「サケ弁」が「ニジマス弁当」になったら..あなたは食べるか?

これは既にニュースで何度が取り上げられている話だが、昨年続発した食材虚偽表示の防止策として、消費者庁が外食店などのメニュー表示のガイドライン案提示している。 「サケ弁」が「ニジマス弁当」、「サーモントラウト弁当」などになりかねない。 加工牛肉をを使ったビーフシチューはビーフの表示ができなくなり、ただの「シチュー」という表示なってしまいそう。 政府が3月11日に閣議決定した景表法改正案では、今後メニューについても、消費者庁や都道府県が不当表示をやめさせる措置命令を出せるようになる。また、消費者委員会の専門会議では景表法違反への課徴金導入も議論されている。 次の焦点はガイドラインがどこまで消費者と外食業界双方にとって、望ましいものになるか。見直しされたガイドラインは来週にも公表される。

消費者庁が示したメニューのガイドライン案(2013年12月)以下、日経の記事クリップーー

「サケ弁」転じて「ニジマス弁当」 あなたは食べる?
(日経 2014/3/19 6:30)

いつもの店で頼む「サケ弁当」が、ある日「ニジマス弁当」に変わったら、あなたは食べる?消費者庁が検討している外食店などのメニュー表示のガイドライン案が波紋を呼んでいる。2013年、ホテルや百貨店で続発した虚偽表示の防止措置だが、変更点を巡り混乱が続く。メニュー表示に何が起きているのか。

「サケ弁当」と「ニジマス弁当」、「サーモントラウト弁当」があります。どれを食べたいですか。3月中旬、東京都内のオフィス街で弁当を買っていた人たちに尋ねた。「ニジマスは生臭いかも」。「サーモントラウトは高級そう」などの反応が返ってきた。

実は3つの弁当は同じ。市販弁当で広く使われるサケは標準和名ニジマスと呼ぶ魚を海で養殖したもの。サーモントラウトとも呼ばれる。

だが、消費者庁が昨年12月に示したガイドライン案に従うと、サケ弁当はニジマス弁当になる。2月に森雅子消費者担当相が「サケ弁当としても必ずしも違反にならない」と表明し落ち着いたものの、外食業界には衝撃を与えた。

□  □

問題はサケだけではない。ガイドライン案はビーフステーキを「1枚の牛肉の切り身を焼いた料理」に限定。赤身肉に牛脂を加えたり、肉の細い部分を折り返したりした肉はステーキやビーフと言えなくなる。「成形肉」「圧着肉」「牛脂注入加工肉」などと表記することも求めた。

メニュー表示を正確にする目的に異論を唱える人はいないだろう。だが、案が通ると戸惑うことは増えそう。例えば、レストランで親子が食事をする場面だ。

「ママ、いつものビーフシチューがないよ」と声を上げる子。母親がメニューを見ると、先週まであった『やわらかビーフシチュー』が消え、シチューとだけ書かれた一品がある。注文すると、運ばれてきたのは先週と同じビーフシチュー。加工肉をビーフと表記できなくなるため、こんなことが起きかねないのだ。

消費者庁が示したメニューのガイドライン案(2013年12月)外食業界では既にガイドライン案を意識したメニュー変更も始まっている。ガストは昨年12月上旬から「ほうれん草のソテー」を「おつまみほうれん草」に改めた。店内でソテーしていないためだ。神奈川県在住の会社員、A子さんは「おつまみとあるから、子どもが食べてはいけないのかと思った」と真顔で話す。

京王プラザホテル(東京・新宿)は1月に開いた北海道食材のフェアで、油など一部食材は北海道産ではないと、わざわざメニューに記した。「食事を楽しもうとするお客さんのためになるか、疑問はある」と企画広報支配人の斎藤潤子さん。食の安心・安全財団の中村啓一事務局長も「披露宴のステーキも成形肉と付記される。あまりに味気ない」と話す。

安価なエビをクルマエビやイセエビと偽るのは問題だし、アレルギー食品など人の命に関わる内容を表記するのは当然だ。だが、表記は産地や加工法、調理法に広がる。「最近のメニューは家電製品の仕様書のよう。それで失われたものはないか」と、飲食店コンサルタント会社、AZパートナーの榊真一郎社長は問いかける。

