<南シナ海、波高し>求む日本の巡視船、東南アジアで導入拡大⇒背景に中国の海洋進出

東南アジア各国で「日本の巡視船」を導入する動きが拡大している。 日本の新造巡視船(27メートル級)3隻を2007年にはインドネシアに引き渡した。 さらに、今年7月にはフィリピンに新造の40メートル級巡視船10隻の支援で合意した。 ここにきて、ベトナムが最近、日本の巡視船の導入を考え始めた。 海上保安分野で日本の支援を求める主な国は既に8カ国に上る。 背景には、中国の南シナ海への急速な進出がある ⇒ 昨年には、南シナ海・スカボロー礁(中国名・黄岩島)の領有権をめぐり、中国監視船とフィリピン巡視船がにらみ合う事件が起きた。 また、今年3月には南シナ海・パラセル(西沙)諸島周辺で中国船による発砲事件が起き、ベトナム漁船が被害を訴える事件が再三発生。5月には「中国船による体当たり」、7月には「武装した中国監視船係員による魚やレーダー機器の没収」事件も起きている。 日本海上保安庁の巡視船の導入を巡る朝日新聞8月19日朝刊の記事を以下にクリップ――

南シナ海波高し_求む日本の巡視船0求む日本の巡視船 東南アジア各国導入拡大
(朝日朝刊3面 2013-8-19)

ベトナムが最近、日本の巡視船の導入を考え始めた。東南アジアではインドネシア、フィリピンに次ぐ動き。海上保安分野で日本の支援を求める主な国は8カ国に上る。日本の優れた技術や装備への各国の評価と、中国を牽制(けんせい)したい日本政府、それに政府の途上国援助(ODA)予算に注目した造船業界の思惑が一致した。

● 中国の海洋進出、背景に

ベトナム政府関係者によると、日本の巡視船導入を考えているのは漁船の安全を管轄する農業農村開発省水産局。今年1月、南シナ海での漁船保護と領海保全を念頭に、海上での「取り締まり部隊」を新設。監視や追跡の装備を十分備えた船舶が足りないという。7月に調査団を日本に送り、ODAの利用などによる支援の要請を検討している。

一方、両政府関係者によると、ベトナムの海上警察への巡視船供与も模索している。7月末、海上保安大の練習船「こじま」がベトナム中部ダナン港に寄港。ベトナム海上警察のリー・ゴック・ミン大佐は歓迎式典で「海保には豊富な経験がある。協力を今後も進めたい」と日本の支援に期待を寄せる。

南シナ海波高し_求む日本の巡視船1日本には、ベトナム以外からも海上保安分野での協力の依頼が殺到している。

南シナ海波高し_求む日本の巡視船2主な地域は東南アジアだ。海上保安庁は元々、タンカーの通り道であるマラッカ海峡の海賊対策などに注目。2004年から続く東南アジアなどの海上保安機関長官会合の発足にも尽力した。フィリピン、マレーシア、インドネシアに、海上交通や救難のための設備や人材育成などを支援。2007年には27メートル級の新造巡視船3隻をインドネシアに引き渡した。

これを加速させたのが、中国の南シナ海への急速な進出だ。パラセル(西沙)諸島周辺では、3月に中国船による発砲事件が起きるなど、ベトナム漁船が被害を訴える事件が再三発生。5月には「中国船による体当たり」、7月には「武装した中国監視船係員による魚やレーダー機器の没収」事件も起きた。昨年は、スカボロー礁(中国名・黄岩島)の領有権をめぐり、中国監視船とフィリピン巡視船がにらみ合う事件もあった。

これに対し、安倍政権は対中国を念頭にした海上安全保障分野での関係国との連携に動く。ベトナムへの巡視船支援も「首相の強い関心事項」(政府関係者)という。7月にはフィリピンに新造の40メートル級巡視船10隻の支援で合意した。

今年3月、スリランカと海洋分野での協力推進で合意した背景にも中国があるという。中国は最近、インドを取り囲むように、バングラデシュやパキスタンでの港湾施設建設を支援しているからだ。

日本は5月、東アフリカのジブチでも、沿岸警備隊を育てる支援を始めた。日本がソマリア海賊対策で自衛隊をジブチに派遣する際、海賊への法執行手続きの必要性から、海上保安官を派遣したことが縁になった。別の政府関係者によれば、この問題で中国の艦艇派遣を知った麻生太郎首相(当時)が、派遣を渋る防衛省を説き伏せたという。

● 技術に評価 ■ 苦境の造船界歓迎

なぜ、各国は日本の支援を歓迎するのか。

国際協力機構(JICA)によれば、現代は戦争が相次いだ20世紀から様変わりし、テロや海賊対策が重要な課題に浮上。海上資源の開発に乗り出す発展途上国も相次ぎ、沿岸警備隊の需要が高まっている。

日本の装備や技術は優秀だ。インドネシアに引き渡された3隻は、日本と「限定して使う」と約束したマラッカ海峡での海賊やテロ対策のほか、密輸などの海上犯罪対策でも「活躍」。フィリピンとは100メートル級巡視船を支援する協議が水面下で進む。比海軍の主力艦は米国沿岸警備隊が使っていた110メートル級中古船。同海軍では、日本の支援を受ける沿岸警備隊への嫉妬の声が上がっている。

08年のリーマン・ショック後の需要急減や中国や韓国のメーカーとの競争、長引いた円高などに苦しめられた造船業界もこうした動きを歓迎。比政府と接触し、どうしたら日本の支援が受けやすくなるか、アドバイスを送るメーカーも出てきている。

沿岸警備隊の整備にかかる費用は海軍と比べて格安だ。日本の場合、海保の年間予算とイージス艦1隻の金額が同程度。予算規模が大きくない途上国が、沿岸警備隊への拡充に目を向ける原因にもなっている。

ただ、ラブコールを受ける海上保安庁には当惑もある。同庁政策評価広報室によれば、尖閣諸島を巡る問題や国際協力事業の拡大で予算や人員が不足気味。海保はジブチへの協力を引き受ける際、他のアフリカ諸国への協力はジブチを拠点とし、予算や人員の節約に協力を求めた。

アフリカでは、ケニアとタンザニアも日本に海上安保分野での協力を打診している。海保は9月、職員ら3人をジブチに派遣して逮捕術や法執行手続きなどを指導するが、そこにケニア海上警察関係者も招く。

同庁関係者の一人は「踊っているのは我々だが、踊らせているのは首相官邸と外務省。国際協力がどうなるか、よく見通せないのも事実だ」と語った。

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■ <南シナ海、波高し|中国vsフィリピン>日本は巡視船供与で中国を牽制するのか…  (投稿日:2012/05/19)

(書きかけ中….)

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