トランプ・習近平電話会談、なぜ安倍首相訪米に合わせたのか?(NW日本語版)⇐調査不足ですゾ、この記事!

Newsweek(ニューズニューズウィーク日本語版)HPの今日(2月13日)のトップは〝「「トランプ・習近平」電話会談は、なぜ安倍首相訪米に合わせたのか?」″という記事でした。 それを読んで物申したくなりました。 調査不足なのに思い込みで書いている記事と言われても仕方がないかと思いますネ。

2017-02-13-20-03-35-newsweek-top

記事はこう始まります―

「9日、トランプ大統領は習近平国家主席と電話会談し、「一つの中国」を尊重すると述べた。なぜ安倍首相訪米のこのタイミングなのか。水面下で動いていたトランプ政権を支える米財界人と中国とのつながりを考察する。」
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/02/post-6959_1.php

記事は進み3ページ目で「ティラーソン国務長官」の名前が出てきます。 そして中国台湾網の2月9日付けの記事を引用して、「米上院外交委員会」に対しティラーソン氏が提出した公聴会答弁書の話が出てきます。 http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/02/post-6959_3.php

4ページ目には―

「…そして安倍首相訪米の2月9日にようやく漕ぎ着けケリを付けた。だから親中派の台湾メディアに公開させ、書簡を送った。」 http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/02/post-6959_4.php

と、あたかも中国台湾網の2月9日付けの記事が大きな役割をなしたかのような書き方です。

ニューズウィークの記事を書いた「遠藤 誉」東京福祉大学国際交流センター長さん、残念ながら、ティラーソン氏が提出した公聴会答弁書の「一つの中国」を最初に報道したのは2月7日のJapan Times (ジャパン・タイムズ)のこの記事です――

“Behind the scenes, Tillerson tones down rhetoric on South China Sea”

http://www.japantimes.co.jp/news/2017/02/07/asia-pacific/behind-scenes-tillerson-tones-rhetoric-south-china-sea/#.WJya_hIrKu4

この記事の最後にはこう書かれてます――

Trump has also raised the prospect of using Taiwan as a bargaining chip in Sino-U.S. relations, saying “everything is under negotiation,” including the so-called “One China” policy.

Asked about potential shifts and possible negotiations on “One China,” Tillerson said he backed the policy, adding that he would “continue these policies and work to ensure that the cross-strait military balance remains favorable to peace and stability.”

“I intend to support the One China policy,” Tillerson wrote. “The people of Taiwan are friends of the United States and should not be treated as a bargaining chip. The U.S. commitment to Taiwan is both a legal commitment and a moral imperative.”

■ さて…..ティラーソン氏が提出した公聴会答弁書がキーなのですが、これは非公開の文書です。 ジャパンタイムズの記事は冒頭でその公聴会答弁書をこのように記述しています―

The document, a series of written responses to questions by Maryland Sen. Ben Cardin during Tillerson’s confirmation hearing last month before the Senate Foreign Relations Committee, was posted to the websites of environmental advocacy groups earlier this month.

“environmental advocacy groups”(環境擁護グループ)のウエブサイトに今月初め掲載されたとあります。 一体それはどこにあるのでしょうか?

カナダのバンクーバーを本拠地とする非営利環境保護団体で「デスモッグ・カナダ」(DeSmog Canada)という団体があります。 日本ではあまり知られていませんがかなり有名な環境保護団体です。 科学誌「ネイチャー」にも名前出てきたりしてます。 「デスモッグ・カナダ」(DeSmog Canada)は DeSmog.blog というサイトを運営してます(https://en.wikipedia.org/wiki/DeSmogBlog)。 その2月2日の記事―

“Rex Tillerson Backs Aggressive Policy in Disputed South China Sea as Exxon, Russia Eye Region’s Oil and Gas”

https://www.desmogblog.com/2017/02/02/rex-tillerson-south-china-sea-exxon-russia-offshore-oil-gas

この記事に掲載されている動画の下にこのよう書いてあります―

Tillerson, who came under fire during his hearing for maintaining close business ties with Russian President Vladimir Putin, was asked for further clarification on what he thinks the U.S. posture toward China should be in one of dozens of questions sent to him by Sen. Ben Cardin (D-MD). In responding, Tillerson spelled out the bellicose stance he believes the U.S. should take toward China, a country Trump has often said should be handled with a metaphorical iron fist.

そのリンクされている “dozens of questions” をクリックするとティラーソン氏が提出した公聴会答弁書のPDFファイルを閲覧することができます。 英語分かる方必読です。

■ この公聴会答弁書は、米上院外交委員会のカーディン上院議員(民主党)による111の質問に書面で回答している非公開の公聴会答弁書です。 DeSmogのHPに掲載されている答弁書が本物であることを、ジャパンタイムズは米上院外交委員会スポークスマンと確認済みです(記事に書いてあります)。 この公聴会答弁書を読むと、安倍首相訪米の飛行機が飛び立ってから「トランプ・習近平電話会談」ことや「一つの中国」を尊重するすると発表したこと、さらに安倍・トランプ会談で在日米軍費用負担の増額に触れなかったことは何ら不思議ではありません。 「ほんとかよ?」と思われる方も多いでしょう。 チョット説明します。

● 一つの中国に関してカーディン上院議員は「ニクソン、カーター、レーガン大統領らがそれぞれ1972年、1979年、1982年に出した共同コミュニケによる中国に対する米国の基本方針を維持するのか、変えようとするのか?」と質問しています(質問69番)。 ティラーソン氏は「(国務長官になった場合)それらの方針を維持するつもりである」と明言しています。

2017-02-13-22-34-00-q69-tillerson

● 質問77番でカーディン上院議員は東アジアの同盟に関しこう質問しています―「公平な費用負担の合意が日本や韓国となされなかった場合、貴方はそれらの国から米軍を撤収させるつもりなのか?」 それに対しティラーソン氏は「日本と韓国はすでに、米軍の支援に多額(large amounts)の寄与をしている。今後、関連対話が生産的に進められ、公平な負担金合意が行われると楽観している。」と回答している。 つまり、日本や韓国が十分な費用負担をしていることをアメリカは公的に認識しており、増額交渉をしたとしても微増の範囲であることを示唆している。

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このようなことが書かれている(内容が本物の)文書が2月2日に国際的に有名なサイトに掲載されてしまった。 さて、トランプ大統領は、安倍首相が訪米した時に今までと同じにように言えるだろうか? 米上院外交委員会に書面で回答し、その考慮の結果、委員会の採決によって国務長官就任が認められたのだ。 それを覆すような言いたい放題を言ってしまえば大統領として資質がない事を示すことになる。

中国に対しては即、手を打たなければならない。 なぜなら、安倍首相は対中国強硬派だから、彼がアメリカに来る前に「一つの中国」容認の布石を打っておかなければ、トランプ政権は身動きが取れなくなってしまう。 ということでトランプ政権は習近平に書簡を送り、バタバタと電話会談をしたのではないでしょうか。

