新・出生前診断の希望殺到 3カ月で1000人超受診(日経)| (更新2014年6月17日) ☛ 新型出生前診断実施病院・医療機関一覧表を42ヶ所に更新

更新2014-6-17 新型出生前診断実施病院・医療機関一覧表を42ヶ所に更新(中段に掲載)】 妊婦の血液検査で染色体異常の有無を調べる新型出生前診断が始まり、約3カ月が経過した。全国の医療機関には希望者が殺到。「高齢出産」を理由にする妊婦が多く、受診者は6月上旬までに1000人を突破した。母体への負担が少ないメリットがある一方、検査を十分に理解しているかどうかへの懸念はぬぐえない。冷静な判断には正確な情報提供などカウンセリング体制の充実が欠かせない。

以下、日経記事のクリップ――

新・出生前診断の希望殺到 3カ月で1000人超受診
情報提供・説明の充実が不可欠
(日経 2013/7/4)

■ 「確定でない」強調

新・出生前診断の希望殺到(日経)1「なぜ、検査を受けようと思ったのですか?」「高齢出産だったから」。今年5月、昭和大学病院(東京・品川)の産婦人科の診察室。認定遺伝カウンセラーの四元淳子さんに、妊婦(38)は思いを伝えた。

四元さんは、検査で判定できる染色体異常はダウン症などの3種類であることや、結果が出るまで2週間かかることなどを説明。その中で強調したのは、異常の可能性を示す「陽性」の場合は、確定診断ではない点だ。確定するには、妊婦の腹部に針を刺し、羊水を採取する「羊水検査」が必要と、訴えかけた。カウンセリングは約30分間。検査内容に納得した女性は採血室に向かった。

女性が新しい出生前診断を知ったのは3月。当時、妊娠のごく初期だった。検査を受けるかどうか夫と相談し、話し合いを重ねてきた。「結果について考えないようにして検査を受け、陽性なら、夫と時間をかけて話し合う」と語った。

昭和大学病院では4月以降、100人を超える妊婦が受診。カウンセリングを受け、確定診断ではないことを知り、羊水検査に切り替えた妊婦や、検査結果が出たとしても、妊娠を継続するか決められないとの理由で受けない妊婦もいた。関沢明彦教授は「十分な説明を受けず、検査を受ければ動揺や混乱が生じ、冷静な判断ができなくなる恐れがある」と強調する。

関沢教授によると、これまでの出生前診断の一つの「羊水検査」は0.3%の確率で流産する危険性があり、ためらう妊婦も。新しい出生前診断は採血による簡単な検査でリスクがなく、全国の病院には希望する妊婦が相次ぐ。

名古屋市立大学病院(名古屋市)では週2回、臨床遺伝専門医と産婦人科医、認定遺伝カウンセラーの計5人体制でカウンセリングに臨む。一日あたり約10人。ほとんどが採血に進み、実際に4月の検査は72件と全国で2番目に多く、首都圏や関西圏からの希望者もいる。受診した妊婦(36)は「すべての異常が分かるわけではないことを知り、カウンセリングの重要性を感じた」。鈴森伸宏准教授は「新しい出生前診断が確定診断と勘違いしている人もいる。検査の精度や判定できる染色体異常は一部にすぎないことなどを検査前に理解してもらう必要がある」と説明する。

■ 小児科医も同席

同病院では陽性と判定され、その後の羊水検査で胎児が染色体異常だと確定した妊婦には、遺伝医療の専門医だけでなく、小児科医も同席する。ダウン症の成長過程や通院の頻度、生活上の支援などを具体的に説明できるからだ。

実施医療機関の医師らでつくる任意団体「NIPTコンソーシアム」(東京・品川)によると、受診者は4月の開始から1カ月間で441件に上った。平均年齢は38.4歳。9割が「高齢出産」を受診理由にあげた。2012年の高齢出産(35歳以上)は全体の26%を占め、10年前に比べ12ポイント上昇。高齢妊娠・出産が増える中、出生前診断への関心が社会的に広がったことが増加の要因で、関沢教授は「今後、検査希望者はさらに大きく増えるだろう」とみる。

日本産科婦人科学会などは検査前後、専門医などがカウンセリングを実施できる医療機関に限るとの指針を出した。日本医学会も、検査対象の妊婦を出産時に35歳以上や超音波検査で染色体異常の可能性が指摘された場合に限定する。

