半沢直樹、最終回で「100倍返し」完了…続編に含み

3週連続平均視聴率30%超えの大ヒットを記録し、決めぜりふ「倍返し」が社会現象を巻き起こしたドラマ「半沢直樹」(TBS系、日曜午後9時)が22日、最終回を迎えた。銀行内で絶体絶命の苦境に立たされながらも信念を貫く半沢が、父親の敵で自らを出向させようと企む大和田常務と取締役会で真正面から対決し、見事、「100倍返し」を達成した。 最後に頭取から呼ばれ衝撃の展開を迎える。 続編への予感を残しつつ最終回を終えた。

ドラマ「半沢直樹」最終回…記事を2本クリップして掲載しよう。 先ずは、毎日デジタル・またんたんWebから「半沢直樹:最終回で「100倍返し」完了…… 続編に含み」、そしてダイヤモンド・オンラインのコラム・真金融立国論の「体験的検証!ドラマ「半沢直樹」の虚実 99%の「羊行員」がカルチャー変革を止める」。 実際の銀行で「「倍返し」は本当にできるか」? ダイヤモンド・オンラインのコラム記事読んでみては――

半沢直樹、最終回半沢直樹 : 最終回で「100倍返し」完了…… 続編に含み
(毎日デジタル 2013年09月22日)

3週連続平均視聴率30%超えの大ヒットを記録し、決めぜりふ「倍返し」が社会現象を巻き起こしたドラマ「半沢直樹」(TBS系、毎週日曜午後9時)が22日、最終回を迎えた。銀行内で絶体絶命の苦境に立たされながらも信念を貫く半沢が、父親の敵で自らを出向させようと企む大和田常務と取締役会で真正面から対決し、見事、「100倍返し」を達成した。

第10話は25分拡大スペシャルで放送された。金融庁検査の最終聞き取り調査を無事に乗り切った半沢(堺雅人さん)だったが、大和田常務(香川照之さん)の不正を暴く決定的な証拠を握っていた同期の近藤(滝藤賢一さん)が、人事権をちらつかせる大和田に負けて“陥落”。半沢が大和田を追い詰めるために取締役会に提出する予定だった資料は、不完全なものとなる。出向していた近藤が銀行に戻って来るとの情報を聞いた半沢は何が起きたかを察し、行方が分からない近藤の携帯電話に「いつもの剣道場でずっと待ち続ける」とメッセージを吹き込む。

そして、大和田の不正を明らかにする取締役会が開かれようとしていた矢先、半沢は上司の内藤部長(吉田鋼太郎さん)から、頭取宛てに金融庁から「半沢次長の検査受け入れ態度に問題あり」との書面が送られてきたことを聞かされ、大和田の不正問題と同時に半沢の処分案も議題に上ることになる。半沢にとって不利な状況が積み重なる中、運命の取締役会で、大和田への“100倍返し”は達成できるのか……という展開だった。

見事100倍返しを達成した半沢だったが、最後に頭取から呼ばれ衝撃の展開を迎える。続編への予感を残しつつ最終回を終えた。

ドラマは、小説「下町ロケット」で直木賞を受賞した作家の池井戸潤さんの人気小説「オレたちバブル入行組」と「オレたち花のバブル組」が原作。平均視聴率は本部の営業第2部次長に栄転し、舞台を東京へ移した第6話で関東地区29.0%(ビデオリサーチ調べ)、関西地区32.8%(同)となり、1日放送の第7話では、ついに関東地区で30.0%の大台に。第8話では32.9%(同)、第9話では今年放送された全番組の中で2位となる35.9%(同)を記録している。

連続ドラマの平均視聴率としては、最終回に今世紀連ドラ最高の40.0%をたたき出した2011年の「家政婦のミタ」(日本テレビ系)の記録に迫っており、“ミタ”超えがなるかどうかに注目が集まっている。

http://mantan-web.jp/2013/09/22/20130922dog00m200037000c.html

真金融立国論・安東泰志体験的検証!ドラマ「半沢直樹」の虚実
99%の「羊行員」がカルチャー変革を止める

(ダイヤモンド・オンライン「真金融立国論」2013年9月23日)