在日米軍に関しては、「多額の経費負担をしている」と議会に書面回答しているのですから、安倍首相に「カネ払わねいと撤収するゾ!」などとは言えません。 ダンマリだったのは流出公開されたティラーソン公聴会答弁書が原因でしょう、と思います。

■ デスモッグ(DeSmog)はどうやってティラーソン公聴会答弁書を手に入れたのでしょう? おそらく、米上院外交委員会の民主党議員のだれかがトランプ大統領への歯止めためにながしたのではないでしょうか。 どちらにしてもティラーソン国務長官はデスモッグ(DeSmog)の最大のターゲットです。 なぜなら、エクソンだからです。 ロシア、中国との石油権益が絡んでいるのです。 デスモッグ(DeSmog)はCO2削減を世界に訴えている環境保護団体です。 トランプ政権とは相いれません。

カナダのトルドー首相が訪米し、米国時間の2月13日にトランプ大統領と会談するはずですが…. 安倍首相のようには行きませんね。 移民政策で大きく意見が違いますし、NAFTA再交渉もあるし。 なにより、デスモッグ(DeSmog)はカナダに本拠地を置くNPOです。 そして、デスモッグはトルドー首相と関係良好です。 さてどういう会談になるのでしょう。

おしまい

(追記投稿するかもしれません)

 

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<南シナ海>比・座礁船vs中国巡視船、膨張する中国を止める力は南シナ海諸国にはない…さあー、どうする日本

南シナ海>に座礁船を置くフィリピン、それを取り巻く中国巡視船。南シナ海の領有権を巡る争いは確実に中国の思う壺になりつつある。南シナ海を取り囲む諸国の力は膨張する中国を前にしてひ弱すぎる。 アメリカと日本の関与がなければ、南シナ海は中国の海になるだろう。 その次は、東シナ海が中国の海になってしまうだろう。 さあ、どうする日本…

対中国 最前線は座礁船 (朝日8月18日一面記事)_南シナ海地図1995年、中国は「漁船の避難所」という名目でフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内にあるミスチーフ礁に建造物を構築した。 フィリピンはそれに対抗して1999年、米軍からの払い下げ船を意図的にアユギン礁に座礁させ実効支配の拠点とした。 フィリピン国軍が付けた名前は「シエラマドレ号」。 第2次世界大戦中に建造された米軍の戦車揚陸艦で、全長100メートル。南ベトナム政府に払い下げられたが、ベトナム戦争後、フィリピンに供与された。 フィリピン国軍は「シエラマドレ号」に兵員を配置して実効支配の事実をなんとか維持してきた。 しかし、「シエラマドレ号」は朽ち果てつつある。 中国はその船の周りを巡視船で取り巻き、朽ち果てのを虎視眈々と待っている。 座礁船「シエラマドレ号」の姿が消えた時、中国は一挙に実効支配を拡大する。

フィリピンの座礁船「シエラマドレ号」_南シナ海・スプラトリー(南沙)諸島アユギン礁以下は、今日の朝日の朝刊一面と2面に掲載されたフィリピン座礁船「シエラマドレ号」を巡る南シナ海のルポ記事のクリップ――

対中国 最前線は座礁船
フィリピン領有拠点 にらみ合い
(朝日新聞8月18日 一面記事)

対中国 最前線は座礁船 (朝日8月18日一面記事)周辺国の領有権争いが続く南シナ海スプラトリー(南沙)諸島。朝日新聞とテレビ朝日の取材班は今月、フィリピン政府が西フィリピン海と呼び、実効支配する海域を訪ねるため、漁船をチャーターした。

目的地は同諸島アユギン礁。そこに鎮座する「難破船」を私たちはめざした。

そこが、軍事力を背景に領域拡張路線を走る中国がいま最も締め付けを強め、争いの「火種」になりかねない比側の拠点であり、紛争の最前線であるからだ。

「難破船」はもともと、第2次世界大戦中に建造された米軍の戦車揚陸艦だった。全長100メートル。南ベトナム政府に払い下げられたが、ベトナム戦争後、フィリピンに供与された。

シエラマドレ号と名付けたフィリピン国軍が1999年、アユギン礁に座礁させ実効支配の拠点とした。

中国が95年、「漁船の避難所」として、フィリピンの排他的経済水域(EEZ)内にあるミスチーフ礁に建造物を構築した。対抗して、南東に33キロのアユギン礁に座礁させたのだ。以後、海兵隊員らを約10人ずつ交代で常駐させる。

シエラマドレ号の船内写真遠目には対空砲を備え、レーダー塔が周囲を見渡す立派な巨艦だが、乗船すると建造後70年の船体はさび、甲板のあちこちに穴。「梁(はり)を踏んで歩け。でないと踏み抜くぞ」と警告された。

砲台は朽ち、ドアはないか外れている。船倉は巨大なゴミ屋敷と化していた。蚊とゴキブリが大量に繁殖し、ネズミが走り回る。

フィリピンは、同諸島の九つの島や環礁を占有するが、中国船の監視に常にさらされ、近づく船が妨害されるのはここだけだ。中国にとっては、ミスチーフ礁に近く、周辺で最も脆弱(ぜいじゃく)な拠点とみているからだろう。比側の船の接近を阻んで「難破船」の大規模補修を許さず、崩れ落ちる時を虎視眈々(こしたんたん)と待つようだ。

3月末まで駐留したフィリピン海軍のマイク・ペロテラ中尉(31)は「手を入れなければ、あと5年で崩れて不思議はない」。マニラ駐在の外交官は「崩壊したとたんに中国が環礁を占拠するだろう」とみる。

南シナ海のパラセル(西沙)諸島で5月に始まった中国とベトナムの争いは、中国が7月に石油試掘作業を終え、小康を得た。その後、「中国艦船が多数スプラトリーに南下している」と比軍幹部は証言する。

南シナ海で中国と周辺国の摩擦は絶えない。米国は、アジア回帰の「リバランス」政策を打ち出し中国を牽制(けんせい)する。こうした構図は尖閣諸島をめぐり日中がせめぎあう東シナ海にも通じる。

実際に私たちの乗った漁船も、中国船による「接近拒否」の洗礼を受けた。

(機動特派員・柴田直治)

◆キーワード

<南シナ海問題> 海上交通の要衝で、好漁場でもある南シナ海は、天然ガスや石油の埋蔵が有望視され始めた1970年代から、領有権争いが激しくなった。パラセル(西沙)諸島は中国、台湾、ベトナムが、スプラトリー(南沙)諸島は、この3者に加え、フィリピン、マレーシア、ブルネイが領有権を主張する。中国は、94年の国際海洋法条約の発効より前の歴史的経緯から、海域の9割の権益を譲らず、他国の排他的経済水域(EEZ)を無視して艦船を派遣。埋め立てなどを強行して実効支配を強めている。

対中国 最前線は座礁船 (朝日8月18日二面記事)_迫る中国船、「沈められる」 南シナ海ルポ

迫る中国船、「沈められる」 南シナ海ルポ
(朝日新聞朝刊二面 8月18日)

