アップル、アイルランド使った節税⇒事実上の二重非課税(日経)|タックスヘイブンを使わずとも巧みに租税回避するアップル、「チェック・ザ・ボックス規則」の活用…

租税回避】 「アップル、アイルランド使った節税 事実上の二重非課税」、タックスヘイブンを使わずとも巧みに租税回避するアップル、それは「チェック・ザ・ボックス規則」の活用だという。 一体どうやっているのか? この日経記事クリップを読んでみよう――

<欧米でグローバルIT(情報技術)企業の「節税」に対する批判が急速に高まっている。米議会上院は報告書で、アップルが低税率国のアイルランドに利益を集めていると指摘。経済協力開発機構(OECD)や主要8カ国(G8)も企業の課税逃れを防ぐ方策を検討中だ。注目を集めるアップルの巧みな税務戦略と、国際ルール整備の動きを探った>…..

アップル、アイルランド使った節税 事実上の「二重非課税」
(日経 2013/6/3 2:12)

■ 海外利益をアイルランドに集中

アップル、アイルランド使った節税 事実上の二重非課税1「(タックスヘイブンの)ケイマン諸島などは使っていません」。5月21日の米上院公聴会で、アップルのクック最高経営責任者(CEO)はこう説明し、税金逃れではないと強調した。

だが議会の報告書は、アップルが2009~12年で740億ドル(約7兆6000億円)の海外利益をアイルランドに集め、米国の課税を逃れたと指摘した。アイルランドなど低税率国を使った節税策の“元祖”ともいわれるアップル。1990年代から始まった節税手法は、どのような仕組みなのか。

アップル、アイルランド使った節税 事実上の二重非課税2報告書によるとポイントは大きく3つ。1つめは、税率を下げて企業を誘致してきたアイルランドに海外の利益を集めることだ。

アップルのアイルランド子会社(ASI)は、製造業者から製品を仕入れ、高めの価格で欧州、アジアなど海外拠点に販売。海外拠点は単に販売を仲介する形とし、米国外で生まれた利益のほとんどがアイルランドに集まる仕組みにした。

2つめは本社とASIが知的財産の研究開発コストを分担する契約を結ぶ点だ。ASIは本社よりも多くコストを負担、それに見合う分の利益を本社と分け合う。知財が生む付加価値が大きいほど海外に利益がたまる。

米上院が特に問題視したのは3つめのポイント、子会社が現地でも米国でも課税されない「二重非課税」に近い状態に置かれていたことだ。

米国は設立地が国内の会社に課税し、アイルランドは国内に経営機能がある会社に課税する。そこでアイルランドに設立した子会社は、米国に経営実態を置く形にすれば、どちらの国からも基本的に課税されない。

■ 法律違反なく対応に苦慮

米国には、こうした課税逃れに網をかける「タックスヘイブン対策税制」がある。アップルはこの対策として別の抜け穴を組み合わせた。通称「チェック・ザ・ボックス規則」の活用だ。

具体的にはアイルランドに海外統括会社(AOI)を設立、ASIを傘下に置いて支店扱いにした。そうすれば同規則で課税対象外となる。ASIから最終的に配当を受け取るAOIも、税制の例外規定によって米国からは課税されない。

アイルランドからの課税は当局との交渉で税率(12.5%)を実質2%以下に抑制。アップルはグループ全体の実効税率も約25%に抑えた。

グーグルやマイクロソフトなども、利益拡大を求める株主の声を背景に同様の節税策を実施している。財政難の主要国は厳しい視線を注ぐが、法律違反がないだけに対応に苦慮している。

アップル、アイルランド使った節税 事実上の二重非課税3■ 課税逃れ、OECDやG8も対策検討

先進国では1990年代からケイマン諸島などのタックスヘイブンや、アイルランドなどの低税率国に利益や知的財産を集める節税策への対応が課題となってきた。

特に近年は、財政難の国々が足並みをそろえて対策に乗り出している。なかでも、複数の制度を組み合わせることで生じる「当局が予期しない節税策」は、経済協力開発機構(OECD)租税委員会が「税源侵食と利益移転(BEPS)」と呼ぶ最優先のテーマだ。

米国では、97年にチェック・ザ・ボックス規則を導入した当初から抜け穴が指摘されていた。数度にわたり規則を見直そうとしたが、本来は納税時の企業の負担を減らすルールだけに反発を受けて頓挫。一国での対応には限界があるのが現状だ。

OECDでは、グローバル企業に世界全体で課税してから各国に配分する方式も浮上している。ただ、「各国の企業税制への影響が大きいうえ、低税率国が存在する状況では効果が薄まる」(国際税務に詳しい太田洋弁護士)という。

世界統一の課税ルールの実現にはほかにも大きな壁がある。中国やインドなど新興国の存在だ。新興国も自国で生まれたグローバル企業の利益が流出していると考えているからだ。

