在宅勤務は仕事か…米ヤフーCEOが呼んだ論争(フォーブス)|一方、日本では米IT大手シスコシステムズの日本法人が8日、社員の大半に自宅などで勤務させる「テレワークデー」を実施した…

在宅勤務・WAH_YahooCEO2米ヤフー(Yahoo USA)の最高経営責任者(CEO)、マリッサ・メイヤー(Marissa Mayer)氏が、同社の社員に在宅勤務を禁止すると宣言して以来、アメリカでは「在宅勤務」の是非をめぐる論争が巻き起こっている。 一方、日本では米IT大手シスコシステムズの日本法人が3月8日、社員の大半に自宅などで勤務させる「テレワークデー」を実施した。 在宅勤務(WAH = work at home)と在宅勤務の是非論争(WAH Workplace Divide)についてクリップした記事を以下の順序で掲載――

  • 朝日、2013年3月9日、朝刊の8面「経済」欄の記事――「憧れの的? 在宅勤務 広がる日本『育児と両立』」
  • 日経、2013年3月7日、米フォーブス(2月27日)の翻訳記事――「在宅勤務は仕事か…米ヤフーCEOが呼んだ論争」
  • 米フォーブス(2月27日)の英文原文記事――「Yahoo’s New Policy Exposes The Great WAH Workplace Divide」

在宅勤務(朝日2013-3-9)憧れの的? 在宅勤務 広がる日本「育児と両立」
(朝日 2013年3月9日朝刊8面「経済」)

テレビ会議システムなどを手がける米IT大手シスコシステムズの日本法人が8日、社員の大半に自宅などで勤務させる「テレワークデー」を実施した。米国ではヤフーのトップが在宅勤務を禁じたことが論議を呼んでおり、在宅勤務が広がりつつある日本への影響が注目されている。

8日午後、東京都港区の高層ビルにあるシスコのオフィス。空のデスクが並び、平日とは思えない静けさだ。

「でも会議も開かれてるんです」。広報担当者がパソコンを開くと、6人の顔が映った。自宅などからシステムにつながっているという。

日頃から在宅勤務を認めているが、年1回程度、全社一斉に在宅勤務する日を設けている。会議に参加していた上野由美さんの場合、在宅勤務は子どもの学校行事に参加したい日や、通勤時間が惜しいほど仕事が多い日など2週間に1回程度。「子育てとフルタイム勤務を両立でき、うらやましがられる」と話す。

電機メーカーなどでつくる「日本テレワーク協会」によると、2011年の調査で週に8時間以上会社の外で作業をする人は就業人口の19・7%。米国は03年時点で24・8%で、「現在は4割程度に達しているだろう」という。

■ 連携不足か、米ヤフーは禁止

IT業界などを中心に在宅勤務が広がる米国だが、大きな異変が起きている。

先月、IT大手ヤフーのマリッサ・メイヤー最高経営責任者(CEO)が社員の在宅勤務を禁止する方針を打ち出した。社員の連携不足が業績低迷の原因と判断したとみられるが、メディアやネット上で多くの識者が「時代に逆行する愚策だ」「社員のサボりを認めないのは当然」と激しく対立する事態に発展した。

メイヤー氏支持の論調が盛り上がる背景には、自宅で働きながら高給を与えられる「特権階級」に、多くの市民が反感を感じていたことも大きい。在宅勤務が広がり始めた日本への影響はないのだろうか。

「15年に700万人」という目標を掲げて在宅勤務を推進する総務省は「論争が日本に飛び火する心配はない」(情報流通高度化推進室の重成知弥係長)とみる。家での働き方が個人の裁量に任されている米国流に対し、日本企業はパソコンに監視用のカメラを付けるなど社員を厳しく管理しており、在宅勤務が「特権」とは言い難いという。