8月1日午後6時半、私たちの乗った漁船は、南シナ海のスプラトリー諸島に浮かぶアユギン礁まで16キロの場所にいた。

目の良い乗組員が、はるか水平線の近くに停泊する中国船を見つけた。中国海警局(沿岸警備隊)の大型船3111。漁船と逆方向を向き、動く気配がなかったので、全員で夕食のカップ麺を食べ始めたときだ。

「向きを変えたぞ」。操舵(そうだ)士が叫んだ。中国船がUターンし、猛烈な勢いで突進してきた。日が沈みかけていた。船主のパシ・アブドゥルパタさん(40)は「礁に入るのを阻む気だ」と動揺を隠さない。

6ノット(時速約11キロ)の漁船に対し、中国船は37ノットという。10分ほどで漁船の目の前に割り込み、強力なサーチライトを当ててきた。「ブオー」と威嚇するように大きな警笛を鳴らす。

「ぶつけられるかも」

私たちはあわてて救命胴衣を身につけ、柱やへりにしがみついた。

漁船は面舵(おもかじ)をきり、北に進路を変えるが、中国船は執拗(しつよう)に追ってくる。船間が約50メートルに迫った時、中国船は突然止まった。

漁船は船長の機転で浅瀬を走り、引き潮も味方して、中国船はそれ以上進めなくなったようだ。何とか礁内に逃げ込めた。

フィリピン西部パラワン島の港を出て24時間。台風の影響による激しい向かい風と高い波で、到着は予定より10時間遅れた。

この海域を管轄する自治体カラヤン群島町のユーヘニオ・ビトオノン町長が漁船に同乗していた。「何度も中国船の嫌がらせを受けてきたが、今回は沈められるかと一番緊張した。荒波のなかで民間船をここまで追い詰めるとはひどい」

環礁の外側には、昨年4月から中国船が常駐。このころ、環礁に近づく船への妨害も始まった。通常は2隻が南北に停泊し、4隻の時もある。週2回は400メートル程度まで近づいてくる。

今年3月には中国船が比水産庁の船に無線を通じ、英語で「ここは中国の領海である。退出しなければ、何が起きても責任はそちらにある」と警告した。

8月4日午前9時、私たちを追いかけた海警3111が接近してきた。「訪問者があると、いつも偵察に来る」とロランド・ウォン伍長(29)。中国のものとみられる偵察機がその後、上空を旋回した。

サラコディン・マンギディア少尉(29)以下11人の海兵隊員は、6月中旬にシエラマドレ号に赴任した。船内に蚊帳やハンモックをつって暮らす。記者たちも甲板などで同宿した。

駐在することそのものが任務。現代の防人(さきもり)である。

任期は3~5カ月だが、生活環境は過酷だ。空調はもちろん、扇風機も冷蔵庫もない。電気は発電機で夜の数時間供給されるだけ。炊事、洗濯、体を洗う水は雨水が頼りだ。

コメと缶詰類、飲料水は運搬船、時に軍用機から配給されるが、おかずの魚や貝類は海で取って自活する。娯楽はDVD鑑賞やチェスやトランプなど。廃材を使ったダンベルなどで手作りしたジムで汗を流す。

海兵隊は、同国軍約12万5千人のうち約8千人の精鋭部隊だ。反政府ゲリラとの戦闘の前線に立つ。

軍歴20年のエンリケ・エラシオン軍曹(43)は前線勤務よりきついとこぼす。「家族と離れ、時間をもてあます。忍耐が必要だ」。家族との連絡は、1本だけの衛星電話に向こうからかけてもらうしかない。

「最後の血の一滴が尽きるまで降参しない」。船内のタンクにはこんな書き込みがあった。だが、中国軍との装備の差は歴然だ。

ゲリラとの実戦経験の豊富なラジク・サヌシ軍曹(39)は言う。「中国船が本当に攻めてきたらどうする? 正直言って分からない。神のみぞ知る、だ」

人口130人、移民募り実効支配

対中国 最前線は座礁船 (朝日8月18日二面記事)_人口130人、移民募り実効支配台風の影響が収まった6日朝、2隻の中国船の手前をすり抜けてアユギン礁を出た。北西へ約220キロ、22時間かけてパガサ島に着いた。広さ37ヘクタール。フィリピンが実効支配する最大の島で唯一、民間人が住む。

人口約130人。約30人の駐留軍人をのぞけば町役場職員や教師、看護師、建設作業員とその家族だ。

約450キロ離れたパラワン島(本島)との交通手段は不定期な船便と、ごくまれに来る軍用機だけ。これといった産業もない。

人々はなぜ住むのか。ビセンシオ・ミラン町長顧問(44)は「経済的な事情を抱える人が多い」と打ち明ける。1300ペソ(約3千円)相当のコメや塩、食用油などを町が毎月配給する。町営住宅、電気、水道はタダ。実効支配の実績づくりのための移民政策だ。

政府は74年に島の実効支配を宣言。92年から民間人向け住宅や診療所の建設を始めた。いまは携帯電話やインターネットも通じる。

教師として昨年赴任したジャキリン・モラレスさん(38)は、本島の山間部で家族と離れて補助教員をしていた時、募集を知った。給料は上がり、家族一緒の生活に不満はないが、本島に教職があれば戻りたい。

チャイナリンちゃん(3)は島で生まれた唯一の子どもだ。父親が中国とスプラトリーをかけて名づけた。母親のアイザ・ベリダンさん(28)は助産師の力も借りずに産んだ。夫婦とも町職員。4年間、給料はほとんど貯金し、本島にココナツ農場を買った。

「あとは中国との間で平和が続いて欲しい」

同諸島で領有権を主張する中国、台湾、ベトナム、マレーシアは、島や環礁に滑走路や港、リゾート施設をつくり、政策的に人々を居住させる。

経済力の劣るフィリピンの支配地が最も貧相な状況にあることは間違いない。

6カ国・地域争う海域

対中国 最前線は座礁船 (朝日8月18日二面記事)_6カ国・地域争う海域南シナ海は海上交通路の要で資源も豊かなため、周辺国が領有権を主張する。近年、実効支配の範囲を広げようとする中国の動きが激しさを増す。他国のEEZ内にも艦船を送り環礁を埋め立て建造物をつくる。

フィリピンとの間では12年4月、スカボロー礁で艦船がにらみ合った。艦船数が不足してフィリピンが撤退すると、中国は艦船を常駐させて占拠を続ける。フィリピンは昨年、仲裁を国際海洋法裁判所に求めた。

東南アジア諸国連合(ASEAN)は、中国と南シナ海での「行動規範」づくりをめざす。ASEANと中国は02年、「領有権問題は平和的に解決する」とする「行動宣言」に署名。「規範」は、これに法的拘束力を持たせる狙いだ。