聖路加看護大学(東京・中央)の有森直子教授(遺伝看護学)は「検査で染色体異常が分かっても治療法はなく、全員が受ける必要はない。医療者が質の高い情報を分かりやすく説明し、妊婦と家族が納得できる選択を一緒に考える体制作りが重要」と指摘。様々な情報が氾濫する中、新しい検査にどう向き合うのか。後悔しない決断を社会が支えていく必要がある。

◇            ◇

■ 少ない認定施設、ケア課題

新たな出生前診断には課題も少なくない。

新・出生前診断の希望殺到(日経)2

新型出生前診断を実施している全国の医療機関一覧図 (後段に掲載の一覧表には平成26年5月14日現在の42ヵ所の医療機関がリストされている。

実施医療機関は全国で21カ所(2013年5月19日の時点)。ある地方の医療機関では2カ月先まで予約が埋まり、首都圏からの希望者も目立つ。陽性では羊水検査やその後のカウンセリングで何度も来院が必要なため、「遠方では十分なケアができるか心配」。

新しい出生前診断は既に海外で行われている。医療関係者によると、国内の認定施設で受けずに海外に渡航して検査を受ける妊婦もいるという。医療関係者は「海外では言葉の問題もあり、検査内容の説明を十分に理解できるか疑問。陽性の場合、帰国後にカウンセリングを受けられず一人で悩むことになる。必ず国内の認定施設で受けてほしい」と訴える。

検査費用は約20万円。公的医療保険の対象外で、負担は大きい。厚生労働省は今夏、出生前診断全般の実態調査を始める。検査数やカウンセリングの実施状況などを把握、国の支援体制の検討材料にしていく。

(村上徒紀郎、堅田哲)

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新型出生前診断 妊婦の血液中の胎児のDNA断片を解析し、計3種類の染色体異常を調べる検査。ダウン症の21トリソミー、呼吸障害などをもたらす18トリソミーと13トリソミーの染色体異常の有無が高確率で分かる。妊娠10週から可能だ。陽性では胎児がダウン症である可能性は35歳以上で80%以上。陰性の的中率は99%以上という。日本医学会が認定した全国15施設で4月から始まり、その後、8施設が追加された。
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[日本経済新聞夕刊2013年7月4日付]

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO56942440T00C13A7NNSP01/

リスト更新:2014年6月17日

☛ 新型出生前診断実施病院・医療機関一覧表 (平成26年5月14日現在:42施設

都道府県 施設名 (各HPにリンク済み) 認可日
北海道 北海道大学病院  H25.3.26
北海道 札幌医科大学附属病院 H25.4.30
岩手県 岩手医科大学附属病院 H25.3.26
宮城県 宮城県立こども病院 H25.3.26
埼玉県 埼玉医科大学病院 H25.4.30
埼玉県 瀬戸病院 H26.5.14
千葉県 千葉大学医学部附属病院 H25.10.15
東京都 昭和大学病院 H25.3.26
東京都 独立行政法人 国立成育医療研究センター H25.3.26
東京都 東京女子医科大学 H25.4.30
東京都 山王病院 H25.6.17
東京都 聖路加国際病院 H25.7.25
東京都 慶應義塾大学病院 H25.9.13
東京都 日本医科大学付属病院 H25.9.18
東京都 東京慈恵会医科大学附属病院 H25.11.29
東京都 日本赤十字社医療センター H25.11.29
東京都 東邦大学医療センター大森病院 H26.2.28
東京都 総合母子保健センター愛育病院 H26.2.28
神奈川県 横浜市立大学附属病院 H25.3.26
神奈川県 東海大学医学部付属病院 H25.11.29
神奈川県 北里大学病院 H26.3.27
新潟県 新潟大学医歯学総合病院総合周産期母子医療センター H25.3.26
愛知県 名古屋市立大学病院 H25.3.26
愛知県 藤田保健衛生大学病院 H25.3.26
愛知県 名古屋市立西部医療センター H26.2.12
大阪府 大阪市立総合医療センター H25.3.26
大阪府 大阪大学医学部附属病院 H25.3.26
大阪府 大阪府立母子保健総合医療センター H25.7.16
大阪府 独立行政法人 国立循環器病研究センター H25.11.29
兵庫県 神戸大学医学部附属病院 H25.4.30
兵庫県 兵庫医科大学病院 H25.4.30
奈良県 奈良県立医科大学附属病院 H25.11.15
岡山県 岡山大学病院 H25.6.26
広島県 広島大学病院 H25.10.10
徳島県 徳島大学病院 H25.3.26
香川県 四国こどもとおとなの医療センター H25.9.18
愛媛県 愛媛大学医学部附属病院周産母子センター H25.3.26
福岡県 独立行政法人 国立病院機構 九州医療センター H25.3.26
福岡県 福岡大学病院  H25.4.30
長崎県 長崎大学病院 H25.3.26
熊本県 熊本大学医学部附属病院 H25.11.29
大分県 大分大学医学部附属病院 H25.7.25

