シェアハウス⇒脱法ハウス!消防法違反で警告書⇒マンボウ 【7/11更新・記事追加】

7/11更新・記事追加】 一つの住宅に複数の人が居住する「シェアハウス」とうたった東京都内の施設(その実態は脱法ハウス)が、東京消防庁から消防法違反に基づく警告を受けていた。 問題となった施設は、インターネットカフェ大手の「マンボー」が運営する、東京・中野区にある木造2階建ての施設で、合わせて37の個室があるとされている。 運営側は、この施設について「住居ではなく、24時間の利用が可能なレンタルオフィスだ」と主張していたということですが、東京消防庁は去年7月、居住実態があることなどから共同住宅と認定し、火災報知機などが設置されていないとして、消防法違反で改善を求める警告書を出した。 「マンボー」は警告を受け去年12月までに火災報知機などを設置したということだが、東京消防庁は「今後も同様のケースがあれば詳細な調査を実施したい」としている。(TBSnewsI 23日11:34)

東京・中野の「シェアハウス」、消防法違反で警告書1
東京・中野の「シェアハウス」、消防法違反で警告書2 東京・中野の「シェアハウス」、消防法違反で警告書3  東京・中野の「シェアハウス」、消防法違反で警告書4FS2869_'マンボー シェアハウス|神田'_20130524ネットカフェ大手「マンボー」が経営しているそうだが、この時点でマンボウのHPへ行ってみたがシェアハウスに関する情報は削除されているようで閲覧できなかった。 Google検索のキャッシュには残っていたので、キャッシュをキャプチャした(右側サムネイル、クリックで拡大)。

各紙電子版の記事を読んで見たが毎日新聞電子版が詳しい、クリップして掲載(後段に追加記事【更新2013-6-4】)――

脱法ハウス:都内で増加 消防法違反で危険
(毎日新聞 2013年05月23日 02時50分)

法ハウス,都内で増加 消防法違反で危険新たな居住スタイルとして住居の「シェアリング」(共有)が注目される中、ネットカフェ大手「マンボー」(東京都新宿区)が「シェアハウス」などとうたって運営する中野区の施設が、東京消防庁から消防法違反を指摘されていたことが分かった。狭い個室が多数並ぶ構造で、自動火災報知設備などがなく危険な施設と判断された。シェアハウスには法令上の定義がなく、脱法的な類似施設が近年増加しており、専門家は「火災が起きれば多数の犠牲者が出る」と警鐘を鳴らしている。

法ハウス,都内で増加 消防法違反で危険2東京消防庁や利用者によると、問題のハウスは中野区上高田3にあり、木造2階建て(延べ床面積約250平方メートル)に37の個室を設けている。各室とも窓がないか、あってもふさがれ、広さ約1.7畳の居室と約1畳の寝台からなる。

共同住宅は消防法で一般住宅より厳しい防火対策を課される。さらに東京都は木造など耐火建築でない場合、床面積200平方メートル以上で自動火災報知設備の設置を条例で義務付けている。共同住宅ではなく事務所の場合は1000平方メートル以上と規制が緩い。

マンボーは消防などに対し、「住居ではなく、24時間利用可能なレンタルオフィス(貸事務所)だ」と主張する一方、ホームページや看板で「話題沸騰中のシェアハウス」などと宣伝。利用者の多くが「住んでいる」と話し、半数以上が住民登録していたことも踏まえ消防は昨年7月、共同住宅と認定した。出入りできる窓もないため救助が難しいとして避難誘導灯の設置も要請した。同社は昨年末までに改善した。

同社は5年ほど前からこの事業を始め、中野や新宿など都内約10カ所に展開する。実質的な経営者とされるのは元社長で大株主の森下景一氏(62)で、中野のハウスは同氏の自宅を改築したもの。