フィリピンはさらに今年4月、米国との間で、米軍の比国内での活動を拡大する新軍事協定に署名した。冷戦終結や反米機運の高まりで、米軍基地群は92年にフィリピンから撤退。中国がミスチーフ礁を占拠したのは3年後だ。米軍の新拠点はパラワン島にも計画中とされ、その目と鼻の先でも中国が領域拡張の動きを繰り返すかが焦点になる。

アジアを重視する「リバランス」政策を掲げる米国。その出方を、他のアジア諸国は対中関係との間合いのなかで注視する。

(機動特派員・柴田直治)

南シナ海・スプラトリー諸島_地図

世論調査・NHK8月⇒安倍内閣支持率51%(4ポイント↑)、政党支持率は自民36.7%、民主6.4%、公明3%、維新1%、次世代0.3%、みんな0.2%、共産3.2%…

世論調査NHK|内閣支持率|政党支持率2014年8月11日発表⇒安倍内閣支持率は先月より4ポイント上がって51%、「支持しない」は5ポイント下がって33%。また、各党の政党支持率は、自民党が36.7%(+2.4)、民主党が6.4%(+1.6)、公明党が3%(-0.6)、日本維新の会が1.0%、次世代の党が0.3%、みんなの党が0.2%(-0.3)、共産党が3.2%(-0.2)、生活の党が0.3%(±0)、社民党が0.7%(-0.2)、「特に支持している政党はない」が39.4%(-3.1)だった。 後段に、安倍内閣支持率の推移グラフ(2013年1月~2014年8月)を掲載しました。 以下、NHK世論調査ニュースのクリップ――

世論調査 政党支持率
(NHK 8月11日19時32分)

政党支持率_NHK世論調査2014年8月各党の支持率は、▽自民党が36.7%、▽民主党が6.4%、▽公明党が3%、▽日本維新の会が1%、▽次世代の党が0.3%、▽みんなの党が0.2%、▽共産党が3.2%、▽生活の党が0.3%、▽社民党が0.7%、▽「特に支持している政党はない」が39.4%でした。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140811/t10013737311000.html

内閣支持51% 不支持33%
(NHK 8月11日19時26分)

NHK世論調査 8月_内閣支持率_NHKニュース画像01NHKの世論調査によりますと、安倍内閣を「支持する」と答えた人は、先月より4ポイント上がって51%、「支持しない」と答えた人は、5ポイント下がって33%でした。

NHK世論調査 8月_内閣支持率_NHKニュース画像02NHKは、今月8日から3日間、全国の20歳以上の男女を対象にコンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行いました。 調査の対象となったのは1522人で、64%に当たる968人から回答を得ました。

NHK世論調査 8月_内閣支持率_NHKニュース画像03それによりますと、▽安倍内閣を「支持する」と答えた人は、先月より4ポイント上がって51%でした。 一方、「支持しない」と答えた人は、5ポイント下がって33%でした。

NHK世論調査 8月_内閣支持率_NHKニュース画像04支持する理由では▽「ほかの内閣よりよさそうだから」が34%、▽「実行力があるから」が29%、▽「支持する政党の内閣だから」が12%だったのに対し、支持しない理由では▽「政策に期待が持てないから」が47%、▽「人柄が信頼できないから」が18%、▽「支持する政党の内閣でないから」が13%となっています。

NHK世論調査 8月_内閣支持率_NHKニュース画像05次に6つの政策課題を挙げて、国が今、最も力を入れて取り組むべきだと思うことを聞いたところ、▽「社会保障制度の見直し」が24%、▽「景気対策」が19%、▽「原発への対応」が18%、▽「外交・安全保障」が13%、▽「財政再建」が10%、▽「東日本大震災からの復興」が8%でした。

NHK世論調査 8月_内閣支持率_NHKニュース画像06安倍内閣の経済政策について尋ねたところ、▽「大いに評価する」が8%、▽「ある程度評価する」が50%、▽「あまり評価しない」が29%、▽「全く評価しない」が8%でした。

NHK世論調査 8月_内閣支持率_NHKニュース画像07景気が回復していると感じるかどうかについては、▽「感じる」が16%、▽「感じない」が43%、▽「どちらとも言えない」が38%でした。

NHK世論調査 8月_内閣支持率_NHKニュース画像08安倍総理大臣は、おととし12月の内閣発足以来初めてとなる内閣改造を来月行う考えを表明しましたが、今度の内閣改造に期待するかどうか聞いたところ、▽「大いに期待する」が8%、▽「ある程度期待する」が35%、▽「あまり期待しない」が40%、▽「全く期待しない」が13%でした。

NHK世論調査 8月_内閣支持率_NHKニュース画像09安倍総理大臣が今の内閣の発足後行われていない日中首脳会談を、ことし11月に中国で開かれる国際会議に合わせて行いたいとしていることについて、実現させる必要があると思うか尋ねたところ、▽「実現させる必要がある」が55%、▽「実現させる必要はない」が11%、▽「どちらとも言えない」が28%でした。

NHK世論調査 8月_内閣支持率_NHKニュース画像10日中首脳会談について、安倍総理大臣は前提条件を付けずに応じることを中国側に求めていますが、その姿勢を評価するかどうか聞いたところ、▽「大いに評価する」が21%、▽「ある程度評価する」が45%、▽「あまり評価しない」が22%、▽「全く評価しない」が4%でした。

NHK世論調査 8月_内閣支持率_NHKニュース画像11マレーシア航空機の撃墜事件を受けて、欧米諸国の動きと連携してロシアに対する制裁措置を追加した日本政府の対応については、▽「大いに評価する」が14%、▽「ある程度評価する」が48%、▽「あまり評価しない」が24%、▽「全く評価しない」が4%でした。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140811/k10013736511000.html

NHK世論調査8月を報じた8月11日のニュース画像キャプチャは以下にクリップ(画像クリックで拡大)――

NHK世論調査 8月_政党支持率_NHKニュース画像キャプチャ        NHK世論調査 8月_安倍内閣支持率_NHKニュース画像キャプチャ

安倍内閣支持率の推移グラフ(2013年1月~2014年8月)(クリックで拡大)
安倍内閣支持率の推移グラフ_2013年1月~2014年8月_データ元-NHK世論調査

参照:
http://www.nhk.or.jp/bunken/yoron/political/index.html
http://www.nhk.or.jp/bunken/yoron/political/2013.html

BSザ・プレミアム 「撃墜 3人のパイロット」を見たが「これはいい!」の一言|【更新9月6日】 再放送⇒前編9月7日(日)午後1時~2時30分、後編の再放送、後編9月14日(日)午後1時~2時30分 

更新9月6日 再放送情報追加】 NHK・BSザ・プレミアム 「撃墜 3人のパイロット」、前編を見たが「これはいい!」の一言。 実在した日米中の3人の戦闘機パイロットの人生をドラマ化した番組ということで、そんなに期待しないで見たのだが…それがだ、非常にいい内容だったのだ。 随所に、モデルとなった実在パイロットたちの記録、映像、そのパイロットを知る人たちの証言映像が織り込まれ、非常に素晴らしい内容になっている。 太平洋戦争での日本海軍名パイロット・武藤金義の話はある程度知っていたが、このドラマを見て再認した。 愛媛県久良湾で引き上げられた旧日本軍最強の戦闘機「紫電改」がほぼ原形を保って引き上げられたのは、墜落して着水する際の操縦技術が超一級品の腕前でないと起こりえない奇跡的なことだったとはついぞ知らなかった。 NHKはこの前後編を再放送しなければならない。 再放送しないで、NHKオンデマンドで儲けようなどと思うな!

