接続水域の潜水艦は中国「元」級、防衛省断定⇔日米、音響測定艦投入|【5/27更新】ヤンナン級水上艦の詳細・画像追加

5/27更新、ヤンナン級の詳細追加】 産経電子版5月26日は、日本の接続水域を再三に渡って潜水航行していた潜水艦は中国海軍・「元」級潜水艦だったと防衛省が断定していたことが分かったと記事を配信している。 海上自衛隊と米海軍が投入した音響測定艦(海自「ひびき」、米海軍「インペッカブル(Impeccable)」による潜水艦のスクリュー音収集、解析結果によって断定したようだ。 通常、こういう情報は国防上公表されないので、恐らくこの情報は防衛省筋による産経新聞への意図的リークと思われる。 もちろん、中国をけん制するためだ。 中国の潜水艦のスクリュー音「静粛性」は低いので有名だ、実のところ日米は中国潜水艦の動向をほぼ把握しているのではないかと私は思う。 ただ、中国が潜水艦の能力を向上させ、日米の中国潜水艦包囲監視網をかいくぐって侵入してくる日が来ないとも限らない。 対中国の潜水艦との攻防は、空のスクランブル発進と同じように、日々行われていることなのだ。 国防オンチの日本のマスコミの報道が歯がゆい(産経はゆるすが)。 以下、クリップ記事――

接続水域の中国潜水艦は「元」級 防衛省断定 日米、音響測定艦投入
(産経 2013.5.26 01:37)

中国海軍潜水艦による3度にわたる日本の接続水域(領海の外側約22キロ)での潜没航行について、防衛省が、うち2度確認したのは新型の通常動力潜水艦「元」級と断定したことが25日、分かった。 今回の事態をめぐっては、海上自衛隊と米海軍が潜水艦のスクリュー音を収集する音響測定艦を投入。 中国海軍の水上艦艇が海自艦艇を威嚇するように航行し、沖縄周辺海域で緊迫した駆け引きが展開されていたことも判明した。

中国潜水艦は今月、(1)2日(2)12-13日(3)19日-の3度、沖縄周辺の接続水域で潜没航行。防衛省は(2)と(3)は同一で原子力潜水艦との見方を強めていたが、音響データの分析でディーゼルの元級と断定した。 (1)は別の潜水艦とみている。

元級はロシア製の「キロ」級潜水艦をベースに開発した中国の国産艦。 近海への敵戦力の接近を阻む役割を担う通常型としては最新で、2006年に就役。浮上して酸素を取り込まないでも動力を得られるAIP機関を採用しており、長時間潜航が可能。 AIPは海自も最新式の潜水艦しか備えていない。

元級潜水艦の潜没航行を受け、海自と米海軍は音響測定艦「ひびき」と「インペッカブル」を沖縄周辺海域に投入。 ひびきは、元級潜水艦が13日に沖縄県・久米島の接続水域を出た後もマークし、19日に同県・南大東島の接続水域に入るのを把握した。 12日以降、インペッカブルも久米島の南西海域で潜水艦の位置を特定するソナーを海中に垂らし航行しているのを水産庁の船舶に確認された。

防衛省が13日に2度の潜没航行を公表したことに反応し、中国海軍は16日、水上艦「ヤンナン」級を展開し、久米島西方海域で約7キロ後方から長時間、ひびきを追尾した。

中国海軍の潜水艦の中で元級は「静粛性」という点ではキロ級に劣る。 このため防衛省は元級の潜没航行が「陽動作戦」の可能性があると警戒し、キロ級潜水艦が展開していないか情報収集を強化している。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130526/plc13052601370001-n1.htm

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☛ 【ヤンナン級水上艦】は日本語でネットで探しても見つけるのは難しのではないか? 英語検索しないと見つからない。 後段で、この船に関して解説をしたのでそれを読んでみて欲しい。
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上の記事に合わせて、これも読んでは――

接続水域への中国潜水艦出没、“空母艦隊の要所”めぐる日米韓への威嚇
(産経 2013.5.21 12:13)

中国潜水艦・接続水域潜航航行(列島ライン)今月に入り3度目となる中国潜水艦による接続水域への侵入は、米中両海軍の空母をめぐる攻防の「前哨戦」とみることができる。

「この海域(東シナ海周辺)では日米韓の演習も行われていた」

小野寺五典防衛相は20日、中国潜水艦の接続水域侵入について記者団にこう述べた。日米韓3カ国は15日、九州西方の東シナ海で米原子力空母ニミッツも展開させ合同訓練を実施。小野寺氏の発言は、中国潜水艦がニミッツの動向を把握するために投入されたとの見方を示中国潜水艦・接続水域潜航航行(列島ライン.2013・5)唆したものだ。

ただ、3度続いた接続水域への侵入は、ニミッツの動向把握にとどまらない。

そもそも潜水艦の行動目的は2つ。情報収集とプレゼンス(存在感)だ。

海中深く身を潜め、相手国の艦艇の動向を把握するのが前者。後者はその姿をあえてさらすことで、相手国にプレッシャーを与える効中国潜水艦・接続水域潜航航行(沖縄・南大東島)果を期待するものだ。

中国潜水艦が接続水域に侵入したのは後者の目的に重きを置き、防衛省幹部は「プレゼンスによる威嚇効果を狙った」と指摘する。政府が13日、2度の侵入を公表した後も中国潜水艦が平然と沖縄周辺を遊弋(ゆうよく)しているのもその証左だ。

