シェアハウス⇒「寄宿舎」基準、8割不適合|一律規制、業界懸念・疑問の声

<シェアハウス⇒「寄宿舎」基準、8割不適合|一律規制、業界懸念・疑問の声> 他人同士が一つの家に集まって住む「シェアハウス」のうち約8割の2000棟以上が、国などの基準で「不適合」とされる可能性が高いことが分かった。狭く危険な「脱法ハウス」の問題に取り組む国土交通省が今月、シェアハウスを含む複数人の居住施設の事実上の規制に乗り出したためで、部分的な改修で対応できない物件も多数に上るとみられる。業界には「安全に配慮した普通のハウスまで排除するのか」「廃業が続出しかねない」と懸念が広がっている。

国の基準とは、国交省が9月6日に出した通知―<「寄宿舎」基準を適用、各室に窓を義務化>-というものだ。 詳細は、以下の記事――

脱法ハウス:「寄宿舎」基準を適用 国交省が通知
(毎日 2013年09月06日22時02分)

居室が狭く危険な「脱法ハウス」を巡り、国土交通省は6日、事業者が管理して複数人を住まわせる施設に、建築基準法上の「寄宿舎」の基準を適用して指導するよう全国の自治体などに通知した。事務所や倉庫と称して細かく仕切った施設に住まわせるケースだけでなく、近年増加している「シェアハウス」にも適用する。寄宿舎には、一般の住宅や事務所より防火性能の高い間仕切り壁を設けることや各居室に窓を設けることなどが義務づけられる。

同省はこの基準を適用するケースを「事業者が入居者の募集を行い、自ら管理する建築物の全部または一部に複数の者を居住させる『貸しルーム』」と定義。改修の有無と関係なく用途を「寄宿舎」にする必要があり、自治体に住宅や事務所として届け出ている100平方メートル以上の施設は用途変更が必要となる。例えば、貸す前の建物の用途が住宅(一戸建て)で、間仕切りなどを変更せずに「シェアハウス」とした場合も該当するという。

またこうした施設で、特定の居住者が就寝するなど「一定のプライバシーが確保され、独立して区画された部分」は同法上の「居室」に当たり、採光窓を設ける必要があると明言。具体的には(1)間仕切りが天井に達していない(2)(寝台部分を隔て)凹凸を設けて空間を上下に区画(3)天井と床の間を上下2段に区画――などのケースも該当するとした。

また同日、一般社団法人マンション管理業協会などに対し、「脱法ハウス化」を防ぐため、専有部分の改修に承認規定を設けるなどの規約改定を推奨する「周知文」を全国のマンション管理組合などに配布するよう通知した。 【加藤隆寛】

http://mainichi.jp/select/news/20130907k0000m040100000c.html

上記記事の基準を適用すると、「シェアハウス」のうち約8割の2000棟以上が不適合とされる可能性が高いという。 そのため、「廃業が続出しかねない」と懸念が広がっているというのだ。 以下の記事を読んでみよう――

シェアハウス:8割不適合 「寄宿舎」基準、業界懸念
(毎日 2013年09月25日)

他人同士が一つの家に集まって住む「シェアハウス」のうち約8割の2000棟以上が、国などの基準で「不適合」とされる可能性が高いことが分かった。狭く危険な「脱法ハウス」の問題に取り組む国土交通省が今月、シェアハウスを含む複数人の居住施設の事実上の規制に乗り出したためで、部分的な改修で対応できない物件も多数に上るとみられる。業界には「安全に配慮した普通のハウスまで排除するのか」「廃業が続出しかねない」と懸念が広がっている。

同省は今月6日、「事業者が入居者を募集し、自ら管理する建物に複数人を住まわせるケース」は「建築基準法上の『寄宿舎』の基準を適用する」と全国の自治体などに通知。「寄宿舎」の基準を当てはめれば、各室に窓を取り付けることはもちろん、防火性能の高い間仕切り壁を設けることなどが求められる。

業界団体「日本シェアハウス・ゲストハウス連盟」の今年6?9月の調べでは、全国に約500のシェアハウス運営業者が存在し、約2500棟(うち8割が東京都内)を運営。このうち2000棟以上が戸建て住宅を再利用したもので、ほとんどが「不適合」となる可能性が高い。残りの一部は寄宿舎扱いだが、大半は事務所やマンションの一室を改修したケースで、多数が法令違反となる可能性がある。

また、都は独自の条例で、寄宿舎もマンションなどと同様、火災時に各室の窓から下りて避難できるよう敷地内に数メートル幅の空き地を設けることを義務付ける。しかし、都心部の住宅は隣家と密接して建っていることが多く、空き地がなければ建て替えが必要になる。

ある業者は「壁を改修するにもいったん退去してもらわなければならず、再開時は賃料も上げざるを得ない。全面建て替えは現実的でない」と話した。連盟幹部は「数部屋しかないシェアハウスを寄宿舎に当てはめるのが適当なのか。今後、国交省と話し合っていきたい」としている。

同省建築安全調査室は、「業界をつぶすつもりはないが、適法な範囲でやっていただくのが望ましい。基準が明示された方が運営しやすいとの声は、業者側からも出ていた」と説明している。【加藤隆寛】

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■解説

◇場当たり規制、現状認識欠く

「窓なし」「3畳未満」などの劣悪な環境に多人数を住まわせる「脱法ハウス」は完全に排除すべきだ。同時に、法的定義のないまま広がるシェアハウスについては「どんな施設ならば安全に人間らしく暮らせるのか」を示す新ルールが要る。だが、国土交通省は既存法令にあった「寄宿舎」の基準を持ち出し、全体に規制の網を掛ける道を選んだ。荒っぽく、現状への認識を欠いた対応と言わざるを得ない。