重成氏は「少子高齢化が進む日本では、在宅勤務で主婦や高齢者を労働人口として確保していくことが不可欠だ」と説明する。

在宅勤務は仕事か…米ヤフーCEOが呼んだ論争
(日経 2013/3/7)

(2013年2月27日 Forbes.com)

在宅勤務・WAH_YahooCEO1 怒り。憤り。非道。嫉妬。言いがかり。非難の応酬。

米ヤフーの最高経営責任者(CEO)、マリッサ・メイヤー氏が、同社の社員に在宅勤務を禁止すると宣言して以来、こうしたあらゆる感情がない交ぜになって飛び交っている。しかし、すべての非難の矛先がメイヤー氏だけに向けられているわけではない。

■ 全米の職場で「WAHデバイド」論争

会社を離れて別の場所で働くかどうかという議論は、根深い問題であり、我々が考えもしない形で在宅勤務ができない人々を刺激した。これを、勤務場所をめぐる巨大な溝、つまり「WAH(work at home=在宅勤務)デバイド」問題と呼ぼう。

昨日のForbes記事で私がメイヤー氏は方針を転換すべきだと指摘した。すると、記事に対して猛烈なコメントが寄せられ、驚かされた。私のツイッター(@mickimaynard)でも次々と議論が巻き起こり、ソーシャルメディアや全米の職場でも議論が繰り返された。

それらの論争を私なりに解釈すると、意見は以下の2点に集約される。

(1) 在宅勤務は本当の仕事とはいえない。真の仕事は、会社でしかできない

(2) 在宅勤務は生産性を向上する。正しく行えば、出社して働くより多くの成果が得られる

まず、「在宅勤務は仕事とはいえない」という論調を取り上げよう。こちらが、メイヤー氏がやろうとしていることに最も近いからだ。シリコンバレーの人々にとって、自宅やコーヒーショップ、公園で働くことは「生得権」のようなものだ。フェイスブックも、大学の寮で誕生した。創造力を発揮するために、四角いオフィスにずっとい続けなければならない、ということはないわけだ。実際、革新的な変化はオフィスで生まれるのではない。オフィス以外の場所で生まれるのだ。

報道やネット上に投稿されたコメントから判断する限り、ヤフー社員の何人かは、在宅勤務をめぐる方針を拡大解釈しすぎたようだ。確かに、ヤフーの近年の業績を踏まえれば、同社の企業文化を見直さないまでも、働き方は変える必要があるという印象を受ける。新たに就任したトップとして、メイヤー氏は「一体だれがここで働いているのだろう?」と思ったに違いない。そして、それを知る1つの手段が、全面的な「在宅勤務禁止」令によって社員をオフィスに呼び戻すことだ。

■ 在宅勤務に向かない仕事

在宅勤務・WAH_YahooCEO3ところが、在宅勤務への反発はヤフーだけの問題ではない。仕事社会では、本物の仕事はオフィスでするものだと信じている人々がいる。こうした信条をもつ人たちは、真の技術革新は従業員が同じ場所で働いているときに生まれると主張する。社員がまじめに仕事をして、最大限に創造性を発揮しているかどうかを職場で監視する必要があると考えている。

公共ラジオ放送の番組「マーケットプレイス」はツイッターで、在宅勤務ではとてもこなせない仕事をリスナーに挙げてもらう「最悪の在宅勤務」というハッシュタグを新設した。心臓外科医、歯科医、産婦人科医、バス運転手、看護師、ウエートレスなどが挙っている。ごもっとも。こうした職業の場合、あなたは単純にそこにいなければならない。こうした仕事に従事する人や、社員にオフィスでの勤務を強いる人々が、在宅勤務を真の仕事と見なすことができないのは理解できる。在宅勤務は彼らの職業観とかけ離れているからだ。

さて、次に在宅勤務は生産性の向上に役立つのだという意見をみてみよう。私自身はこちらに賛成だ。というのも、私は自宅で仕事をした方が、オフィスで働くよりずっと生産性が高いからだ。そう、私はジャーナリストである。昨日私が書いた記事に対して、何人かの人がジャーナリストという職業は「軽い」から、他の「本物の職業」とは比べられないと考えていることを知り、驚いた。(もし、Forbes.comが「軽い」なら、なぜ「本物の職業」から離れて、これを読んでくれているのだろうか?)

