<南シナ海>比・座礁船vs中国巡視船、膨張する中国を止める力は南シナ海諸国にはない…さあー、どうする日本

南シナ海>に座礁船を置くフィリピン、それを取り巻く中国巡視船。南シナ海の領有権を巡る争いは確実に中国の思う壺になりつつある。南シナ海を取り囲む諸国の力は膨張する中国を前にしてひ弱すぎる。 アメリカと日本の関与がなければ、南シナ海は中国の海になるだろう。 その次は、東シナ海が中国の海になってしまうだろう。 さあ、どうする日本…

対中国 最前線は座礁船 (朝日8月18日一面記事)_南シナ海地図1995年、中国は「漁船の避難所」という名目でフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内にあるミスチーフ礁に建造物を構築した。 フィリピンはそれに対抗して1999年、米軍からの払い下げ船を意図的にアユギン礁に座礁させ実効支配の拠点とした。 フィリピン国軍が付けた名前は「シエラマドレ号」。 第2次世界大戦中に建造された米軍の戦車揚陸艦で、全長100メートル。南ベトナム政府に払い下げられたが、ベトナム戦争後、フィリピンに供与された。 フィリピン国軍は「シエラマドレ号」に兵員を配置して実効支配の事実をなんとか維持してきた。 しかし、「シエラマドレ号」は朽ち果てつつある。 中国はその船の周りを巡視船で取り巻き、朽ち果てのを虎視眈々と待っている。 座礁船「シエラマドレ号」の姿が消えた時、中国は一挙に実効支配を拡大する。

フィリピンの座礁船「シエラマドレ号」_南シナ海・スプラトリー(南沙)諸島アユギン礁以下は、今日の朝日の朝刊一面と2面に掲載されたフィリピン座礁船「シエラマドレ号」を巡る南シナ海のルポ記事のクリップ――

対中国 最前線は座礁船
フィリピン領有拠点 にらみ合い
(朝日新聞8月18日 一面記事)

対中国 最前線は座礁船 (朝日8月18日一面記事)周辺国の領有権争いが続く南シナ海スプラトリー(南沙)諸島。朝日新聞とテレビ朝日の取材班は今月、フィリピン政府が西フィリピン海と呼び、実効支配する海域を訪ねるため、漁船をチャーターした。

目的地は同諸島アユギン礁。そこに鎮座する「難破船」を私たちはめざした。

そこが、軍事力を背景に領域拡張路線を走る中国がいま最も締め付けを強め、争いの「火種」になりかねない比側の拠点であり、紛争の最前線であるからだ。

「難破船」はもともと、第2次世界大戦中に建造された米軍の戦車揚陸艦だった。全長100メートル。南ベトナム政府に払い下げられたが、ベトナム戦争後、フィリピンに供与された。

シエラマドレ号と名付けたフィリピン国軍が1999年、アユギン礁に座礁させ実効支配の拠点とした。

中国が95年、「漁船の避難所」として、フィリピンの排他的経済水域(EEZ)内にあるミスチーフ礁に建造物を構築した。対抗して、南東に33キロのアユギン礁に座礁させたのだ。以後、海兵隊員らを約10人ずつ交代で常駐させる。

シエラマドレ号の船内写真遠目には対空砲を備え、レーダー塔が周囲を見渡す立派な巨艦だが、乗船すると建造後70年の船体はさび、甲板のあちこちに穴。「梁(はり)を踏んで歩け。でないと踏み抜くぞ」と警告された。

砲台は朽ち、ドアはないか外れている。船倉は巨大なゴミ屋敷と化していた。蚊とゴキブリが大量に繁殖し、ネズミが走り回る。

フィリピンは、同諸島の九つの島や環礁を占有するが、中国船の監視に常にさらされ、近づく船が妨害されるのはここだけだ。中国にとっては、ミスチーフ礁に近く、周辺で最も脆弱(ぜいじゃく)な拠点とみているからだろう。比側の船の接近を阻んで「難破船」の大規模補修を許さず、崩れ落ちる時を虎視眈々(こしたんたん)と待つようだ。

3月末まで駐留したフィリピン海軍のマイク・ペロテラ中尉(31)は「手を入れなければ、あと5年で崩れて不思議はない」。マニラ駐在の外交官は「崩壊したとたんに中国が環礁を占拠するだろう」とみる。

南シナ海のパラセル(西沙)諸島で5月に始まった中国とベトナムの争いは、中国が7月に石油試掘作業を終え、小康を得た。その後、「中国艦船が多数スプラトリーに南下している」と比軍幹部は証言する。

南シナ海で中国と周辺国の摩擦は絶えない。米国は、アジア回帰の「リバランス」政策を打ち出し中国を牽制(けんせい)する。こうした構図は尖閣諸島をめぐり日中がせめぎあう東シナ海にも通じる。

実際に私たちの乗った漁船も、中国船による「接近拒否」の洗礼を受けた。

(機動特派員・柴田直治)

◆キーワード

<南シナ海問題> 海上交通の要衝で、好漁場でもある南シナ海は、天然ガスや石油の埋蔵が有望視され始めた1970年代から、領有権争いが激しくなった。パラセル(西沙)諸島は中国、台湾、ベトナムが、スプラトリー(南沙)諸島は、この3者に加え、フィリピン、マレーシア、ブルネイが領有権を主張する。中国は、94年の国際海洋法条約の発効より前の歴史的経緯から、海域の9割の権益を譲らず、他国の排他的経済水域(EEZ)を無視して艦船を派遣。埋め立てなどを強行して実効支配を強めている。

対中国 最前線は座礁船 (朝日8月18日二面記事)_迫る中国船、「沈められる」 南シナ海ルポ

迫る中国船、「沈められる」 南シナ海ルポ
(朝日新聞朝刊二面 8月18日)

8月1日午後6時半、私たちの乗った漁船は、南シナ海のスプラトリー諸島に浮かぶアユギン礁まで16キロの場所にいた。

目の良い乗組員が、はるか水平線の近くに停泊する中国船を見つけた。中国海警局(沿岸警備隊)の大型船3111。漁船と逆方向を向き、動く気配がなかったので、全員で夕食のカップ麺を食べ始めたときだ。

「向きを変えたぞ」。操舵(そうだ)士が叫んだ。中国船がUターンし、猛烈な勢いで突進してきた。日が沈みかけていた。船主のパシ・アブドゥルパタさん(40)は「礁に入るのを阻む気だ」と動揺を隠さない。

6ノット(時速約11キロ)の漁船に対し、中国船は37ノットという。10分ほどで漁船の目の前に割り込み、強力なサーチライトを当ててきた。「ブオー」と威嚇するように大きな警笛を鳴らす。

「ぶつけられるかも」

私たちはあわてて救命胴衣を身につけ、柱やへりにしがみついた。

漁船は面舵(おもかじ)をきり、北に進路を変えるが、中国船は執拗(しつよう)に追ってくる。船間が約50メートルに迫った時、中国船は突然止まった。

漁船は船長の機転で浅瀬を走り、引き潮も味方して、中国船はそれ以上進めなくなったようだ。何とか礁内に逃げ込めた。

フィリピン西部パラワン島の港を出て24時間。台風の影響による激しい向かい風と高い波で、到着は予定より10時間遅れた。

この海域を管轄する自治体カラヤン群島町のユーヘニオ・ビトオノン町長が漁船に同乗していた。「何度も中国船の嫌がらせを受けてきたが、今回は沈められるかと一番緊張した。荒波のなかで民間船をここまで追い詰めるとはひどい」

