<南シナ海>比・座礁船vs中国巡視船、膨張する中国を止める力は南シナ海諸国にはない…さあー、どうする日本

南シナ海>に座礁船を置くフィリピン、それを取り巻く中国巡視船。南シナ海の領有権を巡る争いは確実に中国の思う壺になりつつある。南シナ海を取り囲む諸国の力は膨張する中国を前にしてひ弱すぎる。 アメリカと日本の関与がなければ、南シナ海は中国の海になるだろう。 その次は、東シナ海が中国の海になってしまうだろう。 さあ、どうする日本…

対中国 最前線は座礁船 (朝日8月18日一面記事)_南シナ海地図1995年、中国は「漁船の避難所」という名目でフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内にあるミスチーフ礁に建造物を構築した。 フィリピンはそれに対抗して1999年、米軍からの払い下げ船を意図的にアユギン礁に座礁させ実効支配の拠点とした。 フィリピン国軍が付けた名前は「シエラマドレ号」。 第2次世界大戦中に建造された米軍の戦車揚陸艦で、全長100メートル。南ベトナム政府に払い下げられたが、ベトナム戦争後、フィリピンに供与された。 フィリピン国軍は「シエラマドレ号」に兵員を配置して実効支配の事実をなんとか維持してきた。 しかし、「シエラマドレ号」は朽ち果てつつある。 中国はその船の周りを巡視船で取り巻き、朽ち果てのを虎視眈々と待っている。 座礁船「シエラマドレ号」の姿が消えた時、中国は一挙に実効支配を拡大する。

フィリピンの座礁船「シエラマドレ号」_南シナ海・スプラトリー(南沙)諸島アユギン礁以下は、今日の朝日の朝刊一面と2面に掲載されたフィリピン座礁船「シエラマドレ号」を巡る南シナ海のルポ記事のクリップ――

対中国 最前線は座礁船
フィリピン領有拠点 にらみ合い
(朝日新聞8月18日 一面記事)

対中国 最前線は座礁船 (朝日8月18日一面記事)周辺国の領有権争いが続く南シナ海スプラトリー(南沙)諸島。朝日新聞とテレビ朝日の取材班は今月、フィリピン政府が西フィリピン海と呼び、実効支配する海域を訪ねるため、漁船をチャーターした。

目的地は同諸島アユギン礁。そこに鎮座する「難破船」を私たちはめざした。

そこが、軍事力を背景に領域拡張路線を走る中国がいま最も締め付けを強め、争いの「火種」になりかねない比側の拠点であり、紛争の最前線であるからだ。

「難破船」はもともと、第2次世界大戦中に建造された米軍の戦車揚陸艦だった。全長100メートル。南ベトナム政府に払い下げられたが、ベトナム戦争後、フィリピンに供与された。

シエラマドレ号と名付けたフィリピン国軍が1999年、アユギン礁に座礁させ実効支配の拠点とした。

中国が95年、「漁船の避難所」として、フィリピンの排他的経済水域(EEZ)内にあるミスチーフ礁に建造物を構築した。対抗して、南東に33キロのアユギン礁に座礁させたのだ。以後、海兵隊員らを約10人ずつ交代で常駐させる。

シエラマドレ号の船内写真遠目には対空砲を備え、レーダー塔が周囲を見渡す立派な巨艦だが、乗船すると建造後70年の船体はさび、甲板のあちこちに穴。「梁(はり)を踏んで歩け。でないと踏み抜くぞ」と警告された。

砲台は朽ち、ドアはないか外れている。船倉は巨大なゴミ屋敷と化していた。蚊とゴキブリが大量に繁殖し、ネズミが走り回る。

フィリピンは、同諸島の九つの島や環礁を占有するが、中国船の監視に常にさらされ、近づく船が妨害されるのはここだけだ。中国にとっては、ミスチーフ礁に近く、周辺で最も脆弱(ぜいじゃく)な拠点とみているからだろう。比側の船の接近を阻んで「難破船」の大規模補修を許さず、崩れ落ちる時を虎視眈々(こしたんたん)と待つようだ。

3月末まで駐留したフィリピン海軍のマイク・ペロテラ中尉(31)は「手を入れなければ、あと5年で崩れて不思議はない」。マニラ駐在の外交官は「崩壊したとたんに中国が環礁を占拠するだろう」とみる。

南シナ海のパラセル(西沙)諸島で5月に始まった中国とベトナムの争いは、中国が7月に石油試掘作業を終え、小康を得た。その後、「中国艦船が多数スプラトリーに南下している」と比軍幹部は証言する。

南シナ海で中国と周辺国の摩擦は絶えない。米国は、アジア回帰の「リバランス」政策を打ち出し中国を牽制(けんせい)する。こうした構図は尖閣諸島をめぐり日中がせめぎあう東シナ海にも通じる。

実際に私たちの乗った漁船も、中国船による「接近拒否」の洗礼を受けた。

(機動特派員・柴田直治)

◆キーワード

<南シナ海問題> 海上交通の要衝で、好漁場でもある南シナ海は、天然ガスや石油の埋蔵が有望視され始めた1970年代から、領有権争いが激しくなった。パラセル(西沙)諸島は中国、台湾、ベトナムが、スプラトリー(南沙)諸島は、この3者に加え、フィリピン、マレーシア、ブルネイが領有権を主張する。中国は、94年の国際海洋法条約の発効より前の歴史的経緯から、海域の9割の権益を譲らず、他国の排他的経済水域(EEZ)を無視して艦船を派遣。埋め立てなどを強行して実効支配を強めている。

対中国 最前線は座礁船 (朝日8月18日二面記事)_迫る中国船、「沈められる」 南シナ海ルポ

迫る中国船、「沈められる」 南シナ海ルポ
(朝日新聞朝刊二面 8月18日)

8月1日午後6時半、私たちの乗った漁船は、南シナ海のスプラトリー諸島に浮かぶアユギン礁まで16キロの場所にいた。

目の良い乗組員が、はるか水平線の近くに停泊する中国船を見つけた。中国海警局(沿岸警備隊)の大型船3111。漁船と逆方向を向き、動く気配がなかったので、全員で夕食のカップ麺を食べ始めたときだ。

「向きを変えたぞ」。操舵(そうだ)士が叫んだ。中国船がUターンし、猛烈な勢いで突進してきた。日が沈みかけていた。船主のパシ・アブドゥルパタさん(40)は「礁に入るのを阻む気だ」と動揺を隠さない。

6ノット(時速約11キロ)の漁船に対し、中国船は37ノットという。10分ほどで漁船の目の前に割り込み、強力なサーチライトを当ててきた。「ブオー」と威嚇するように大きな警笛を鳴らす。

「ぶつけられるかも」

私たちはあわてて救命胴衣を身につけ、柱やへりにしがみついた。

漁船は面舵(おもかじ)をきり、北に進路を変えるが、中国船は執拗(しつよう)に追ってくる。船間が約50メートルに迫った時、中国船は突然止まった。

漁船は船長の機転で浅瀬を走り、引き潮も味方して、中国船はそれ以上進めなくなったようだ。何とか礁内に逃げ込めた。

フィリピン西部パラワン島の港を出て24時間。台風の影響による激しい向かい風と高い波で、到着は予定より10時間遅れた。

この海域を管轄する自治体カラヤン群島町のユーヘニオ・ビトオノン町長が漁船に同乗していた。「何度も中国船の嫌がらせを受けてきたが、今回は沈められるかと一番緊張した。荒波のなかで民間船をここまで追い詰めるとはひどい」

環礁の外側には、昨年4月から中国船が常駐。このころ、環礁に近づく船への妨害も始まった。通常は2隻が南北に停泊し、4隻の時もある。週2回は400メートル程度まで近づいてくる。

今年3月には中国船が比水産庁の船に無線を通じ、英語で「ここは中国の領海である。退出しなければ、何が起きても責任はそちらにある」と警告した。

8月4日午前9時、私たちを追いかけた海警3111が接近してきた。「訪問者があると、いつも偵察に来る」とロランド・ウォン伍長(29)。中国のものとみられる偵察機がその後、上空を旋回した。