基準を厳格に適用した場合、「4LDKの戸建てを4人でシェアする」などのケースも法令違反となり得る。新規参入は激減し、同省が別途進める「空き家対策」の貴重な手段も失う。

賃貸物件の初期費用や連帯保証人を用意できず、シェアハウスを選ぶしかなかった人も多い。新たな居住支援策が示されないまま、2000棟から数千?万単位の居住者が追い出されれば、どうなるのか。

インターネットの掲示板には個人がシェア仲間を募る書き込みも多く、規制を免れようとする業者が紛れ込む恐れもある。悪質業者が「地下」に潜れば危険な実態はより見えにくくなる。国は「付け焼き刃」でない抜本的な対応を再検討すべきだ。 【加藤隆寛】

http://mainichi.jp/feature/news/20130925ddm001040061000c.html

シェアハウス:寄宿舎基準 一律規制、疑問の声 業者「時代に逆行」
毎日新聞 2013年09月25日 東京朝刊

「時代に逆行する規制だ」―。 国土交通省が今月、シェアハウスなどに「寄宿舎」の基準を適用するよう自治体に通知したことを受け、業界関係者や自治体の担当者からは「一切合切を取り締まるのが、本当に正しいことなのか」と疑問の声が上がっている。危険な「脱法ハウス」だけでなく、新たなライフスタイルを求めようと伸び始めた「芽」まで摘んでしまうことになりはしないか。【加藤隆寛】

「安全面は気を配ってきたし、悪いことをしているつもりはない。むしろ利用者に喜んでもらっているのに、一戸建ての再利用を図っただけで『違法業者』と呼ばれるのか」。東京都内の古参業者は嘆く。「大家さんやご近所さんと築いてきた信頼関係も壊れる。10年やってきて、こんな気持ちになったのは初めて」

別のベテラン業者も「単身世帯率の上昇、空き家の増加といった社会問題の解決にシェアハウスはまさに『ドンピシャ』のはずだが……。新しい業態に古い物差しを当てはめようとするのは疑問だ」と首をかしげる。また、「目的が入居者の保護であれば、運営側が(寄宿舎と)同等レベルの防火措置を講じているか確認すれば良い」と指摘した。

これまで、戸建てを利用したシェアハウスの指導にはあえて踏み込んでこなかった自治体側にも戸惑いが広がる。東京23区内のある担当者は「それぞれの物件に個別事情があり、一概に判断できない。このような通知を受けてどう対応していけばいいのか、悩ましい」と漏らした。

一戸建てからの転用が難しければ、既存の寄宿舎をシェアハウスにするしかない。だが、物件数が限られる上に「転用したい」というニーズも少ない。土地を買ってまで建てようとする業者は少なく、ベテラン業者は「よほどの金持ち以外は(合法的にでなく)『モグリ』で個人的にやるしかない。もはや発展のしようがない業界になってしまう」と危機感をあらわにした。

◇改修費500?600万円 間仕切りは準耐火構造に

一般住宅ではなく、寄宿舎と認定されるとどんな「ハードル」が課されるのか。

居室に採光窓を設けなければならないのは、住宅も寄宿舎も同じ(事務所などは不要)。ただ、建築基準法施行令は学校や病院、旅館などと同じく寄宿舎も「防火上主要な間仕切り壁を準耐火構造とし、天井裏に達するようにしなければならない」と定めている。

「主要な間仕切り壁」の解釈を定めた日本建築行政会議のガイドラインは、「3室以下かつ100平方メートル以下」の空間を1区画とみなし、隣の区画や通路を隔てる壁の防火性能を上げなければならない(100平方メートル超なら2室以下で1区画)としている。

「準耐火」の壁は、火災発生から45分?1時間は変形や破損をしないことが求められ、木材などの表面に一定の厚さの石こうボードを張るのが一般的。一般住宅で導入されているケースは少なく、そもそも間仕切り壁の多くは天井までしか達していない。

寄宿舎は他にも▽廊下幅▽避難階段▽排煙設備▽非常用照明??などに関する規定がある。あるハウス運営業者は「7部屋ほどの一戸建てを改修するのに、500万?600万円はかかる」と推計した。

部分的な工事で対応が可能な「壁」などの問題以上に厳しいのが、火災時の避難路となる「窓先空地(まどさきくうち)」を巡る東京都建築安全条例の規定だ。マンションなどの居室と同様に、寄宿舎の寝室も「床面積を7平方メートル以上にすること」と「避難器具などを使って降りられるよう、窓先空地か道路に面する窓を設けること」が義務づけられる。

別の運営業者は「寄宿舎でやるなら、場所にもよるが1室10万円以上の賃料にしないと採算が取れない」と嘆いた。

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■ことば
◇シェアハウス

親族以外がキッチンやトイレなどを共用して暮らす住居。住人は個々に運営業者と契約し、個室や相部屋内のベッドを専有して住むのが基本。法律上の明確な定義はなく、業者を通さずに一部の部屋を貸したり、友人同士でルームシェアしたりするケースとの線引きは難しい。敷金・礼金など初期費用負担が軽く、連帯保証人が要らない手軽さがある。専門ポータルサイト業者によると、2007年末には約400軒7000床だったが、年々増加している。

http://mainichi.jp/feature/news/20130925ddm041040098000c.html

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