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9月6日再放送情報追加
BSザ・プレミアム 「撃墜 3人のパイロット」が再放送される!
前編の再放送 ☛ 9月7日(日)午後1時~2時30分
後編の再放送 ☛ 9月14日(日)午後1時~2時30分
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ザ・プレミアム「撃墜 3人のパイロット」_画像1
NHKの番組案内をクリップ――

ザ・プレミアム 撃墜 3人のパイロット

「空の宮本武蔵」と呼ばれる日本海軍の武藤金義。中国空軍の英雄、楽以琴。若きアメリカ兵、ロバート・アップルゲート。3人の若者の運命が、戦争と国家に翻弄され、大空でぶつかり合う。 1984年、アメリカ海軍の元パイロット、ロバート・アップルゲートのもとに、一人の歴史研究家が訪ねます。彼は、愛媛県久良湾で引き上げられた旧日本軍最強の戦闘機「紫電改」の写真を見せ、この戦闘機を撃墜したのはあなただと告げます。操縦していたのは、後に「空の宮本武蔵」と呼ばれることになる名パイロット・武藤金義であると言う。自分が撃墜したのはどんな男だったのか。調べるうちにアップルゲートは、武藤金義も日中戦争で中国空軍の英雄であるパイロット・楽以琴(ガク・イキン)を撃墜していたことを知ります。中国の英雄を日本の英雄が撃ち落とし、その日本の英雄をアメリカ人である自分が撃ち落とす。3人のパイロットの不思議な因縁を感じたアップルゲートは、大空に散った2人の人生を知る旅に出た…。

ザ・プレミアム「撃墜 3人のパイロット」_画像2
■ 前編 (BSプレミアム)8月9日午後7時30分~9時放送
前編の再放送 ☛ 9月7日(日)午後1時~2時30分
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1984年、アメリカ海軍の元パイロット、ロバート・アップルゲートのもとに、一人の歴史研究家が訪れ、『愛媛県久良湾で引き上げられた旧日本海軍最強の戦闘機「紫電改」を撃墜したのはあなたではないか』と告げた。操縦していたのは後に「空の宮本武蔵」と呼ばれた名パイロット・武藤金義であると言う。自分が撃墜したのはどんな男だったのか。調べるうちにアップルゲートは、武藤金義も初陣で中国空軍の英雄・楽以琴を撃墜していたことを知る。中国の英雄を日本の英雄が撃ち落とし、その日本の英雄をアメリカ人である自分が撃ち落とす。3人のパイロットの不思議な因縁を感じたアップルゲートは、大空に散った2人の人生を知る旅に出た…。

■ 後編 (BSプレミアム)8月16日午後7時30分~9時放送
後編の再放送 ☛ 9月7日(日)午後1時~2時30分
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2人の人生をたどるアップルゲートの旅は続いていた。 初陣で中国空軍の英雄・楽以琴を撃墜した武藤金義は、その後も多くの戦果を挙げ、歴戦の勇士として活躍した。結婚をし、子どもにも恵まれた武藤だが、日本軍の戦いは追いつめられていた。武藤は零戦を上回る新型戦闘機「紫電改」のパイロットとなり、本土防衛のためにアメリカ軍を迎え撃つ。対するアメリカ軍の中にいたのが、23歳のアップルゲートだった。豊後水道で壮絶な空中戦が始まった…。 3人の中でただ一人生き残ったアップルゲートは、この旅で何を知ったのか…。

■ 紫電改 

日本海軍が太平洋戦争末期に開発した局地戦闘機。零戦の倍の馬力を持つエンジンを搭載し、アメリカの最新鋭戦闘機に対抗できる唯一の戦闘機と言われた。少数しか製造されなかったため幻の戦闘機とされたが、1979年に愛媛県久良湾から1機の紫電改が引き上げられた。これが、国内に現存する唯一の紫電改である。

ザ・プレミアム「撃墜 3人のパイロット」_紫電改http://www4.nhk.or.jp/gekitsui/

以下は、Wikipedia 「武藤金義(むとう かねよし」からの抜粋です――

武藤 金義(むとう かねよし)画像_日本海軍の名パイロット武藤 金義は1945年6月末第三四三航空隊戦闘301飛行隊(新撰組)に異動する。源田実司令の希望指名による補充であった。4月15日に戦死した杉田庄一上飛曹の代わりとして隊長菅野直大尉の護衛役となることが期待された。坂井三郎と交換という形になったが交渉は難航したため補充は6月になった。武藤は源田司令に「私が来たからには菅野隊長は死なせませんよ」と約束した。

1945年7月24日343空は武藤含む21機で10倍以上の米機動部隊艦載機を迎撃するため大村から出撃。豊後水道上空の交戦で武藤は敵編隊に攻撃を加え、菅野隊長を襲う機体にも飛びつき撃墜した。激戦の中、武藤は源田司令との約束を守り切ったが、この戦闘で武藤は未帰還となった。詳細は不明であった。この日の戦闘で343空は武藤金義、鴛淵孝隊長など6名が未帰還となる。この戦闘は御嘉賞の御言葉を賜わり表彰されるものとなった。 戦死認定後、中尉に昇進。(菅野隊長もその後8月1日の戦闘で未帰還となる。)

戦後1978年11月愛媛県南宇和郡城辺町(現・南宇和郡愛南町)久良湾の海底で1945年7月24日の未帰還機と思われる紫電改が発見される。しかし諸々の危険性から引き上げに諸方面は消極的であった。武藤の遺族他元343空隊員、遺族からの引き上げてほしいという願いを代表し当時参議院議員の源田実元司令と自衛艦隊司令の相生高秀元副長が各方面に働き掛け引き上げられることになる。遺品などは残っておらず特定は困難であったが、301飛行隊の機体と思われることなどから武藤金義の機体である可能性も大きい。目撃情報から搭乗員は被弾や機体トラブルなど何らかの理由で戦場から離れ、操縦によって模範的不時着水を行い、機体とともに水没したとされる。武藤夫人は未帰還6人の共通の遺品とするべきだとした。343空隊員や遺族により慰霊式が執り行われられた。この紫電改は愛南町南レク馬瀬山公園の紫電改展示館に保存・展示されている。」

NHKスペシャル<狂気の戦場 ペリリュー ~“忘れられた島”の記録~>再放送情報 ⇒ NHK総合10月27日(月)午前0時50分~1時39分(26日深夜、総合)