森下氏は風俗産業で成功し「日本の風俗王」と呼ばれ、2004年分の所得税額が中野税務署管内で2位の高額納税者。だが、創業した会社が運営するテレホンクラブ「リンリンハウス」の神戸市内2店舗で00年、連続放火事件が発生し、4人が焼死。大阪高裁は03年、安全設備が不十分だったとして同社に対し、遺族への1億円超の賠償を命じた。

毎日新聞が取材を申し入れたところ、マンボーは今月21日、「諸般の理由により中野(のハウス)は利用者の合意をいただき、1カ月以内に廃止する」と回答した。森下氏自身にも20日に直接取材したが、「やめて」と繰り返し、応じなかった。【加藤隆寛】

◇ネットカフェが運営 光熱費込み月5万円

マンボーの約10カ所の「シェアハウス」は、毎月の利用料が光熱費込み5万?6万5000円で、どこもほぼ満室だ。1晩1700円前後のネットカフェに居続けるのと大差ない値段設定だが、都内の不動産業関係者は「借り手のない大型物件を細かく仕切って貸せば、総額として高い賃料を得られる。極めて利益率の高い業態だ」と事業のうまみを指摘する。

同社はハウスの一室を貸す際、一般的な賃貸借契約と異なる利用権契約を相手と結び、「当社が妥当と判断すれば即時解約できる」という規約を設ける。

利用料の納付が遅れて連絡がつかない場合、個室の電子キーの暗証番号を変え所持品は警察に渡すという。通常の賃貸借では借り手は借地借家法で守られ、3カ月以上の滞納がないと解約されない。ただし、利用料以外にかかる初期費用は保証金2万円のみで、保証人は不要。借り手にとっては、危険性や弱い立場に目をつぶれば「都合の良い物件」とも言える。

http://mainichi.jp/select/news/20130523k0000m040105000c.html

脱法ハウス: 1.7畳、手届く四方の壁 住民同士会話なく
(毎日 05月23日 02時53分)

脱法ハウス,1.7畳、手届く四方の壁 住民同士会話なく そこは人の住む場所なのか、そうではないのか―。消防法違反を指摘された東京都中野区の「シェアハウス」。貸事務所だとする運営会社に対し、東京消防庁は「共同住宅」と認定した。住宅だとすれば建築基準法に違反するが、同法を所管する中野区は「住宅かどうか定かではない」と、手をこまねいていたのが実情だ。火災や地震が起きた時、命を守れるのか。関連法令の隙間(すきま)をぬうような「脱法ハウス」が増殖している。【加藤隆寛】

脱法ハウス,1.7畳、手届く四方の壁 住民同士会話なく2 利用者らによると、中野のハウスの居室部分は2.7平方メートル(1.7畳)で、中央に立てば四方の壁に手が届くほどの広さ。窓はなく、昼も暗い室内を備え付けの電灯がほのかに照らす。ほかには旧型テレビ、小さな机があるだけ。寝台部分は2部屋で上下を分け合い、寝そべると間近に天井が迫る。部屋を仕切る壁は薄く、せき払いや寝返り、鼻をかむ音が聞こえる。

 キッチン、トイレは共同でシャワーとランドリーは有料。シェアハウスと言えば、顔見知りの住人たちによる共同生活を想像する。だが、30代の男性は「ここでは住人同士の会話はほとんどない。ネットカフェと同じで、周りにどんな人が住んでいるかは分からない」と話す。

 消防法違反発覚の端緒は偶然だった。昨年初め、救急車の出動要請でハウス内に立ち入った消防隊員が「おかしい」と感じ、査察部門に連絡した。もとは一般住宅で改築届は出されていない。端緒がなければ存在すらつかめず、危険な状態のまま存続していた恐れが強い。

 自動火災報知設備の設置などで消防法令はクリアされたが、「共同住宅」としては、建築基準法に違反する。同法は居住者の生命や健康、財産を守るために住居に最低限必要な基準を定めており、そもそも「窓のない居室」を認めない。

