中国軍艦レーダー照射|中国軍解剖<尖閣、党新組織が手綱>

中国海軍・ジャンウェイ2級フリゲート艦による射撃管制レーダー照射(FCレーダー照射)が昨日(2月5日)公表された。 このブログで何度も書いているように「中国海軍」という名称はマスコミが便宜上使っているものであって、中国海軍というものは存在しないしないのだ。 正しくは中国共産党・人民解放軍の海軍部であり、それがいわゆる「中国海軍」なのだ。 中国共産党・中央軍事委員会がその全権を握っている。 中国政府とか中国外務省などというのは中国共産党の下部組織にしか過ぎない。 中国を知るには中国共産党と中国共産党・人民解放軍を知らなければならない。 それなくして、中国、中国、と言っても現実を反映していない。 今回の「中国軍艦レーダー照射」という事態を踏まえて、中国軍とはなにか知って欲しいい。 ちょうど、朝日新聞で「中国軍解第3部」の連載が始まった、みなさんに読んで頂きたい――

中国軍解剖1-1中国軍解剖第3部その1 「尖閣 党新組織が手綱」
(朝日新聞朝刊2月4日一面)

1月19日、東シナ海の上空。おわんのような大きなレーダーを載せた米軍の空中警戒管制機(AWACS)が、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の北方向の上空にさしかかったときだった。

中国空軍機・尖閣米機にも急接近

複数の軍事筋が朝日新聞に明らかにした話によると、上海市郊外にある中国空軍基地から、2機の戦闘機「殲(せん)10」が緊急発進(スクランブル)。米軍のAWACSに急接近し、追尾を始めた。これに対し、航空自衛隊の2機の戦闘機F15も緊急発進した。

中国軍機に対するスクランブル日中双方ともに公表していないが、この日、日中の戦闘機は複数回、緊急発進の応酬を繰り返した。AWACSは広い範囲で航空機を探知でき、「飛ぶ管制塔」と呼ばれる。昨年12月、中国機による尖閣周辺の領空侵犯を受け、米軍が1月中旬から投入した。

防衛省によると、中国機に対する自衛隊機の緊急発進は、日中関係が悪化した昨年10~12月で計91回と急増傾向にある。中国軍幹部は、2001年に中国・海南島近くで起きた米中両軍機の衝突を例に挙げ、「(尖閣周辺空域でも)いつ衝突事故が起きてもおかしくない」と警戒する。

一方、尖閣周辺では海域でも、中国の国家海洋局や農業、警察などの政府各部門がそれぞれ監視船を派遣し、連日のように海上保安庁の船とにらみ合う。

中国はどのような指揮系統で、尖閣問題に対応しているのか。中国共産党関係者は、日本の尖閣国有化直後の昨年9月14日、軍を含めた各部門がそれぞれ個別に動く状況を改めるため、党指導部が新たな専門組織を立ち上げた、と明かす。

名称は「中国共産党中央海洋権益維持工作指導小組」。党が最重要視する問題での指導体制を確立させるためのタスクフォースだ。モデルは米国の国家安全保障会議(NSC)とされ、ほかに台湾問題、安全保障を含む危機管理での小組の存在が知られている。

中国共産党・小組メンバー総書記が束ね役

いずれも組長と呼ばれるトップは習近平(シーチンピン)総書記(中央軍事委員会主席)。海洋権益維持工作指導小組の副組長は、外交を統括する戴秉国・国務委員(副首相級)で、軍総参謀部の幹部らがメンバーに加わる。

この小組のメンバーは、無線やテレビ電話で直接現場の監視船や部隊に指揮をする。行き過ぎた現場判断で偶発事故が生じないようにする狙いもある。

「うちの部隊は残業代が出ない」「もう1カ月も休みがない」。東シナ海の監視船を監督していた元国家海洋局幹部によれば、以前は監視船同士が無線で愚痴を言い合うこともあった。「日本の海上保安庁の職員に比べ、士気や技術が劣っていた」

ところが小組が新設されたころから、中国側の動きは「統率が取れ、真剣になった」と、複数の日本政府関係者が証言する。

党関係者は小組新設について、こう説明する。「(中国にとって尖閣問題が)台湾などと並ぶ最重要の問題となったことを意味する」

中国軍解剖1-2トップの意向、軍動かす 一時は臨戦態勢指示
(朝日新聞朝刊2月4日二面)

中国軍の機構図「戦争の準備をせよ」

1月14日付の中国軍機関紙、解放軍報は、軍総参謀部が全軍にこう指示を出したことを伝えた。

軍関係者によると、尖閣をめぐる東シナ海での緊張を受けたものだという。同様の指示が最後に出されたのは1979年。中国軍が、カンボジアに侵攻したベトナムを「懲罰」するとして軍事介入する直前だった。この関係者は「全軍が臨戦態勢に入ったことを意味する」と説明する。

