アシアナ航空機事故、なぜ乗客の半数は中国人だったのか? 韓国ソウル発214便の乗客291人のうち141人(48%)が中国人だった…

米サンフランシスコ国際空港で6日に起きた韓国アシアナ航空の着陸失敗事故。 その「韓国ソウル発サンフランシスコ行き214便」の乗客291人のうち141人、実に48%が中国人だった。 その次に多い乗客は韓国人が77人、米国人が61人。 さらに、事故で死亡した2人はともに中国の女子高校生だった。 韓国ソウル発にもかかわらず中国人乗客が圧倒的に多い。 なぜなのか?

この背景には、国際ハブ空港を推し進める韓国の政策がある。 韓国のハブ空港を経由する中国人のビザ問題に対しても積極的な緩和政策を打ち出し、中国人の韓国乗り継ぎ客を取り込んでいる。 しかし、根本的には、国際的価格競争のなかそれに太刀打ちできない中国航空会社の力不足が中国人利用者を韓国に向かわせているともいえる。 中国航空会社の料金は非常に高いのだ。 この件に関する以下の記事をクリップして掲載したい――

● なぜアシアナ航空事故機乗客の半数は中国人だったのか? (ウォール・ストリート・ジャーナル 2013年7月8日)

● アシアナ事故機、半数が中国人客 中国航空業の力不足露呈 (中国人民網 2013年7月10日)

● アシアナ航空事故、中国人半数の裏にハブ空港競争 (日経 2013年7月11日)

以下、クリップ記事本文――

なぜアシアナ航空事故機乗客の半数は中国人だったのか?
(WSJ 2013年7月8日)

なぜアシアナ航空事故機乗客の半数は中国人だったのか1米国やカナダの都市に向かう多くの中国人旅行者にとって、ソウルは重要な中継地となっている。その理由には、魅力的な航空運賃と中国発の太平洋横断直行便の不足がある。

米サンフランシスコ空港で着陸に失敗した韓国・アシアナ航空ソウル発の便の乗客291人のうち、約半数に当たる141人が中国人だったのもそのためだ。韓国外務省によると、6日の事故で死亡した乗客2人はいずれも中国人の女性だった。

韓国の首都ソウルは過去数十年、アジアと北米を行き来する乗客にとって重要な役割を果たしてきた。韓国航空最大手の大韓航空は長年、アジアの航空会社の中で最も多くの北米の都市行きの便を提供しており、それは今も変わらない。一方1990年代初めまでは、2010年に米デルタ航空と合併した米ノースウエスト航空がソウルを主要なハブ空港として運航していた。

しかし、アジア地域の航空会社の多くが太平洋横断便を拡充するにつれ、乗客の獲得競争は激化した。だが、北米便の需要の急増にもかかわらず、主に国営の中国の国内航空会社による路線拡充は遅れており、それが慢性的な航空運賃の値上がりを招いている。また米国-中国便は二国間条約によって厳しく規制されており、航空会社が必要に応じてサービスを向上させるのを難しくしている。

さらに、中国からの太平洋横断直行便のほとんどは北京か上海発だ。中国南部・広州発の便もあるが、本数は限られている。そのため、その他の地域の中国人客が北米に行くには、いずれかの都市を経由するしかない。

中国からの乗り継ぎ客の需要増加などに対応するため、韓国と日本の航空会社は過去数年、中国便を大幅に増加してきた。大韓航空は現在ソウルのハブ空港から中国本土の22都市に、アシアナ航空は21都市にそれぞれ運航しており、中国国内で運営する最大手の航空会社に数えられている。一方、日本航空は中国本土15都市に運航している。

アナリストによると、領有権をめぐる日中間の争いによって、中国発・韓国経由の太平洋横断便の利用客がさらに増えることになったという。

また、安い航空運賃も乗客を引きつける魅力の1つとなっている。

例えば、アシアナ航空のウェブサイトで販売されている上海-サンフランシスコ往復便のエコノミークラスのチケットの最安値は4800人民元(約7万9000円)だ。一方、国営の中国東方航空のウェブサイトによると、直行便のチケットの価格は約7600元となっている。

http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324368204578592692269285084.html