テレビドラマ「半沢直樹」が大ヒットして終了した。筆者も「半沢直樹」の原作者と同じ銀行の出身だ。私は基本的には、銀行員とは自らを磨き社会に役立つ職業だと思う。だが、残念ながらドラマで描かれているような世界は、少なからず実在する。そして、日本が金融立国として再生するには、こうした「内部の論理」優先のカルチャーを変革、克服していかなくてはならないと強く感じている。

テレビドラマ「半沢直樹」の大ヒットは、当初、銀行出身の筆者でさえ意外であった。しかし、よく考えてみれば、銀行員というものは世間一般にはエリートとされ、信頼できる人種の象徴のように思われていたところに、突如、不正の横行やドロドロした行内抗争が暴かれたドラマが出現したのだから話題を呼ぶのも無理はない。今回は、「半沢直樹」で描かれているような銀行員の「生態」が実際にはどうなのか、筆者なりに検証してみたい。ただし、検証の対象は大手銀行、いわゆるメガバンクについてである。

?筆者は長年銀行(旧三菱銀行、現三菱東京UFJ銀行)に勤務し、その間に数えきれないほどの有能かつ尊敬すべき上司・同僚に恵まれてきた。そのことについては、感謝してもしきれないほどである。今回は、ドラマに即して話を展開するために銀行の陰の部分も少々描かざるを得ないかもしれないが、銀行員は、本来は自らを磨きつつ社会の役に立つことができる素晴らしい職業だというのが、筆者の基本的な立場である。その上で結論から言えば、残念ながら「ドラマで描かれているような世界は、少なからず実在する」ということになってしまう。そして、それを改めていかない限り、金融立国はおぼつかない。

■ 支店における不正はあるか

銀行員と呼ばれる人間の多くは、支店に所属している。支店は、言うまでもなく、顧客対応の最前線である。業務は大きく分けて、預金や送金を扱う窓口業務、個人や個人事業主向けの渉外業務、そして企業向けの貸付を担当する貸付業務に分かれる。

さて、ドラマ「半沢直樹」の第一部では、大阪西支店に所属し、この貸付業務の課長をしていた半沢が、支店長から大口の新規貸付先に5億円の融資をするよう指示され、財務内容に疑問を持ちながらも本部に稟議を提出し、それを実行したところ、この貸付先が計画倒産し、実はその貸付先の社長と支店長が裏でつるんでいて支店長に5000万円がキックバックされていた……という展開である。一身に罪を着せられた半沢がその裏取引を暴き、支店長に「倍返し」した後、5億円を回収するところが見せ場になっている。

?しかし、筆者が知り得る限り、支店レベルにおいて、ここまで手の込んだ不正はめったにあるものではない。また、貸付先から得た財務資料が粉飾であることを仮に担当課長が見抜けなかったとしても、副支店長や支店長が決裁した稟議書を本部に回付している以上、その貸し倒れ損失の責任を、一課長に背負わせることも不可能である。

ただし、貸付先に対する愛情のなせる技と思いたいが、支店長などが貸付先と癒着して、過剰な接待などを受けているような例も稀に見られる。それよりましなケースとしては、自腹で貸付先と遊興するというのもある。もちろん銀行の内部規定で、接待や被接待には届け出が必要であるが、どういうわけか、銀行本部には「清濁を併せ呑むのも銀行員の資質」という風潮もまま見られるのが実際のところだ(不思議なことに、豪遊している銀行員の方が尊敬を集めたりすることも多い)。当然のことだが、これが与信判断に影響しないはずがない。取引先との距離感の取り方は銀行員にとってなかなか難しい課題だろう。