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失われたものとは店と消費者のコミュニケーション。虚偽表記で信頼が薄れたことで、消費者は対話もためらっていないか。メニューの内容がわからない時は店に聞く。店員も真摯に答えればよい。

「サケ弁」が「ニジマス弁当」になったら_画像「牛脂注入加工肉って何」。数人の女性がメニューを見て顔をつきあわせる。オークラフロンティアホテルつくば(茨城県つくば市)では、今月こんな風景を見かける。ランチセットの肉を米国産牛サーロインステーキか、牛脂入りのオーストラリア産牛肉から選べるようにしたためだ。

「消費者がどう感じるのか知るため、食べ比べてもらおうと思った」(関博幸総務管理課長)。当初の注文は米国産7に対し豪州産は3の割合だったが、今は豪州産が4に高まった。カギになったのはスタッフの徹底した説明。つまり顧客との対話だ。

無論、店と対話すべきだということではない。だが、表記での解決には限界があるし伝わらない味もある。メニュー表記の混乱は消費者が感じたことを店に問いかける大切さを再認識させた面はある。

メニューの中身がよくわからないとき、あなたは表記だけで注文しますか。それとも店員に声を掛けますか。

百貨店やホテルでメニューの虚偽表示が相次ぎ発覚した背景には、景品表示法の判断基準のあいまいさもある。消費者に実際より著しく優れていると誤解させる表記の、定義や例を示していなかった。消費者庁は昨秋作業に着手し、12月に表記のガイドライン案を公表した。

だが、外食業界の反発は強い。1月に外食業界の6団体が開いた会合では「長年、サケ弁で通ってきた」「ニジマスはかえって誤解を招く」などと批判が相次いだ。一方、同庁が一般に募集した意見では、アレルギーを懸念する消費者からメニューの食材すべてを明らかにするよう求める声もあったという。

政府が11日に閣議決定した景表法改正案では、今後メニューについても、消費者庁や都道府県が不当表示をやめさせる措置命令を出せるようになる。また、消費者委員会の専門会議では景表法違反への課徴金導入も議論されている。

次の焦点はガイドラインがどこまで消費者と外食業界双方にとって、望ましいものになるか。見直しされたガイドラインは来週にも公表される。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFE14020_X10C14A3WZ8000/

▼ 関連ニュース記事(時系列掲載)▼

消費者庁、食材表示のガイドライン案を公表
(日経 2013/12/19 20:08)

消費者庁は19日、景表法違反の恐れがあるメニュー表示のガイドライン案を公表した。肉や魚介類、農産物、小麦・乳製品、飲料の具体的な食材名を挙げ、問題となる表示31例と、付随する表現次第では問題となる4例を示した。例えばロブスターを「伊勢エビ」、低脂肪乳を「牛乳」と表示するのは問題となる。 消費者庁は、ホームページで公表している「表示に関するQ&A」で、成形肉と牛脂注入加工肉を「ステーキ」と表示するのは問題があると2011年8月に示した。しかし、それ以外の食材は具体的なガイドラインがなかった。虚偽表示問題の拡大の一因に、どこまでの表示なら許容されるのか分かりにくいとの指摘があり、ガイドラインをつくることにした。 同庁は一般からの意見募集(パブリックコメント)のほか、業界団体や消費者団体の意見も聴き年明けに正式決定する。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG19061_Z11C13A2CR8000/

シャケ弁当はニジマス弁当? 食材表示案に困惑の声
消費者庁が意見交換会
(日経 2014/1/27 21:26)

シャケ茶漬けはニジマス茶漬けに?――。食材の虚偽表示問題を受け、消費者庁が昨年12月に公表したメニュー表示のガイドライン案について、外食業者や消費者団体などとの意見交換会が27日、東京都内で開かれた。業者側からは一部の食材について「すでに名称が定着しており、消費者が混乱する」などと異論が相次いだ。

シャケ弁当はニジマス弁当?食材表示案に困惑の声消費者庁はガイドライン案で不適切な表示を具体的に例示。切り身を焼いた「シャケ弁当」やすしネタの「サーモン」などに使われることもあるサーモントラウトについては、標準和名が「ニジマス」であり、「サケ」や「サーモン」と表示するのは景品表示法上、問題があるとした。