日米政府筋によると、この指示が出された後、内陸に配備されていた戦闘機が上海など沿岸部の空港に移されるなど、部隊に慌ただしい動きがみられた。

2月2日付の中国青年報によると、北海艦隊の軍艦3隻は、西太平洋ですべて実弾を使った演習をしている。「実戦に備えた異例の訓練」という艦隊幹部の発言を紹介している。

ただ、1月下旬に習近平(シーチンピン)総書記が、訪中した公明党の山口那津男代表と会談して関係改善を訴えたころ、中国側に変化が現れた。日本政府関係者によると、悪天候以外にはほぼ連日出ていた監視船が途切れがちになった。4隻いた監視船も2~3隻になったという。

軍高官の発言もこうした動きに呼応した。

「中国が自ら進んで海上での紛争を引き起こすことは絶対にない」

戚建国・副総参謀長は1月29日、訪中した米下院議員らとの会談で、尖閣問題を武力ではなく、外交で解決する考えを強調した。

尖閣周辺で日中の戦闘機や艦艇同士の接触事故が起きれば、どうなるか。それが軍事衝突へとつながっていく恐れはないのか……。

日中間で軍事衝突が起きる可能性について、両国の軍事専門家は考え始めている。複数の自衛隊関係者は「短期間の局地戦ならば日本が優勢」と分析する。理由としては、(1)艦艇などの装備が優れている(2)パイロットの飛行時間が中国軍より長く練度が高い(3)米軍との連携などを挙げる。

これに対し、中国国防省国際伝播局の孟彦・副局長は昨年10月、日本側の分析を真っ向から否定する論文を人民日報に発表した。「日本側は中国軍のミサイルの威力を考慮していない」

論文では、両国で海戦になった場合、最初に自衛隊の基地や港をミサイルで破壊して、戦闘能力を失わせる可能性を指摘した。

政策・思想、軍から影響

こうした尖閣をめぐる一連の軍の対応には、習近平総書記の意向が直接働いているようだ。

習氏は胡錦濤(フーチンタオ)前総書記と比べ、軍とのつながりが強い。習氏は昨年11月、総書記とともに軍を統括する中央軍事委員会主席のポストを胡氏から引き継いだ。新華社通信によると、胡氏は会議の席で習氏について、こう説明したという。

「習同志は地方の指導者のときから、軍隊に関する業務に参画していた」

武装部党委第1書記▽軍分区党委第1書記▽高射砲予備役師団第1政治委員……。党が発表する習氏の経歴には、福建省や浙江省などの地方勤務時から、党幹部の肩書とともに、地域での軍の役職も書かれている。胡氏やほかの指導者にはないものだ。

党高官を父に持つ元党幹部によると、これは父の習仲勲・元副首相の指示だった。「指導者になるには軍の経歴が必要だ」という毛沢東の教えに従ったものだという。20代で中央軍事委の事務局、同委弁公庁に勤めたのも、将来を見据えた布石だったともいえる。

中国の軍は「党の軍」として一党支配を支える存在。トウ小平氏ら党の歴代の最高実力者が軍事委主席のポストに座り、権力を掌握してきた歴史がある。

一方で、習氏の考え方にも、軍幹部の意向が強く反映されている節がある。

「中華民族の復興こそが、我々の最も偉大な夢だ」。習氏は総書記就任後、こう繰り返しているが、軍シンクタンク関係者によると、この発言はある軍幹部の論文が下地になっているという。

中国国防大教授の劉明福・大校(大佐に相当)が書いた論文「中国の夢」。米国を「中国を抑圧する専横的な覇権国」などと批判した内容で、2010年に出版されたが、発禁処分となった。海外での「中国脅威論」を刺激しないための措置とされる。

ところが昨年末、軍総後勤部政治委員の劉源・上将の意向で、再び出版されることが決まった。日米に強硬派とされる劉氏は、劉少奇・元国家主席の息子で習氏とは幼なじみだ。

「中華民族の偉大なる復興には、富国強兵をしなければならない」。習氏が昨年12月に広州軍区を視察したときの発言も、「中国の夢」の中の文言と同じだ。「習氏の政策や思想に劉源氏が与える影響は小さくない」と軍シンクタンク関係者はみる。

空母建造や新型戦闘機の開発など、急ピッチで増強を続ける中国軍。その実態を明らかにしようと2011年11月に始めた連載企画「中国軍解剖」は、第1部でその戦力や戦略を、第2部では周辺情勢への対応を報じた。第3部は、中国軍の意思決定や組織の仕組み、現場の実情に迫る。


(書きかけ中….)

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