サラコディン・マンギディア少尉(29)以下11人の海兵隊員は、6月中旬にシエラマドレ号に赴任した。船内に蚊帳やハンモックをつって暮らす。記者たちも甲板などで同宿した。

駐在することそのものが任務。現代の防人(さきもり)である。

任期は3~5カ月だが、生活環境は過酷だ。空調はもちろん、扇風機も冷蔵庫もない。電気は発電機で夜の数時間供給されるだけ。炊事、洗濯、体を洗う水は雨水が頼りだ。

コメと缶詰類、飲料水は運搬船、時に軍用機から配給されるが、おかずの魚や貝類は海で取って自活する。娯楽はDVD鑑賞やチェスやトランプなど。廃材を使ったダンベルなどで手作りしたジムで汗を流す。

海兵隊は、同国軍約12万5千人のうち約8千人の精鋭部隊だ。反政府ゲリラとの戦闘の前線に立つ。

軍歴20年のエンリケ・エラシオン軍曹(43)は前線勤務よりきついとこぼす。「家族と離れ、時間をもてあます。忍耐が必要だ」。家族との連絡は、1本だけの衛星電話に向こうからかけてもらうしかない。

「最後の血の一滴が尽きるまで降参しない」。船内のタンクにはこんな書き込みがあった。だが、中国軍との装備の差は歴然だ。

ゲリラとの実戦経験の豊富なラジク・サヌシ軍曹(39)は言う。「中国船が本当に攻めてきたらどうする? 正直言って分からない。神のみぞ知る、だ」

人口130人、移民募り実効支配

対中国 最前線は座礁船 (朝日8月18日二面記事)_人口130人、移民募り実効支配台風の影響が収まった6日朝、2隻の中国船の手前をすり抜けてアユギン礁を出た。北西へ約220キロ、22時間かけてパガサ島に着いた。広さ37ヘクタール。フィリピンが実効支配する最大の島で唯一、民間人が住む。

人口約130人。約30人の駐留軍人をのぞけば町役場職員や教師、看護師、建設作業員とその家族だ。

約450キロ離れたパラワン島(本島)との交通手段は不定期な船便と、ごくまれに来る軍用機だけ。これといった産業もない。

人々はなぜ住むのか。ビセンシオ・ミラン町長顧問(44)は「経済的な事情を抱える人が多い」と打ち明ける。1300ペソ(約3千円)相当のコメや塩、食用油などを町が毎月配給する。町営住宅、電気、水道はタダ。実効支配の実績づくりのための移民政策だ。

政府は74年に島の実効支配を宣言。92年から民間人向け住宅や診療所の建設を始めた。いまは携帯電話やインターネットも通じる。

教師として昨年赴任したジャキリン・モラレスさん(38)は、本島の山間部で家族と離れて補助教員をしていた時、募集を知った。給料は上がり、家族一緒の生活に不満はないが、本島に教職があれば戻りたい。

チャイナリンちゃん(3)は島で生まれた唯一の子どもだ。父親が中国とスプラトリーをかけて名づけた。母親のアイザ・ベリダンさん(28)は助産師の力も借りずに産んだ。夫婦とも町職員。4年間、給料はほとんど貯金し、本島にココナツ農場を買った。

「あとは中国との間で平和が続いて欲しい」

同諸島で領有権を主張する中国、台湾、ベトナム、マレーシアは、島や環礁に滑走路や港、リゾート施設をつくり、政策的に人々を居住させる。

経済力の劣るフィリピンの支配地が最も貧相な状況にあることは間違いない。

6カ国・地域争う海域

対中国 最前線は座礁船 (朝日8月18日二面記事)_6カ国・地域争う海域南シナ海は海上交通路の要で資源も豊かなため、周辺国が領有権を主張する。近年、実効支配の範囲を広げようとする中国の動きが激しさを増す。他国のEEZ内にも艦船を送り環礁を埋め立て建造物をつくる。

フィリピンとの間では12年4月、スカボロー礁で艦船がにらみ合った。艦船数が不足してフィリピンが撤退すると、中国は艦船を常駐させて占拠を続ける。フィリピンは昨年、仲裁を国際海洋法裁判所に求めた。

東南アジア諸国連合(ASEAN)は、中国と南シナ海での「行動規範」づくりをめざす。ASEANと中国は02年、「領有権問題は平和的に解決する」とする「行動宣言」に署名。「規範」は、これに法的拘束力を持たせる狙いだ。

フィリピンはさらに今年4月、米国との間で、米軍の比国内での活動を拡大する新軍事協定に署名した。冷戦終結や反米機運の高まりで、米軍基地群は92年にフィリピンから撤退。中国がミスチーフ礁を占拠したのは3年後だ。米軍の新拠点はパラワン島にも計画中とされ、その目と鼻の先でも中国が領域拡張の動きを繰り返すかが焦点になる。

アジアを重視する「リバランス」政策を掲げる米国。その出方を、他のアジア諸国は対中関係との間合いのなかで注視する。

(機動特派員・柴田直治)

南シナ海・スプラトリー諸島_地図

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<ベトナムで反中国デモが暴徒化>漢字の看板を掲げた工場などが無差別に狙われた、日系企業もトバッチリ。中国企業でないことを示すために日の丸を掲げる…南シナ海、波高し

南シナ海|中国vsベトナム】反中国デモ>  南シナ海で中国とベトナムの当局の船が衝突するなど緊張が高まるなか、ベトナム南部で中国に抗議するデモに参加した市民の一部が暴徒化し、工業団地内の台湾企業100社余りと日系企業数社が、窓ガラスを割られるなどの被害を受けた。 ベトナム東南部ビンズオン省にあるベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)で12日夜から13日にかけて、中国による南シナ海での石油掘削を巡り、数千人規模の反中デモが発生。 デモの規模が拡大する中、一部のデモ参加者が暴徒化。 AFPによると、10か所を超える中国系工場が放火され、デモの参加者約500人が警察に拘束された。また、AFPは「専門家のよると、中国への強い不満を示す手段として、ベトナム政府が抗議デモを許可したという」と報道しているが…..。 以下、三つの記事をクリップ――

ベトナムで反中国デモが暴徒化
5月14日 21時01分

ベトナムで反中国デモが暴徒化_NHKニュース5月14日21時01分_1南シナ海で中国とベトナムの当局の船が衝突するなど緊張が高まるなか、ベトナム南部で中国に抗議するデモに参加した市民の一部が暴徒化し、工業団地内の台湾企業100社余りと日系企業数社が、窓ガラスを割られるなどの被害を受けました。

ベトナムで反中国デモが暴徒化_NHKニュース5月14日21時01分ベトナム南部、ホーチミン近郊のビンズオン省にある工業団地で、13日から14日にかけて、南シナ海の領有権問題で対立する中国に抗議する、1万人余りの市民が参加した大規模なデモがありました。

ベトナムで反中国デモが暴徒化_NHKニュース5月14日21時01分_2ホーチミンにある日本総領事館などによりますと、このデモの参加者の一部が暴徒化して台湾企業100社余りと韓国や日系企業数社の工場の門を壊したり、窓ガラスを割ったりしたということです。 漢字の看板を掲げた工場などが無差別に狙われたとみられていますが、中国企業への被害については分かっていません。 これまでのところ日本人がけがをしたという情報はありませんが、台湾当局によりますと台湾企業の従業員1人が頭を棒で殴られ、けがをしたということです。

ホーチミンにあるJETRO=日本貿易振興機構によりますと、ビンズオン省の隣のドンナイ省の工業団地でも、反中国のデモが行われているということです。

地元のメディアによりますと、ベトナムの警察当局はデモの参加者およそ400人余りを一時的に拘束したということです。 一連のデモを受けて現地の日本人学校は、14日午後の授業を早く切り上げ、15日も一日、休校とする措置を取りました。 また、地元の日系企業は中国企業でないことを示すために日の丸を掲げるなどの対策を取っているということです。

南シナ海で中国とベトナムの当局が衝突して以降、ベトナムでは中国に対する反発が強まっています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140514/t10014449141000.html

南部の工業団地で反中デモが多発、日系企業も巻き添えに
(日刊ベトナムニュース 2014/05/14 11:07)