環礁の外側には、昨年4月から中国船が常駐。このころ、環礁に近づく船への妨害も始まった。通常は2隻が南北に停泊し、4隻の時もある。週2回は400メートル程度まで近づいてくる。

今年3月には中国船が比水産庁の船に無線を通じ、英語で「ここは中国の領海である。退出しなければ、何が起きても責任はそちらにある」と警告した。

8月4日午前9時、私たちを追いかけた海警3111が接近してきた。「訪問者があると、いつも偵察に来る」とロランド・ウォン伍長(29)。中国のものとみられる偵察機がその後、上空を旋回した。

サラコディン・マンギディア少尉(29)以下11人の海兵隊員は、6月中旬にシエラマドレ号に赴任した。船内に蚊帳やハンモックをつって暮らす。記者たちも甲板などで同宿した。

駐在することそのものが任務。現代の防人(さきもり)である。

任期は3~5カ月だが、生活環境は過酷だ。空調はもちろん、扇風機も冷蔵庫もない。電気は発電機で夜の数時間供給されるだけ。炊事、洗濯、体を洗う水は雨水が頼りだ。

コメと缶詰類、飲料水は運搬船、時に軍用機から配給されるが、おかずの魚や貝類は海で取って自活する。娯楽はDVD鑑賞やチェスやトランプなど。廃材を使ったダンベルなどで手作りしたジムで汗を流す。

海兵隊は、同国軍約12万5千人のうち約8千人の精鋭部隊だ。反政府ゲリラとの戦闘の前線に立つ。

軍歴20年のエンリケ・エラシオン軍曹(43)は前線勤務よりきついとこぼす。「家族と離れ、時間をもてあます。忍耐が必要だ」。家族との連絡は、1本だけの衛星電話に向こうからかけてもらうしかない。

「最後の血の一滴が尽きるまで降参しない」。船内のタンクにはこんな書き込みがあった。だが、中国軍との装備の差は歴然だ。

ゲリラとの実戦経験の豊富なラジク・サヌシ軍曹(39)は言う。「中国船が本当に攻めてきたらどうする? 正直言って分からない。神のみぞ知る、だ」

人口130人、移民募り実効支配

対中国 最前線は座礁船 (朝日8月18日二面記事)_人口130人、移民募り実効支配台風の影響が収まった6日朝、2隻の中国船の手前をすり抜けてアユギン礁を出た。北西へ約220キロ、22時間かけてパガサ島に着いた。広さ37ヘクタール。フィリピンが実効支配する最大の島で唯一、民間人が住む。

人口約130人。約30人の駐留軍人をのぞけば町役場職員や教師、看護師、建設作業員とその家族だ。

約450キロ離れたパラワン島(本島)との交通手段は不定期な船便と、ごくまれに来る軍用機だけ。これといった産業もない。

人々はなぜ住むのか。ビセンシオ・ミラン町長顧問(44)は「経済的な事情を抱える人が多い」と打ち明ける。1300ペソ(約3千円)相当のコメや塩、食用油などを町が毎月配給する。町営住宅、電気、水道はタダ。実効支配の実績づくりのための移民政策だ。

政府は74年に島の実効支配を宣言。92年から民間人向け住宅や診療所の建設を始めた。いまは携帯電話やインターネットも通じる。

教師として昨年赴任したジャキリン・モラレスさん(38)は、本島の山間部で家族と離れて補助教員をしていた時、募集を知った。給料は上がり、家族一緒の生活に不満はないが、本島に教職があれば戻りたい。

チャイナリンちゃん(3)は島で生まれた唯一の子どもだ。父親が中国とスプラトリーをかけて名づけた。母親のアイザ・ベリダンさん(28)は助産師の力も借りずに産んだ。夫婦とも町職員。4年間、給料はほとんど貯金し、本島にココナツ農場を買った。

「あとは中国との間で平和が続いて欲しい」

同諸島で領有権を主張する中国、台湾、ベトナム、マレーシアは、島や環礁に滑走路や港、リゾート施設をつくり、政策的に人々を居住させる。

経済力の劣るフィリピンの支配地が最も貧相な状況にあることは間違いない。

6カ国・地域争う海域

対中国 最前線は座礁船 (朝日8月18日二面記事)_6カ国・地域争う海域南シナ海は海上交通路の要で資源も豊かなため、周辺国が領有権を主張する。近年、実効支配の範囲を広げようとする中国の動きが激しさを増す。他国のEEZ内にも艦船を送り環礁を埋め立て建造物をつくる。

フィリピンとの間では12年4月、スカボロー礁で艦船がにらみ合った。艦船数が不足してフィリピンが撤退すると、中国は艦船を常駐させて占拠を続ける。フィリピンは昨年、仲裁を国際海洋法裁判所に求めた。

東南アジア諸国連合(ASEAN)は、中国と南シナ海での「行動規範」づくりをめざす。ASEANと中国は02年、「領有権問題は平和的に解決する」とする「行動宣言」に署名。「規範」は、これに法的拘束力を持たせる狙いだ。

フィリピンはさらに今年4月、米国との間で、米軍の比国内での活動を拡大する新軍事協定に署名した。冷戦終結や反米機運の高まりで、米軍基地群は92年にフィリピンから撤退。中国がミスチーフ礁を占拠したのは3年後だ。米軍の新拠点はパラワン島にも計画中とされ、その目と鼻の先でも中国が領域拡張の動きを繰り返すかが焦点になる。

アジアを重視する「リバランス」政策を掲げる米国。その出方を、他のアジア諸国は対中関係との間合いのなかで注視する。

(機動特派員・柴田直治)

南シナ海・スプラトリー諸島_地図

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中国防空圏(中国軍10年越しの宿願)は原案を覆し膨張して設定された。軍総参謀部、習近平総書記と中国共産党最高指導部の対日強硬論がその背景にある…

中国防空圏、原案覆し膨張|強硬論受け、九州沖基点> 中国が昨年11月、東シナ海に突如設定した防空識別圏、実は10年越しの構想のものだった。その原案はもっと控えめで、領海基線から200カイリの排他的経済水域(EEZ)を目安としていており、200カイリ線より中国側にあり、日本が主張する日中中間線付近まで縮小すること提案されていた。 防空識別圏設定は中国軍の長年の宿願であり、それは2001年4月、南シナ海の公海上空で中国軍のF8戦闘機と米軍の電子偵察機EP3が空中接触し、中国機のパイロットが死亡した事件に端を発する。 原案を覆し、九州から約130キロの地点まで突き出した中国の防空識別圏は、軍総参謀部や習近平(シーチンピン)総書記を含む中国共産党最高指導部の裁可を経る中で強まった対日強硬論の結果のようだ――今日(1月12日)の朝日新聞朝刊は1面と2面でこの背景をスクープしている。

以下に、朝刊1、2面のスクープ記事をクリップして掲載。 その後に日経記事「中国防空圏、対応揺れる米国の事情(真相深層)」をクリップして掲載――

中國防空圏、原案覆し膨張(朝日新聞2014年1月12日)朝刊1面記事

中国防空圏、原案覆し膨張
強硬論受け、九州沖基点
(朝日新聞朝刊2014年1月12日1面記事)

中国が設定した防空識別圏(図解)昨年11月に中国が東シナ海に設定した防空識別圏=キーワード=は、中国の領海基線から200カイリ(約370キロ)を範囲設定の目安とした軍研究機関の原案を採用せず、日本の九州沖合に寄せる形で範囲を拡大していたことが分かった。日本に対する習近平(シーチンピン)政権内の強硬論が反映されたものとみられ、防衛上の実務的な要請よりも政治的な意図が強くにじむ内容となっていた。▼2面=構想10年越し