 さらに、同法を補う東京都建築安全条例は共同住宅の居室の最低面積を7平方メートル(約4・3畳)と定める。また、火災時に窓から避難できるよう居室の外に十分な空き地(窓先空地(まどさきくうち))を設けることも義務付ける。中野のハウスはこうした規定にも抵触する。

 建物の構造を規定する建築基準法は、防災設備面に重点を置く消防法と補完し合い、居住者の安全を確保する。だが、中野区都市基盤部は「建物が住宅、オフィス、宿泊施設のどれに当たるかはっきりしない」として、これまで指導してこなかった。

 運営会社マンボーの主張通り貸事務所だとすれば、建築基準法は満たす。だが、一帯は住宅地で、用途地域を定めた都市計画法に違反する。宿泊施設だとしても、旅館業法の客室規定を満たさない。

 中野区の担当者は取材に「消防は権限が強く、実態を元に判断できるが、我々は法文解釈が基本。何にどう違反しているかはっきりしなければ動けない。現行法令は隙間だらけ」と釈明する。

 日本シェアハウス・ゲストハウス連盟の高橋圭一専務理事は「定義もあいまいで、何をシェアハウスとするかは『言った者勝ち』の状態。多くはまじめにやっているが、モラルや順法意識に欠ける業者が少なからず出てきているのも事実だ。業界として統一的な安全基準を作ることも考えるべき時期に来ている」と話す。

http://mainichi.jp/select/news/20130523k0000m040106000c.html

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☛ 日本シェアハウス・ゲストハウス連盟HP http://www.jgho.org/
☛ Wikipedia 「日本ゲストハウス連盟」
☛ 実質的経営者とされる森下景一氏(62)に関する日刊ゲンダイの記事 ⇒ 「日本の風俗王」知られざる素顔 (2013年5月24日)
☛ もう一本、森下景一氏に関する東洋経済オンラインの記事 ⇒ 「安息の地か、魔窟か ネットカフェの危うい最新事情」(2007年05月30日)
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脱法ハウス:都内で増加 消防法違反で危険 不動産問題に詳しい大谷郁夫弁護士の話  (毎日新聞 2013年05月23日 東京朝刊)

◇住人の権利弱く

中野のハウスは、本来必要な設備や工事を省くことでコストを下げて造られた非常に危険な物件ではないか。 火災報知機や誘導灯を付けただけでは相当危ない状態と思われ、消防に任せるだけでなく、自治体がもっと積極的に指導すべきだ。 利用権契約は賃貸契約より借り手の権利が弱く、相場の家賃より相当に安くなければ搾取と言える。

http://mainichi.jp/select/news/20130523ddm001040041000c.html

続報 2013-5-24

脱法ハウス: 「網の目」住宅で2010年に火災
(毎日新聞 2013年05月24日 23時21分)

極端に狭い居室が密集し、火災時の危険性が指摘されている「脱法ハウス」を巡り、「シェアハウス」をうたう東京都練馬区の施設で2010年末、2階トイレの棚や壁が焼ける火災が起きていたことが分かった。直前に査察した東京消防庁の資料によれば、ビルのフロアは網の目のように約60室に区切られ、入り組んだ廊下の幅は最大で1メートルだった。トイレは外部とつながる出入り口脇で大惨事につながった可能性があり、消防当局は「おしゃれな名前で入居者を募っているが、大変危険な施設」と指摘している。

脱法ハウス _「網の目」住宅で2010年に火災この施設は、同区中心部の鉄骨3階建て事務所・店舗用ビル(延べ1067平方メートル)の2、3階を活用する形で、複数のラブホテルなどを展開する会社(新宿区)が09年に開設。1階は24時間営業のスーパーだった。

東京消防庁練馬消防署員が、「シェアハウス」としてインターネットで紹介されているのを発見。共同住宅としての各種届け出はなかったが現場で住民を確認した。さらに外観上、2階部分に窓など開口部がほとんどなく危険性が非常に高いとみて10年11月、練馬区建築課と合同で査察に入った。