私と同じ職業の人以外でも、同じ意見の人たちがたくさんいることもわかってきた。仕事はいつも新しいアイデアを探さなければならず、在宅勤務なら集中して仕事ができるし、創造的な仕事もできる。会議室にいくだけが仕事ではないのだ。子育て中の在宅勤務者ならなおさらだ。子育て中だと仕事に使える時間は限られる。朝は子供を起こし、着替えさせて学校に送る。ある時間になれば子供は帰宅するため、仕事を中断しなければならない。

■ 自宅にいても連携できる

在宅勤務・WAH_YahooCEO4オフィスから離れて仕事をするからといって、ほかの従業員との連携を拒む者などいない。実際、技術の進歩によって、たとえメンバーが様々な場所に散らばるチームでも、かつてないくらい緊密に連携しながら働けるようになってきた。コンファレンス・ブリッジやスカイプのようなツールを使うことで、世界中の同僚が一堂に会せるのだ。メイヤー氏は、ヤフーの社員は1カ所に集まることが大切だと思っているようだが、在宅勤務派は必ずしもそれが必要だとは考えない。家にいても人と一緒に仕事はできるからだ。

実は在宅勤務の人たちは、同僚に近づこうと人一倍努力している。私がマンハッタンのニューヨークタイムズビルに出向くときには、電話やメールで連絡をとりあった人たちに挨拶をすることにしている。私は同僚の一人から「あなたは私より会社の人のことをよく知っているね」と言われたことがある。同僚に毎日会うことはできない分、名前やメールアドレスと顔を一致させておきたいと心がけている。

私たちにとっては、在宅勤務は非常に効果的だ。在宅勤務に強く反発する人もいるだろう。オフィスという装置を必要とする人も少なくない。メイヤー氏のような強い上司がそばにいて、自分や同僚に何をすべきか指示してほしいと考える人もいる。こうした人たちが毎日、在宅勤務をするには適していないことに異論はない。

しかし、だからといって在宅勤務が仕事ではないとはいうことにはならない。私は昨日、ある経営者からのコメントに少々がっかりさせられた。従業員から在宅勤務の要望が出た際、「構わないけれど、給料カットを受け入れるように」と答えたというのだ。それは逆だろう。会社に出社する従業員が少なければ少ないほど、一般費用は下がるはずなのだから。

とにかく、メイヤー氏は米国の職場で時すでに遅しという議論の口火を切った。会社の自席に縛り付けられていると感じてきた人たちは、在宅勤務の希望を口にするよいきっかけをもらったことだろう。すでに在宅勤務をしている私のような人たちは、もっと良い仕事をして、自分のやっていることを証明する必要があると気づいたのだ。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK05024_V00C13A3000000/

以下は、上記掲載の翻訳記事の英文の原文記事のクリップ――

在宅勤務・WAH_YahooCEO5Yahoo’s New Policy Exposes The Great WAH Workplace Divide
(Forbes 2/27/2013)

Anger. Resentment. Outrage. Jealousy. Accusations. Finger pointing.

We’re hearing all that in the wake of Yahoo CEO Marissa Mayer‘s declaration that her employees will no longer be allowed to work at home. But that outrage isn’t all pointed at Mayer.

The discussion of working remotely has touched a deep, and for some of us, unexpected nerve among people who don’t have the ability to do so. Call it the Great WAH Workplace Divide (with WAH standing for “work at home”).

Yesterday, when I suggested that Mayer ought to reverse her policy, I was surprised by the vehemence of some of the comments on my story. A lively debate also broke out on my @mickimaynard Twitter stream, and it’s being repeated across social media and in workplaces everywhere in the country.