ベトナム南部の工業団地で反中デモが多発(日刊ベトナムニュース2014-05-14)1東南部ビンズオン省にあるベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)で12日夜から13日にかけて、中国による南シナ海での石油掘削を巡り、数千人規模の反中デモが発生した。デモには工業団地の労働者らが参加し、中国系企業の前で抗議デモを行った。

12日夜、同工業団地内にあるGiay Thong ベトナム南部の工業団地で反中デモが多発(日刊ベトナムニュース2014-05-14)2Dung有限会社(100%台湾出資会社)の労働者約100人が、「ベトナム民族団結せよ!自国の主権を守れ!」などと書かれた横断幕を掲げてデモ行進を行った。13日には、同社の労働者約8000人がストライキを開始。同工業団地に入居する他の会社の労働者らもこれに加わった。

デモの規模が拡大する中、一部のデモ参ベトナム南部の工業団地で反中デモが多発(日刊ベトナムニュース2014-05-14)3加者が暴徒化。工場の門を破壊したり、投石して窓ガラスを割るなどの暴力行為に及んだ。被害は、中国系企業と間違われた日系企業や韓国企業にも及んでいるという。デモはVSIPのみに留まらず、同省ソンタン工業団地やミーフオック工業団地、東南部ビンフオック省のミンフン工業団地、ホーチミン市のリンチュン工業団地とタンタオ工業団地でも発生している。日系企業や韓国企業は、巻き添えを恐れ、会社の前に国旗を掲げるなどして、中国系企業ではないことをアピールしているという。

ベトナムでは、中国が一方的に石油掘削を始めた南シナ海のホアンサ諸島(英名:パラセル諸島、中国名:西沙諸島)近くの海域で、両国の艦船が衝突を繰り返していることなどを受け、全国で大規模なデモが発生しており、反中感情が高まっている。

http://www.viet-jo.com/news/politics/140514082751.html

ベトナムの反中デモで500人拘束、工場に放火など暴徒化
(AFP BBニュース 2014年05月14日19:49)

ベトナムの反中デモで500人拘束、工場に放火など暴徒化(AFP2014年05月14日 )画像1ベトナム南部ビンズオン(Binh Duong)省の工業団地で13日に発生した反中国デモは、14日までに暴徒化し、10か所を超える中国系工場が放火され、デモの参加者約500人が警察に拘束された。

ベトナムと中国は、南シナ海(South China Sea)の西沙諸島(英語名:パラセル諸島、Paracel Islands)と南沙諸島(英ベトナムの反中デモで500人拘束、工場に放火など暴徒化(AFP2014年05月14日 )画像2語名:スプラトリー諸島、Spratly Islands)の領有権をめぐって長年争っているが、中国が同海域に石油掘削設備を設置したことを受けて13日、数千人の工場労働者が抗議のストライキを始めた。一党独裁のベトナムで暴動が起きるのは極めてまれだ。

ベトナム・シンガポール工業団地(Vietnam Singapore Industrial Park)のベトナムの反中デモで500人拘束、工場に放火など暴徒化(AFP2014年05月14日 )画像3声明によると、所有や運営が中国政府や中国人幹部による製造メーカーをデモ隊は標的にしており、14日までに3か所の工場が放火されたという。

ベトナム人労働者たちは工場の事務所を襲撃し、強奪なども行っており、中国側は13日「深刻な懸念」を表明した。

ベトナムの反中デモで500人拘束、工場に放火など暴徒化(AFP2014年05月14日 )画像4また、ベトナムの交流サイト(SNS)や反体制派のブログ上の報告によると暴動は拡大し、10か所以上の工場が放火されたとの報告もある。警察当局や政府高官はAFPの取材を繰り返し拒否している。

これまでのところ死者は報告されていないが、数か所の工場はやむなく一時的に操業停止している。台湾や韓国系の工場の多くにも、おそらく中国系工場と間違われて被害が出ている。

警察によると、強奪、窃盗、工場への放火の現行犯で500人を拘束した。

■ ベトナム政府が反中デモを許可か

南シナ海における中国の石油掘削施設付近ではこのところ、ベトナムと中国の船舶の衝突や放水砲の使用などが相次いでおり、11日には首都ハノイ(Hanoi)で1000人以上が参加する反中デモが行われた他、最大都市のホーチミン(Ho Chi Minh)でも同規模の抗議デモが行われた。

専門家によると、中国への強い不満を示す手段として、ベトナム政府が抗議デモを許可したという。

http://www.afpbb.com/articles/-/3014891?pid=13686893

中国防空圏(中国軍10年越しの宿願)は原案を覆し膨張して設定された。軍総参謀部、習近平総書記と中国共産党最高指導部の対日強硬論がその背景にある…

中国防空圏、原案覆し膨張|強硬論受け、九州沖基点> 中国が昨年11月、東シナ海に突如設定した防空識別圏、実は10年越しの構想のものだった。その原案はもっと控えめで、領海基線から200カイリの排他的経済水域(EEZ)を目安としていており、200カイリ線より中国側にあり、日本が主張する日中中間線付近まで縮小すること提案されていた。 防空識別圏設定は中国軍の長年の宿願であり、それは2001年4月、南シナ海の公海上空で中国軍のF8戦闘機と米軍の電子偵察機EP3が空中接触し、中国機のパイロットが死亡した事件に端を発する。 原案を覆し、九州から約130キロの地点まで突き出した中国の防空識別圏は、軍総参謀部や習近平(シーチンピン)総書記を含む中国共産党最高指導部の裁可を経る中で強まった対日強硬論の結果のようだ――今日(1月12日)の朝日新聞朝刊は1面と2面でこの背景をスクープしている。

以下に、朝刊1、2面のスクープ記事をクリップして掲載。 その後に日経記事「中国防空圏、対応揺れる米国の事情(真相深層)」をクリップして掲載――

中國防空圏、原案覆し膨張(朝日新聞2014年1月12日)朝刊1面記事

中国防空圏、原案覆し膨張
強硬論受け、九州沖基点
(朝日新聞朝刊2014年1月12日1面記事)

中国が設定した防空識別圏(図解)昨年11月に中国が東シナ海に設定した防空識別圏=キーワード=は、中国の領海基線から200カイリ(約370キロ)を範囲設定の目安とした軍研究機関の原案を採用せず、日本の九州沖合に寄せる形で範囲を拡大していたことが分かった。日本に対する習近平(シーチンピン)政権内の強硬論が反映されたものとみられ、防衛上の実務的な要請よりも政治的な意図が強くにじむ内容となっていた。▼2面=構想10年越し

複数の中国軍関係者や軍事研究者が朝日新聞の取材に対して明らかにした。

原案は昨年5月、空軍の幹部養成機関であり重要な研究機関を兼ねる空軍指揮学院(北京市)が軍上層部に提出。具体的な地図を盛り込んでおらず、範囲については領海基線から200カイリの排他的経済水域(EEZ)を目安としていた。さらに、実現が難しければ200カイリ線より中国側にあり、日本が主張する日中中間線付近まで縮小することも提案していた。

範囲策定の背景について、軍総参謀部の元幹部は「敵機を察知し、中国の領空に到達するまでに緊急発進で対応するには、少なくとも20分前後の時間を確保する必要がある。戦闘機の時速から計算して、約330キロの距離を確保するというのが防衛上の合理的なニーズだ」と話す。

だが、半年後の昨年11月23日に中国国防省が公表した防空識別圏は、東端が中国の200カイリ線を大きく越えて九州西岸側へ張り出していた。この点について、同省は朝日新聞に「東端は日本の九州から約130キロの地点にある。日本の防空識別圏が中国大陸に最も接近している地点も約130キロだ」と回答した。

中国側は防空識別圏の設定について「いかなる特定の国も対象にしていない」(外務省報道官)と繰り返してきた。だが、日本の防空識別圏が中国から最も近い地点で浙江省の沿岸から約130キロにあることから、日本への対抗措置として原案を修正したとみられる。

さらに、原案には航空機に対する飛行計画(フライトプラン)の事前提出要求は盛り込まれていなかった。だが、公表された際は領空に向かってくる航空機だけでなく、防空識別圏を横切るだけの航空機もフライトプラン提出の対象としていた。