査察結果などをまとめた消防の資料によると、3階は5室のほか炊事場やコインランドリー。2階は58室でいずれも空き部屋のない満室状態で、個々の部屋への立ち入りは拒否されたという。図面上は各部屋に感知器はあるが、窓はほとんどなかった。

また、各部屋のドア上部には換気扇を設置し廊下のエアコンの冷暖気を室内に取り込む仕組みだったが、火災時には廊下の煙が部屋に流れ込む恐れがあった。同署と区は消防法や建築基準法に違反しているとして指導に乗り出した。

トイレ火災が発生したのはその直後の同年12月17日。けが人はなかったが、施設からの消防通報はなく、翌日になって利用者の男性から119番があったという。同署は「放火の可能性が高い」とみるが詳しい原因は今も判明していない。

同署は11年1月に再度の査察を実施。早急な是正を求めて警告書を交付したところ、運営会社は4月にビルから退去し、今は空室になっている。消防資料では、運営会社について「利益追求のみの姿勢が見られ、署の係員に対して、時には恫喝(どうかつ)めいた言動があった」などと指摘する。同社は取材に「シェアハウス事業からは既に撤退しており当時を知る者もいない」と答えた。

東京消防庁査察課は「署員が『シェアハウス』と称する施設への問題意識を持って査察し、区役所との連携もうまくいった」と評価する。一方で、別の課の担当者は「庁全体でシェアハウスを重視して立ち入りできているわけではない。今は高齢者のグループホームや雑居ビルの優先順位が高い」と明かし、人数や予算の限界で「脱法ハウス」把握に手が回らない実情を打ち明けた。 【加藤隆寛】

http://mainichi.jp/select/news/20130525k0000m040091000c.html

続報 2013-5-26】  どうやら、毎日新聞は脱法ハウス問題を追いかけているようだ――

脱法ハウス: 業者調査、7割答えず 「グレー運営」認識? 国交省「誤解招く」、公表見送り (毎日新聞 2013年05月26日 東京朝刊)

脱法ハウス 業者調査 7割答えず(毎日)極端に狭い部屋が密集し、危険性の高い「脱法ハウス」が広がっている問題で、国土交通省が昨年、シェアハウスなどの実態調査のため三百数十の運営業者にアンケートをしたところ、91業者しか回答しなかったことが分かった。同省は結果を公表予定だったが、「優良業者に偏っており、全体像を反映していない。誤解される」として見送った。法律上のグレーゾーンで運営している業者が回答しなかった可能性が高く、明確な指針がない新興業界の把握の難しさが浮かんだ。 【加藤隆寛】

アンケートは、賃料や施設概要を尋ねるもので、昨年1~3月に実施。インターネット上の情報を中心に運営業者をピックアップし、郵送やメールなどで回答を求めた。

しかし、回答したのは3割弱。平均賃料は5万7049円だったが、シェアハウス居住経験者を対象にネット上で行った別の調査(同年3月)では「5万円未満」が78%に上ったため、同省は「回答は付加価値の高いシェアハウスを提供する業者に偏っている」と判断。80ページにわたる報告書をまとめたものの、公表を見送った。

報告書によると、1人当たりの専用スペース(個室面積)に関しては「4・5~6畳未満」の個室を設ける業者が82・4%と最多。「6~7・5畳未満」も76・9%と多く、「3~4・5畳未満」は19・8%だった。

一方、ネットのシェアハウス専用ポータルサイトでは、賃料3万円台で3畳未満などの個室が多数紹介されており、窓なし物件の図面が載っているケースも多い。これらは建築基準法や自治体の条例が定めた「居室」の基準を満たしていないが、アンケートには反映されていない恐れが強い。