NHKスペシャル「狂気の戦場 ペリリュー~”忘れられた島”の記録~」見逃した方々、再放送をお見逃しなく ⇒ NHK総合2014年10月27日(月)午前0時50分~1時39分(26日深夜)。 現在のパラオ共和国(パラオ諸島)の一角にその島はある――

NHKスペシャル_狂気の戦場 ペリリュー_画像01  パラオ諸島とペリリュー島の位置_地図

パラオ諸島に浮かぶサンンゴ礁の美しいペリリュー島。 しかしここは70年前、太平洋戦争で日米両軍が死闘を繰り広げた激戦地の一つだった。

NHKスペシャル_狂気の戦場 ペリリュー_画像02島を守る日本軍10,931名のうち生還者はごく僅かの236名、10,695名が戦死した。 一方、米軍は圧倒的多数の兵力48,740名を動員し日本軍の200倍の火力をもって攻撃、特に海兵隊の最精鋭部隊・第1海兵師団を送り込んだ。 しかし、尖端が開かれてから1ヶ月半、第1海兵師団の死傷者率は60%にも及ぶ壊滅的な被害を受け、「3日間で制圧できる」と豪語していたリュパータス海兵少将は師団長を解任された。 「太平洋戦争で最も不名誉な戦い」としてアメリカはその記憶を封印した。 いつしか、ペリリューは「忘れられた戦場」― The Lost Evidence – Peleliu ― と呼ばれるようになった。

今年、ペリリュー島での過酷な戦いを記録した113本のフィルムの存在が明らかになった。 保管されていたのはアメリカ・バージニア州にある海兵隊の「クアンティコ(Quantico)基地」、情報戦略の拠点基地だ。 この基地の地下倉庫奥深くに、アメリカ史上最悪の犠牲を払った「ペリリュー島の戦い」を記録した113本のフィルムが眠っていた。

番組はその記録フィルム映像を交えながら、撮影した米海兵隊カメラマン兵士18名の中でただ一人生き残っているグラント・ウルフキル氏(91)の証言や生存する日米の元兵士たちの証言を織り交ぜて進む。 憎しみが憎しみを呼び狂気の戦場へと化すまでの姿を映し出す。 ペリリュー島での過酷な戦いの実録と、生存する元兵士たちが残す言葉は限りなく重い。

NHKスペシャル_狂気の戦場 ペリリュー_画像03NHKスペシャル_狂気の戦場 ペリリュー_画像04
番組を見終わって、祖国を守るために散った日米双方の英霊たちの鎮魂を祈るばかりである。惜しむらくは、NHKの放送では日本軍守備隊最後の電文「サクラ、サクラ」の送信と、終戦後の1947年4月22日まで投降せず闘い続けた34名の兵士がいたことに言及しなかった。 なぜ、34名は終戦後1年8ヶ月も戦い続けたのか――「命ある限り戦え、そして生き抜け」という守備隊長中川州男大佐の薫陶があったからだろう。 米軍は上陸開始から2ヵ月半が経過した11月27日にようやくペリリュー島を占領した。 しかし、34名の日本兵は洞窟を転々として降伏せず、戦闘が終結した11月27日から2年半後の昭和22年4月22日に、米軍が要請した元日本海軍少将の説得でようやく34名の兵士たちは投降に応じたのだ。

また番組は、中川洲男(なかがわ・くにお)大佐には言及しているが守備隊主力の水戸歩兵第二連隊の名を出さなかった。 まことに残念である。 さらに、ペリリュー島のあるパラオ共和国の国旗が日章旗をもとに作られていることも言及しなかった…戦争の悲惨さを前面に出して平和を訴えるNHKのスタンスでは望むべくこともないのだろう。 しかしながら、ドキュメンタリーとしては質の高い作品であることは確かだ。

戦争はしないにこしたことはない。 戦争を回避して国家間の問題を解決するのが最善である。しかし、ひとたび戦火が開かれれば、命を賭して祖国を守る多くの兵士達がいたのだ。 ペリリュー島で散った日本兵の多くが、後の祖国の繁栄を願いつつ人柱となる覚悟で戦ったのではなかろうか。 今日の日本の繁栄があるのもその尊い犠牲の上にたっていることを我々は忘れてはいけない、と番組を見終わってつくづく思った次第である。 歴史の事実を知るためにも多くの若い人達に見て頂きたい番組なのだが、果たして、どれだけの若い人達が見ただろうか….。少しでも多くの若い世代に見て頂きたい、それがブログを通して情報発信する所以である。

Hashigozakuraの前口上の締めくくりとして、中川洲男(なかがわ・くにお)大佐の妻―中川光枝夫人―の話を紹介したい。 この話は泣けてくる――

戦後、中川大佐が自決した洞窟が発見されたが光枝夫人は行こうとはしなかった。 光枝夫人が初めてペリリュー島を訪れたのは平成4年になってからだった。 しかし、夫人はその夫・中川大佐の遺骨を探そうとはしなかった。 「まだ多くの方がこの島に眠っておられるのに、主人は自分だけ先に帰ることを許さないと思います。 俺は一番最後でいいよと言っているはずです。」と。 平成14年9月18日、光枝夫人は、彼女を慈しむ人々に看取られながら静かにその幕を閉じた、享年98歳。 (参考: 実在する中川州男氏について書かれている「愛の手紙」(著・升本喜年))

NHK番組紹介のクリップ――

NHKスペシャル 「狂気の戦場 ペリリュー ~”忘れられた島”の記録~」
本放送 ⇒ 2014年8月13日(水)午後10時00分~10時49分 NHK総合
再放送 ⇒ 2014年8月19日(火)午前0時30分~1時19分(18日深夜) NHK総合
再放送 ⇒  2014年10月27日(月)午前0時50分~1時39分(26日深夜)NHK総合

NHKスペシャル_狂気の戦場 ペリリュー_画像05NHKスペシャル_狂気の戦場 ペリリュー_画像06今年、アメリカで日米の熾烈な戦いを記録した113本のフィルムの存在が明らかになった。撮影地はフィリピンの東800キロに位置するパラオ諸島の小島・ペリリュー。「地球最後の楽園」と呼ばれるサンゴ礁の美しい島だ。70年前、日米両軍はここで死闘を繰り広げた。米海兵隊の最精鋭部隊と言われる第1海兵師団第1連隊の死傷率は、史上最も高い約60%。そのあまりの犠牲者の多さと過酷さから、ほとんど語られてこなかったため、「忘れられた戦場」と呼ばれている。