今回、原案が修正された詳細な経緯は明らかになっていない。ただ、軍総参謀部だけでなく、習総書記を含む中国共産党最高指導部の裁可を経る中で、対日強硬論が強まったことがうかがえる。 (北京=林望、倉重奈苗)

◆キーワード <防空識別圏> 海洋に接する国・地域が防空のため独自に設定できる空域。領空(沿岸から約22キロの領海上空)よりも外側に張り出して設定されることが多い。領空に向かって空域内を飛ぶ航空機には飛行計画の事前提出が求められる。事前通告なしに空域内に侵入した航空機は、戦闘機による緊急発進(スクランブル)の対象となる。

中國防空圏、構想10年越し(朝日新聞2014年1月12日)朝刊2面記事中国、構想10年越し 
防空圏、米軍機との事故契機 
(朝日新聞朝刊2014年1月12日2面記事)

■ 日本の尖閣国有化影響

中国防空識別圏をめぐる経緯(年表)中国が昨年11月に東シナ海に設定した防空識別圏は軍の長年の宿願だった。習近平(シーチンピン)体制の下で一気に実現に至った背景には、日本の尖閣国有化で国内の強硬論が勢いづいた事情がある。中国側の運用能力は評価が割れるが、着実に経験を積んでいる様子がうかがえる。▼1面参照

複数の政府系研究機関の幹部によると、中国による防空識別圏設定の発端は10年以上前にさかのぼる。2001年4月、南シナ海の公海上空で中国軍のF8戦闘機と米軍の電子偵察機EP3が空中接触し、中国機のパイロットが死亡した事件だ。

当時、中国側の抗議に対して米軍は「国際空域での飛行の自由」を正当性の根拠にした。中国軍の内部では「『飛行の自由』を口実に偵察に来る米軍機に対抗できる法的根拠を作るべきだ」との声が強まった。

02年の国防白書で、初めて「防空体制の建設」を盛り込んだ。この年、中国側が主催した国際学会に現役の中国軍幹部が出席。出席者によると、前年の接触事件に触れて、この幹部は「防空識別圏をいま検討している。設定はこれからだ」と語ったという。

その後、上海交通大の薛桂芳教授が07年に発表した論文で「日本の防空識別圏の最西端は、中国の浙江海岸からわずか130キロしかない」と指摘。この頃から日本の防空識別圏に対する不満が芽生えていたことがうかがえる。

09年11月にあった軍創設60周年の記念大会。当時、空軍司令官だった許其亮・党中央軍事委員会副主席は演説で、空軍の近代化とともに「防空識別圏の共通認識を作っていく」と強調した。

ただ、当時の胡錦濤(フーチンタオ)指導部は、軍の要請に慎重な姿勢を崩さなかった。防空識別圏の運用に必要な態勢が十分に整っていなかったという事情に加え、周辺諸国の強い反発を招くリスクを考慮したとみられる。

中国指導部の姿勢を大きく変えたのは、12年9月、民主党の野田佳彦前政権による尖閣諸島の国有化だ。領有権争いの「棚上げ」を建前とする中国政府は、日本による尖閣国有化を「現状の一方的な変更」(国防省報道官)と批判。「棚上げ」は崩れたとの立場から、尖閣諸島の上空を含む空域に防空識別圏を設定することを求める党や軍内の声が高まった。

外務省系シンクタンク、中国国際問題研究所の曲星所長は今月10日の会見で「自分がこうしたいから、こうする。これが日本の論理だ。中国も今は同じ理屈で動いている。防空識別圏に釣魚島(尖閣諸島の中国名)周辺を含めないことはあり得ない」と述べた。

尖閣国有化の直後に発足した習近平政権は、こうした国内世論にも押される形で領土や海洋権益の確保の必要性を強調。軍の体制強化にも乗り出した。

昨年5月に空軍指揮学院がまとめた原案は空軍司令部や軍総参謀部を経て、党中央軍事委員会や党中央国家安全指導小組などで協議され、党中央政治局常務委員らによる最高指導部にも上げられたとみられている。

この過程で強硬な意見が支持を得て、11月に開かれた党の重要会議、第18期中央委員会第3回全体会議(3中全会)までに防空識別圏の最終形が固まった。中国が防空識別圏の設定を発表したのは、3中全会閉幕から11日後。日本から約130キロの地点が基準になったことについて、ある研究者は「日本がやる以上のことはしないとの考慮もあった」と話す。

■ 運用能力、割れる評価

東シナ海・中国防空圏に配備されている空軍機「線を引くだけでは何の意味もない。航空機や各種のレーダー、衛星の能力が高まり、実効性を確保できる態勢が整ったから設定した」。軍総参謀部の元幹部はこう語る。

防空識別圏設定の公表から6日後の昨年11月末、国防省は主力戦闘機のスホイ30と殲(せん)11が、空域に入った自衛隊のE767早期警戒管制機やF15戦闘機、米軍のEP3偵察機などに緊急発進(スクランブル)をかけたと発表した。

共産党機関紙「人民日報」傘下の国際情報紙、環球時報は独自情報として、E767とF15が航空自衛隊南西航空混成団所属だったとし、F15は那覇基地から飛来したと報道。中国の識別圏を「張り子のトラ」(英通信社記者)と運用能力を疑う国内外の世論に対し懸命に「宣伝戦」を繰り広げた。

複数の軍関係者によると東シナ海は南京軍区が管轄。防空識別圏の運用を担う主力戦力は殲10、殲11Bなどの戦闘機と空警2000などの早期警戒管制機とされる。軍諮問委員会元メンバーの一人は「軍は南京軍区に新鋭機を集中的に投入してきた」と話す。

中国の軍事事情に詳しいカナダの評論家、平可夫氏によると、殲10の作戦行動半径(軍用機が発進してから任務を遂行して帰還できる距離)は推定850キロ、殲11Bは1500キロに及び、早期警戒機のレーダーは300キロ先の相手機を捕捉する能力を持つ。「中国空軍の能力拡張の速度は日本を超える。識別圏の運用能力は整っているとみるべきだ」と話す。

ただ、中国の運用能力に疑問を示す声は多い。日本の防衛省関係者は「戦闘機の数は十分に備わっており、能力が上がっているのは事実」としながらも、「地上レーダーの能力には限界があり、早期警戒管制機もイスラエル製の最新鋭機の購入が米国の反対で頓挫し、性能で劣るロシア機をベースにしたものに頼っている」と話す。

管制機などが捕捉した情報を指令部門が受け取り、適切な基地から的確な方角に戦闘機を発進させる一連の判断と動作には経験が必要とされる。こうした運用能力にも、「中国空軍が日米のような能力を備えているとは思えない」(北京の外交筋)との見方が強い。

それでも、防空識別圏の設定で中国が運用の実績を積む舞台を得たのは事実だ。国防省は昨年末、防空識別圏設定からの1カ月で圏内でのパトロールが計51回に及び、延べ87機の戦闘機や早期警戒機が出動したと発表した。

軍総参謀部の元幹部は語る。「中国はいずれ、南シナ海や黄海にも防空識別圏を置く。我々は東シナ海で経験を積んでいるのだ」 (北京=倉重奈苗、林望)

さて、日経の記事――

中国防空圏、対応揺れる米国の事情(真相深層)
(日経 2014/1/8 3:30)

東シナ海上空に中国が設定した防空識別圏(ADIZ)を巡って米国の対応が揺れている。戦略爆撃機を圏内で訓練飛行させて中国をけん制したかと思えば、米民間航空会社には中国側が要求する飛行計画の事前提出を認める。ちぐはぐに見える対応には領土・領空保全のルールづくりを主導してきた米国ならではの苦しい事情がある

■ 50年代引き継ぐ

中国防空圏、対応揺れる米国の事情(画像)防空識別圏は領空の外側に設定する空域を指す。領空に入った航空機がその国の領土上空に到達するまでの時間はわずか数分。外国の航空機の領空侵犯を確認してから対応していたのでは自国の領土が攻撃にさらされかねない。領空に入る前に航空機を識別して、あらかじめ防衛体制を取るのが防空識別圏の本来の目的だ。

もっとも防空識別圏は国際法上で明確に定義された概念ではない。そもそもは米国による「空の線引き」で、これを設定するのは世界でも米国の同盟国である日本や英国、韓国のほか、ノルウェーやインドなどの20カ国程度に限られる。