東京23区のある自治体の建築指導担当者は「アンケートを呼び掛けても多くは回答しないだろうということは、指導の現場を経験していれば、すぐ分かる」と冷ややかに見る。

国交省住宅総合整備課の担当者は、「法令違反を捕捉しきれていない可能性がある」と業界の全体像がつかめないことへの焦りを募らせる一方、「狭くても安さに納得して入居している人もいる。業者がやっていいライン、いけないラインを引くのは難しい」とジレンマも語った。

http://mainichi.jp/select/news/20130526ddm041040127000c.html

◇ 業界団体代表理事「2割はブラック」 全国1700軒、年3割増

新たな居住スタイルとして注目される一方、明確な定義がない「シェアハウス」。どれだけ危険物件が広がっているのかは見えにくい。

「シェアハウス」の名前は2008年の人気テレビドラマで使われたのを機に広まった。一般的には、運営業者が介在し、他人同士がキッチンなどを共有しながら一緒に暮らす住居を指し、物件を紹介するポータルサイト業者によると、07年末には全国に400軒7000床あったが、今年3月末には1700軒1万9000床に達し、年3割のペースで増えている。

一軒家などを共同住宅に用途変更する場合、防災対策や申請が必要になる。だが、ある自治体の建築指導担当者は「気の合う人たちが集まって暮らす住居と、大家族が暮らす住居はどう違うのか。線引きは難しい」と明かす。また「貸事務所だ」と業者が主張した場合、言い分をくつがえす証明が必要なケースもある。この担当者は「どう見ても共同住宅というものや危険なものは是正していく」と強調した上で、「規則が実態に追いついていない」と法令の不備を訴えた。

40業者が加盟する一般社団法人「シェアハウス振興会」の山本久雄代表理事は、「厳密には法令違反でも、可能な限り安全性を保とうとしている『薄いグレー』の業者を除いたとして、私の感覚では4割がグレー、2割がブラックだ」と見る。

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情報やご意見、体験談をメール(t.shakaibu@mainichi.co.jp)、ファクス(03・3212・0635)、手紙(〒100-8051毎日新聞社会部「脱法ハウス」係)でお寄せください。
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http://mainichi.jp/select/news/20130526ddm041040127000c2.html

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一般社団法人「シェアハウス振興会」
⇒ http://www.sharepro.jp/sinkoukai.html
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続報 2013-5-30】 毎日新聞5月30日朝刊記事によると、ネットカフェ大手「マンボー」は脱法ハウスとみられる中野区以外の施設・「レンタルオフィス」(千代田区神田)の利用者に、突然閉鎖を通告し退去を迫っているという――

脱法ハウス: 突然「出て行け」 業者通告に利用者困惑 専門家「借地借家法上も問題」  (毎日新聞 2013年05月30日 東京朝刊)

脱法ハウス_ネットカフェ・マンボウ_中野施設閉鎖狭い居室が密集し危険な「脱法ハウス」を巡り、東京都中野区の施設で消防法違反を指摘されたネットカフェ大手「マンボー」(新宿区)が、同区以外で運営する類似の施設も閉鎖するとして利用者に退去を迫っていることが分かった。突然の通告に利用者は困惑しているが、施設の利用契約は通常の住宅の賃貸借とは異なり、同社の判断で即時解約できるとの書面に署名押印させていた。専門家は「借り主の権利を守る借地借家法も脱法している」と批判している。【加藤隆寛】

退去を求めているのは、同社が千代田区神田美倉町で運営する施設。6階建てオフィスビル全体を改装して約80室を貸す。中野の施設と同様に「レンタルオフィス」と説明する一方、「シェアハウス」とホームページなどでうたっていた。

■ 「6月30日まで」

利用者によると、多数が事実上の住居として寝泊まりしていたが、24日に1階フロアに「閉館」という紙が張り出され、「大変急ではありますが6月30日までに退去をお願いしたい。7月1日から解体工事の予定」と記されていた。27日には利用者約30人とマンボーの話し合いの場が持たれ、突然の通告に抗議の声が上がったが、同社は「決定事項」と繰り返し、平行線だったという。