NHKスペシャル_狂気の戦場 ペリリュー_画像07ペリリュー島は、太平洋戦争の中でも特異な戦場だった。日本軍はアッツ島以降続けてきた組織的な“玉砕”を初めて禁じ、持久戦を命令。米軍が当初「3日以内で終わる」と予想した戦闘は2カ月半に及んだ。今回発掘したフィルムには、日米双方が日増しに追い詰められていく様が克明に記録されている。NHKはフィルムを撮影した元米海兵隊のカメラマン(91歳)や、生き残っている日米元兵士の証言を記録。フィルムと証言から、ひとたび戦争が始まるとそれを終結することがいかに難しいか、戦場とはどんなものなのか、その厳しい現実を伝える。

http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0813/index.html

NHKスペシャル_狂気の戦場 ペリリュー_画像08 NHKスペシャル_狂気の戦場 ペリリュー_画像09
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BS1の番組案内をチェックしていたら、以下のような番組案内を目にした。 NHKスペシャル「狂気の戦場 ペリリュー ~”忘れられた島”の記録~」と同じ内容だろうか? BS1スペシャルでやる時は内容が再編集されて実写映像が多く含まている事があるが、これもそうだろうか――

BS1スペシャル 「忘れられた戦場 ペリリュー ~未公開フィルムが語る狂気の戦場~」 BS1 2014年 9月6日(土)午後10:00~10:54

NHKスペシャル_狂気の戦場 ペリリュー_画像11太平洋戦争の終結から間もなく70年。アメリカで、日米の熾烈な戦いを記録した200本近い未公開フィルムが見つかった。撮影されたのは、フィリピンの東800キロに位置するパラオ諸島の小島、ペリリュー。「地球最後の楽園」と呼ばれるサンゴ礁の美しい島だ。1944年、日米はこの島で「太平洋戦争史上もっともおぞましく、不名誉」と言われる戦いを繰り広げていた。しかし、その事実は封印され、「忘れられた戦場」と呼ばれてきた。

今回、映像を保管する米国立公文書館と海兵隊博物館から、特別に複製する許可を得た。「最もおぞましく不名誉な戦闘」とは一体どんなものだったのか、いま、初めて明らかになろうとしている。

ペリリューは太平洋戦争で特異な戦場であった。日本軍はアッツ島以降、サイパン、テニアン島で次々と玉砕したが、ペリリューについては、米軍のフィリピン攻略を遅らせるために、大本営が“玉砕”を禁じたのだ。米軍が当初「3日で終わる」と予想した戦闘は74日間に及び、日米それぞれに1万人の死者を出した。日本軍は島内に500以上の洞窟陣地を築き、米兵を目前まで引きつけて飛び出す「体当たり攻撃」を繰り返し、多数の米兵が「戦争神経症」に陥った。フィルムには、「非人道的」として使用が禁止されている「火災放射器」を米軍が初めて本格導入し、日本兵の潜む洞窟を容赦なく焼き払う様子や、日本兵の遺体を傷つける残虐行為、無抵抗の日本兵を撃ち殺す様子などが記録されている。

なぜこの小さな島で、日米は極限状態に達しながら戦闘を繰り広げたのか。取材を進めると、日米双方が「メンツ」にこだわり、「大義なき戦い」を続けたことが、両軍兵士の人間性を奪い、残虐行為を蔓延させていったことがわかってきた。「鬼畜米英、つり目の猿・・・。日米が互いを人間と見なさなくなる、その転換点がペリリューだった。最終的にはそれが、広島・長崎への原爆投下という底なしの地獄へつながってしまった」とジョン・ダワーは分析する。

発掘されたフィルムを丹念に検証すると共に、日米の記録や生存者の証言を徹底取材。太平洋戦争の「分岐点」となった狂気の戦場の現実、そして、狂気がさらなる狂気を呼んでいった理不尽な戦争の現実に迫る。

http://www.nhk.or.jp/bs/special/

【動画情報更新10月22日】  以下の画像をクリックするとNスペ「狂気の戦場 ペリリュー」の動画へジャンプする――

動画】 NHKスペシャル 「狂気の戦場 ペリリュー ~”忘れられた島”の記録~」
NHKスペシャル_狂気の戦場 ペリリュー_(DailyMotion動画)

BS世界のドキュメンタリー「ヒトラー 権力掌握への道」前編・後編 【再放送】BS1 8月23日午後1:00~1:50(前篇) 午後2:00~2:50(後編) 

更新8月17日 再放送情報追加】 BS世界のドキュメンタリー(BS1)で8月11日、12日(深夜0時00分~0時50分)の二夜に渡って、「ヒトラー 権力掌握への道」を前編、後編として放送する。 終戦の日が近づくこの時期、戦争に関する歴史ものの放送が例年多くなる。 ヒトラーが権力掌握をして行く過程を分析した研究、書籍は多い。 幾多のドキュメンタリー映画が作られ、また、歴史学者による研究・分析が発表されてきたことか。 なぜ、そんなに多いのか? 結局はだれにも明確な答えを出すことはできないのだ。 だから、次々と本がでる。 そして、答えは出ない。 が故に、何度でも「ヒトラー 権力掌握への道」を我々は検証しなければならない、二度とヒトラーの時代を繰り返さないためにも…..。 扇動は、時宜を得れば人々を熱狂させる、しかし、かくも怖ろしい――

BS世界のドキュメンタリー「ヒトラー 権力掌握への道」前編・後編 BS世界のドキュメンタリー 「ヒトラー 権力掌握への道」 前編
本放送 ☛ 2014年8月11日 月曜深夜[火曜午前 0時00分~0時50分] BS1
再放送 ☛ 2014年8月23日(土)午後1:00~1:50 BS1

BS世界のドキュメンタリー「ヒトラー 権力掌握への道」前編 画像近現代史上前例のない組織的な大量殺りくを行ったアドルフ・ヒトラーとナチス。なぜ、これほど人種差別と憎悪に満ちた一人の男がドイツを支配し、社会全体を凶暴化し得たのか。1919年の第一次世界大戦後からナチスの独裁体制が確立するまでのおよそ20年間に焦点を当て、その真相を明らかにしていく。二つの大戦に挟まれた20世紀前半ヨーロッパの映像をカラーで再現した2回シリーズ。

前編では、ドイツの伝令兵として第一次世界大戦に参加したヒトラーが、敗戦後、急進派の指導者として登場する1920年代末までを描く。

第一次大戦で伝令兵として塹壕を駆け回ったヒトラー。敗戦後のドイツの悲惨な状況が、彼の強いドイツへの思いと政治に関わりたいという欲求を後押しする形となった。軍の情報部員として働きながら反ユダヤ主義、反資本主義に傾倒し、その後、過激な演説で一目置かれるようになっていく。1928年の議会選挙でナチスの得票はわずか2%。しかし、その状況は翌年の「世界恐慌」で一変することになる。

ヒトラーの生い立ちやウィーンで芸術家を目指し挫折した青年期、さらに憎しみや怒りの感情を煽って大衆の心を掴む演説やジェスチャーの訓練を重ねる様子も綴られる。

BS世界のドキュメンタリー「ヒトラー 権力掌握への道」前編原題:APOCALYPSE HITLER
制作:CC&C/France 2 (フランス 2011年)

http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/140811.html

BS世界のドキュメンタリー「ヒトラー 権力掌握への道」前編・後編 2BS世界のドキュメンタリー  「ヒトラー 権力掌握への道」 後編
本放送 ☛ 2014年8月12日 火曜深夜[水曜午前 0時00分~0時50分] BS1
再放送 ☛ 2014年8月23日(土)午後2:00~2:50 BS1