アジア太平洋では第2次世界大戦後の1950年、GHQ(連合国軍総司令部)が防空識別圏を設定した。東シナ海では日本や韓国、台湾、フィリピンにまたがる空域に線引きを設け、旧ソ連や中国の領空侵犯を監視するのに使っていた。

GHQの線引きは4カ国・地域にそのまま引き継がれる。日本では59年に航空総隊司令官と米軍第5空軍司令官との間で「松前・バーンズ協定」が交わされ、防空識別圏が日本側に移管された。協定は領空侵犯への対応を日米両国がどう分担するかを定めた内容といわれる。外国機を識別するには高性能レーダーや偵察機、緊急発進(スクランブル)できる戦闘機が必要であり、運用では米軍との緊密な連携が欠かせなかった。

専門家によると、防空識別圏は60年の日米安全保障条約改定までに完全に日本に引き継がれ、領空侵犯に対応する体制が整ったという。防衛庁(当時)が内部で防空識別圏を規定したのは69年。日本にとって東シナ海に設けた防空識別圏は日米安保協力を象徴する存在といえる。

昨年11月23日、中国が日本の防空識別圏に張り出す形で自前の防空圏を設定すると発表した。軍事力の誇示、沖縄県・尖閣諸島への領有権の主張が狙いだった。

日米同盟への挑戦とも映る中国の行動。日本政府は防空識別圏の撤回を中国に要求する。ところが米政府の反応は「東シナ海の現状を変えようとする一方的な行動だ」(ケリー国務長官)。撤回という表現はなく、微妙な曖昧さがあった。

■ 靖国参拝が影

米国からみれば、防空識別圏は各国の国内措置であり、他の国が撤回させるのは困難。そもそも中国や旧ソ連の領空侵犯を念頭に米国が設定した経緯があるだけに、撤回の要求は米国批判につながりかねないという計算があった。

その代わりに、米国が注目したのは中国が防空識別圏をいかに運用するか。中国は防空圏を飛行する航空機に対して事前通告を求め、これに従わなければ「武力で防御的な緊急措置を講じる」と宣言した。国際法の原則である「公海上空における飛行の自由」が脅かされかねない事態に米国は反応した。

事前通告なしに戦略爆撃機を訓練飛行させたのは、中国の一方的な指令は国際的に無効だと示すため。ただ防空圏の設定自体は「新しくも珍しくもない」(ヘーゲル国防長官)とし、撤回は求めなかった。安全への配慮から、米民間航空会社が中国に飛行計画を提出することも容認した。

防空識別圏の撤回を中国に要求する日本、曖昧な態度を崩そうとしない米国――。そんな日米関係にすきま風を呼び込んだのが昨年末の安倍晋三首相の靖国神社参拝だった。米政府は「失望している」という強い表現で日本に懸念を伝えた。東シナ海上空の防空識別圏問題の解決が遠のく恐れさえある。(ワシントン=中山真)

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDC2400K_X00C14A1EA1000/?dg=1

(多分、追記するでしょう….)

安倍首相 「中国の防空識別圏、一切の措置撤回を」⇒強く反発する中国

更新2013-12-15】 安倍総理は、14日、日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会議の全体会合のあと記者会見し、「自由な海や自由な空がなければ、活発な貿易を期待す ることはできない」と述べ、海洋進出を強める中国をけん制するとともに、防空識別圏の設定にともなう一切の措置の撤回を求めていく考えを強調した。 案の定、中国外務省は声明を出して強く反発している――

安倍首相「中国の防空識別圏、一切の措置撤回を」⇔ 中国、強く反発 1

中国の反発 ↓

安倍首相「中国の防空識別圏、一切の措置撤回を」⇔ 中国、強く反発 2安倍首相「中国の防空識別圏、一切の措置撤回を」⇔ 中国、強く反発 3 安倍首相「中国の防空識別圏、一切の措置撤回を」⇔ 中国、強く反発 4

安倍首相のけん制 中国「強い不満」
(NHK 12月15日13時12分)

中国外務省は、安倍総理大臣が日本とASEAN=東南アジア諸国連合の特別首脳会議などで、東シナ海や南シナ海の現状を一方的に変えようとする動きがあると、中国の海洋進出をけん制したことなどについて強い不満を表明するという声明を発表しました。

安倍総理大臣は14日まで東京で開かれた日本とASEAN=東南アジア諸国連合の特別首脳会議や記者会見の席で「一方的な行為により、現状を変えようとする動きがある」として、中国の海洋進出をけん制するとともに、防空識別圏の設定に伴う一切の措置の撤回を中国に求めていく考えを強調しました。

これに対して、中国外務省の洪磊報道官は「日本の指導者が国際会議の場を利用して中国を中傷したことに強い不満を表す」とする声明を発表しました。

また、声明では、沖縄県の尖閣諸島を巡って「島の問題で一方的に現状を変えているのはほかでもなく日本自身だ。中国が国家の領土主権を守るため、法に基づいて必要な措置を取ることは完全に正当であり、非難されるいわれはない」と反発しています。

さらに、中国による防空識別圏の設定は「各国の航空機の飛行の自由に影響しない」と強調したうえで、「日本はこの問題で中国に嫌がらせをして国際世論を誤った方向に誘導しようとしているが、日本の企みは必ず失敗する」と非難しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131215/t10013842941000.html

「首相 中国の防空識別圏 一切の措置撤回を」
(NHK 12月14日19時24分)

安倍総理大臣は、日本とASEAN=東南アジア諸国連合の特別首脳会議の全体会合のあと記者会見し、「自由な海や自由な空がなければ、活発な貿易を期待することはできない」と述べ、海洋進出を強める中国をけん制するとともに、防空識別圏の設定にともなう一切の措置の撤回を求めていく考えを強調しました。

安倍首相 「中国の防空識別圏、一切の措置撤回を」1この中で、安倍総理大臣は「日本とASEANは対話を重ねながら共に進歩し、共に繁栄し、40年間にわたり友好を深めてきた。今回の特別首脳会議はそのパートナーシップをさらに深化させる、次の40年間へのすばらしいスタートとなった」と述べ、会議の成果を強調しました。

安倍首相 「中国の防空識別圏、一切の措置撤回を」2 安倍首相 「中国の防空識別圏、一切の措置撤回を」3 安倍首相 「中国の防空識別圏、一切の措置撤回を」4

そして、安倍総理大臣は「自由な海や自由な空がなければ、互いに人々が行き交い、活発な貿易を期待することはできない。国際法に基づいた紛争の解決、法の支配といった原則は、進歩や繁栄の基礎となるものだ」と述べたうえで、中国が東シナ海の広い範囲に防空識別圏を設定したことに関連し、「一方的な行為により、東シナや南シナ海の現状を変えようとする動きや自由な飛行を基礎とする国際航空秩序に制限を加えようとする動きがみられる。この地域の緊張が高まることは誰の利益にもならず、強く懸念をしている」と述べ、中国をけん制しました。

また、安倍総理大臣は、中国が防空識別圏を飛行する航空機のフライトプラン=飛行計画書の提出などを求めていることについて、「これまでのルールどおりの運用を行っていく政府の方針を変更する考えはない。アメリカは防空識別圏の設定を深く懸念し、中国の要求を受け入れない立場を明確にしており、韓国も強い遺憾の意を表明している。今後も関係国とよく連携しながら、中国側に対し公海上空の飛行の自由を妨げるような一切の措置の撤回を求めていく」と述べました。

そして、安倍総理大臣は日中関係について、「私の対話のドアは常にオープンだ。問題があっても関係全体に影響を及ぼさないようにコントロールしていくという戦略的互恵関係の原点に戻るべきだ。課題があるからこそ、首脳どうしが胸襟を開いて話し合うべきではないか。ぜひ、中国側にも同じ姿勢を取っていただきたい」と述べました。

一方、安倍総理大臣は日本とASEANのEPA=経済連携協定の交渉で、新たに「投資」と「サービス」の2つの分野で実質的に合意したことを踏まえ、「日本とASEANの間で、貿易だけでなく、サービスの取引や投資が自由に行き交うような経済圏を作る」と述べ、日本とASEANの経済分野での関係強化に意欲を示しました。

