映画「永遠の0」原作者・百田尚樹|「臆病な零戦操縦士」に込めた思い(日経BPインタビュー記事)

<映画「永遠の0」原作者・百田尚樹|「臆病な零戦操縦士」に込めた思い(日経BPインタビュー記事)> 国を愛するとは、人を愛するとは……。死ぬためでなく、生きるために戦い続けた零戦パイロットを通して、壮大な愛のドラマを描いた映画「永遠の0」(山崎貴監督)が、21日から公開される。

映画「永遠の0」 『永遠の0』 百田尚樹の同名ベストセラー小説を『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズを手がけてきた山崎貴監督が映画化。 【あらすじ】☛ 司法試験に落ち、進路に迷う佐伯健太郎は、祖母の葬儀で初めて祖父・賢一郎と血のつながりがないことを知らされる。
健太郎はフリーライターの姉の取材を手伝い、特攻で戦死した実祖父宮部久蔵の生涯を調べるため、祖父の元戦友たちを訪ねていく。彼らによると祖父、宮部久蔵は天才的な零戦操縦士だったのに、なぜか「海軍一の臆病者」といわれていた。宮部が残した「謎」を解いていくと、驚くべき“真実”が……。
2013年12月21日(土)から全国東宝系でロードショー。

映画 「永遠の0」
映画「永遠のゼロ」をみられた方々へのおススメ(タイトル、リンク済み)
☛ <零戦~搭乗員たちが見つめた太平洋戦争~(NHK・BSプレミアム8月3日、10日)>
(投稿日:2013/08/03)
以下は、日経BPのインタビュー記事のクリップ

映画「永遠の0」原作者・百田尚樹<「臆病な零戦操縦士」に込めた思い>

原作となった作家・百田尚樹さんの同名小説は発表当初の低空飛行から、異例の経過をたどりミリオンセラーに。作品に込めた思いを百田さんに聞いた。 (聞き手は日経BP社 デジタル編集センター編集委員 大谷真幸)

百田尚樹(ひゃくた・なおき)・作家|「永遠のゼロ」原作者(画像1)

百田尚樹(ひゃくた・なおき)
1956年大阪府生まれ。放送作家として「探偵!ナイトスクープ」(朝日放送)や数多くの番組を手がける。2006年「永遠の0」で小説家デビュー。13年「海賊とよばれた男」で本屋大賞を受賞。代表作に「ボックス!」(2008)、「風の中のマリア」(2009)など。

――2012年に発表した「海賊と呼ばれた男」(講談社)が今年、第10回本屋大賞を受賞した百田さんにとって、「永遠の0」は50歳で書いた処女小説だった。

「永遠の0」を書き始めたのはちょうど50歳になったときです。「人生五十年」という言葉があるけれど、「昔だったら人生終わっとんやな」と思ったんです。

それまでは放送作家としてテレビのバラエティー番組を作っていました。テレビの仕事は大勢で作る楽しみがあるのですが、50歳を超えて、今までとはまったく異なる表現の世界を、1人でやってみようと思った。それが小説を書き始めたきっかけでした。

――小説の舞台に第2次世界大戦中の日本を選んだのは、当時、闘病中だった父親が関係していたという。

小説を書こうと思ったとき、父が末期がんであと半年という時期を迎えていました。その一年前には叔父が亡くなっていた。

父も叔父も兵隊として第2次世界大戦を経験しています。その人たちが歴史から消えようとしている。

僕は、父や叔父から戦争の話を聞いています。私は戦争が終わってちょうど10年目に生まれた子供だから、それが普通でした(百田氏は1956年生まれ)。でも、父も叔父も、自分たちの孫には戦争の話をしていないんです。父の世代が消えてしまうと、語り継ぐ人がいなくなってしまう。彼らから話を聞いてきた世代として、その話を受け渡さないといけないと思ったのです。

――主人公を零戦のパイロットにしたのは「第2次世界大戦全体を描きたかったから」だ。

太平洋戦争をきっちりと描こうと思ったら、本にして何冊分もの分量が必要になります。でも、小説にするからにはコンパクトにまとめたい。分量を抑えながら戦争全体を描くには何が必要か。その答えが多くの戦場を描くことでした。

零戦はあの戦争を最初から最後まで戦った戦闘機です。真珠湾攻撃から終戦間際の特攻に至るまで、戦場には零戦がいた。主人公を零戦の搭乗員にすれば、多くの戦場を描ける、あの戦争全体を書けると考えたわけです。

主人公にあえて「臆病者」「海軍の恥さらし」と言われる人物を選んだのは、小説で「生きる」ということを描きたかったからです。当時の航空兵は、非常に戦死率が高かった。作戦に出たら何割かが死ぬという戦いを、繰り返し繰り返し続けるんですから。その中で「とにかく生きて帰る」というキャラクターを生み出すことによって、作品のなかで「生きる」ことを問えるのではないかと考えたんです。