複数の中国軍関係者や軍事研究者が朝日新聞の取材に対して明らかにした。

原案は昨年5月、空軍の幹部養成機関であり重要な研究機関を兼ねる空軍指揮学院(北京市)が軍上層部に提出。具体的な地図を盛り込んでおらず、範囲については領海基線から200カイリの排他的経済水域(EEZ)を目安としていた。さらに、実現が難しければ200カイリ線より中国側にあり、日本が主張する日中中間線付近まで縮小することも提案していた。

範囲策定の背景について、軍総参謀部の元幹部は「敵機を察知し、中国の領空に到達するまでに緊急発進で対応するには、少なくとも20分前後の時間を確保する必要がある。戦闘機の時速から計算して、約330キロの距離を確保するというのが防衛上の合理的なニーズだ」と話す。

だが、半年後の昨年11月23日に中国国防省が公表した防空識別圏は、東端が中国の200カイリ線を大きく越えて九州西岸側へ張り出していた。この点について、同省は朝日新聞に「東端は日本の九州から約130キロの地点にある。日本の防空識別圏が中国大陸に最も接近している地点も約130キロだ」と回答した。

中国側は防空識別圏の設定について「いかなる特定の国も対象にしていない」(外務省報道官)と繰り返してきた。だが、日本の防空識別圏が中国から最も近い地点で浙江省の沿岸から約130キロにあることから、日本への対抗措置として原案を修正したとみられる。

さらに、原案には航空機に対する飛行計画(フライトプラン)の事前提出要求は盛り込まれていなかった。だが、公表された際は領空に向かってくる航空機だけでなく、防空識別圏を横切るだけの航空機もフライトプラン提出の対象としていた。

今回、原案が修正された詳細な経緯は明らかになっていない。ただ、軍総参謀部だけでなく、習総書記を含む中国共産党最高指導部の裁可を経る中で、対日強硬論が強まったことがうかがえる。 (北京=林望、倉重奈苗)

◆キーワード <防空識別圏> 海洋に接する国・地域が防空のため独自に設定できる空域。領空(沿岸から約22キロの領海上空)よりも外側に張り出して設定されることが多い。領空に向かって空域内を飛ぶ航空機には飛行計画の事前提出が求められる。事前通告なしに空域内に侵入した航空機は、戦闘機による緊急発進(スクランブル)の対象となる。

中國防空圏、構想10年越し(朝日新聞2014年1月12日)朝刊2面記事中国、構想10年越し 
防空圏、米軍機との事故契機 
(朝日新聞朝刊2014年1月12日2面記事)

■ 日本の尖閣国有化影響

中国防空識別圏をめぐる経緯(年表)中国が昨年11月に東シナ海に設定した防空識別圏は軍の長年の宿願だった。習近平(シーチンピン)体制の下で一気に実現に至った背景には、日本の尖閣国有化で国内の強硬論が勢いづいた事情がある。中国側の運用能力は評価が割れるが、着実に経験を積んでいる様子がうかがえる。▼1面参照

複数の政府系研究機関の幹部によると、中国による防空識別圏設定の発端は10年以上前にさかのぼる。2001年4月、南シナ海の公海上空で中国軍のF8戦闘機と米軍の電子偵察機EP3が空中接触し、中国機のパイロットが死亡した事件だ。

当時、中国側の抗議に対して米軍は「国際空域での飛行の自由」を正当性の根拠にした。中国軍の内部では「『飛行の自由』を口実に偵察に来る米軍機に対抗できる法的根拠を作るべきだ」との声が強まった。

02年の国防白書で、初めて「防空体制の建設」を盛り込んだ。この年、中国側が主催した国際学会に現役の中国軍幹部が出席。出席者によると、前年の接触事件に触れて、この幹部は「防空識別圏をいま検討している。設定はこれからだ」と語ったという。

その後、上海交通大の薛桂芳教授が07年に発表した論文で「日本の防空識別圏の最西端は、中国の浙江海岸からわずか130キロしかない」と指摘。この頃から日本の防空識別圏に対する不満が芽生えていたことがうかがえる。

09年11月にあった軍創設60周年の記念大会。当時、空軍司令官だった許其亮・党中央軍事委員会副主席は演説で、空軍の近代化とともに「防空識別圏の共通認識を作っていく」と強調した。

ただ、当時の胡錦濤(フーチンタオ)指導部は、軍の要請に慎重な姿勢を崩さなかった。防空識別圏の運用に必要な態勢が十分に整っていなかったという事情に加え、周辺諸国の強い反発を招くリスクを考慮したとみられる。

中国指導部の姿勢を大きく変えたのは、12年9月、民主党の野田佳彦前政権による尖閣諸島の国有化だ。領有権争いの「棚上げ」を建前とする中国政府は、日本による尖閣国有化を「現状の一方的な変更」(国防省報道官)と批判。「棚上げ」は崩れたとの立場から、尖閣諸島の上空を含む空域に防空識別圏を設定することを求める党や軍内の声が高まった。

外務省系シンクタンク、中国国際問題研究所の曲星所長は今月10日の会見で「自分がこうしたいから、こうする。これが日本の論理だ。中国も今は同じ理屈で動いている。防空識別圏に釣魚島(尖閣諸島の中国名)周辺を含めないことはあり得ない」と述べた。

尖閣国有化の直後に発足した習近平政権は、こうした国内世論にも押される形で領土や海洋権益の確保の必要性を強調。軍の体制強化にも乗り出した。

昨年5月に空軍指揮学院がまとめた原案は空軍司令部や軍総参謀部を経て、党中央軍事委員会や党中央国家安全指導小組などで協議され、党中央政治局常務委員らによる最高指導部にも上げられたとみられている。

この過程で強硬な意見が支持を得て、11月に開かれた党の重要会議、第18期中央委員会第3回全体会議(3中全会)までに防空識別圏の最終形が固まった。中国が防空識別圏の設定を発表したのは、3中全会閉幕から11日後。日本から約130キロの地点が基準になったことについて、ある研究者は「日本がやる以上のことはしないとの考慮もあった」と話す。

■ 運用能力、割れる評価

東シナ海・中国防空圏に配備されている空軍機「線を引くだけでは何の意味もない。航空機や各種のレーダー、衛星の能力が高まり、実効性を確保できる態勢が整ったから設定した」。軍総参謀部の元幹部はこう語る。

防空識別圏設定の公表から6日後の昨年11月末、国防省は主力戦闘機のスホイ30と殲(せん)11が、空域に入った自衛隊のE767早期警戒管制機やF15戦闘機、米軍のEP3偵察機などに緊急発進(スクランブル)をかけたと発表した。

共産党機関紙「人民日報」傘下の国際情報紙、環球時報は独自情報として、E767とF15が航空自衛隊南西航空混成団所属だったとし、F15は那覇基地から飛来したと報道。中国の識別圏を「張り子のトラ」(英通信社記者)と運用能力を疑う国内外の世論に対し懸命に「宣伝戦」を繰り広げた。

複数の軍関係者によると東シナ海は南京軍区が管轄。防空識別圏の運用を担う主力戦力は殲10、殲11Bなどの戦闘機と空警2000などの早期警戒管制機とされる。軍諮問委員会元メンバーの一人は「軍は南京軍区に新鋭機を集中的に投入してきた」と話す。

