<卵巣凍結保存>がん治療後移植⇒機能回復、妊娠可能に|順天堂大、国内初の成功! スゴイ!

抗がん剤治療で機能が失われる前に卵巣を摘出して凍結保存し、治療後に体内に戻して機能を回復させることに順天堂大などのチームが成功した。 名古屋市で開催される日本産科婦人科内視鏡学会で6日に発表するという。 がん治療後の移植と機能回復の報告は国内初。 こういう事が可能なのか~、スゴイの一言デス。 NHKのニュースで知ったのだが、電子版記事を調べてみると西日本新聞の記事が一番詳しいようだ。 それぞれクリップして掲載――

卵巣凍結保存 がん治療後妊娠可能に
(NHKニュース 9月4日4時6分)

卵巣凍結保存 がん治療後妊娠可能に(NHK)1がん患者の女性から卵巣の一部を取り出して凍結保存し、抗がん剤による治療を行ったあと再び体内に戻して機能させることに順天堂大学の研究グループが成功しました。 抗がん剤による治療で卵巣がダメージを受け妊娠ができなくなるのを防げると注目されています。

卵巣凍結保存 がん治療後妊娠可能に(NHK)2   卵巣凍結保存 がん治療後妊娠可能に(NHK)3

この手術を行ったのは、順天堂大学医学部の菊地盤先任准教授らの研究グループです。

卵巣凍結保存 がん治療後妊娠可能に(NHK)4研究グループでは、がんの一種、悪性リンパ腫の20代の女性から卵巣の一部を取り出して凍結保存し、抗がん剤の治療が終わったあと再び体内に戻す手術を行いました。 女性の卵巣は手術後、半年ほどで女性ホルモンを分泌し始め、妊娠可能な状態に戻ったことが確認されたということです。

女性のがん患者が抗がん剤の治療を受けると卵巣がダメージを受け、多くの場合妊娠できなくなりますが、この手術を行えば妊娠ができるようになると注目されています。

研究グループによりますと、がん患者で凍結保存した卵巣の一部を戻す手術が成功したのは、国内では初めてです。

卵巣凍結保存 がん治療後妊娠可能に(NHK)5菊地先任准教授は「卵巣の摘出、凍結は短期間にできるので、すぐに抗がん剤治療を始めなければならない患者にも有効な方法だ。将来の妊娠の可能性を残すことは、治療を頑張るための希望になる」と話しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130904/k10014264141000.html

卵巣凍結 移植で回復 順天堂大チーム がん治療前に摘出保存 国内初、妊娠へ望み
(西日本新聞 2013年9月4日)

卵巣凍結、移植で回復(西日本新聞)抗がん剤治療で機能が失われる前に卵巣を摘出して凍結保存し、治療後に体内に戻して機能を回復させることに順天堂大などのチームが成功した。名古屋市で開催される日本産科婦人科内視鏡学会で6日に発表する。

若いうちに卵巣機能が低下する早発閉経の患者への移植例はあるが、がん治療後の移植と機能回復の報告は国内初という。将来の妊娠に望みをつなぐほか、女性ホルモンの欠乏による心筋梗塞や骨粗しょう症の危険性を減らす狙い。

菊地盤先任准教授(産婦人科)によると、移植を受けたのは悪性リンパ腫の20代の未婚女性。2010年に左右一対ある卵巣の片方を摘出し、1センチ角の組織片10枚を凍結保存した。

女性はその後、抗がん剤治療や骨髄移植を受け回復したが、治療によって卵巣の機能が失われ、エストロゲンという女性ホルモンを作れない状態が1年続いていた。12年7月に組織片2枚を解凍し、体内に残った卵巣に移植した。組織にがん細胞が残っていないことを検証したとしている。

半年後、卵子を包む袋のような「卵胞」が発育したことが超音波で確認でき、卵胞がつくるエストロゲンの血中濃度も上がったという。

悪性リンパ腫は、体の免疫システムを構成するリンパ節や胸腺、白血球などのリンパ系組織からできるがんの一種。

卵巣組織の凍結
 抗がん剤や放射線を使った治療で卵巣機能が失われる場合に備え、女性ががんの克服後に子どもを持つ可能性を残すためなどに行う。卵巣を腹腔(ふくくう)鏡手術で摘出し、スライスして凍結保存する研究が進んでいる。パートナーがいれば受精卵を治療前に保存する技術もあるが、早くがん治療に入る必要があったり、排卵を待つ時間が十分になかったりすることもある。卵巣組織の凍結はタイミングを選ばない利点がある。海外では順天堂大とは違う凍結方法だが、組織の移植後に出産した例もある。

http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/word/7325/9880

卵巣凍結保存し、がん患者のがん治療後に凍結卵巣組織を移植して妊娠機能を回復するというこの療法は「妊孕性(にんようせい)温存療法」というものだそうだ。 「妊孕性(にんようせい)」とは、「妊娠の妊」に「(子を)孕む(はらむ)」と書き、「妊娠する力」のことを言いうのだそうだ。 つまり、「妊孕性温存療法」とは妊娠する力を温存する療法を指す。

「妊孕性保存」でググってみた。 いろいろヒットするが、その中に聖マリアンナ医科大学のPDF版プレゼンスライド<妊孕性温存療法の指針
2 卵巣組織凍結保存>を発見した。 それを読んで、ニュース記事の「卵巣凍結保存 がん治療後妊娠可能に」がどういうものなのか分かった。

● 卵巣組織凍結はどうやるのか?

スライドの「卵巣組織凍結 例;Vitrification法(ガラス化法)による凍結」によると、卵巣には皮質と髄質部分があるが、髄質部分を除去し皮質のみにした卵巣をメスなどを用いて1cm×1cm×1mm程度にする(下図、スライド#15抜粋)――

卵巣組織凍結01

そして、以下の手順で凍結する――

卵巣組織凍結02● 卵巣組織解凍ははどうやるのか?

卵巣組織凍結03● 卵巣組織凍結の歴史

以下のスライド(クリックで拡大)によると、「1997年、ベルギーのDonnez J らは悪性腫瘍患者の妊孕性温存のために“卵巣組織凍結保存”を開始した」。 2004年に25歳のホジキン病患者(IV期)から摘出し凍結保存した卵巣皮質を6年経過した完全寛解後に自家移植し、11ヶ月後に自然妊娠が成立しヒトで初めて生児獲得に成功したとのことだ。 その後2013年1月までに22例の出産例が報告されているという。

卵巣組織凍結04  卵巣組織凍結05

● 日本の現状はどうなのか?

日本での状況はどうかというと、順天堂大学、岐阜大学、札幌医科大学、聖路加国際病院、滋賀医科大学、岡山大学などで卵巣組織凍結保存がおこなわれているようだ。 これらの中で、今回、順天堂大学が国内で初めて凍結保存した卵巣組織の移植に成功したということのようだ。

卵巣組織凍結06

出典: <がんと生殖に関するシンポジウム2013 平成25年4月21日東京> プレゼン・スライド「妊孕性温存療法の指針2 卵巣組織凍結保存」(聖マリアンナ医科大学) http://www.j-sfp.org/dl/MTG130425DrTakae.pdf

これは素晴らしい医療技術だ。 今後の更なる発展を大いに期待する。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中