「かつては植民地として、今は知的財産権で搾取されている。税は現代の南北問題だ」。インドの税務当局者が日本の当局者にこう強調したという。中国やインドなどアジア各国の税務当局や研究者からは「自国市場で生まれた利益が外に持ち出されている」という声が相次ぐ。

米英仏独が主導するOECDが統一課税ルールを推し進めれば、「取り分」を巡る新興国勢との争いに発展するのは確実。先進国は「慎重に議論を進めたい」(日本政府関係者)のが本音だ。

実際、OECDと国連は別々の国際課税ルールを提案しており、争いは表面化している。「国連はOECDと違い源泉地国を重視する」。国連のモデル租税条約は、新興国の発展には利益が生まれた国での課税強化が必要だと強調している。

低税率国、新興国、先進国の利害が交錯するなか、グローバル企業に対してどのように課税するのか。答えは容易に見つかりそうにない。 (八十島綾平)

http://www.nikkei.com/article/DGXNZO55735630R00C13A6TCJ000/

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チェック・ザ・ボックス規則とは ☛ 【チェック・ザ・ボックス規則】 米国企業が海外に持つ拠点の税務上の扱いを(1)法人(課税対象)にするか(2)支店(課税対象外)にするかを企業自らが選べる米財務省規則の通称。問診票のような質問シートに沿ってチェックを入れると自動的に判断できる。 この規則は海外、特にタックスヘイブンにある孫会社まで対象にしており、問題となっている。子会社であれば一般に米タックスヘイブン対策税制(CFC税制)により課税されるが、別の持ち株会社を設立して孫会社にしてしまえば支店とみなすことができ、課税対象外となる。(出典:日経「チェック・ザ・ボックス規則とは」http://www.nikkei.com/article/DGXNZO55735740R00C13A6TCJ000/
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80年以降ほぼ非課税=アップルのアイルランド事業
☛ 米アップルが海外子会社への利益移転などを通じて巨額の法人税支払いを回避したとの疑惑が浮上している問題で、同社がアイルランドに進出した1980年以降、同国ではほぼ非課税で事業を続けていることが23日、明らかになった。 ロイター通信が関係者の話として伝えた。 アップルは80年にアイルランド南部コークに工場を設立。 同国政府の企業誘致策の一環として、当初10年間は免税措置を受けた。その後、欧州では企業への免税措置が禁止されたが、アイルランド政府はアップルに対し、最終的にほぼ非課税になるような優遇措置を続けたという。(【シリコンバレー時事】2013/05/24-09:03 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201305/2013052400137&g=int
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関連投稿記事リンク
☛ 国税庁、「大量のタックスヘイブン資料入手」と公表(NHK6/1)|オーストラリアの税務当局からの資料提供だという…>(投稿日:2013/06/01)

☛ <租税回避地の秘密ファイル公開、報道機関ICIJのサイト|さっそく、ICIJのサイトで日本の「租税回避者たち」を検索してみた…> (投稿日: 2013/06/15)

では日本ではどうなのか? アップルのように低税率国を利用した租税回避はあるのか――

行きすぎた節税策、日本企業でも
元OECD租税委日本代表の志賀櫻弁護士
(日経 2013/6/3 1:25)

行きすぎた節税策、日本企業でも (日経)経済協力開発機構(OECD)などでは、タックスヘイブンを利用した悪質な租税回避とグローバル企業による節税策の問題を別々に議論していた。しかし、リーマン・ショックを機にグローバル企業がタックスヘイブンや低税率国を積極的に活用している実態が明らかになり、2つの議論が1つに結びついた。

日本企業でも、多くはないが行き過ぎた節税策の例はある。2006年に最高裁で国税側が勝訴したオウブンシャホールディング事件では、複数のオランダ法人を使って株式の含み益を海外に移転していた。

税の専門部隊を持たない企業が、コンサルタントなどから提案された節税策をうのみにすることはいまだにある。

日本のグローバル企業が、国境を越えた節税策を積極活用しているかといえば必ずしもそうではない。特にメーカーは、海外のグローバル企業に比べて納税意識が高いうえ、海外工場をつくる場合に現地で税制優遇を受けることもある。

今後、大胆な金融緩和策で増えたマネーがタックスヘイブンに流れないか、日本も監視が必要だ。 http://www.nikkei.com/article/DGXNZO55735810R00C13A6TCJ000/

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オーブンシャ・ホールディング事件とは?
☛ 第三者割当増資による株主間の持分の移転についての課税上の取り扱いについて(オーブンシャ・ホールディング事件)
平成16年1月28日東京高裁判決(平成14年(行コ)第1号法人税更正処分等取消請求控訴事件)  (一審・平成13年11月9日東京地裁判決)
税務大学校研究部長・作田隆史による判例評釈 ⇒ http://www.nta.go.jp/ntc/kenkyu/backnumber/journal/02/pdf/07.pdf
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