消防法違反が指摘され、21日に「閉鎖方針」を示した中野区の施設については、少なくとも一部の利用者には通告がないまま、出入り口が板張りされ、出入りできなくなった。

通常の借家契約では借り主は借地借家法で守られ、家主は契約期間満了まで一方的に解約できず、満了時も正当な理由がなければ更新を拒めない。同社は、部屋を貸す際に利用承諾書と利用規約に署名押印させているが、規約には「当社が即時解約が妥当だと判断した場合、解約できる」と記載していた。

■ 「転居資金ない」

千代田区の施設を利用している男性は「実際には普通のアパート契約と変わらない。急に『出て行け』と言われても転居資金もない。時間的猶予がほしい」と困り果てた表情で話す。

マンボーの利用契約について、住宅問題に詳しい大谷郁夫弁護士は「借り主を弱い立場にとどめておく横暴な振る舞いで、借地借家法の脱法行為だ」と批判。「実態として賃貸契約なら同法が適用される。『任意で退去しないなら実力で』と強制排除すれば、明確な違法行為になる」と指摘する。

マンボーは、都内約10カ所で同様の施設を運営。千代田区の施設の住民の一人は「このうち5分の3を閉鎖する」と説明を受けたという。

今後の対応などについて毎日新聞は再取材を申し入れたが、同社は29日現在、応じていない。

http://mainichi.jp/select/news/20130530ddm041040168000c.html


続報2013-6-3】   毎日新聞は千代田区神田美倉町にある脱法ハウスと思われるマンボ―の施設(マンボ―曰く「レンタルオフィス」)に利用者の取材記事を6月1日に配信した。内部の部屋の写真も掲載されている。 また、今日(6月1日)配信の記事によると、突然退去を迫られた利用者らに対し千代田区は緊急相談窓口を設けることを決めたとのことである。 以下、二つの記事をクリップ――

脱法ハウス:窓無し3畳半に2人 退去強要、行き先なく
(毎日新聞 2013年06月01日09時02分)

脱法ハウス_窓無し3畳半に2人(毎日6-1)1「3畳半」の窓もない部屋で、素性も知れぬ同居人と2段ベッドを分け合う。「下見もせず契約し、初めて部屋を見た時は引いてしまった」。狭い居室が密集する「脱法ハウス」の一つ、ネットカフェ大手のマンボーが東京都千代田区で運営する施設の内部を、利用者の一人が証言した。「火事は怖い。でも他を選ぶ余裕はなかった」。懸命に働くが、収入は乏しく、転居費用もままならない。 【加藤隆寛】

千代田区神田美倉町の施設は計約100室で、1人部屋と2人部屋がある。現時点でほぼ埋まっているが、マンボーは6月末で閉館するとして利用者に退去を迫っている。

取材に応じた男性は40代で、2人部屋にいる。利用脱法ハウス_窓無し3畳半に2人(毎日6-1)2料は光熱費込みで月額2万8000円。白壁に窓はなく、4畳に足りない床の半分ほどを2段ベッドが占領する。自分の寝床である下段が唯一の占有空間だ。

上段で暮らす同居人は、入って間もない若い男性。「ゴキブリが出ないように部屋で物を食べない」「一方が寝ている時は電灯をつけない」。最初に二つのルールを決めた。その後、会話はない。壁は薄く、隣室の冷蔵庫の開け閉めも聞こえる。他の2人部屋ではささいな理由からけんかが起きる。「狭いので余計にストレスがたまるのでしょう」

千代田区によると、住人のうち27人が住民登録している。70歳近い年金生活者や有名私立大の大学院生など身の上はさまざまで、東南アジアから来た留学生も約20人いる。10人いる生活保護受給者のほとんどは1人部屋を使う。広さは2人部屋と同じで利用料は倍の5万6000円。東京都区部の生保住宅扶助の上限額(単身5万3700円)に見合う。