――「探偵!ナイトスクープ」(朝日放送)など、長年、テレビの世界で放送作家として活躍してきた。

百田尚樹(ひゃくた・なおき)・作家|「永遠のゼロ」原作者(画像2)テレビの世界で長い間、仕事をしてきましたが、小説を書くに当たって、マーケティング的なことやビジネス的なことは一切考えませんでした。計算とかは一切なく、ひたすら書き続けて、完成させたのです。

ただテレビの手法を生かしたところはあります。とにかく読んでくれた人がページを繰るのをやめさせない本にしようと考えたことです。

テレビは最初から面白くないと視聴率が取れないんです。そして、途中に面白くないシーンを入れてもまた視聴率はとれない。とにかく全部面白いシーンをいれてあげないといけないんです。

「永遠の0」を書くときも、それは意識しました。いきなり面白い。読者を最初の1ページからつかまえる。つかまえたら絶対離さない。余計なシーンは一切出さない。それは今も一緒です。

――現在、売り上げが合計で390万部といわれる「永遠の0」だが、出版した当初はまったく売れなかったという。

書き上げてみたら、400字詰め原稿用紙で1000枚近い長さになっていました。出版社の新人賞に応募しようと思っても、規定の枚数を大きく超えています。そこで、いくつかの出版社へ持ち込んでみたんです。

そのとき、口をそろえて言われたのが「これは売れません」。

今の出版界では戦争物は売れないそうです。その中でもノンフィクションはまだ売れるけれど、フィクションはほとんど売れないと言われました。しかも書いたのは無名の新人だし、50歳だし、作品は長いし、賞も取っていないし。出版社にことごとく断られて、ようやく縁あって太田出版から出してもらえました。

でもやっぱり売れなかった。新聞や雑誌、テレビやラジオ、どこの書評欄にも載せてもらえませんでした。

――出版当初は売れなかったが、徐々に部数を伸ばし始める。それとともに読者層にも変化が生じた。

百田尚樹(ひゃくた・なおき)・作家|「永遠のゼロ」原作者(画像3)当初はまったく売れなかった「永遠の0」ですが、クチコミで徐々に広がっていったんです。爆発的には売れなかったけれど、じわじわと売れていった。出版社に聞くと、こういう売れ方で100万部を超えた本は珍しいそうです。

広まっていくうちに読者層も変わっていきました。最初は読者の90%が男性、ほとんどが60代以上で、50歳以下は買わなかった。それが徐々に年齢層が下がっていったんです。女性読者も増えてきました。今年に入ってからの読者は10代、20代が多くて、女性の比率も高いそうです。

――文庫を担当した講談社文庫出版部の大久保杏子さんが、クチコミでの人気を実感したのは初めて重版がかかったとき。だがそのときでも「100万部を超える作品になるという確信はなかった」。現在の売上390万部という数字は文庫市場全体で今世紀に入って初めての数字だという。

――若い読者の感想をインターネットで見ることがある。多い感想は「知らなかった」というものだという。

百田尚樹(ひゃくた・なおき)・作家|「永遠のゼロ」原作者(画像4)戦争について知っていることもあると思うんです。1941年に日本が真珠湾を攻撃し、1945年に無条件降伏した。東京、大阪、名古屋に大空襲があった。広島、長崎に原爆が落とされた。そういった「箇条書き」の事実は彼らも知っているでしょう。

若い読者たちが知らないのは、日本がどう戦い、どう敗れてきたのか。そして自分たちのおじいちゃんやおばあちゃんが、どういう時代を、どう生き抜いてきたのか。小説がきっかけで「もっと知りたい、勉強したいと思った」いう声を聞くと、うれしくなります。「亡くなったおじいちゃん、おばあちゃんにもっと話を聞いておけば良かった」という感想を読むと切なくなります。

若い世代にとって太平洋戦争はずいぶん昔の話に思えるでしょうが、江戸時代とは違って、探せば自分の親族にも戦死者がいる、そういう時代の話なんです。

――「永遠の0」はこれまで映画化の依頼が何度もあったが、すべて断ってきた。

これまであった映画化の話は全部、脚本が気に入らなかったんです。原作は600ページくらいあるので、普通にまとめたら7~8時間の作品になってしまいます。これをまとめるのは難しい。「これは自分が脚本を書くしかないな」と思って、書き始めたこともあるのですが、結局、できませんでした。自分でもできないんだから、これは映画化は無理だなと思っていたのです。

そんなとき、山崎監督から「映画にしたい」という話があって、シナリオを見せてもらったら、これがすごかった。他の脚本はモタモタしているところがあって、焦点がぼけるなと感じたところもあったのですが、それがまったくなかった。話の流れも、展開もお見事。映画にするために原作と違うところもあるのですが、全然気になりませんでした。