さらに安倍総理大臣は、みずからが掲げる「積極的平和主義」について、「ASEAN各国の首脳から多くの歓迎と期待の声が寄せられた。来週、『積極的平和主義』の内容を具体的に示す『国家安全保障戦略』を発表する予定で、各国によく説明し、さらに理解を深めていきたい」と述べました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131214/k10013835781000.html)

南シナ海、中国海軍艦船急接近で米巡洋艦が緊急回避⇒衝突寸前のニアミス、米国務省は中国に抗議;【更新2013-12-22、記事追加】

更新2013-12-22、記事後段に追加―「中国空母が南シナ海で発する「表と裏」のメッセージ」(ロイター12/20)】 南シナ海公海上で作戦行動中の米海軍のイージス巡洋艦「カウペンス」に中国海軍艦船が急接近し進路を妨げた。 衝突を避けるため米イージス艦「カウペンス」が緊急回避行動を取るという事態が12月5日に起きていた。 接近距離は460mを切っており、中国による極めて危険なニアミス状況だったといえる。 米海軍太平洋艦隊が13日にこの事態を明らかにした。

中国が先ず制覇を目指す東シナ海から南シナ海に至る第1列島ラインでの攻防は、これから更に緊張度が高まって行くだろう。 後に引かぬ中国…偶発的衝突が起きうる可能性は高まっている。 日本国民は分かっているのだろうか。 南シナ海、波高し――

南シナ海を公開中の米海軍イージス巡洋艦「カウペンス」(2013-12-24)

南シナ海を公開中の米海軍イージス巡洋艦「カウペンス」(2013-12-24)

南シナ海で米巡洋艦に中国艦船が急接近
(NHK 12月14日12時0分)

南シナ海で米巡洋艦に中国艦船が急接近_01アメリカ海軍は、南シナ海の公海上を航行していたイージス巡洋艦が今月初め、中国海軍の艦船と急接近したことを明らかにし、中国側が国際的な基準に合わない行動で接近してきたとして批判しました。
南シナ海で米巡洋艦に中国艦船が急接近_01アメリカ海軍の太平洋艦隊は13日、声明を発表し、今月5日、イージス巡洋艦「カウペンス」が南シナ海の公海上で、中国海軍の艦船と急接近したことを明らかにしました。
南シナ海で米巡洋艦に中国艦船が急接近_03  南シナ海で米巡洋艦に中国艦船が急接近_04
太平洋艦隊は詳しい状況について明らかにしていませんが、声明の中で「最高レベルの航行の安全を確保するため、どの国の海軍も国際的な基準を守ることを最優先しなければならない」と述べ、中国側が国際的な基準に合わない行動で接近してきたとして批判しました。
南シナ海で米巡洋艦に中国艦船が急接近_05これについて、アメリカの一部のメディアは当局者の話として、巡洋艦は南シナ海で中国の空母が行った訓練の情報を収集していたと伝えています。
南シナ海で米巡洋艦に中国艦船が急接近_06 南シナ海で米巡洋艦に中国艦船が急接近_07 南シナ海で米巡洋艦に中国艦船が急接近_08

巡洋艦は中国側から停船を求められましたが、公海上だったため国際法に基づいて従わなかったところ、中国軍の艦船が進路をふさぎ、衝突を避けるため緊急回避行動を取らざるをえなかったということです。南シナ海で米巡洋艦に中国艦船が急接近_09今回の発表は、中国が先月東シナ海の広い範囲に防空識別圏を設定し、アメリカ政府が批判を強めるなか、南シナ海でも米中の緊張が高まっていた可能性を示唆しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131214/t10013831711000.html

この件に関し英文記事(Stars & Stripes, CNN, ABC, etc.)をあれこれ調べてみた。 英文記事の参照は後で列記する。 CNN日本語版が、経緯を書いた英語版を簡潔にまとめているので先ずそれを読んでみましょう――

米中軍艦が接近、衝突は回避 南シナ海
(CNN日本版 2013.12.14 10:23)

米海軍のミサイル巡洋艦「カウペンス」が今月5日、南シナ海の公海上で中国海軍の艦船との衝突を避けるための回避行動を取っていたことが明らかになった。情報筋は、中国による極めて異例かつ意図的な行動だとしている。

米軍関係者によると、カウペンスが公海上を航行中、中国の艦船が突然、空母「遼寧(りょうねい)」を含む中国海軍艦の編隊から離れ、カウペンスに近づいてきたという。カウペンスは接近しすぎだと無線で警告したが、中国の艦船は停止しなかった。

中国の艦船がカウペンスの船首から約450メートルの距離まで接近したため、カウペンスの艦長は「全面停止」の命令を出した。その後、中国の艦船はカウペンスの前を無事に通過した。同関係者は「海上で衝突を避けるための回避行動を取るのは異例」と付け加えた。

また別の軍関係者は、2隻の船が接近している間、両艦の艦長間で無線交信が続いていたとし、「中国艦船の接近は意図的だった」と指摘した。

今回の事件は平和的に解決されたが、中国は最近、公海を含む地域の領有権を主張したり、防空識別圏を設定するなど、強硬な姿勢を見せており、米国や周辺国との緊張が高まっている。

http://www.cnn.co.jp/world/35041412.html?tag=cbox;world

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中国軍艦、米軍艦阻む_南シナ海、米軍が衝突回避 (朝日2013-12-15)2013-12-15 記事追加

朝日新聞紙面版記事「中国軍艦、米軍艦阻む|南シナ海 米軍が衝突回避」(12月15日)をアーカイブして追加。 画像クリックで拡大。
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英文記事の参照

中国の反応】 中国政府はこの件に関し、今のところ公式に何も反応していいない。 来週にでも何らかの反応があるかもしれない。 その場合は後段に続報を追加するでしょう。 12月14日時点では、日経が環球時報の記事を引用して以下のような記事を配信している――

「米軍、航行の自由口実に監視」 中国メディアが批判
(日経 2013/12/14 20:16)

中国政府は米中艦船が異常接近したとの米国の報道に関して公式な反応を示していない。一方、中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)は14日、米報道を紹介する記事の中で「長年、米軍は公海の航行の自由を口実に中国の門前まで近付いて偵察し、中国軍の正常な軍事活動を監視してきた」と米国を批判した。中国国営の中央テレビも同日夜、米報道を引用する形で短く伝えるなど関心は高い。

中国初の空母「遼寧」は11月23日の東シナ海への防空識別圏設置後、母港の山東省青島を出航して南下。海南省の基地を経て12月3日ごろから南シナ海で初の演習に入っていた。

中国は南シナ海への防空識別圏の設置も視野に入れており、米中両軍のつばぜり合いが激しくなっている。米中間では2001年に海南島付近で米軍の早期警戒機と中国機が接触する事故が起きている。

(北京=中沢克二)

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM14022_U3A211C1FF8000/

さて、英文記事の参照をあれこれリストアップしたが、こういう事案の場合は直接英文記事を読んだ方がまともな情報を入手できる。 NHKはスタッフが揃っているし、海外にそれなりに特派員を置いているので海外の情報収集能力と質は高い。 しかし、それ以外の日本の民放メディアや大手各紙は外電に頼っているのでドングリの背比べで大したことがない。 特に記事を書く記者たちは、英語が堪能でないようで、英文記事を読んで記事を書いているとはとても思えない程度の日本語記事を書いている。 共同通信、時事通信、AP、とかの翻訳配信記事に頼っているのだろう。 さらに、ネットで収集した外電記事の要約転載も多いが、何せ英語能力に些か問題があるので誤訳して配信している場合も多々ある。

おっと、余計な話が長くなった。 さて、英文記事を読んで二、三書こうかと思います――

米海軍イージス艦「カウペンス」は排水量9600トン、全長173mのタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦 (USS Cowpens, CG-63)です。 米海軍太平洋艦隊の第7艦隊戦闘部隊(横須賀基地)の原子力空母・ジョージワシントン打撃群(George Washington Strike Group)に所属します。