この男性は九州の私立大を出て工業ゴムの会社に8年勤めた。「教師になる」という夢を果たそうと、勉強時間を得るためトヨタ自動車の期間工となり、7年働いたが、かなわなかった。

正社員に戻ろうとしたがリーマン・ショック(2008年)後で職はなく、3年前に上京した。ネット検索でヒットした最も安い物件が今の施設だった。居室を見てたじろいだが、我慢するしかなかった。

わずかな貯金やアルバイトで食いつなぎ、昨年やっと団体職員として正規採用された。月給は手取りで約18万円。「私だって結婚もしたいし、子供も欲しい。でも、貯蓄などできない」。以前から火災の不安もあり、出たいと思ってきたが、果たせていない。

 ■ 高齢女性「次は墓地」

ある日、共有スペースで密談を耳にした。「日当9000円でパチンコの打ち子(出玉をだまし取る行為)をやらないか」。生保受給者2人が話に乗ったようだった。男性自身も「200万円貸すから会社をやらないか」と、詐欺まがいの話を持ちかけられたことがある。

マンボーが、消防法違反を指摘された中野区の類似施設を「住居ではなく貸事務所だ」と主張していたと、報道で知った。「(マンボーは)住居として危険だと分かっているから、そんなことを言うのだろう」。施設閉鎖を突然通告されたが、行く当てはない。「私たちは食い物にされていたのでしょうか」

男性は70歳近い女性の住人を気にしている。わずかな年金とパートで暮らすが、明るい性格で、周囲から「お母さん」と呼ばれている。だが、退去通告でふさぎ込み、自分の行き先についてこう言った。

「次は墓地だわ」

http://mainichi.jp/select/news/20130601k0000m040138000c.html

脱法ハウス:退去迫られた利用者に相談窓口 千代田区
(毎日新聞 2013年06月03日07時01分)

居室が狭く危険な「脱法ハウス」を巡り、東京都千代田区でネットカフェ大手マンボーの運営する「シェアハウス」の利用者が今月内での退去を求められている問題で、同区は3日から利用者向けの緊急相談窓口を設けることを決めた。施設には高齢者や経済的な困窮者もいるためで速やかな支援が必要と判断した。また、区が今年3月、消防と共に同施設へ立ち入り検査を行い、改善を求めたが同社は応じていなかったことが分かった。

施設は約100室で百数十人が住むとみられ、利用者によるとマンボーは「7月1日から工事を行い、壁などを撤去する」「(水道など)ライフラインを止める」と通告。利用者側は「すぐには転居資金が用意できない」などとして退去期限の延長を求めている。

区は窓口設置について「個々の事情も異なるのでまずはどんな支援を望むかを聞く」と説明。リーマン・ショック後の派遣切り横行で2008年末、区内の日比谷公園にできた「年越し派遣村」への支援を念頭に、生活保護受給者向けの賃貸物件や緊急一時宿泊施設▽公的な家賃補助制度▽敷金などに充てる生活福祉資金貸付制度??などを紹介する。

3月の立ち入り検査で、マンボーは「住居ではなくレンタルオフィスだ」と主張したが、ベッドが備え付けられていることから、区は「建築基準法上の『寄宿舎』だとすれば新たな安全措置を講じる必要がある」と指摘。5月中旬までに改善計画を出すよう求めたが、回答はないという。
【加藤隆寛】

http://mainichi.jp/select/news/20130603k0000m040100000c.html


続報2013-6-4】  住まいの貧困問題に取り組むNPOや弁護士らのグループが6月4日、太田昭宏国土交通相に、緊急申し入れをした。早急な調査で実態を把握することや「シェアハウス」を巡る法令整備を求める緊急申し入れをした――

脱法ハウス:緊急調査を国交相に申し入れ NPOなど
(毎日新聞 2013年06月04日18時55分)