また、一概にそのすべてが不正とは言い切れないまでも、銀行内では一般的に「事故」と呼ばれる不祥事やミスは頻繁に発生している。最近でこそ、窓口業務が相当程度機械化されて、単純な現金紛失のような事故は起きにくいが、メガバンクの規模になれば、実際には、支店単位で現金と帳票の計算が合わない原因不明の「違算」や、渉外業務の担当による現金紛失や着服など、それなりの頻度で事故が起きてしまうのが実情だ。

■ 銀行本部の「内輪の論理」

ドラマ「半沢直樹」の後半は、営業第二部に栄転した半沢が、巨額の運用損失が発覚したばかりの大口融資先、「伊勢島ホテル」を担当することになり、しかもその直後に金融庁検査が入ることになった、という設定で始まる。

ところで、半沢が働く東京中央銀行は、産業中央銀行(旧S)と東京第一銀行(旧T)の合併行である。ドラマと原作の設定が異なるのだが、原作に従えば、この伊勢島ホテルは、旧Tの京橋支店が担当店であったものを、東京中央銀行が200億円の新規融資を実施する直前に旧Sが主力の法人部に移管され、その直後に巨額損失が発覚している。京橋支店長は、本部で半沢と対決することになる大和田常務など、旧Tの出世コースということになっている。

大和田常務は伊勢島ホテルが金融庁検査で分類(不良債権に認定されること)される結果、大口の引当金を積まねばならない東京中央銀行が経営危機になれば、現頭取が退任を余儀なくされ、自分が頭取になれるという巧妙な野望を持っている。そのため、大和田常務は、旧Tの京橋支店長に、伊勢島ホテルの巨額損失の件を隠ぺいするように指示し、本部に移管したというわけだ。そして、旧Sの法人部で融資を実行させた挙句、半沢に金融庁検査を乗り切れなかった罪を着せようとし、旧Tの部長・副部長・支店長らはそれを全面的にサポートする。一方、大和田常務は京橋支店の別の取引先に、妻が経営する会社への転貸資金の融資をさせていたことが半沢らの調査で判明する。

このドラマの後半で描かれているのは、本部において、出世のためには、銀行・部下はもちろん、取引先さえも平気で犠牲にするという、いわば銀行の「内輪の論理」がすべてに優先する世界である。大和田を支援する旧Tの部下たちは、それが自分たちにとっての出世の近道だということを理解しているからこそ、不正義に目をつぶる。それに対峙する旧Sの行員たちも、どんなに半沢がたしなめても、旧行意識丸出しになってしまう。

筆者は、原作者である池井戸潤氏と同じ銀行の出身であり、ご他聞に漏れず合併を経験してきた。その経験から言えば、旧行意識はもちろん強いものの、実際には合併時点で出身行別の勝負は事実上ついており、実は、「旧ナントカ」というような対抗軸で行内抗争が起きることは、世の中で言われているほどは多くないように思われる。

実際の行内抗争―「抗争」とまで言わないまでも「行内ポリティックス」は、合併で勝者となった旧銀行の内輪でこそ起きがちであり、しかもそれは時としてかなり陰湿なものである。ただ、原理は一緒である。すなわち、強い役員や部長の派閥に入っていることが綿々と続く出世の道であるゆえに、その行内論理を優先するあまり、社会正義や取引先の利益を考える前に、上席の顔色を窺うような本部行員が実際に散見されるのが現実である。

■ 役員選任では情実がモノを言う

その背景には、役員の選任というレベルになると、情実がかなりモノを言い、強い役員に逆らわない者が出世に有利になりがちな銀行の風土がある。情実があるということは、派閥もあるということだ。行内、特に本部や大店(おおみせ=大きな支店のこと。ドラマで言えば京橋支店はそれに該当する)には、「誰それ派」といった派閥的なものが隠然と存在することが多い。