中国の軍事事情に詳しいカナダの評論家、平可夫氏によると、殲10の作戦行動半径(軍用機が発進してから任務を遂行して帰還できる距離)は推定850キロ、殲11Bは1500キロに及び、早期警戒機のレーダーは300キロ先の相手機を捕捉する能力を持つ。「中国空軍の能力拡張の速度は日本を超える。識別圏の運用能力は整っているとみるべきだ」と話す。

ただ、中国の運用能力に疑問を示す声は多い。日本の防衛省関係者は「戦闘機の数は十分に備わっており、能力が上がっているのは事実」としながらも、「地上レーダーの能力には限界があり、早期警戒管制機もイスラエル製の最新鋭機の購入が米国の反対で頓挫し、性能で劣るロシア機をベースにしたものに頼っている」と話す。

管制機などが捕捉した情報を指令部門が受け取り、適切な基地から的確な方角に戦闘機を発進させる一連の判断と動作には経験が必要とされる。こうした運用能力にも、「中国空軍が日米のような能力を備えているとは思えない」(北京の外交筋)との見方が強い。

それでも、防空識別圏の設定で中国が運用の実績を積む舞台を得たのは事実だ。国防省は昨年末、防空識別圏設定からの1カ月で圏内でのパトロールが計51回に及び、延べ87機の戦闘機や早期警戒機が出動したと発表した。

軍総参謀部の元幹部は語る。「中国はいずれ、南シナ海や黄海にも防空識別圏を置く。我々は東シナ海で経験を積んでいるのだ」 (北京=倉重奈苗、林望)

さて、日経の記事――

中国防空圏、対応揺れる米国の事情(真相深層)
(日経 2014/1/8 3:30)

東シナ海上空に中国が設定した防空識別圏(ADIZ)を巡って米国の対応が揺れている。戦略爆撃機を圏内で訓練飛行させて中国をけん制したかと思えば、米民間航空会社には中国側が要求する飛行計画の事前提出を認める。ちぐはぐに見える対応には領土・領空保全のルールづくりを主導してきた米国ならではの苦しい事情がある

■ 50年代引き継ぐ

中国防空圏、対応揺れる米国の事情(画像)防空識別圏は領空の外側に設定する空域を指す。領空に入った航空機がその国の領土上空に到達するまでの時間はわずか数分。外国の航空機の領空侵犯を確認してから対応していたのでは自国の領土が攻撃にさらされかねない。領空に入る前に航空機を識別して、あらかじめ防衛体制を取るのが防空識別圏の本来の目的だ。

もっとも防空識別圏は国際法上で明確に定義された概念ではない。そもそもは米国による「空の線引き」で、これを設定するのは世界でも米国の同盟国である日本や英国、韓国のほか、ノルウェーやインドなどの20カ国程度に限られる。

アジア太平洋では第2次世界大戦後の1950年、GHQ(連合国軍総司令部)が防空識別圏を設定した。東シナ海では日本や韓国、台湾、フィリピンにまたがる空域に線引きを設け、旧ソ連や中国の領空侵犯を監視するのに使っていた。

GHQの線引きは4カ国・地域にそのまま引き継がれる。日本では59年に航空総隊司令官と米軍第5空軍司令官との間で「松前・バーンズ協定」が交わされ、防空識別圏が日本側に移管された。協定は領空侵犯への対応を日米両国がどう分担するかを定めた内容といわれる。外国機を識別するには高性能レーダーや偵察機、緊急発進(スクランブル)できる戦闘機が必要であり、運用では米軍との緊密な連携が欠かせなかった。

専門家によると、防空識別圏は60年の日米安全保障条約改定までに完全に日本に引き継がれ、領空侵犯に対応する体制が整ったという。防衛庁(当時)が内部で防空識別圏を規定したのは69年。日本にとって東シナ海に設けた防空識別圏は日米安保協力を象徴する存在といえる。

昨年11月23日、中国が日本の防空識別圏に張り出す形で自前の防空圏を設定すると発表した。軍事力の誇示、沖縄県・尖閣諸島への領有権の主張が狙いだった。

日米同盟への挑戦とも映る中国の行動。日本政府は防空識別圏の撤回を中国に要求する。ところが米政府の反応は「東シナ海の現状を変えようとする一方的な行動だ」(ケリー国務長官)。撤回という表現はなく、微妙な曖昧さがあった。

■ 靖国参拝が影

米国からみれば、防空識別圏は各国の国内措置であり、他の国が撤回させるのは困難。そもそも中国や旧ソ連の領空侵犯を念頭に米国が設定した経緯があるだけに、撤回の要求は米国批判につながりかねないという計算があった。

その代わりに、米国が注目したのは中国が防空識別圏をいかに運用するか。中国は防空圏を飛行する航空機に対して事前通告を求め、これに従わなければ「武力で防御的な緊急措置を講じる」と宣言した。国際法の原則である「公海上空における飛行の自由」が脅かされかねない事態に米国は反応した。

事前通告なしに戦略爆撃機を訓練飛行させたのは、中国の一方的な指令は国際的に無効だと示すため。ただ防空圏の設定自体は「新しくも珍しくもない」(ヘーゲル国防長官)とし、撤回は求めなかった。安全への配慮から、米民間航空会社が中国に飛行計画を提出することも容認した。

防空識別圏の撤回を中国に要求する日本、曖昧な態度を崩そうとしない米国――。そんな日米関係にすきま風を呼び込んだのが昨年末の安倍晋三首相の靖国神社参拝だった。米政府は「失望している」という強い表現で日本に懸念を伝えた。東シナ海上空の防空識別圏問題の解決が遠のく恐れさえある。(ワシントン=中山真)

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDC2400K_X00C14A1EA1000/?dg=1

(多分、追記するでしょう….)

<南鳥島付近の海底レアアース調査へ>調査船「かいれい」出動、1月下旬!

海洋研究開発機構(JAMSTEC)は1月下旬、深海調査研究船「かいれい」を出動させ南鳥島近くの海域のレアアース現地調査を行う。 昨年6月の東大・加藤泰浩教授の研究グループのレアアース発見の研究成果を受けての現地調査発動だ。 このブログでもレアアースの件は数度取り上げ民主党政権の動きの遅さに業を煮やしていたが、政権交代のせいかどうかはしらないがようやく動き出した。 とにかく新年のニュースに相応しいいいニュースだ。 自民党よ、速やかに動け!

以下はNHKニュース。 その後に深海調査研究船「かいれい」の情報と当ブログの関連投稿記事リンクを掲載――

南鳥島付近の海底レアアース調査へ
(NHK 1月2日6時44分)

南鳥島付近の海底レアアース調査へ日本の排他的経済水域である南鳥島近くの海底に、去年、大量のレアアースが存在することが明らかになったことを受け、今月、海底の泥を採取して分析する現地調査が行われることになりました。

東京大学の加藤泰浩教授の研究グループは、去年6月、日本の排他的経済水域にある南鳥島近くの海底の泥にレアアースが高い濃度で含まれていることを突き止め、この海域のレアアースの総量は国内の消費量の230年分ほどに当たると推計されています。

この研究結果を受けて、海底資源の調査・研究を進めるJAMSTEC=海洋研究開発機構は、今月下旬、南鳥島近くの海域に調査船「かいれい」を出して現地調査を行うことになりました。 調査では、水深5600メートルの海底に長さ20メートルのパイプを突き刺し、中に入った泥を船の上に引き上げて持ち帰る計画です。 持ち帰った泥は分析用の機械にかけられ、レアアースの種類や濃度のほか、深さによる分布状況などが詳しく分析されることになっています。

レアアースは、ハイテク産業に欠かせない重要な資源ですが、アメリカ地質調査所によりますと、世界の生産量の97%を中国が占めているため、独自の調達ルートが確保できるのか、今回の調査結果に注目が集まっています。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130102/t10014552131000.html

深海調査研究船「かいれい」

深海調査研究船「かいれい」(JAMSTECサイトの解説)
http://www.jamstec.go.jp/j/about/equipment/ships/kairei.html

Wikipediaの解説
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8B%E3%81%84%E3%82%8C%E3%81%84

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■ 「南鳥島沖レアアース採掘、3年で商業化可能!」 2012年7月20日

■ 「<南鳥島付近の海底レアアース調査へ>調査船「かいれい」出動、1月下旬!」  2013年1月2日

■ 「南鳥島沖のレアアースは高濃度、中国鉱山の30倍の濃度!」  2013年2月27日

 

南鳥島沖レアアース採掘、3年で商業化可能!

