年金給付、現役収入の5割100年は本当か?⇒公的年金の財政検証結果が3日、公表されたが…少子高齢化で年金制度が大きく揺らいでいる現状が浮き彫りになった。

2004年の年金制度改正で、政府は今後100年にわたって現役所得比で50%以上の年金給付を維持するとしたが、一体どうなのか? 厚生労働省は6月3日、公的年金の財政検証結果を公表した。 年金の財政検証は5年に1回行い、将来の100年間にわたる年金財政の収支バランスをチェックする。いわば年金制度の健康診断なのだが、少子高齢化で年金制度が大きく揺らいでいる現状が浮き彫りになったと言えよう。 各メディアの見出しの付け方を見ると――

  • 年金、現役所得比で50%確保=30年後、現在よりは12P低下-経済再生が前提 (時事通信)
  • 年金、現役収入の5割割れも 厚労省が財政検証 (日経)
  • 年金の給付 経済順調なら50%維持 (NHK)

それでは、それぞれの記事を読んでみましょう――

年金、現役所得比で50%確保=30年後、現在よりは12P低下-経済再生が前提
(時事通信 2014/06/03-16:31)

標準的な年金給付水準_図解_2014年6月6日厚生労働省は3日開かれた社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)年金部会に、公的年金の財政検証結果を示した。政府が取り組む経済再生が進んだ場合、現役世代の手取り収入に対する年金の給付水準(所得代替率)は、今後100年にわたって、政府が2004年の年金制度改正で約束した50%を超えると試算。ただ、保険料を納める労働力人口が減るため、水準自体は14年度の62.7%からは下がっていき、約30年後には12ポイント程度低下する。

年金財政検証は法律に基づいて5年に1度実施。今後100年間の財政見通しを確かめ、年金制度見直しの基礎資料とする。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201406/2014060300692&g=eco

年金、現役収入の5割割れも 厚労省が財政検証
(日経 2014/6/3 16:07)

厚生労働省は3日、公的年金の財政検証結果を公表した。働く女性や高齢者の割合が大きく増えなければ、40年後の年金給付の水準は今より3~4割目減りし、現役世代の平均収入の5割を割り込む計算。働く人が増えるケースでは、50%以上を維持する。少子高齢化で年金制度が大きく揺らいでいる現状が浮き彫りになった。

年金の財政検証は5年に1回行い、将来の100年間にわたる年金財政の収支バランスをチェックする。いわば年金制度の健康診断だ。

政府が2004年に実施した年金制度改革は、現役世代の収入(手取り)と比べた年金支給額の割合(所得代替率)を将来にわたって50%以上を維持するのが根幹だった。14年度の標準的な世帯の代替率は62.7%。試算では8つのケースを示し、このうち女性や高齢者の就労が大幅に進む5つのケースでは40年代半ば以降、代替率が50.6~51.0%を維持するとの結果だった。

ただ高齢者や女性の労働参加が進まない3つのケースでは、代替率は50%を割り込む計算。このうちアベノミクスが失敗してマイナス成長が続く最悪のシナリオでは、55年度には積立金が枯渇し、所得代替率は39%まで下がる。代替率は14年度に比べると4割近く目減りする計算になる。

プラス成長を保っても働く人が増えない場合は、代替率は50年度に45.7%と約3割目減りする。いずれのケースも少子化に合わせて給付を抑える「マクロ経済スライド」を15年度から実施しても所得の低迷で保険料収入が増えず、給付の原資が不足する。

厚労省は、(1)保険料の納付期間を65歳まで延長(2)厚生年金に加入するパート労働者を拡大(3)マクロ経済スライドをデフレ下でも実施――の3つの改革に取り組んだときの特別試算もそれぞれ行った。いずれも、所得代替率の上昇に寄与する結果が出た。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0302S_T00C14A6000000/?dg=1

年金の給付 経済順調なら50%維持
(NHK 6月3日19時16分)

年金財政状況見通し(厚生労働省発表)_NHKニュース2014年6月3日_画像1厚生労働省は、およそ100年間にわたる公的年金の財政状況の見通しを公表し、経済が順調に成長すれば、政府が約束している現役世代の平均収入の50%以上の給付水準をかろうじて維持できるものの、経済が成長しない場合は、最悪で35%程度まで落ち込むこともありうるとしています。

厚生労働省は、今回の結果を踏まえ、制度改正を検討することにしており、給付水準を抑制する措置の拡大や保険料の拠出期間の延長などが議論される見通しです。
年金財政状況見通し(厚生労働省発表)_NHKニュース2014年6月3日_画像2厚生労働大臣の諮問機関である社保審=社会保障審議会の年金部会が開かれ、厚生労働省は、法律で5年に1度行うことになっている、およそ100年間にわたる公的年金の財政状況の見通し、「財政検証」の結果を公表しました。

年金財政状況見通し(厚生労働省発表)_NHKニュース2014年6月3日_画像3政府は、現役世代の平均収入に対して、夫婦2人のモデル世帯が受け取る年金額を示す「所得代替率」が、将来にわたって50%を上回ることを法律で約束しており、今年度は、現役世代の平均収入が34万8000円なのに対し、モデル世帯の年金額は満額で21万8000円で「所得代替率」は62.7%でした。