派閥と言っても、自民党のように「〇〇会」などといった正式なものではない。何か特別な組織、たとえば「合併準備室」「全銀協会長事務局」「新システム準備室」など、エリートを集めると言われる部署のトップが、そのまま緩やかな上下の系列を形成するのがその典型だ。そして、その派閥のボスの出世とその「一家」の出世はそれなりにリンクしている。中には他の派閥を倒すために、その一番弟子の行員をつぶすとか、そのために、あろうことかマスコミを利用するなどの巧妙な手口を使う者もいると仄聞(そくぶん)する。不倫スクープ、コンプラ違反など、銀行にとって不名誉な報道のうち、少なからぬ部分がこうした対抗勢力、つまり内部者によってなされていると筆者は理解している。銀行の利益よりも派閥の利益というわけだ。

ここで、銀行の名誉のために付言すると、本部には、そういう派閥に属さない清廉な人物も多数いる。いや、大多数だと言ってもよい。タイミングによっては、派閥抗争の「潰し合い」の間隙を縫って「無派閥」の人物が出世していくこともあるから、ただ傍目で見ているだけなら面白い。そもそも、こういう行内ポリティックスに参加しているのは全行員の1%にも満たないと筆者は思っている。ドラマ「半沢直樹」の後半が扱っているのは、その1%の行員の話に過ぎない。残り99%の行員はとても地道に働いている。

ただし、筆者は、この99%の行員がすべて優秀だとも思っていない。大概の行員は、ある年齢までは「横並び」で出世し、その後も大過なく「羊のように」過ごせば大抵62歳くらいまでは銀行に何らかの職を保証してもらえるので、(他の行員・他の部署・他行に比べて)突出したリスクは決して取らない(以下、彼らのことを「99%の羊たち」と表現する)。

この横並びカルチャーが銀行の進化を止めているのだと筆者は考えている。そのカルチャーを支えているのが、連載第14回で触れたように、銀行は実質的に「総括原価方式」で経営され、平時には必ず利益が出るという業態の特権なのだ。逆に言えば、銀行が62歳まで何万人もの行員を好条件で雇用し続けることが可能なのは、国民の負担によるところが大きいとも言えるのである。

■ 「倍返し」は本当にできるか

さて、上記1%の世界に不幸にして巻き込まれた際、力のある、しかも違う派閥の上司から間違ったことを指示され、それに逆らったらどうなるか。半沢直樹は、「やられたらやり返す。倍返しだ」と啖呵を切るが、実際のところはどうだろうか。結論を述べる前に、もう時効だと思うので、筆者の実体験の一部を、差しさわりのない範囲で披露してみたい。

筆者は、銀行に勤務していた時代、いわば半沢と同じように本部で重要な部の次長を任せられていたが、剛腕で知られた他部のA部長のメモに明らかな戦略の誤りがあったため、その旨を自分の部の意見として具申したことがある。もちろん、銀行や顧客のことを考えてのことだし、自分の上司のB部長や、部門担当役員の承認印も得たものだ。ところが、その直後、A部長に電話で呼び出され、その部の100人もの行員の前で、大声で叱責されることになった。

部同士の話なのだからB部長と話せばよさそうなものだが、こちらが次長であっても自分の邪魔をする個人をつぶしにかかるのが、本部のパワーポリティックスなのだと思い知らされた。

しかし、筆者は銀行のためという信念に従い、その100人の他部の行員の前で徹底的に反論した。A部長は「バカ野郎、頭取に報告してやる!」との捨て台詞を残して席を蹴った。要するに負けを認めたのだが(その際、その部の少なからぬ行員から小さな拍手が起こった)、その後、A部長には、筆者が銀行に在籍していた時代はもちろん、銀行を自己都合退職した後も執拗にあの手この手で巧妙に業務妨害され、筆者が自らリスクを取って自分の会社を運営しているのに給料水準についてまで苦言を呈された(待遇でちょっとでも差がつくと嫉妬するのも、横並びを当然と考える銀行員の典型的な性質である)。