意見交換会では、公益財団法人「食の安全・安心財団」(東京・港)の中村啓一事務局長が「ニジマスを海水養殖する技術の進歩でサーモントラウトが安定的に供給されるようになり『サーモン』の名称で定着している」と指摘。サーモンと表示しても「消費者に著しく優良と誤認させているとは思えない」と述べた。

外食大手の子会社で食品製造などを手掛けるコロワイドMD(横浜市)の井上真社長は「例えばお茶漬けやおにぎりにサーモントラウトを使った場合、メニューにどう書けばよいのか」と困惑の声を上げた。

消費者庁が意見交換会ガイドライン案はロブスターを伊勢エビと表示するのも景表法上問題があるとした。これに対し、水産物輸入商社の代表者は「輸入ロブスターにはイセエビ類とザリガニ類の2種類がある。イセエビ類のロブスターを『イセエビ』と表示するのは認めるべきだ」と訴えた。

ガイドライン案で、牛の成形肉を用いた料理は「ビーフ(成形肉使用)」と表示するとされた。外食店のコンサルタント会社の担当者は「豚肉や鶏肉についてもガイドラインで説明すべきだ」と要求。同社によると「とんかつ」でも成形肉を使っている場合があるという。

一方、消費者側として出席した主婦連合会(東京・千代田)の佐野真理子事務局長は「消費者が何を食べているのか分からないのは問題。きちんとした名称を表示してもらいたい」と強調。「違反業者に課徴金を科す制度が必要」と規制強化を訴えた。

消費者庁の片桐一幸表示対策課長は「本日いただいた意見や一般からの意見募集(パブリックコメント)を踏まえて、できるだけ早く正式なガイドラインを出したい」としている。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2703H_X20C14A1CR8000/

「サケ弁当」OK 消費者相が見解、食材表示案巡り
(日経 2014/2/7 20:00)

食材の虚偽表示問題を受け、消費者庁が昨年12月に公表したメニュー表示のガイドライン案を巡り、森雅子消費者担当相は7日の閣議後記者会見で、「サーモントラウト(ニジマス)」を使って「サケ弁当」と表示しても必ずしも景品表示法違反にはあたらないとの見解を示した。

森消費者相は、表示された食材の半値以下のものを使うのは、消費者に著しく優良だと誤認させ不当表示にあたると説明。そのうえで「一般的に消費者が認知し、値段が安価で両者の間に差がない場合は違反にならない場合がある」と述べた。

表示対策課は「一般的なサケ弁当でサーモントラウトを使った場合、消費者に著しく優良と誤認させるとはいえない」と説明。一方で「包装にクマがサケをくわえている絵や、北海道産サケと表示しながらサーモントラウトを使うと違反の恐れがある。表示全体で判断する」としている。

ガイドライン案は、サーモントラウトは標準和名が「ニジマス」であり「サケ」と表示するのは問題があるとした。外食業界側は「消費者に広く認知されている」と見直しを求めていた。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0702J_X00C14A2CR8000/

来週にも指針 課徴金の議論も
(日経 2014/3/19)

百貨店やホテルでメニューの虚偽表示が相次ぎ発覚した背景には、景品表示法の判断基準のあいまいさもある。消費者に実際より著しく優れていると誤解させる表記の、定義や例を示していなかった。消費者庁は昨秋作業に着手し、12月に表記のガイドライン案を公表した。

だが、外食業界の反発は強い。1月に外食業界の6団体が開いた会合では「長年、サケ弁で通ってきた」「ニジマスはかえって誤解を招く」などと批判が相次いだ。一方、同庁が一般に募集した意見では、アレルギーを懸念する消費者からメニューの食材すべてを明らかにするよう求める声もあったという。

政府が11日に閣議決定した景表法改正案では、今後メニューについても、消費者庁や都道府県が不当表示をやめさせる措置命令を出せるようになる。また、消費者委員会の専門会議では景表法違反への課徴金導入も議論されている。

次の焦点はガイドラインがどこまで消費者と外食業界双方にとって、望ましいものになるか。見直しされたガイドラインは来週にも公表される。

http://www.nikkei.com/article/DGKDASFE1403D_X10C14A3NNSP00/

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