マンモスから血液採取に成功、ロシアの研究チーム|マンモスの生態解明につながるのか注目されている…それにしても、なぜマンモスの血液は零下17度の環境下でも凍っていなかったのか?

ロシアの研究チームが、氷づけになったマンモスの死骸から液体状の血液を取り出すことに成功し、マンモスの生態解明につながるか注目されています。

マンモスから血液採取に成功(NHK13-5-31)1マンモスから血液採取に成功(NHK13-5-31)2このマンモスは、今月、ロシア極東のサハ共和国の島で、胴体の半分が氷づけになった状態で見つかったものです。 メスのマンモスで、死亡前の推定体重は3トン、年齢は50歳から60歳で、1万年から1万5000年前に生息していたとみられています。
マンモスから血液採取に成功(NHK13-5-31)3 マンモスから血液採取に成功(NHK13-5-31)4発見した地元の大学の研究チームがこのマンモスの腹部に穴をあけたところ、血液が流れ出し、凍っていない液体状の血液の採取に成功しました。 ロシアでは、これまでにマンモスの死骸がたびたび発見されていますが、血液が液体のまま採取されるのは極めて珍しいということです。

調査に当たった研究者は「マンモスの血液はマイナス17度の環境下でも凍っていなかった。凍らない性質を持っているとも考えられ、これから十分に検証する必要がある」と話しています。 また、このマンモスからは、赤みを帯びた筋肉の組織も採取され、マンモスの生態解明につながるのか、注目されています。

(NHKニュース 「マンモスから血液採取に成功」(5月31日15時55分) http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130531/k10014983591000.html

ロシアのマンモス死骸から血液採取 零下17度で凍らず
(朝日 2013年05月30日22時00分)

ロシアのマンモス死骸から血液採取(朝日13-5-30)1ロシア極東サハ共和国で見つかったマンモスの死骸から、ロシア北東連邦大学の研究者らが、凍っていない状態の血液を採取した。同大マンモス博物館によると、マンモスの血液採取は史上初。厳寒でも凍らない血液の特殊な性質を解明する方針だ。

同博物館によると、マンモスは雌。1万~1万5千年前に死んだとみられ、歯の分析から50~60歳と推定される。鼻が付いた状態で発見され、保存状態がロシアのマンモス死骸から血液採取(朝日13-5-30)2きわめて良く、筋肉の一部はまだ赤みを帯びている。調査を始めてまもなく、皮膚から血が流れ出した。

これまで、乾いて粉末状になったマンモスの血の成分が検出されたことはあるが、液体で見つかったことはなかったという。血液は零下17度の冷凍庫内でも凍らないという。

生物学者でもあるグリゴリエフ館長は朝日新聞の取材に「最大の興味は、なぜ血液が凍らなかったのか。凍らない特別な性質を持っている可能性がある。新鮮な組織も見つかったため、マンモスのクローン研究が前進するかもしれない」と話す。

マンモスは昨年9月、北極に近いマールイ・リャホフスキー島で見つかった。横たわった胴体の下半分が氷づけになった状態で、今年4月下旬に同大の研究者らが現地で発掘した。 【ウラジオストク=西村大輔】

http://www.asahi.com/international/update/0530/TKY201305300422.html

関連投稿記事リンク】 ■ 永久凍土から発見された氷づけのマンモスから脳摘出 (投稿日:2013/02/28)


「マンモスから血液採取」はNHKのニュースで知ったのだが、配信記事をよく調べてみたところWired Newsがより詳細な記事を配信していたので、クリップし掲載――

1万年前のマンモスから「液体の血液」を採取
(Wired News 2013.5.30 THU)

シベリアで見つかった10,000年前のマンモスから、液体の血液が採取された。

シベリア北部の島で5月22日(現地時間)、保存状態のよいマンモスの残骸が発見され、液体での血液の採取にも成功した(リンク先に写真あり)。

10,000年前に生息していたこのマンモスが見つかったのは、シベリアの北部沿岸沖にあるノヴォシビルスク諸島に含まれるリャーホフスキー諸島のひとつだ。ヤクーツクにある北東連邦大学の研究者たちが、アイスピックでマンモスの残骸に穴をあけたところ、驚いたことに血液が流れ出てきた

同大学マンモス博物館の館長であり、この調査隊の隊長でもあるセミヨン・グリゴリエフは、「マンモスの体から取り出した筋肉の組織の断片は、新鮮な肉の自然な赤色を帯びていた」と述べた。

マンモスが発見された時の気温は零下10度だったので、液体の血液の発見は衝撃的だった。「マンモスの血液には、冷凍を抑える特性があると推測できる」とグリゴリエフ氏は述べた。「血液は非常に色が濃く、腹部の下の氷の空洞で見つかった。この空洞をピックで崩したところ、血液が流れ出てきた」

マンモスの歯と骨を分析した結果、このマンモスはメスで、50~60歳の間であることが判明した。部分的に破壊された状態(胴体は切断された状態で近くで発見された)であることから、研究者たちは、このマンモスは捕食者から逃げている間に、氷を突き抜けて落下したのではないかと考えている。

北東連邦大学のチームは7月と8月の夏の間に、国際的な科学者グループが現地でマンモスの研究を行う計画を立てている。標本を掘り起こして最も近い町にヘリコプターで運ぶのでは、標本に損傷を与える危険があるからだ。

グリゴリエフ氏とその研究チームは数年前からマンモスの残骸を探している。2012年9月には、同チームがシベリアで「生きた」細胞を含む残骸を発見したという報道が行われた。しかし、この発見が誤訳によって実際よりも印象的に伝わっていたようだということが明らかになると、興奮状態は消え去った。

北東連邦大学は2012年3月に、発見されたマンモスの骨髄を使用してマンモスのクローンを作成するという有名な協定を韓国の秀岩生命工学研究院(Sooam Biotech Research Foundation)、および中国の北京ゲノム研究所と結んだものの、それ以来、このプログラムに関するニュースはほとんどない。

このプログラムを率いているのが、ヒトの幹細胞のクローン化に成功したと主張した研究が2006年に嘘だったことが発覚した元ソウル大学教授の黄禹錫(ファン・ウソク)博士ということもあり、この目的は達成されないだろうと見ている人も多い。

※2013年5月はじめには、オーストラリアやカナダなどの国際研究チームが、シベリアで発掘された43,000~25,000年前のマンモスの骨から採取したDNAを使い、血液中の赤血球の中にあるタンパク質、ヘモグロビンを復活させたことが報道された。人間のヘモグロビンとは異なり、低温条件でも働く特性のあるヘモグロビンを持っていたことがわかったという。

http://wired.jp/2013/05/30/mammoth-blood/

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