さらに、トップに讒言され、果ては「お前の行状をマスコミに出すぞ」といったマンガのような脅しまで受けるなど、常に社会的地位を脅かされることになった(もちろん、マスコミに出されて困ることなど何もないのだが)。その結果、筆者が関係する多くの取引先や投資家が多大な被害を蒙ったが、お構いなしであった。

もちろん、A部長とその取り巻きはその後見事に出世した。こうした取り巻きの行員であれば、ドラマに出てくる大和田常務のように、仮に取引先の粉飾決算の揉み消しを画策し、銀行や投資家に損失を与えるようなことがあったとしても、問題にされないことさえあることも筆者は見聞している。まさに、顧客の利益より内輪の論理が優先する世界だ。このエピソードは、A部長が筆者の態度に逆ギレしたというような単純な話ではなく、筆者がA部長に日頃から従順ではなく、他の「派閥」の役員に可愛がられていた(と彼が勝手に考えた)ためであり、その役員が真の標的だったのだろうと今では推測している。

「事実は小説より奇なり」というが、自分がこういう経験をしているだけに、ドラマ「半沢直樹」に出てくる大和田常務とその取り巻きが繰り出す荒唐無稽とも思われるような言動や、取引先の粉飾の隠蔽などの行為が実際にあったとしても、筆者は驚かない。ただし、大和田常務のように、自分の懐にカネを入れるような犯罪行為が蔓延しているかと言えば、それはさすがにないだろうと思う。ちなみに、銀行が行員に対し、世間的に見てとても高い給与を支払っているのを正当化する際、銀行の人事部の決まり文句は「行員が不正行為をする気持ちが起きないように」である。

以上の筆者の体験談は氷山の一角に過ぎず、実際にはもっと呆れるような話があるだろう(筆者も、今回は、経験したことの一部を抽象的に書くに留めた)。ただ、改めて断っておくが、筆者の経験談は、ある銀行の1%の世界の人間の間の話であって、どの銀行でも、99%の羊たちは行内ポリティックスなどとは無縁であり、顧客利益のために真面目に働いていると断言できる。しかし、銀行で出世したいのであれば、不幸にしてその1%の行員を相手にする時には、「長いものには巻かれろ」という格言に従うか、せいぜいノンポリを貫くのが無難であるというのは紛れもない事実であり、事実、皆それを実行している。「倍返し」するどころではなく、「倍返し」されてしまうからだ。

仮に半沢のような正義感に溢れる勇気ある行員がいたとしても、大和田のような者によって逆に悪者(いわば「朝敵」)に仕立てられてしまえば、99%の羊たちは決して半沢を擁護しない。彼らにとっては、何が正義かは関係ない。見て見ぬふりをすることが無難な、そして最善の選択なのだ。

■ カルチャー変革こそ金融立国への第一歩

このような風土の中で、革新的な発想を持つ行員が育つはずがない。下手をすれば銀行内では、上司の不正義さえも部下が見て見ぬふりをする危険がある。一方、銀行というところは、実に良くできていて、個人ではなく組織として不正を防止する装置を備えている。

支店で働く行員は、細かく定められた業務マニュアルに従うことが義務付けられ、検査部検査や内部監査、はたまたドラマ「半沢直樹」に出てくる「裁量臨店」など、行員が行員を監視するシステムが働いている(逆に言えば、それだけの余剰人員を抱える余力が銀行にはあるということだ)し、金融庁検査でもその内部管理態勢がチェックされる。つまり、皮肉な話だが、本部のパワーポリティックスに忙殺されている1%の行員ではなく、残り99%の羊たちの相互監視活動こそ、銀行が間違った方向に行かないようにする最後の良識なのだ。そう考えると、銀行のガバナンスの実態はお粗末なものだ。

経営層の一部で内輪の論理が優先され、また、多数の人員を割く相互監視活動に依拠した経営をしている銀行は、日本のホワイトカラーの低生産性の象徴である。ドラマ「半沢直樹」が世の中で支持されているのは、そういう世界が実際に世の中の人々の身の回りにあり、かつ、人々がそれを打破できいていないということの証左だ。