6月29日にブログで<南鳥島周辺EEZ内の海底に大量のレアアース! やった~!>というのを投稿している。 リンクしてあるのでクリックして投稿記事を読んでもらえればわかるが、南鳥島周辺EEZ内の海底に大量のレアアースが埋蔵されていることが東大・加藤泰浩教授の研究チームによって明らかになっている。 加藤教授は20日、東大で開かれたシンポジウムでで「採算性は高く、3年で商業化することが可能だ」と発表した。 国が積極的にバックアップして早期に採掘に向けて動きだす必要がある。 ぼやぼやしていると、FEZすれすれのところで中国がまた何かやり出しかねない。 ネックなのが何をやるにも遅い民主党政権だ! 一度ぐらいはさっさと動ケ!!!

以下、NHKと日経の記事クリップ――

レアアース採掘 3年で商業化可能
(NHK 7月20日 16時45分)

希少な金属「レアアース」が先月、日本の排他的経済水域の海底に多く存在していることが分かったことについて、調査に当たった東京大学の加藤泰浩教授が20日、東京都内で講演し、「採算性は高く、3年で商業化することが可能だ」と説明しました。

これは、20日、東京大学で開かれたレアアースについてのシンポジウムで、加藤教授が説明したものです。 それによりますと、加藤教授らが見つけた日本の排他的経済水域にある南鳥島近くの海底のレアアースは、資源の量が膨大で、石油の採掘技術を応用したり、磁石を使ってより分けたりすることで、効率的に採取でき、事業としての採算性は高いということです。 そのうえで、加藤教授は、今後、素早く計画を立てて、実証実験を行えば、3年で商業化することが可能だと説明しました。

会場には、民間企業の担当者など300人余りが集まり、加藤教授の話に真剣な表情で聞き入っていました。 非鉄金属製造会社の担当者は「大変興味深く、実現の可能性を感じた。海外の国々は、国策でレアアースの採掘をしているので、今後は国の支援を期待したい」と話していました。

レアアースは、ハイテク産業に欠かせない重要な資源ですが、アメリカ地質調査所によりますと、世界の生産量の97%を中国が占めていて、安定供給のため、調達先の多角化が課題となっています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120720/k10013734541000.html

南鳥島沖レアアース採掘、3年で商業化可能

南鳥島沖レアアース、3年後にも採取実験 東大など
(日経 2012/7/20 13:20)

東京大学と三井海洋開発、三井物産は、南鳥島沖の海底に広がる泥が含むレアアース(希土類)の採取実験を始める。泥を吸い上げる技術開発を進め、早ければ3年後にも日本の排他的経済水域(EEZ)内で本格採取が可能になる。ハイテク製品に不可欠なレアアースは中国が世界需要の9割以上を生産しており、日本で調達できれば安定供給に役立つ。

東大の加藤泰浩教授が20日午前の講演会で明らかにした。南鳥島沖の海底の泥には、エコカーや家電に欠かせないレアアースのジスプロシウムなどが、国内消費量の200年分以上含まれている可能性を研究チームは突き止めていた。

まず海底の72カ所から泥を取り、採取場所を選定。船から海底に管を下ろし泥を引き上げる。圧縮した空気を泥に送り込んで吸い上げる「エアリフト」方式などが有望だ。泥からのレアアースの製錬は既存技術を活用できる。年間300万トンの泥から日本の年間消費量の約1割に当たる700億円以上のレアアースが生産できると試算している。

経済産業省によると、海底下の資源を掘り出して使う場合には、企業などが国に対し鉱業権の取得を申請。掘削の技術力などを考慮し、国が審査をする。鉱業権を得た企業などは定められた鉱区内でレアアースなどの有用物質を試掘したり、採掘する権利が与えられる。採掘した有用物質は鉱業権を持つ企業が自由に利用できる。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG20009_Q2A720C1MM0000/?dg=1

南鳥島沖レアアース採掘、3年で商業化可能

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<南鳥島周辺EEZ内の海底に大量のレアアース! やった~!> 民主党よ、下らん茶番の政争なんぞはとっとと止めて即開発に力をそそげ!

南鳥島周辺の排他的経済水域(EEZ)内の海底にレアアース(希土類)を大量に含む泥の大鉱床があることを東京大の研究チームの調査で分かった。 その量がすごい! ハイブリッドカーのモーターなどに使われるディスプロシウムは国内消費量の400年分、またLED(発光ダイオード)電球やテレビに使われるテルビウムは4,000年分にもなる。 このほかの13種類のレアアースについても、少なくとも230年分はあるという。 日本の現在のレアアースの年間消費量の200年分以上の埋蔵量だ。

国家が即開発に乗り出さないでどうする! 増税と頭はそういう事に使え、アホ集団→民主党! 選挙を考えた茶番の行動をするな、どうせ君たちはみな落選する。

南鳥島周辺でレアアースの泥 EEZ内で初
(産経 2012.6.28 19:07)

 日本の最東端の南鳥島(東京都小笠原村)周辺の排他的経済水域(EEZ)内の海底に、ハイテク製品に欠かせないレアアース(希土類)を大量に含む泥の大鉱床があることを東京大の研究チームが発見した。同様の泥は南東太平洋の公海上などで見つかっていたが、日本のEEZ内では初。国内の年間消費量の200年分を超える埋蔵量とみられ、採掘が実現すれば中国からの輸入依存を脱却できる可能性がある。

発見したのは東大大学院の加藤泰浩教授(地球資源学)ら。東京都内で開催中の資源地質学会で28日、発表した。

国際共同研究などで採取された南鳥島周辺のEEZ内の海底ボーリング試料を分析した結果、島の南西約310キロ、水深約5600メートルの海底の泥に最大約1700ppm、平均約1100ppmの高濃度でレアアースが含まれることを突き止めた。

濃度や層の厚みなどから、周辺のレアアース埋蔵量は約680万トンと推定され、日本のレアアース消費量の約230年分に相当するという。また、島の北約180キロでも1千ppmを超える濃度の泥が見つかっており、加藤教授は「分布は広く、周辺には何千年かかっても使い切れないレアアースが眠っているとみられる」と話す。

レアアースは、ハイテク素材に少量添加するだけで性能が飛躍的に向上する。世界産出量の大半を占める中国は、平成22年9月に沖縄県の尖閣諸島沖で発生した中国漁船衝突事件後、日本向け輸出を一時停止するなど、外交カードとして利用しており、中国依存からの脱却は日本の急務となっている。

採掘技術の確立やコスト競争力が今後の課題だが、公海上ではなくEEZ内で見つかった意味は大きく、加藤教授は「さらに詳細な調査が必要だ」と話す。

http://sankei.jp.msn.com/science/news/120628/scn12062819070002-n1.htm

南鳥島海底に大量のレアアース
(NHK 6月28日 19時22分)