アシアナ事故機、半数が中国人客 中国航空業の力不足露呈
(中国人民網 2013年7月10日)

米サンフランシスコ国際空港で着陸に失敗したアシアナ航空機の乗客は約半数が中国人だったことがこのほど議論を呼んでいる。世界の航空会社間で競争が激化する中、日韓両国の航空会社は低価格で顧客を獲得しており、アシアナ航空の中国経由・米国行き便は直行便より約50%も安い。中国民航管理幹部学院の鄒建軍教授は、中国国内の航空会社と空港の競争力が不足しており、ソウル、東京、シンガポールなどの空港を拠点とする航空会社に30-40%の海外旅行者を奪われている、と指摘する。広州日報が伝えた。

経由便、低価格で顧客獲得 直行便の半額

中国民航大学航空経済研究所の李暁津・所長によると、中国-米国線は世界で最も黒字の路線とされており、利益額は米国の国内線3本の合計に相当するという。

鄒教授は、中国から出国する海外旅行者9300万人余りのうち、中国の航空会社を利用する割合はわずか60%前後で、残りの30-40%はソウル、東京、シンガポールなどの空港を拠点とする航空会社に奪われている、と指摘する。

航空会社を選択する上で価格は最も重要な要素の一つだ。中国-米国線では、中国国内の3大航空会社のほか、欧米、中東、日韓など世界の航空大手がしのぎを削っている。8月30日の上海発サンフランシスコ行きを例に取ると、国内の航空会社で直行便を運航しているのは、中国東方航空、中国国際航空、米ユナイテッド航空などわずかで、価格は6100-7500元(約10万-12万3000円)。一方、経由便の価格は、アシアナ航空3432元(約5万6000円)、全日空5300元(約8万7000円)など、3000-6000元(約4万9000-9万8000円)の低価格帯が多い。アシアナ航空の中国経由・米国行き便は直行便より最高約50%も安い。

中国の調査会社「中投顧問」の蔡建明・研究員は「全体的に見れば、価格の安さや便数の多さ、さらに30日間のノービザ滞在許可により、中国の旅行者が大量にアシアナ航空に流れている」と分析する。

業界関係者は、日韓の航空会社が経由便で顧客を獲得している状況について、中国市場には大きな需要があり、地理的にも経由便に適していることがあるが、それ以上に乗り入れ権をめぐる問題が重要と指摘。中国-米国間では乗り入れ権の関係で直行便の数が限られているため、価格が割高になっているという。

鄒教授は、世界の航空関連データを収集・提供するオフィシャル・エアライン・ガイド(OAG)が公表したデータを取り上げ、韓国の大韓航空、アシアナ航空は中国の20都市余りで毎日70-80便を運航しており、北京、上海、広州の3空港の合計よりも多いと説明した。

業界「中国の航空会社は競争力が不足」

航空市場の旺盛な需要を背景に、南方航空、国際航空、東方航空、海南航空など中国の航空大手は近年、相次いで国際線の開拓に力を入れている。しかしそれでも中国の消費者からは、国内の航空会社は選択肢が少なく、価格も割高だと不満の声が上がっている。

鄒教授は、観光サービスや航空輸送サービスをめぐる国際競争で中国の置かれている現状が、今回のアシアナ機事故で浮き彫りとなった、と指摘。ミクロの視点では、航空会社と空港の競争力が不足しており、マクロの視点では、観光サービスや航空輸送サービスの管理に関する政策や仕組みに恐らく不備がある、との見方を示した。

ある上場航空会社のマーケティング担当者は「根本には隠れた独占がある。優良な国際便を多く就航させたいのは山々だが、資源や承認を獲得するのは容易ではない。上空通過権などの制約を受ける航路もある」と難しさを語る。

http://j.people.com.cn/94476/8320251.html

アシアナ航空事故、中国人半数の裏にハブ空港競争
上海支局 菅原透
(日経 2013/7/11 11:00)