From my reading of what people have been saying, these seem to be the two sides of the issue:

  1. Working at home isn’t really work. You can only do that in an office.
  1. Working at home increases productivity. If you do it right, you get more done than in an office.

Let’s take the “WAH isn’t work” concept first, because it ties in most closely with what Mayer is getting at. Working at home, or from coffee shops or parks, seems by many in Silicon Valley to be a birthright. Facebook, after all, was invented in a college dorm room. The idea is that you don’t need to sit in a cube to be creative ? in fact, innovation doesn’t come from within an office. It thrives every place but there.

Judging by news stories and comments posted around the Web, some Yahoo employees had stretched that policy to the limits. Certainly, Yahoo’s performance in recent years gives the impression that its work practices, if not its culture, needed a change. Mayer, as a new boss, most likely wondered, “Who actually works here?” And, one way to find out is to herd the troops back into the office with a sweeping “no WAH” policy.

But the WAH backlash isn’t just at Yahoo. There seems to be a genuine feeling among some people in the workplace that a real job takes place in an office. These people argue true technology innovation comes when employees are co-located. You have to see the whites of everyone’s eyes to know they’re actually doing their jobs and get the most inventiveness from them.

Marketplace, the public radio program, started a Worst Telecommute Job hashtag on Twitter naming jobs that can’t be done WAH. Among them: heart surgeon, dentist, OB/GYN, bus driver, nurse, waitress. It’s true. For some positions, you simply have to be there. It’s understandable, then, that people who work these kinds of jobs or those that require them to be in an office have trouble viewing WAH as real work, because it’s not their kind of work.

Now, let’s look at the idea that WAH actually feeds productivity. I’m raising my hand here, because I am far more productive working from home than I feel working in an office. Yes, I’m primarily a journalist, and it was a surprise yesterday to find that some of you feel this is “fluffy” work that doesn’t compare with a real job. (If Forbes.com is “fluffy,” why are you spending time away from your real job reading it?)

I heard from many other people who are not in my profession who would make the same argument: that WAH allows us the ability to concentrate, and to be creative, since we have to seek out fresh ideas. They don’t simply walk into a conference room. Working parents who WAH find it makes them prioritize. They have limited hours to get their work done, because they get the kids up and dressed and off to school, then have to stop at a certain point because they’ll be coming home.

Nobody who works remotely resists collaboration. In fact, modern technology has enabled teams based in many locations to work more closely than ever. Tools like conference bridges and Skype bring folks together from around the world. While Mayer may think it’s important for Yahoo troops to be in one spot, the WAH contingent knows it’s not necessary simply so that we can work with others.

WAH devotees also make more of an effort to get to know our colleagues. Whenever I’d visit the New York Times building in Manhattan, I’d make it a point to greet the people with whom I talked on the phone and conversed by email. One of my co-workers remarked, “You know more people here than I do.” Well, I didn’t have the ability to see them every day, and I wanted to put faces with names and email addresses.

WAH, for us, is effective. Some people would go nuts with WAH. A number of people want the structure of an office. Others want a strong boss like Mayer telling them, and their colleagues where they must be. It’s completely understandable that these people would not be right for WAH on a daily basis.

But it doesn’t mean WAH is not work. I was a little distressed yesterday by the comment from one boss who said that when his employees asked to WAH, he told them fine, as long as they’d accept a pay cut. That seemed counterintuitive, because it seems like the fewer employees onsite, the lower your overhead costs.

In any case, Mayer has set off a debate that is perhaps is overdue in American workplaces. Maybe some of the folks who feel chained to their desks now feel empowered to speak up about the possibility to WAH. And we who WAH are finding out that maybe we need to do a better job explaining the jobs we do.

http://www.forbes.com/sites/michelinemaynard/2013/02/27/yahoos-new-policy-exposes-the-great-wah-divide/

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