GW打撃群は、11月に入り海上自衛隊との沖縄沖での合同演習の予定でしたがフィリピンの台風被害救援のため、11月14~22日の間フィリピンに急派されました。 その後、海上自衛隊と西太平洋で約2週間、共同演習を行っていました。 11月29日には中国が宣言した防空識別圏の近くの東シナ海で、7千人以上を動員して海上自衛隊と演習をしています。 同時期に、中国海軍の空母「遼寧」(りょうねい)が駆逐艦「瀋陽」「石家荘」とフリゲート艦「烟台」を引き連れて南シナ海に進出し、訓練を実施しています。

不思議なことは、GW打撃群は2013年の任務を終えて横須賀に12月5日に帰港しています。 カウペンスと中国海軍艦船のニアミスがあったのが12月5日ですから、カウペンスはGW打撃群から離れ南シナ海をパトロールして空母「遼寧」(りょうねい)艦隊の監視に赴いたと思われます。 カウペンスの監視に頭にきた中国海軍が、公海上だったにもかかわらず意図的に異常接近して、「南シナ海は中国の海だ」と示威行動に出たという構図ではないでしょうか。

英文記事によると、ニアミスを起こした中国海軍の艦船は「One of two small amphibious craft escorting the carrier approached the Cowpens」となっており、small amphibious craft(揚陸艦)が接近したものと思われる。 「遼寧」に随行している駆逐艦やフリゲート艦ではなく小型の揚陸艦。 Global Security Orgの中国海軍のリストを調べてみて、あたりを付けてみたが――

Global Security - Chinese Warships List - Amphibious Warfare CraftLSM (Landing Ship Medium) Type 074 Yuhai (排水量812トン、全長58.4m)、中国名玉海型揚陸艦 (ぎょくかいがたようりくかん)クラスの艦船ではないかと思う。

玉海型揚陸艦(ぎょくかいがたようりくかん)

排水量9600トンのミサイル巡洋艦「カウペンス」の進路に排水量812トンの揚陸艦が立ちはだかるのは無謀もいいところなのだが、そこに中国の意図をなおさら感じる。 「遼寧」に随行している駆逐艦やフリゲート艦がカウペンスの進路妨害をしようものなら、武力衝突になりかねない。 公海上でということで、その場合は中国が完全に国際的に避難されるだろう。 しかし、兵装が貧弱で排水量が比べ物にならないくらい小さい玉海型揚陸艦なら米海軍は攻撃をしないだろうと見越してこれを使った。 もし、衝突して揚陸艦が沈没でもしたら、中国はお得意のプロパガンダで米海軍「カウペンス」をあらゆる理屈を付けて非難するだろう。

このニアミスは12月5日に起きた。 バイデン副大統領が習近平と北京で会談したのが12月4日で、12月5日は韓国に行きオバサンと会談している。 だが、アメリカは発表していない。 中国はバイデン副大統領の当たり障りのない対中姿勢をみて、オバマ政権は弱腰とみたに違いない。 この米中艦船のニアミスで、事の深刻さを認識したかもしれない。 そこで、中国牽制のため、安倍首相が出席している東南アジア諸国連合の特別首脳会議にぶっつけて発表したのではないか?

中国の膨張する野望は止まらないだろう。 南シナ海にも時機を見て防空識別圏を設定するだろう。 第一列島ラインの確保は中国膨張の前哨戦でしかないのだ。

幸いなことに、今回の南シナ海でのニアミスを各国メディアは、東シナ海に中国が設定した防空識別圏の問題と合わせて報道し、中国の野望に対する懸念を書き始めている。 日本は、国際世論を味方にし、東南アジア諸国やオーストラリア、もちろんアメリカと共に中国に対処しなければならない。 中国を侮ってはならない。 どんなに時間をかけても目的を達成しようとするしたたかな国なのだ。 そして、中華による世界を信じて疑わない中国は常に自国中心的な価値観で行動する。

東シナ海上の防空識別圏図

東シナ海上の防空識別圏図

2013-12-22 記事追加】 12月5日に横須賀に帰港した米空母ジョージ・ワシントン打撃群から離れて、南シナ海をパトーロールしていた米海軍のイージス・ミサイル巡洋艦「カウペンス」の目的は、南シナ海で演習する中国海軍空母「遼寧」(りょうねい)とそれに随行するフリゲート艦らの監視が目的なのは見え見えだ。 中国艦船がカウペンスの進路妨害にでたのは、「遼寧」の演習行動をとにかく見られたくないからだろう。 なぜか? 中国海軍空母「遼寧」は殻を割って孵化したばかりのヒヨコに過ぎないからだ。 果たして成鳥になれるものか、中国自身がまだ分かっていない。 国内向けには大々的に宣伝しているが、対外的には張り子の虎「遼寧」の未熟な姿を何としても見られたくない。 そんなところだろう。 そうい言う意味で、以下のロイター記事はなかなかいい所を突いている――

焦点: 中国空母が南シナ海で発する「表と裏」のメッセージ
(ロイター 2013年12月21日 08:50)

中国人民解放軍海軍部_空母「遼寧」(りょうねい)写真[香港/北京 20日 ロイター]  中国初の空母「遼寧」に随行する戦艦が今月初めに米国のミサイル巡洋艦と異常接近し、米国側に衝突回避行動を取らせたのは、軍事的かつ政治的に重要な訓練を守る目的があったと言える。

アジア地域の軍当局者や専門家らによると、山東省青島市の基地から出港した遼寧の今回の訓練は、南シナ海で初めての実施というだけでなく、米空母と同様に駆逐艦などを初めて随行して行われた。

豪キャンベラ在住の軍事アナリストで元防衛当局高官、ロス・バベッジ氏は「中国は南シナ海に空母を送り込むことで大国としての地位を地域に誇示し、それに対し米国は『我々は最大の勢力として、まだここにいる』というシグナルを送り返している」と語った。

米太平洋艦隊によると、ミサイル巡洋艦「カウペンス」は今月5日、南シナ海の公海上で活動中に、中国海軍の艦船と異常接近した。これについて、ヘーゲル米国防長官は19日、中国側の行動は行動は「無責任」だと強く非難した。

一方、中国の新華社は、カウペンスは中国海軍の艦船から停船するよう「警告」を受けていたと報道。米国側は遼寧を「意図的に」に監視下に置いていたとしている。

中国海軍は今回の訓練を「科学研究・実験と軍事演習」と称しており、来年1月3日に終了する予定だが、それ以上の詳細はほとんど明らかにしていない。中国国防省には同訓練に関するコメントを求めたが、まだ回答は得られていない。

遼寧は1998年にウクライナから購入して改修した空母で、中国の海軍力増強を象徴する存在。過去20年にわたって国防予算を毎年ほぼ2桁増やしてきた中国は、領有権問題を抱える南シナ海や東シナ海での経済権益を守るべく、遠洋航行能力を完全に備えた海軍力の獲得を目指している。

空母打撃群はその中核となるもので、遼寧の訓練を成功させることは、2020年までに複数の国産空母を展開させるという目標に向けた第一歩となる。

米国防総省は今年発表した中国の軍事力に関する年次報告書で、中国で国産空母が就役するのは早くても2025年だと指摘している。

軍事専門家は、国産空母の予備的な建造は一部始まっているとみているが、中国の空母建造計画は国家機密であり、長興島にある江南造船所で建造が進んでいるという確固たる証拠はまだ報告されていない。

ゼロからの出発

国内外の関心は、遼寧乗組員らが空母航行の中核要素をどれだけ習得しているかに集まっている。空母の運用には、極めて難しい艦載機の離発着だけでなく、多岐にわたる高度な海軍戦略や理論も求められる。

南シナ海で先月訓練を実施した米空母ジョージ・ワシントンに乗船する匿名の米軍高官は、ロイターの取材に「空母は非常にタフで複雑、かつ費用がかかる仕事だ」と説明。「きちんと運用できるようになるまでには何年も何年も要するが、中国はそれをゼロから始めている」と語った。

中国メディアの報道などによると、青島市の基地から出港した遼寧の最初の訓練は、艦載戦闘機「J‐15」の離発着に集中しているもよう。遼寧には過去にも補給艦などが随行することはあったが、11月26日に出港した今回は初めて、駆逐艦2隻とフリゲート艦2隻などが随行している。