米サンフランシスコ国際空港で6日に起きた韓国アシアナ航空の着陸失敗事故に多くの中国人が関心を寄せている。無理もない。乗客の半数近くの141人が中国人。死亡した2人はともに中国の女子高校生だったからだ。それにしても、なぜ、これほど多くの中国人が韓国機を利用していたのか。

米サンフランシスコ国際空港で6日に起きた韓国アシアナ航空の着陸失敗事故に多くの中国人が関心を寄せている。無理もない。乗客の半数近くの141人が中国人。死亡した2人はともに中国の女子高校生だったからだ。それにしても、なぜ、これほど多くの中国人が韓国機を利用していたのか。

なぜアシアナ航空事故機乗客の半数は中国人だったのか2事故を起こしたアシアナ航空214便は韓国ソウル発サンフランシスコ行きだった。291人の乗客のうち、韓国人が77人、米国人が61人で日本人も1人含まれていた。だが中国人が突出して多い。

一つの理由はサマーキャンプに向かう生徒が多かったこと。浙江省と山西省の中学・高校の生徒や引率の教員ら約70人が搭乗していたという。亡くなった2人の女子高生もその参加者だった。

もう一つ、謎を解くカギがある。中国メディアの報道によると、141人のうち90人が上海から搭乗し、ソウルで乗り継いでサンフランシスコに向かう乗客だったという。実は上海からサンフランシスコ行きの航空チケットを購入しようとすると、このソウル経由が最も安い。例えば、中国のチケット予約サイト「携程(シートリップ)」を見ると、上海→ソウル→サンフランシスコの15日発アシアナ便の往復チケット料金は8380元(約13万4千円)からだ。

なぜアシアナ航空事故機乗客の半数は中国人だったのか3もちろん、直行便もある。例えば、中国東方航空の直行便の往復料金は1万4150元から。ソウル経由のアシアナ航空は4割引きとなる計算だ。上海から乗るとソウルでの乗り継ぎは2時間弱。飛行時間が11時間前後の直行便と大差ない。しかし、日本円で9万円超の割安感は魅力だ。

ソウルには乗り継ぎの利便性を高めるインフラもある。英調査会社スカイトラックスによる「世界空港ランキング」。今年度版でソウルの玄関口・仁川国際空港はシンガポールのチャンギ空港に次いで2位に入った。

同調査は世界の空港を利用者のアンケート調査を基に格付けしており、到着や乗り継ぎの正確さや便利さ、ショッピングや入国管理などについても評価している。日本からはかろうじて東京国際空港(羽田空港)が9位に入ったのが目に付く程度。中国の北京首都国際空港(5位)よりも低い。

なぜアシアナ航空事故機乗客の半数は中国人だったのか4韓国政府も「乗り継ぎ客」の誘導に力を入れている。今年5月からは米国の査証(ビザ)を取得した中国人なら、韓国にビザなしで最長30日間滞在できるようにした。実は日本やカナダ、オーストラリア、ニュージーランドに加え欧州30カ国のビザ保有者も同様にノービザで韓国に入国できる。条件はただ一つ、「韓国経由」であることだ。

日本政府関係者からは、「私たちが韓国政府に代わって中国人の身元を保証しているようなもの」とため息も漏れるほどの「奇策」。その効果はてきめんだ。中国メディアによると、今年1~6月期に韓国を訪れた外国人観光客のうち、中国人はのべ174万人に達し、日本人の134万人を上回り国・地域別で最多だったという。

所得水準の向上で、海外旅行熱が高まる中国の観光客を取り込み、サービス業を中心に自国産業を活性化させる。韓国の官民一体の「ハブ拠点」作りは大きな成功を収めているようにも見える。

翻って日本。羽田空港や関西空港がかねて「アジアのハブ空港」を目指している。だが、中国人に対するビザ発給条件は相変わらず厳しく、乗り継ぎ便が価格面を含め驚くほど充実しているわけでもない。韓国機の今回の事故は、図らずも日韓が争う「ハブ空港競争」ですでに勝敗がついていることを白日の下にさらしてしまったようだ。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM0902Q_Q3A710C1000000/

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