上記一覧表の出典: 日本医学会臨床部会運営委員会「遺伝子・健康・社会」検討委員会のHP、「母体血を用いた出生前遺伝学的検査」施設認定・登録部会のウェブページ http://jams.med.or.jp/rinshobukai_ghs/facilities.html

【2013-11-22 記事追加

今年4月から開始された新出生前診断を6カ月で3514人受診したそうだ。 染色体異常の可能性がある「陽性」だったのは67人、羊水検査で異常が確定したのは56人だったという。 この件を報じる日経と毎日の記事抜粋を追加――

新出生前診断、6カ月で3514人受診 陽性67人・異常確定56人
(日経 2013/11/22 11:59)

新出生前診断、6カ月で3514人受診 陽性67人・異常確定56人(日経2013-11-22)妊婦の血液で胎児の染色体異常を調べる新出生前診断を実施している病院のグループは22日、診断の実施件数は今年4月の開始から6カ月間で3514人に上ったと、仙台市で開催中の日本人類遺伝学会で発表した。うち、染色体異常の可能性がある「陽性」だったのは67人、羊水検査で異常が確定したのは56人だった….▽グループによると、4~9月に全国の25施設が3514人に実施。平均年齢は38.3歳、妊娠週数は平均13.5週だった。検査の理由は、出産時に35歳以上が目安となる高齢妊娠が94.2%と大半を占め、染色体異常の妊娠歴が2.4%、超音波検査で異常の可能性が高いと指摘された人が1.4%などだった….
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2201I_S3A121C1CR0000/

新出生前診断:羊水検査後陽性53人中絶 3500人解析
(毎日新聞 2013年11月22日 09時00分)

新出生前診断 羊水検査後陽性53人中絶 3500人解析(毎日2013-11-22)妊婦の血液から胎児の疾患の有無を判定する新型出生前(しゅっせいぜん)診断(NIPT)の臨床研究で、診断結果が陽性反応だった67人のうち、その後の羊水検査などで陽性が確定した少なくとも54人のうち53人が中絶を選んでいたことが分かった。臨床研究を実施する研究者らが参加する組織「NIPTコンソーシアム」(組織代表=北川道弘・山王病院副院長)が今年4月から9月末までに検査を受けた約3500人について解析した。仙台市で開催中の日本人類遺伝学会で22日、発表する。

新型出生前診断は今年4月に開始。染色体異常によって起きるダウン症(21番染色体の数に異常がある21トリソミー)、いずれも重い心疾患などを伴う13番染色体異常の「13トリソミー」、18番染色体異常の「18トリソミー」の3疾患が対象。陽性と判定されても、35歳の妊婦では胎児がダウン症である確率は80%程度にとどまるため、羊水検査などを受ける必要がある。

解析結果を知る関係者によると、解析対象となった約3500人の妊婦の平均年齢は約38歳。3疾患のいずれかで陽性反応が出たのは全体の約1.9%にあたる67人。そのうち妊娠が継続し、羊水検査など確定診断を受けた62人の中で、陽性が確定し、流産もしなかった症例が少なくとも54人おり、そのうち53人が中絶を選んだ。1人は調査時、妊娠を継続するか否かを悩んでいたという。中絶を選んだ53人の内訳は、▽ダウン症33人▽13トリソミー4人▽18トリソミー16人――だった。新型出生前診断の開始にあたっては、簡便なため、妊婦が十分認識を持たずに受け、動揺する可能性がある▽染色体異常のある胎児の排除や生命の選別につながりかねない――などの問題が指摘された…..
http://mainichi.jp/select/news/20131122k0000m040122000c.html

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