ハイテク製品に欠かせず、現在、中国が独占的に供給している、希少な金属「レアアース」が、日本の排他的経済水域にある南鳥島近くの海底に多く存在していることが、東京大学の調査で分かりました。
日本の経済水域でまとまった量のレアアースが確認されたのは初めてで、埋蔵量は国内の消費量の220年分余りに上るとみられています。

東京大学の加藤泰浩教授の研究グループは、海底の火山活動で放出される熱水がレアアースを吸着しやすいことに注目し、太平洋の海底で採取された泥の分析を4年前から進めてきました。 その結果、日本の排他的経済水域にある南鳥島近くの水深5600メートルの海底の泥に、ハイブリッド車のモーターに使われる「ジスプロシウム」や、液晶テレビに使われる「テルビウム」などのレアアースが高い濃度で含まれていることが分かりました。 研究グループによりますと、こうした泥は少なくとも1000平方キロメートルの範囲に広がっているということで、濃度や面積などから国内の消費量の227年分に当たる680万トンのレアアースが存在すると推計されています。

日本の排他的経済水域の海底でまとまった量のレアアースが確認されたのは今回が初めてで、研究グループは今後、国内の企業と共に採掘に向けた取り組みを進めることにしています。 海底のレアアースを巡っては、去年、太平洋に陸上の埋蔵量の800倍のレアアースが存在する可能性があることが明らかになりましたが、公海の海底にあるため、採掘には国際調整が必要となっていました。 調査に当たった東京大学の加藤教授は、「レアアースが見つかった場所が日本の経済水域だということは、自国の資源として開発できるという意味で非常に重要だ。実際に資源がどのように存在しているか、すぐに調査を行うべきだ」と話しています。

日本のレアアース調達の現状は

「レアアース」はハイテク産業に欠かせない重要な資源ですが、アメリカ地質調査所によりますと、世界の生産量の97%を中国が占めています。 その中国の最大の輸出国は、ハイブリッド車や液晶テレビの製造などで年間3万トンのレアアースを必要としている日本です。

おととし、中国が、環境保護などを理由に輸出量を前の年より40%減少させたことや、尖閣諸島沖で起きた中国漁船の衝突事件のあと、輸出が滞ったことなどから、日本企業には強い懸念が広がりました。 このため、日本では中国以外のレアアースの調達先を探す動きが進んでいて、去年3月にはオーストラリアで大規模な鉱山の採掘権を獲得したほか、ことし5月にはカザフスタンとも協力を強化することで合意しています。

その一方で、アメリカ地質調査所によりますと、世界の陸上にはおよそ1億1000万トンのまだ採掘されていないレアアースが存在するとみられ、国別の埋蔵量は、中国が48%、カザフスタンなど旧ソ連の諸国が16%、アメリカが11%などとなっています。 さらに去年7月、東京大学の加藤泰浩教授の研究グループは、太平洋の海底の泥に大量の「レアアース」が存在していることを突き止め、その埋蔵量は陸上の800倍に上るとみられています。

レアアースの安定供給には調達先の多角化が課題となっていて、今回発見された南鳥島近くの海底のレアアースは、日本が自国で採掘できる資源として注目されます。

利用するには新たな技術が必要

今回、日本の排他的経済水域の海底で見つかったレアアースを、引き上げて資源として利用するには、新たな技術開発が必要です。

レアアースが見つかったのは、水深5600メートルの海底。 研究グループによりますと、この深さから資源を引き上げた実績は世界でも確認されておらず、今から30年余り前にドイツの鉱山会社が水深2000メートルから資源を引き上げた例がある程度です。

しかし、今回の研究にも参加している日本の海洋開発会社は「海底の油田から原油を引き上げる技術を応用すれば、深海の底であっても泥を引き上げる技術の開発は十分に可能だ」と説明しています。

この会社によりますと、泥を吸い込んで採取する新たなシステムを開発したうえ、独立行政法人海洋研究開発機構が所有する海洋資源の探査船「ちきゅう」に搭載できれば、1日1万5000トンもの泥を引き上げることが可能だということです。 研究グループでは、今後、こうした資源の引き上げ技術を確立するための試験の実施を、国に求めていきたいとしています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120628/k10013187821000.html

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■ <佐渡沖に石油・天然ガス有望地層、掘削調査へ>埋蔵が確認されれば国内最大級で中東の中規模油田並み…  (投稿日:2012/06/18)

レアアースの種類と用途例

Sc=スカンジウム, Y=イットリウム, La=ランタン, Ce=セリウム, Pr=プラセオジム, Nd=ネオジム, Pm=プロメチウム, Sm=サマリウム, Eu=ユウロピウム, Gd=ガドリニウム, Tb=テルビウム, Dy=ジスプロシウム, Ho=ホルミウム, Er=エルビウム, Tm=ツリウム, Yb=イッテルビウム, Lu=ルテチウム.

続報6/29

「研究に参加してきた東京の海洋開発会社」と28日のニュースで各社が報道していたが、「一体、どこの会社なんだ?」と誰しも思うだろう。 NHKは今日(29日)早朝のニュースの中で社名の入った映像を流した。 右のサムネイルをクリックすると社名映像入りのニュース全文キャプチャを閲覧できる。

『研究に参加してきた東京の海洋開発会社』とは三井海洋開発(MODEC = Mitsui Ocean Development and Engineering Co.)だった。

ニュースのインタービューに登場した三井海洋開発の島村好秀常務執行役員は「我々の今までやってきた技術を生かして、出来るだけ早く実証実験に持って行きたい」と語っていた。

深海の泥を採取する技術を開発する計画とは、具体的には、海底の油田から原油を引き上げる技術を応用し、洋上の船から海底の泥の中まで金属の管を下ろして空気を送り込むことによって泥の引き上げを行うということで、ニュースでは三井海洋開発の次のような模型が紹介されていた――

でこの報道の後どうなったかというと…三井海洋開発の株価は275円高の1700円まで上げて急続伸し高値圏で推移、東証1部値上がり率ランキングのトップ8にランクインしたのだ。

追加情報

東京大学の加藤泰浩教授の研究グループは太平洋の海底で採取された泥の分析を4年前から行っていたのだが、「海底で採取された泥」とは元々1968~1984年に東大海洋研究所が古地磁気の研究のために太平洋全域から27本のピストンコア試料(平均コア長7.6 m)を採取し、保管していたものだった。 加藤教授の研究グループはそのコア試料を譲り受け、ICPMS(誘導結合プラズマ質量分析装置)を用いた456 試料の全岩化学組成の分析を2008年より開始した。

その結果、太平洋の広範囲に,南中国のイオン吸着型鉱床に匹敵する高品位の海底堆積物 “レアアース資源泥” が分布していることを発見し、昨年(2011年7月)に英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス(電子版)に掲載されている。 昨年の段階では太平洋の公海上の海底に埋蔵されているレアアースだった。 継続調査の結果、南鳥島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)の海底の泥に膨大な量のレアアースを発見したわけだ。 この発見の意義は大きい。 公海上の海底は国連海洋法条約で保護されており一国が勝手に開発する訳にはいかないが、日本のEEZ内であれば何の問題もなく開発をすることができる。

昨年の加藤泰浩教授の研究グループの成果の発表に関する情報を紹介したいと思う――

■ 2011年7月4日、朝日新聞電子版の報道――「太平洋海底に大量レアアース 陸地の800倍、東大発表」  http://www.asahi.com/science/update/0703/TKY201107030411.html