年金財政状況見通し(厚生労働省発表)_NHKニュース2014年6月3日_画像4そして今回の「財政検証」では、中長期の経済成長率が1.4%の場合からマイナス0.4%の場合まで8つのケースで検証しました。

このうち経済が順調に成長するとした5つのケースでは、モデル世帯が受け取る年金額の「所得代替率」が現在の62.7%から、およそ30年後に51.0%から50.6%までの範囲に下がるものの、その後、2110年度まで一定になり、かろうじて50%を維持できるとしています。
年金財政状況見通し(厚生労働省発表)_NHKニュース2014年6月3日_画像5  年金財政状況見通し(厚生労働省発表)_NHKニュース2014年6月3日_画像6

一方、経済が成長しないとした3つのケースでは、およそ25年後に「所得代替率」が50%を割り込み、2110年度までの間に、45.7%から、最悪で35%程度の範囲まで下がり、政府が約束を達成するのは難しいという結果となりました。
年金財政状況見通し(厚生労働省発表)_NHKニュース2014年6月3日_画像7さらに今回は、「オプション試算」として、年金額を一定の割合で強制的に抑制する措置を拡大した場合、国民年金の保険料の拠出期間を40年間から45年間に延長した場合、それに、一定以上の収入のある短時間労働者を国民年金から厚生年金に移した場合などの検証も行い、いずれも今の制度より「所得代替率」が改善するという結果になりました。

今回の結果を受けて厚生労働省は、年金制度をより安定的に運営していくための制度改正を検討することにしており、ことし夏以降、社保審の年金部会で、「オプション試算」の結果も参考に議論が進められる見通しです。

● 「所得代替率」とは

「所得代替率」は、働いている現役世代の平均の手取り収入に対し、夫婦2人のモデル世帯の年金額がどの程度の割合になるかを表したもので、年金の給付水準を示す指標です。

モデル世帯は、夫が平均的な収入を得るサラリーマンとして、40年間働いて厚生年金の保険料を納め、妻が40年間、専業主婦だった場合を想定しています。

政府は、働いている現役世代の半分以上の収入があれば、高齢者の夫婦が一定程度の生活水準を維持できるとしていて、将来にわたって、50%以上の「所得代替率」を確保することを法律で約束しています。

● 日本の公的年金制度

日本の公的年金制度は、現役世代が納めた保険料などで、将来の高齢者ではなく、今の高齢者を支える仕組みです。 ただ高齢者の増加に伴って、現役世代が納める保険料を際限なく上げることは現実的には不可能なことから、今から10年前に制度が改正され、保険料の上限が決められました。 保険料は、3年後の平成29年度まで段階的に引き上げられます。

年金財政状況見通し(厚生労働省発表)_NHKニュース2014年6月3日_画像8具体的には、自営業者などが加入する国民年金は月額1万6900円、サラリーマンなどが加入する厚生年金は「標準報酬月額」と呼ばれる平均的な月額報酬の18.3%が上限となります。

厚生年金の保険料は、個人と企業が半分ずつ負担しています。 保険料の上限が決まっているため、年金の給付は、保険料、年金積立金、それに基礎年金の給付に必要な金額の半分を賄う税金を合わせた範囲内で行うことになります。

年金財政状況見通し(厚生労働省発表)_NHKニュース2014年6月3日_画像9このため高齢者が増えて年金の給付総額が増加し続けることを想定して、年金額を強制的に抑制する「マクロ経済スライド」と呼ばれる措置があります。 「マクロ経済スライド」は、物価や賃金の伸びよりも年金額を低く抑えるものですが、これまで一度も適用されたことはありません。

● 積立金の運用方針見直しへ

今回の「財政検証」で、今後の年金給付に必要な金額の見通しなどが示されたことを受けて、120兆円を超える公的年金の積立金を運用する、「GPIF=年金積立金管理運用独立行政法人」は運用方針を見直すことにしています。

「GPIF」の去年12月末現在の運用状況は、国内債券が55%、国内株式が17%、外国株式が15%、外国債券が11%となっており、国債などの国内債券に偏っているのではないかという指摘が出ています。

こうしたなか、政府の有識者会議は、去年11月、収益性をより高めるため、積立金の多くを国債に投資している今の運用方針を見直して、リスクのある金融商品にも投資することなどを求める報告書をまとめました。

また、ことし4月には、GPIFで業務の監視や積立金の運用方針の策定などに当たる「運用委員」に新たに7人が任命され、運用方針の見直しを求めた政府の有識者会議のメンバー3人も含まれました。

ただ、株式やリスクのある金融商品への投資については、運用で失敗した際の年金財政への影響を懸念する声も出ています。

GPIFは、今後、新たな「運用委員」の下で来年4月からの運用方針を、年内にも策定することにしていて、株式の運用比率がどの程度になるかなどについて、国内外の市場関係者らの注目が集まっています。

 「変えるべき部分は改正」

田村厚生労働大臣は、記者団に対し、「経済が成長し、労働参加が進むという前提では、年金の安定性が保たれることを確認した。だからといって、改革を全くしなくていいわけではなく、被用者年金の適用拡大も含めて、いろいろと議論し、変えるべき部分は改正しなければならない」と述べました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140603/k10014942441000.html

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