では何を威嚇し、どんな効果を期待したのか。

2日から19日にかけ侵入した海域は、(1)鹿児島・奄美大島(2)沖縄・久米島(3)沖縄・南大東島-。いずれも米海軍が台湾海峡有事や日本有事で東シナ海に進出するための入り口だ。逆に中国海軍にとっては、東シナ海から太平洋へ展開する際の入り口。つまり米中双方にとって「要所」といえる。

米中両海軍がそれらの作戦を遂行する上でカギを握るのが空母艦隊。ただし、進出しようとする海域に魚雷を放つ潜水艦が1隻でもいれば、空母艦隊の展開を見送るのが軍事の常識。空母にとって最大の脅威は潜水艦なのだ。

この海域で活動する中国潜水艦は、米空母が東シナ海に入るのを阻止し、中国空母が太平洋に進出する際の露払い役という2つの役割を担っている。

これを踏まえれば、中国潜水艦による接続水域への侵入は「米空母の東シナ海への展開をためらわせるデモンストレーション」(自衛隊幹部)という真の狙いが浮かび上がってくる。ニミッツの展開に合わせ侵入したのも、動向把握ではなく威嚇のためだ。

「脅威度」を高めれば高めるほど、プレゼンスによる威嚇効果は増す。実は日米両国は、中国がこれまでに探知されたデモンストレーション用とは別の潜水艦を沖縄周辺へ展開させていないか警戒している。日米の監視網をかいくぐった潜水艦が突如、自衛隊や米軍の艦艇近くに急浮上すれば衝撃度は計り知れない。

潜水艦が露払い役を担う中国空母の実戦投入に向けたきも加速している。昨年9月、ウクライナから購入した「遼寧」が就航し国産空母の建造も進み、沖縄周辺でのデモンストレーションはエスカレートの一途をたどりそうだ。(半沢尚久、千葉倫之)

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130521/plc13052112150009-n1.htm

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参照 ☛ 「米原子力空母ニミッツ釜山入港、米韓合同軍事演習5/13まで行なわれる..」(投稿日:2013/05/12)
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国籍不明の潜水艦航行は特異な行動(NHK2013-5-21)国籍不明の潜水艦航行は特異な行動
(NHK 5月21日16時45分)

国籍不明の潜水艦が、相次いで日本の領海のすぐ外側の接続水域を浮上せず航行したことについて、海上自衛隊トップの河野克俊海上幕僚長は、「平時においては考えられないことだ」と述べ、特異な行動だという認識を示しました。

国籍不明の潜水艦は、今月に入って、鹿児島県奄美大島沖と沖縄県久米島沖、それに沖縄県南大東島沖の、いずれも接続水域を浮上せずに航行しているのが確認されました。 このうち南大東島のケースについて、小野寺防衛大臣は、「ある程度国籍は特定している」と述べたうえで、中国を念頭に自制を求めたいという考えを示しています。一連の行動について、河野克俊海上幕僚長は21日の会見で、「われわれの感覚としては、浮上せずに他国の領海に近づくのは平時においては考えられないことで、意図は理解しかねる」と述べ、特異な行動だという認識を示しました。さらに、「今回は短期間に3回起きているのが特徴で、警戒監視や情報収集の重要性を再認識した」と述べ、今後も監視を継続していく考えを示しました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130521/k10014736651000.html

【ヤンナン級水上艦】について

産経の記事に「中国海軍は16日、水上艦「ヤンナン」級を展開し、久米島西方海域で約7キロ後方から長時間、ひびきを追尾した」とあるので、どんな中国海軍艦船かとネット検索した人が多いかと思う。 水上艦「ヤンナン」級とはこれでしょう(画像クリックで拡大)――

水上艦「ヤンナン」級(灯台見回り船Yan-nan型)

水上艦「ヤンナン」級 ⇒ 「灯台見回り船 Yan-Nan型」の画像
http://www.shipspotting.com/gallery/photo.php?lid=1363141

■ Wikipediaの「中国人民解放軍海軍」のページに行き、かなり下の方までスクロールダウンするとこういうのがある――

灯台見回り船
● Yan-Nan型×9 (124、263、463、982-983、B21-22、B24-25)

水上艦「ヤンナン」級とは「灯台見回り船 Yan-Nan型」のことなのだ。 艦船番号124、263、463、982-983、B21-22、B24-25の9隻がエントリーされており、写真は「灯台見回り船 Yan-Nan型263」のものだ。 写真は「ひびき」を追尾したものでないので、勘違いしないでください。

■ 水上艦「ヤンナン」級のスペックはWikipediaには書いていないので、Global.Security.Orgのサイトで探したところによるとこうなる――

排水量 1750トン、全長 72m、全幅 12m、吃水 4m
速度 12ノット、乗り組員 95人
機関 ディーゼル 2軸推進
兵装 37ミリ2連装砲 x1、14.5ミリ2連装機関銃x1
http://www.globalsecurity.org/military/world/china/yannan-specs.htm

■ 灯台見回り船と日本語版Wikipediaでは表記されているが、英語では「Survey Ship」とか「Survey Craft」表記されていて測量船のカテゴリー。 また、「buoy tender」=設標船とも表記されている。 水上艦「ヤンナン」級を検索する場合は「Yannan Class」または「Yannan-class」のキーワードで検索すると色々見つかるでしょう。

(書きかけ中….潜水艦の話を書こうと思ってます。 軍事オタクではありせん、しかし国防関連に関しては詳しいので…)

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