■ 2011年7月3日、英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス(電子版)――“Deep-sea mud in the Pacific Ocean as a potential resource for rare-earth elements  (doi:10.1038/ngeo1185) http://www.nature.com/ngeo/journal/v4/n8/abs/ngeo1185.html

■ 2011年7月4日、BBC News (電子版)――“Japan finds rare earths in Pacific seabed” ― Japanese researchers say they have discovered vast deposits of rare earth minerals, used in many hi-tech appliances, in the seabed. http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-pacific-14009910

■ 2011年11月23日、日経新聞電子版の報道――「日本近海にも眠るレアアース資源 東大大学院の加藤准教授に聞く」  http://www.nikkei.com/article/DGXBZO36663060R21C11A1000000/

■ 東京大学・加藤研究室のサイト http://egeo1.geosys.t.u-tokyo.ac.jp/kato/ へ行くと研究に関する情報が掲載されている。 「全く新しいタイプのレアアースの大鉱床を太平洋で発見」のプレスリリースPDFは http://www.t.u-tokyo.ac.jp/pdf/2011/110704_kato.pdf

太平洋におけるレアアース資源泥の分布図と平均総レアアース含有量
(画像クリックで拡大)
(Kato et al., 2011 Nature Geoscience)

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<日本の大陸棚拡大、国連が認定> 国土面積の8割に当たる拡大!

日本政府が海底資源の権益確保をめざす4海域の大陸棚延伸が27日(現地時間26日)、米ニューヨークにある国連・大陸棚限界委員会で認められた。日本が排他的経済水域(EEZ)を設定できる「島」と主張する日本最南端の沖ノ鳥島を基点とした海域も含まれる。▼同委員会は国連海洋法条約に基づいて設置され、地質学や地球物理学などの専門家がメンバー。海底の地形が自然に延びていると認められれば、沿岸国が最大350カイリまで大陸棚の限界を延長できる。延長した分の大陸棚はその国の権利が及ぶ。▼日本は2008年、太平洋の7海域を申請。このうち沖ノ鳥島が基点の2海域について、中国と韓国はEEZを設定できない「岩」だと主張する口上書を同委員会に提出した。今回の審査では島北側の海域は認められたが、南側は結論が先送りされた。(朝日4/28)  http://www.asahi.com/politics/update/0428/TKY201204280012.html

海底の鉱物資源などを採取できる国際法上の日本の大陸棚として、小笠原諸島の東などの太平洋の海域、約31万平方キロメートルが国連の委員会から認められた。 日本の大陸棚の拡大が認められたのは初めてだ

国 連海洋法条約では、原則として海岸線から200海里=およそ370キロまでの海域を、鉱物資源などを採取できる、その国の大陸棚としており、その外側につ いても、海底の地形や堆積岩の厚さなど一定の条件が満たされれば、大陸棚として認められる事になっている。 日本は2008年、それまでの約405 万平方キロに加え、日本の大陸棚として新たに約74万平方キロを認めるよう、国連の大陸棚限界委員会に申請した。 沖ノ鳥島を基点とする「四国海盆海域」と「九州パラオ海嶺南部海域」、と日本最東端の南鳥島の周辺の 計7海域、約74万平方キロだ。 沖の鳥島を基点としたEEZは日本の国土面積を上回り、豊富な漁場だが、沖の鳥の陸地面積は10平方メートルに満たず、コンクリート製護岸などで守っている。

日本の申請に対し中国と韓国は「沖ノ鳥島は島ではなく岩だ」と主張して異議を唱え、「四国海盆海域」と「九州パラオ海嶺南部海域」の2海域を認めないよう口上書を国連・大陸棚限界委員会へ提出した。 今回、国 連は同島南方海域(九州パラオ海嶺南部海域)については判断を先送りし、日本が申請した7海域のうち四国海盆海域を含む4つを認め残りの2海域は却下した。 結局、国連の大陸棚限界委員会は日本最南端の沖ノ鳥島の北方など太平洋の4海域約 31万平方キロメートルを日本の大陸棚として新たに認める勧告を採択した。 31万平方キロメートルとは日本の国土の約8割に当たる面積だ。

国連の委員会が大陸棚の拡張を認めたのは「四国海盆海域」「小笠原海台海域」「南硫黄島海域」「沖大東海嶺南方海域」の4海域の一部。いずれも沿岸から200カイリの排他的経済水域(EEZ)の外にある。 今回、沖ノ鳥島を基点とする「四国海盆海域」を認められた意義は大きい、なぜなら沖ノ鳥島が「岩」ではなく「島」だと国連の委員会から認められたということになるからだ。 国連海洋法条約第76条8で「委員会決定は最終的で拘束力を持つ」とされている。

(注:上図の「海域」表示では小笠原海台海域で今回認められた以外の部分も含まれる表示になっているので注意。 小笠原海台海域で認められた大陸棚は最初の図参照。)

国連海洋法条約は海底の地形・地質が領土と続いていれば、EEZ外でも大陸棚の海底や地下にある資源の探査・開発権を沿岸国に認めている。 今後、政府は条約を批准していない米国などと調整しながら国内手続きを進め、境界を画定。 その後、国連に連絡すれば正式に拡張部分の開発権などの効力が生じる。

国土面積の8割強に当たる海域が新たに認定され、日本はレアメタル(希少金属)や次世代の天然ガス資源であるメタンハイドレートなどの採掘権を主張できる範囲が大幅に広がる。 認定された大陸棚では、レアメタルを多く含む「海底熱水鉱床」や、電子部品に使用されるコバルトを豊富に含む「コバルトリッチクラスト」が発見される可能性が指摘されている。

日本海や東シナ海などについては、ロシアや中国など6カ国・地域とEEZの境界が重なっており、政府は大陸棚の拡大申請対象としていない。

[日本が申請した7海域とはどこなのか、どこにあるのか?]

私の読み方が悪いのかも知れないが、電子版の報道を読んでも日本が申請した7海域全ての名前と場所を見つけられなかった。 そうなると調べないと気が済まない。 その結果こういう事が分かった。 日本が申請した7海域とは茂木海山海域 (Mogi Seamount region)、小笠原海台海域 (Ogasawara Plateau region)、南鳥島海域 (Minami-Tori Shima Island region)、南硫黄島海域 (Minami-Io To Island region)、九州・パラオ海嶺南部海域 (Southern Kyushu-Palau Ridge)、沖大東海嶺南方海域 (Southern Oki-Daito Ridge region)、四国海盆海域 (Shikoku Basin region)。

却下された二つは茂木海山海域南鳥島海域、審査が先送りされたのが九州・パラオ海嶺南部海域 、それ以外は認められたわけだ。 申請した7海域の場所はこうなる(画像クリックで拡大)。

(領海基線、大陸棚の限界、日本の領土に関しては次項の「日本の領海と大陸棚….」参照)

却下された二つのうちの茂木海山海域は拡大地図でもよく分からないぐらい範囲が狭い。南鳥島海域はこうなっている。

===============================================================
[参考]

首相官邸――総合海洋政策本部会合(第4回)議事次第
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kaiyou/dai4/4gijisidai.html

参考1 「大陸棚の限界に関する委員会」に提出する大陸棚の限界(案)の概要
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kaiyou/dai4/sankou1.pdf
===============================================================

[日本の領海と大陸棚のお勉強]

今回のこの大陸棚の件に関しては「領海」と「海域」の概念の理解が必要です。 海上保安庁と外務省のサイトを当たって理解の役に立つものを集めてみました。 先ず、日本の領海はこうなっています