?実は、今回の執筆にあたっては、少々葛藤があった。行内の99%の羊たちのように、実態を見て見ぬふりをする方がメガバンクとの付き合い上は無難なのかもしれないのだが、それが世の中にとって本当にいいことなのかどうかということを熟考し、一石を投じることにした。表向きはもちろん無視であろうが、その裏で、これが前向きに評価されるのか、逆に「朝敵」扱いされるのかは、まさに各銀行の度量次第といったところだ。

筆者は、日本の銀行のカルチャーが、正論が通り、横並びではなく革新的な言動が評価されるように変わることこそ、金融立国の第一歩だと信じている。一度しかない人生、行員諸君は不正義に目をつぶるのではなく、行内ポリティックスの困難に打ち克ち、半沢直樹のようにスカッと正義を貫いてほしい。そういう後輩たちが続々と出てきて、日本の銀行のカルチャー変革が成し遂げられることを大いに期待したい。加えて、銀行界でも導入が進んできた社外取締役など外部の人材が、彼らの正義を擁護してくれることを祈ってやまない。

http://diamond.jp/articles/-/42058

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安東泰志安東泰志 [ニューホライズン キャピタル 取締役会長兼社長]

1958年生まれ。東京大学経済学部・シカゴ大学経営大学院(MBA)卒業。1981年、三菱銀行(現三菱東京UFJ 銀行)入行。非日系企業ファイナンス担当ヘッド(ロンドン支店)等を経て、94年には英国中央銀行による「ロンドンアプローチ(私的整理ガイドライン、INSOLの前身)ワーキンググループ」に邦銀唯一のメンバーとして招聘される。その後、投資銀行企画室次長等を経て、2002 年フェニックス・キャピタルを創業し、代表取締役 CEO に就任。総額約2200 億円の投資ファンドを組成、東急建設、三菱自動車工業等の案件を手掛ける。2006 年、ニューホライズンキャピタルの代表に就任。

安東泰志の真・金融立国論

相次ぐ破綻企業への公的資金の投入、金融緩和や為替介入を巡る日銀・財務省の迷走、そして中身の薄い新金融立国論・・・。銀行や年金などに滞留するお金が“リスクマネー”として企業に行き渡らないという日本の問題の根幹から目をそむけた、現状維持路線はもはや破綻をきたしている。日本の成長のために必要な“真”の金融立国論を、第一線で活躍する投資ファンドの代表者が具体的な事例をもとに語る。
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■ なぜ半沢直樹に出向が言い渡されたのか?中野渡の決断の真意とは?

ついに最終回を迎えた『半沢直樹』。ラスト、中野渡の決断に、「なんで!」とツッコミを入れたビジネスパーソンも多かったのではないでしょうか。しかし私はこの決断を見た瞬間、メンタリストという立場から「なるほど!」というツッコミを入れたくなりました。

?彼の「許し」には、人を取り込んで組織を動かすという心理学的な極意がうかがえます。敵を徹底的に叩き、切り捨てることは誰にでもできます。しかし叩きのめされた敵はその恨みを心にため込んで増幅し、もしかしたらそれが復讐という形になって自分に向かってくるかもしれません。

?しかし、自分の敵ともいえる人物を、味方に取り込めたら、その敵の手腕が脅威になるほど高ければ高いほど、そのメリットは絶大です。だから、中野渡は大和田を切り捨てないという決断を下したのです。まさにその決断こそ、「メンタリズム」なのです….