BS世界のドキュメンタリー「ヒトラー 権力掌握への道」後編 画像近現代史上前例のない組織的な大量殺りくを行ったアドルフ・ヒトラーとナチス。なぜ、これほど人種差別と憎悪に満ちた一人の男がドイツを支配し、社会全体を凶暴化し得たのか。1919年の第一次世界大戦後からナチスの独裁体制が確立するまでのおよそ20年間に焦点を当て、その真相を明らかにしていく。二つの大戦に挟まれた20世紀前半ヨーロッパの映像をカラーで再現した2回シリーズ。 後編では、世界恐慌をきっかけにナチスが躍進し、ヒトラーが権力の座に上り詰めるまでを描く。

世界恐慌によってドイツでは失業者が溢れかえり、ナチスが人気を集めていく。1932年、ヒトラーは大統領選挙に打って出て敗れるものの、議会選挙で第一党となり、着実に勢力を拡大していく。1933年1月30日、ヒンデンブルク大統領はヒトラーを首相に任命。翌年、ヒンデンブルク大統領の死去により、ヒトラーは名実ともにドイツの頂点に立つ―。 溺愛していた姪の自殺、愛人となるエヴァとの出会いなど、ヒトラーの私生活も語られる。

原題:APOCALYPSE HITLER
制作:CC&C/France 2 (フランス 2011年)

http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/140812.html

BS1スペシャル 山本五十六の真実(前編)「真珠湾への道」(後編)「遺された手紙」; 【再放送】☛8月30日(土)午後2:00~3:50

更新8/30 動画情報追加】【8/23 再放送情報追加】<BS1スペシャル 山本五十六の真実|(前編)「真珠湾への道」、(後編)「遺された手紙」> 連合艦隊司令長官山本五十六の実像を明らかにする資料が公開されたそうだ。山本五十六司令長官の親友、堀悌吉氏が保管してきた多数の書簡だという。そこには三国同盟に反対しながらも、真珠湾攻撃を立案していく山本五十六司令長官の苦悩がつづられているという。さらに、アメリカは真珠湾攻撃を教訓に航空兵力の拡充を進めミッドウェー海戦で日本を破るわけだが、公開されたアメリカ太平洋艦隊司令部の報告書から浮かび上がるアメリカ軍の戦略…新資料で山本五十六司令長官の波乱の生涯に迫るBS1スペシャル番組。 必見、要録画!

BS1スペシャル<山本五十六の真実>画像1BS1スペシャル<山本五十六の真実>画像2 BS1スペシャル<山本五十六の真実>画像3

BS1スペシャルの番組紹介によると――

BS1スペシャル 山本五十六の真実
本放送 ⇒ 8月11日(月) 午後9:00~9:50(前篇)午後10:00~10:49(後編)
(前編)「真珠湾への道」 (後編)「遺された手紙」
再放送 ⇒  8月30日(土) 午後2:00~3:50(110分)前後編

連合艦隊司令長官・山本五十六の実像を明らかにする資料が今年2月、大分県立先哲史料館で公開された。山本と海軍兵学校同期で無二の親友だった堀悌吉が遺した山本の遺書「述志」や多数の書簡である。

そこには、三国同盟に反対した山本が真珠湾攻撃を立案していく際の苦悩が綴られていた。そして、ワシントン・ロンドン軍縮会議から太平洋戦争開戦への道のりで、海軍内部で厳しい派閥抗争が展開された事実が浮かび上がってきた。

米英協調を重視する「条約派」が破れ、日米決戦へと向かう「艦隊派」が実権を握っていくなかで、フランス駐在経験もあり軍縮を主張する堀は海軍を追われる。しかし、駐米経験もある山本は、堀の見識を高く評価し、終生、交流を続けた。

日米開戦が避けられなくなると、山本は堀に伝えた。 「個人としての意見と、正確に正反対の決意を固め、其の方向に一途邁進の外なき現在の立場は誠に変なもの也、之も命といふものか」

番組では、初公開の直筆書簡をもとに、江田島や山本の留学先アメリカの関係地を訪ね、山本五十六と堀悌吉の軌跡をたどる。また、真珠湾攻撃以降、アメリカ軍がいかに山本の戦略を分析し、対抗策を講じていったのか、米・太平洋艦隊司令長官ニミッツへの報告書などをもとに追跡。自らの考えとは反対の方向に向かう日本、その最前線で戦わなければならなかった山本の葛藤、そして堀との友情を当時の国際関係のなかで描く。

【出演】半藤一利,【朗読】坂東三津五郎

http://www.nhk.or.jp/bs/special/
BS1スペシャル<山本五十六の真実>画像4

番組放送までまだ時間があるので、以下に紹介する動画を視聴してみてはどうだろうか?今から9年前の2005年11月だ30日にNHKで放送された<その時歴史が動いた 「シリーズ真珠湾への道 前編~山本五十六 苦渋の作戦立案」だ。 これもなかなか良い番組だった。 当時のNHKの番組紹介によると――

その時 歴史が動いた 「シリーズ真珠湾への道 前編~山本五十六 苦渋の作戦立案」
司会 NHKアナウンサー 松平 定知(マツダイラ サダトモ)
ゲスト 神戸大学法学研究科教授 五百旗頭真(イオキベ マコト)

☛ 真珠湾攻撃を立案・指揮した連合艦隊司令長官・山本五十六。アメリカ視察でその国力の差を知り日米協調を唱えるが、開戦へと進む中、皮肉にもその作戦立案の役割を担う。 シリーズ1回目は、山本の真珠湾作戦立案までの過程を描く。アメリカ視察でその強大な国力を知った山本は、一変して対米非戦を主張する。しかし日本は対米戦へ突入。皮肉にも山本が作戦を率いることになる。葛藤(かっとう)の末、山本が立案した作戦は、航空隊による米軍拠点、真珠湾の破壊だった。緒戦で打撃を与え戦争を短期終結させることが日本を守るいちるの望みと考え、山本は真珠湾作戦にすべてをかける。

動画】 その時 歴史が動いた 「シリーズ真珠湾への道 前編~山本五十六 苦渋の作戦立案」 (43分) 画像クリックで動画へジャンプ
【動画】その時歴史が動いた「シリーズ真珠湾への道 前編~山本五十六 苦渋の作戦立案」

更新8/30、動画情報追加】 BS1スペシャル「山本五十六の真実」  以下の画像クリックで動画へジャンプ――

動画BS1スペシャル「山本五十六の真実」(前編)「真珠湾への道」
動画_BS1スペシャル_山本五十六の真実_前編_真珠湾への道_(Dailymotion版)画像

動画BS1スペシャル「山本五十六の真実」(後編)「遺された手紙」
動画_BS1スペシャル_山本五十六の真実_後編_遺された手紙_(Dailymotion版)画像

番組の感想: (Reserved)