(海上保安庁「日本の領海等概念図」より)

国土面積 約38万km2
領海(含:内水) 約43万km2
接続水域 約32万km2
領海(含:内水)+接続水域 約74万km2
排他的経済水域(EEZ) 約405万km2
領海(含:内水)+排他的経済水域(EEZ) 約447万km2

■ 「海域」とは何か? この「各種海域概念図」(外務省)が役に立つようです。

*1 通常の基線は、沿岸国が公認する大縮尺海図に記載されている海岸の低潮線され、その他一定の条件を満たす場合に直線基線、湾の閉鎖線および河口の直線などを用いることが認められている。
*2 領海、接続水域及びEEZの範囲は図中に示された幅を超えない範囲で沿岸国が決定する。
*3 国連海洋法条約7部(公海)の規定はすべて、実践部分に適用される。 また、航行自由をはじめとする一定の事項については、点線部分に適用される。
*4 大陸棚の範囲は基線から原則として200海里までであるが、大陸縁辺部の外縁が領海基線から200海里を超えて伸びている場合には、延長することができる。 ただし、基線から350海里あるいは2500メートル等深線から100海里を超えたはならない。 基線から200海里を超える大陸棚は、国連海洋法条約に基づき設置されている「大陸棚の限界に関する委員会」の行う勧告に基づき設定する。 深海底は、大陸棚の外の海底及びその下である。

(外務省・わかる!国際情勢「海の法秩序と国際海洋法裁判所」、参考)

[用語の解説]

内水

  • 領海の基線の陸地側の水域で、沿岸国の主権が及びます。 但し、直線基線が従来内水とは見なされていなかった水域を内水として取り囲むこととなる場合に、外国船舶は無害通航権を有します。

領海

  • 領海の基線からその外側12海里(約22km)の線までの海域です。 沿岸国の主権は、その領土及び内水に接続する水域で領海に及びます。また、領海の上空並びに領海の海底及びその下にも及びます。 但し、外国船舶は無害通航権を有します。

接続水域

  • 領海の基線からその外側24海里(約44km)の線までの海域(領海を除く)で、沿岸国が、領土・領海の通関上、財政上、出入国管理上(密輸入や密入国)、衛生上(伝染病等)の法令違反の防止及び違反処罰のために必要な規制をすることが認められた水域です。

排他的経済水域 (EEZ = Exclusive Economic Zone)

  • 領海の基線からその外側200海里(約370km)の線までの海域(領海を除く)並びにその海底及びその下です。 なお、排他的経済水域においては、以下の権利が認められています。 1.天然資源の開発等に係る主権的権利   2.人工島、設備、構築物の設置及び利用に係る管轄権  3.海洋の科学的調査に係る管轄権  4.海洋環境の保護及び保全に係る管轄権

公海

  • いずれの国の排他的経済水域、領海若しくは内水又はいずれの群島国の群島水域にも含まれない海洋のすべての部分です。

大陸棚

  • 領海の基線からその外側200海里(約370km)の線までの海域(領海を除く)の海底及びその下です。  なお、大陸棚において、以下の権利が認められています。 1.天然資源の開発等に係る主権的権利   2.人工島、設備、構築物の設置及び利用に係る管轄権     *大陸棚は原則として領海の基線から200海里ですが、地理的条件等によっては海洋法条約の規定に従い延長することが出来ます。

深海底

  •      人類共同の財産であり沿岸国の主権、主権的権利は及びません。

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[参考]
外務省・わかる!国際情勢「海の法秩序と国際海洋法裁判所」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol61/index.html#mm05

海上保安庁「領海に関する用語」
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/JODC/ryokai/zyoho/msk_idx.html
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[関連ニュース記事]

■ 海洋権益の確保へ前進 国連の大陸棚拡張認定で (日経 2012/4/28)

大陸棚の追加認定について、日本政府は「海洋権益の確保に向けた極めて大きく貴重な第一歩」(内閣官房の担当者)と歓迎している。レアメタルなどの海底資源は自動車や電子部品といった製造業にも不可欠。認定により日本独自の海洋開発に弾みがつきそうだ。

日本政府が大陸棚調査に乗り出したのは、約30年前の1983年10月。当時は海上保安庁による単独調査だった。関係者は「時代と政府の危機感が変わってきた。探査エリアは広ければ広い方がいい」と今回の認定の意義を強調している。

実際、追加で認められた大陸棚は「レアメタルが多量に存在する場所」(関係者)との指摘がある。南鳥島海域は新たな大陸棚としては認められなかったが「200カイリ内に十分な資源がある」(別の関係者)という。

課題は開発のスピードだ。次世代の天然ガス資源とされるメタンハイドレートの掘削試験が愛知県渥美半島沖でようやく始まったが、商用化は早くても2020年以降。採掘コストの高さもネックとされる。

中国、韓国との海洋権益争いは激しい。官民の知恵を集め、大陸棚の開拓を急ぐ必要がある。

http://www.nikkei.com/news/category/related-article/g=96958A9C889DE6E2EBE2E6E0E5E2E0EAE2E6E0E2E3E09C9CEAE2E2E2; at=DGXZZO0195570008122009000000

■ メタンハイドレートで資源国に? 近海に豊富、本格利用は遠く (日経 2012/3/4)

将来の天然ガス資源と期待される「メタンハイドレート」を海底から採掘するための予備試験が愛知県渥美半島沖で進んでいる。日本近海の埋蔵量は豊富で、国内の天然ガス需要の10年分以上を賄えるとの試算がある。なぜ近海に大量に眠っているのか。また、日本はこれを活用して資源国になれるのか。


メタンハイドレートは都市ガスの原料になるメタンがカゴ状の水分子に包まれてできている。見た目はシャーベットに似ているが、容易に火がつき、“燃える氷”とも呼ばれる。

独立行政法人・石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の推定では、和歌山―静岡県沖の海底にとりわけ濃度の高い場所があり、資源量は推定5700億立方メートル。ここだけで国内の天然ガス消費量の7年分を賄える計算だ。

なぜこの海域に豊富なのか。メタンハイドレートの基になるメタンがどのように生まれたかは実はよく分かっていない。(1)動植物の遺骸などの有機物をメタン生成菌と呼ばれる微生物が分解した(2)地中深くの熱で有機物が化学反応した――の2説があり、場所によっても違うとみられる。

四国―東海沖に眠る資源では、微生物説が有力になってきた。この海域は海底の巨大な岩板がぶつかって沈み込み、有機物がたまりやすい「貯蔵庫」ともいえる。そこで微生物が長年かけてメタンをつくり、水とくっついて安定的に蓄えられてきたらしい。

海底の微生物を生きたまま採るのは難しいが、同機構のチームはメタン生成菌に特有の有機物を見つけ、菌の痕跡を突き止めた。同機構の佐伯龍男メタンハイドレート開発課長は「海底の地下ににすむ微生物は謎に包まれており、科学の研究テーマとしても注目されている」と話す。

一方、メタンハイドレートの資源としての実力はどうか。経済産業省などは、輸入天然ガス価格の数倍以内で商業生産するのは可能とみている。それには海底まで多くの井戸を掘り、地下の圧力を下げてメタンだけ採る技術がカギを握るが、低コストで採掘できるかはまだ手探りだ。

同機構はエンジニアリング会社などの協力を得て、来年1月にも世界で初めてとなる海底からの産出実験に挑み、2018年度までに商業生産の可能性や経済性を探る。安全で環境への影響が少ない採掘法の開発といった課題もあり、本格利用は早くても10~20年先になりそうだ。