できあがった映像を見たら、これもお見事としか言いようがない。試写を4回見ました。普通4回も見ると、どれだけよくできた映画でも退屈するシーンが出てくるものなんです。今回の映画にはそれがまったくない。僕は10年に一度の傑作だと思っているんですが、ややこしいことに僕は原作者なので、「そりゃ、お前、原作者だからやろ」と言われてしまう。だから原作者やなかったらよかったのに、と思うくらいですわ(笑)。

http://www.nikkei.com/article/DGXBZO63257680Y3A121C1000000/

以下は、<出光興産の創業者、出光佐三をモデルにした小説「海賊と呼ばれた男」(講談社)が、全国の書店員が「最も売りたい本」を選ぶ2013年本屋大賞>を百田尚樹氏が受賞した際に、産経が掲載したインタビュー記事のクリップ――

【話の肖像画】 作家・百田尚樹(57) 「すごい男たちを知ってほしかった」
(産経 2013.5.20 03:09)

非常に驚いた、というのが受賞した最初の感想ですね。本屋大賞は書店の店員の方が選ぶんですが、店員の方って女性が多いんです。ぼくの硬派な作品が選ばれるかな?と思っていましたが、それでも選ばれた。東日本大震災の後、日本全体があきらめムードになっていた。そのときにこそ、日本を立ち直らせたすごい男たちのことを知ってほしい-と思って書いた。書店の方も、この作品を多くの人に届けたいと思ってくれたことがうれしいですね。

この本は、放送作家の同業者と話していたとき、出光が国際的に孤立していたイランにタンカーを極秘派遣した「日章丸事件」のことを聞いたのがきっかけでした。ぼくだけが知らんのかとびっくりして、周りの人に聞いても、みんな知らない。そこで調べていくと、出光佐三の人生は、驚愕(きょうがく)すべき95年だったんです。

これほどスケールの大きい人間が日本にいたのかと。生涯のどこをとっても、戦いと苦難の連続。晩年のハイライトは「日章丸事件」ですが、それよりも終戦の2日後、焼け野原の東京で社員を集め、「愚痴を言うな。愚痴は泣き言である。日本は必ず立ち上がる。ただちに建設にかかれ」と命じたことに感銘を受けました。

一代をかけて築き上げた会社を戦争でみんな失った。それでも佐三は、一人も社員をくびにせず、自分の資産をなげうってまで会社を存続させた。当時、佐三は60歳です。当時の平均寿命や健康状態を考えたら、今なら80歳に近いほど。人生の最晩年だと思うんです。

〈「海賊と呼ばれた男」は、終戦後、日本の石油業界のために、会社の社員全員のために、立ち上がるエピソードから始まる。出版不況の中、100万部を突破した〉

出光佐三に触れた後、東日本大震災がありました。バラエティー番組で笑っていていいのかと悩んだこともありました。クリエーターはみな悩んだと思いますよ。でも佐三のことを調べれば調べるほど、「これは書かないといけないぞ」と思いました。

昭和20年の日本と、震災の後の日本の姿がダブったんです。終戦後の日本はひどかった。300万人の命が失われ、住むところもなければ、工場もない。ゼロどころか、莫大(ばくだい)な賠償金を背負い、マイナスのスタートからだった。それでもわずか20年で、アメリカを除く戦勝国を追い越した。出光もすごいけれど、出光は日本の「すごい男」の象徴なんです。出光佐三と、出光興産の社員だけが努力しても、日本は立ち直らないんです。名もなき「出光佐三」が何千万人もいたからこそ、日本は立ち直った。そのすごさを知ってもらいたいんです。

本屋大賞の授賞式で、女性の書店員の方とお話ししたんですが、みんな、登場人物を「しびれる」って言ってくれたんです。どんな困難にあってもくじけない。芯のある、非常に魅力的な男を、現代の女性は待っているんですね。(聞き手 広瀬一雄)

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【プロフィル】百田尚樹
ひゃくた・なおき 昭和31年、大阪府生まれ。大学時代は関西の人気バラエティー番組の常連出演者だったが、番組にかかわる放送作家の道に進み、関西の“お化け番組”「探偵!ナイトスクープ」(朝日放送)にスタート時から携わっている。平成18年に「永遠の0」で作家デビュー。ボクシングを題材にした「ボックス!」、整形美女の愛憎を描いた「モンスター」など話題作を次々と世に出し続ける。
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http://sankei.jp.msn.com/life/news/130520/bks13052003100001-n1.htm

YouTube動画永遠の0(ゼロ)、百田尚樹さんが語る!
(ベストセラーBOOK TV(BS11))

YouTube動画|百田尚樹の主張

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以下は、零戦を兵器としてではなく純粋に航空機としてその構造と性能を解説した
ドキュメンタリーの動画です。 興味のある方はどうぞ――

【動画】 零戦 脅威の構造と性能1

【動画】 零戦 脅威の構造と性能2

【動画】 零戦 脅威の構造と性能3

【動画】 零戦 脅威の構造と性能4

【動画】 零戦 脅威の構造と性能5

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