アジア各国の大使館付き武官らは、遼寧が海南島三亜の基地を母港にするとすれば、南シナ海を定期的に航行するようになると警戒している。

過度な反応は禁物

一方で、中国のアナリストと一部の国営メディアは、こうした警戒感を解こうと躍起になっているようにも見える。

遼寧が中国海軍の空母として昨年初めての海上試験を実施した際も、中国人民解放軍の当局者たちは、領有権問題の解決に向けて同空母がすぐにでも派遣されるとの一部国民の期待をいさめていた。

復旦大学国際問題研究院の沈丁立副院長は、遼寧は実戦用というよりは訓練目的の空母だとし、「米国は安心していい。向こう50年は寝ていて大丈夫だ。中国は米軍の能力には対抗できない」と語っている。

また共産党が発行する中国青年報は、遼寧が抱える一連の装備面の弱点を指摘。さらに、米海軍のような大規模な空母戦闘群を「有機的に運用する」ことが重要だが、「中国の空母はそのレベルには達していない」と論じた。

遼寧がいつ完全に機能するようになるかについても、多くの疑問が残されている。当初は3-4年で実運用可能になると推測されていたが、コンサルティンググループ「IHSエアロスペース・ディフェンス・アンド・マリタイム」の北京駐在シニアアナリスト、ゲリー・リー氏は、10年先に伸びる可能性も内部から漏れ伝わっていると指摘。こうしたうわさは「(空母に対する)期待をコントロールする側面もあるが、空母戦闘群のような複雑なものを準備が整う前に急いで使いたくないという思惑もあるのではないか」と語った。

http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE9BJ08O20131220?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0

<南シナ海、波高し>求む日本の巡視船、東南アジアで導入拡大⇒背景に中国の海洋進出

東南アジア各国で「日本の巡視船」を導入する動きが拡大している。 日本の新造巡視船(27メートル級)3隻を2007年にはインドネシアに引き渡した。 さらに、今年7月にはフィリピンに新造の40メートル級巡視船10隻の支援で合意した。 ここにきて、ベトナムが最近、日本の巡視船の導入を考え始めた。 海上保安分野で日本の支援を求める主な国は既に8カ国に上る。 背景には、中国の南シナ海への急速な進出がある ⇒ 昨年には、南シナ海・スカボロー礁(中国名・黄岩島)の領有権をめぐり、中国監視船とフィリピン巡視船がにらみ合う事件が起きた。 また、今年3月には南シナ海・パラセル(西沙)諸島周辺で中国船による発砲事件が起き、ベトナム漁船が被害を訴える事件が再三発生。5月には「中国船による体当たり」、7月には「武装した中国監視船係員による魚やレーダー機器の没収」事件も起きている。 日本海上保安庁の巡視船の導入を巡る朝日新聞8月19日朝刊の記事を以下にクリップ――

南シナ海波高し_求む日本の巡視船0求む日本の巡視船 東南アジア各国導入拡大
(朝日朝刊3面 2013-8-19)

ベトナムが最近、日本の巡視船の導入を考え始めた。東南アジアではインドネシア、フィリピンに次ぐ動き。海上保安分野で日本の支援を求める主な国は8カ国に上る。日本の優れた技術や装備への各国の評価と、中国を牽制(けんせい)したい日本政府、それに政府の途上国援助(ODA)予算に注目した造船業界の思惑が一致した。

● 中国の海洋進出、背景に

ベトナム政府関係者によると、日本の巡視船導入を考えているのは漁船の安全を管轄する農業農村開発省水産局。今年1月、南シナ海での漁船保護と領海保全を念頭に、海上での「取り締まり部隊」を新設。監視や追跡の装備を十分備えた船舶が足りないという。7月に調査団を日本に送り、ODAの利用などによる支援の要請を検討している。

一方、両政府関係者によると、ベトナムの海上警察への巡視船供与も模索している。7月末、海上保安大の練習船「こじま」がベトナム中部ダナン港に寄港。ベトナム海上警察のリー・ゴック・ミン大佐は歓迎式典で「海保には豊富な経験がある。協力を今後も進めたい」と日本の支援に期待を寄せる。

南シナ海波高し_求む日本の巡視船1日本には、ベトナム以外からも海上保安分野での協力の依頼が殺到している。

南シナ海波高し_求む日本の巡視船2主な地域は東南アジアだ。海上保安庁は元々、タンカーの通り道であるマラッカ海峡の海賊対策などに注目。2004年から続く東南アジアなどの海上保安機関長官会合の発足にも尽力した。フィリピン、マレーシア、インドネシアに、海上交通や救難のための設備や人材育成などを支援。2007年には27メートル級の新造巡視船3隻をインドネシアに引き渡した。

これを加速させたのが、中国の南シナ海への急速な進出だ。パラセル(西沙)諸島周辺では、3月に中国船による発砲事件が起きるなど、ベトナム漁船が被害を訴える事件が再三発生。5月には「中国船による体当たり」、7月には「武装した中国監視船係員による魚やレーダー機器の没収」事件も起きた。昨年は、スカボロー礁(中国名・黄岩島)の領有権をめぐり、中国監視船とフィリピン巡視船がにらみ合う事件もあった。

これに対し、安倍政権は対中国を念頭にした海上安全保障分野での関係国との連携に動く。ベトナムへの巡視船支援も「首相の強い関心事項」(政府関係者)という。7月にはフィリピンに新造の40メートル級巡視船10隻の支援で合意した。

今年3月、スリランカと海洋分野での協力推進で合意した背景にも中国があるという。中国は最近、インドを取り囲むように、バングラデシュやパキスタンでの港湾施設建設を支援しているからだ。

日本は5月、東アフリカのジブチでも、沿岸警備隊を育てる支援を始めた。日本がソマリア海賊対策で自衛隊をジブチに派遣する際、海賊への法執行手続きの必要性から、海上保安官を派遣したことが縁になった。別の政府関係者によれば、この問題で中国の艦艇派遣を知った麻生太郎首相(当時)が、派遣を渋る防衛省を説き伏せたという。

● 技術に評価 ■ 苦境の造船界歓迎

なぜ、各国は日本の支援を歓迎するのか。

国際協力機構(JICA)によれば、現代は戦争が相次いだ20世紀から様変わりし、テロや海賊対策が重要な課題に浮上。海上資源の開発に乗り出す発展途上国も相次ぎ、沿岸警備隊の需要が高まっている。

日本の装備や技術は優秀だ。インドネシアに引き渡された3隻は、日本と「限定して使う」と約束したマラッカ海峡での海賊やテロ対策のほか、密輸などの海上犯罪対策でも「活躍」。フィリピンとは100メートル級巡視船を支援する協議が水面下で進む。比海軍の主力艦は米国沿岸警備隊が使っていた110メートル級中古船。同海軍では、日本の支援を受ける沿岸警備隊への嫉妬の声が上がっている。

08年のリーマン・ショック後の需要急減や中国や韓国のメーカーとの競争、長引いた円高などに苦しめられた造船業界もこうした動きを歓迎。比政府と接触し、どうしたら日本の支援が受けやすくなるか、アドバイスを送るメーカーも出てきている。

沿岸警備隊の整備にかかる費用は海軍と比べて格安だ。日本の場合、海保の年間予算とイージス艦1隻の金額が同程度。予算規模が大きくない途上国が、沿岸警備隊への拡充に目を向ける原因にもなっている。

ただ、ラブコールを受ける海上保安庁には当惑もある。同庁政策評価広報室によれば、尖閣諸島を巡る問題や国際協力事業の拡大で予算や人員が不足気味。海保はジブチへの協力を引き受ける際、他のアフリカ諸国への協力はジブチを拠点とし、予算や人員の節約に協力を求めた。

アフリカでは、ケニアとタンザニアも日本に海上安保分野での協力を打診している。海保は9月、職員ら3人をジブチに派遣して逮捕術や法執行手続きなどを指導するが、そこにケニア海上警察関係者も招く。

同庁関係者の一人は「踊っているのは我々だが、踊らせているのは首相官邸と外務省。国際協力がどうなるか、よく見通せないのも事実だ」と語った。

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■ <南シナ海、波高し|中国vsフィリピン>日本は巡視船供与で中国を牽制するのか…  (投稿日:2012/05/19)

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