(「なぜ半沢直樹に出向が言い渡されたのか?中野渡の決断の真意とは? ――メンタリストDaiGoが読み解く『半沢直樹』ヒットの秘密(5)」http://diamond.jp/articles/-/41975 に続く…)

続報9/23

スパリゾートでほとんどみんなが半沢直樹を見ている画像が話題に TBSテレビ宣伝部もその感想をツイート  (ガジェット通信 2013.09.23 08:59)

スパリゾートでほとんどみんなが半沢直樹を見ている画像が話題に「100倍返しだ!」と叫ぶ堺雅人の顔を何回見たことか……。
先日、
TBS系列のCBC中部日本放送の中日対巨人戦のラテ欄で縦読み「半沢直樹見逃すな」「半沢直樹最終回SP」

という記事でもお伝えしたが、TBSは最終回の視聴率40%の日テレ『家政婦のミタ』を超えようとしているかのように、回を重ねるごとに視聴率を上げてきたTBSのドラマ『半沢直樹』の最終回に向けて局をあげていろんな宣伝をしていたようである。

9月22日、その最終回が放映されると番組途中で『2ちゃんねる』の実況サーバーは落ち、『Twitter』などでも『半沢』がかなり話題になったようだ。

そして、そんな中とあるユーザーがスパリゾートでの一枚の画像とともに

ヤバい半沢直樹??見てるよ… 視聴率やばいなこれ

とツイートした。

スパリゾートの休憩室で個別にテレビのついたリクライニングのイスが並び、多数の人がくつろいでいるところを後ろから撮影したものであるが、そのほとんどが『半沢直樹』を見ているのである。ドラマ内での香川照之の表情も、なかなかいいところをとらえた秀逸の一枚となっている。このツイート、5時間ほどで3万以上のリツイートを集め、あちこちに転載されたりまとめサイトに載ったりと大変話題になった。

あげくのはてには、TBSテレビ 宣伝部(?@tbs_pr)が

(;´ー`)。oO(いま凄い勢いで回っている、某スパリゾートさんの休憩室の写真。凄いですね…。)

と感想をツイートするに至った。
古くはドラマの人気の凄さを示すのに“放送のときに銭湯から人が消えた”といった感じのフレーズがあったのだが、今回の画像つきツイートはなんとなくそれを彷彿とさせる類のものだったようにも思われるのである。

http://getnews.jp/archives/422453

『半沢直樹』原作者・池井戸潤氏、衝撃のラストを「しっかり原作通り」
(マイナビニュース 2013/09/23)

堺雅人主演のTBS系ドラマ『半沢直樹』が22日に最終回を迎え、原作を手掛けた作家・池井戸潤氏が23日、自身のツイッターで感想をつづった。

以前のツイッターでも、届いている脚本を読まずに毎回放送を楽しみにしていることを明かしていた池井戸氏。22日の最終回も、脚本に目をとおさないまま見たことを明かし、「最終回どうなるのかなと思っていたら、半沢の処遇、しっかり原作通りでしたね。原作はやはり原作であったか」とツイート。そして、「ま、とにかくこれで全10回終了!」とつづり、出演者やスタッフに向け、「本当にお疲れ様でした! おもしろかった!」とメッセージを送った。

池井戸氏はこれまで、自身のツイッターで度々『半沢直樹』の話題を取り上げてきた。第1話が放送された7月7日には、「原作は提供するけど、自由に作ってくれてかまわないといってあります。ドラマとしておもしろくなれば、そのほうがいいからです」と説明し、「いいデキでした。原作者としてというより、一視聴者として、楽しませていただきました。ありがとう」と感謝の言葉を伝えていた。

同作は池井戸潤氏の『オレたちバブル入行組』を原作とする第1部「大阪西支店」編と、『オレたち花のバブル組』を原作とする第2部「東京本店」編で構成されたドラマ。バブル期に入行した銀行員・半沢直樹を主人公に、銀行の内外に現れる敵や組織と闘う姿を描いた。22日の最終回で、半沢次長は、香川照之演じる大和田暁常務への「100倍返し」を見事にやってのけるも、北大路欣也演じる中野渡頭取から「東京セントラル証券」への出向を命じられるという結末を迎えた。

http://news.mynavi.jp/news/2013/09/23/054/