居室が極端に狭く危険な「脱法ハウス」が横行している問題で、住まいの貧困問題に取り組む特定非営利活動法人(NPO)や弁護士らのグループが4日、太田昭宏国土交通相に緊急申し入れをした。早急な調査で実態を把握することや「シェアハウス」を巡る法令整備を求めている。

申し入れでは「『脱法ハウス』についての緊急調査と実態把握を地方公共団体、消防庁などと連携して行い、結果を公表すること」を要請。問題ある施設の入居者に対する住宅確保も求めた。 さらに「法的に極めて不安定な位置にあるシェアハウスなどについて法令上の整備を早急に行うこと」が重要とし、国や自治体に「住宅監視員」を置いて「脱法ハウス」を監視させ、改善を図ることも提言している。

申し入れたのは▽住まいの貧困に取り組むネットワーク▽国民の住まいを守る全国連絡会▽全国追い出し屋対策会議――の3団体。 回答期限は12日。 同連絡会の坂庭国晴代表幹事は「国が何らかの手を打たなければならないことははっきりしている。継続的、徹底的に追及して抜本的な改善を目指したい」と話した。  また、同会議は12日に参議院議員会館で開く院内集会で「脱法ハウス」問題を取り上げることも決めた。 【加藤隆寛】

http://mainichi.jp/select/news/20130605k0000m040023000c.html

2013-7-11追加記事】 千代田区にあるマンボ―の脱法ハウスに居住する男女4人が6月12日に部屋の使用を妨害しないよう求める仮処分を東京地裁に申し立てた。 その後二人が加わり、計6人の仮処分申し立てとなっていたが、6月27日に東京地裁で運営会社マンボ―との和解が成立したようだ――

脱法ハウス:退去期限、3カ月延長 6人が運営会社と和解
(毎日新聞 2013年06月28日09時54分)

東京都千代田区でネットカフェ大手・マンボーが運営する「シェアハウス」の利用者6人が、「一方的に短期間での退去を迫るのは違法」として、賃借権に基づく占有を妨害しないよう求めた仮処分申請は27日、東京地裁で和解が成立した。マンボー側は当初6月末とした退去期限を9月末まで延長し、1カ月半分の利用料を免除する。記者会見した利用者の弁護士は「これで他施設の閉鎖も強行できなくなった。意味は大きい」と強調した。

マンボーは、中野区の施設の消防法違反が報道された翌日の5月24日、千代田区の施設利用者に「6月30日で閉鎖する」と通告。仮処分申請で6人は「同社が『レンタルオフィス』としているのは規制を免れるためで、実際は住居としての利用を承知している」とし、借り手の権利を守る借地借家法が適用されると主張していた。

マンボー側は、契約が選挙事務所などに用いられる「一時使用のための賃貸借契約」に当たるとして借地借家法の適用外と反論したが、最終的には譲歩。退去期限を延長した上で、8月は半額、9月は全額の利用料を免除するとした。

千代田区の施設は約40人の利用者が残っており、豊島区などの施設にも退去を迫られながら転居先の決まらない利用者がいるとみられる。会見した林治弁護士によると、他の利用者にも同様措置を取るよう求めたところ、マンボー側は「個別に柔軟に対応したい」と答えたという。

会見には申請者6人のうち2人が出席。40代の男性は脱法ハウス問題について「これが布石となり、行政の対応などが良い方向に進むことを切に願う」と述べた。

一方、和解を受けて「住まいの貧困に取り組むネットワーク」など支援3団体はこの日、太田昭宏国土交通相に脱法ハウスを巡る2回目の緊急申し入れを行った。入居者を一方的に追い出さないよう指導することや、国や自治体が実態調査のため設けた情報窓口を入居者の相談窓口としても活用することなどを求めた。【加藤隆寛】

http://mainichi.jp/select/news/20130628k0000m040080000c.html

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