事例一覧(2013年度・平成25年度)_06公表されている中国機に対する自衛隊機の緊急発進の事例一覧(2013年度・平成25年度)_07公表されている中国機に対する自衛隊機の緊急発進の事例一覧(2013年度・平成25年度)_08公表されている中国機に対する自衛隊機の緊急発進の事例一覧(2013年度・平成25年度)_09公表されている中国機に対する自衛隊機の緊急発進の事例一覧(2013年度・平成25年度)_10公表されている中国機に対する自衛隊機の緊急発進の事例一覧(2013年度・平成25年度)_11