ガソリンスタンド廃業続出、2千店|給油所2月危機、あなたの地域は大丈夫か?

2月を迎え、ガソリンスタンドが次々と廃業している。 その数は2千店に迫ると見らている。 なぜ2月なのか? それは2011年2月に改正消防法が施行され、40年を経過したガソリン地下貯蔵タンクを今年2月までに改修しなければ営業を継続できないからだ。 改修には多額の費用がかかるが、資金力の乏しい零細経営の給油所は経営に見切りをつけて廃業の道を選ぶ、そもそも後継者がいないのが現状なのだ。 人口の少ない地方の地域での廃業が多く、「給油所過疎地」が続出している。 あなたの地域はどうだろう、大丈夫か?

地下埋蔵タンク改修(図)この問題は「給油所2013年2月危機」などといわれ、新聞各紙で昨年後半からこの1月にかけてたびたび取り上げられ報道されている問題である。 実は、改正消防法が施行された2011年2月にNHKクローズアップ現代でいち早くこの問題を取り上げていた。 その時点で、2013年の2月にかけての廃業続出と「給油所過疎地」の増加は危惧された問題だった。 廃業はますます増え、ガソリンだけでなく寒冷地での灯油の供給網の寸断も深刻な問題となってきている。 高齢者ばかりの過疎地での冬期間の灯油供給網寸断は命にかかわる問題だ。 「一人暮らしの老人、灯油供給なく凍死」などという記事が出てもおかしくない事態が起きている….

減り続けるガソリンスタンド(グラフ)以下、朝日朝刊1月31日、3面の記事をクリップ ――


ガソリンスタンド廃業続出(朝日)ガソリンスタンド廃業続出
地下タンク改修義務 重い負担
(朝日朝刊3面 2013-1-31)

ガソリンスタンドが淘汰(とうた)の波にさらされている。古くなった地下タンクを1月末までに改修するよう義務づけられたことで、改修費用を負担できずに廃業する業者が相次ぐ。最大で2千店が廃業に追い込まれるとの見方もあり、生活に欠かせない燃料供給網が寸断しかねない事態だ。

供給網、寸断の恐れも

ガソリンスタンド事業者らでつくる全国石油商業組合連合会の担当者は「3月の年度末までの店じまいは最大2千店になりそうだ」とため息をつく。

スタンドはピークの1994年度に全国約6万カ所あった。しかし、マイカー離れや燃費向上によるガソリン販売量の減少、店舗間の価格競争もあり、年1千店以上が閉鎖する状況が15年以上続いている。2012年度はその倍の水準に増える可能性がある。

減少傾向に追い打ちをかけたのが地下の燃料タンクの改修義務だ。

老朽化したタンクは壁が腐食し、油漏れの危険があるため、設置後40年が過ぎたタンクは改修が義務づけられたのだ。その改修期限が今月31日。零細業者を中心に、廃業の申し出が絶えなかった。

業界側は今後5年でさらに3500カ所程度のタンクが設置40年を迎えて改修が必要になると予想する。帝国データバンクの早川輝之氏は「閉鎖ペースが加速する可能性が高い」とみている。

地域で唯一の店、断念

秋田県湯沢市・加藤社長山形県境に近い秋田県湯沢市院内地区。昨年の大みそか、地域で唯一のスタンド「加藤商店」が静かに店を閉じた。

43年前、秋田市と福島市を結ぶ国道13号のバイパス開通にあわせて開業した。山形県側のスタンドと10キロ近く離れており、観光客や運送業者から頼りにされた。加藤俊雄社長(83)は冬場は車の運転が困難な高齢者らに灯油を配達したりもしてきた。

しかし、タンク改修義務で状況は一変した。

開業時に埋設した3本のタンクすべてが対象になり、費用は総額700万円ほど。国の補助制度を利用することも考えたが自己負担が300万円近い。「大金をはたいてタンクを直しても、どれだけ続けられるか」。結局、期限の1月末までの改修をあきらめた。

老朽化した地下タンクの改修は全国的に進んでいない。消防庁によると、スタンドなどの給油施設で、おおむね40年を超えたタンクは全国で約2万9240本ある。しかし、12年9月末時点で改修されたのは1万127本で、改修率は34・6%。最も高い島根県でも64%。急ピッチの改修が進んだとしても、大幅な改修率の改善は難しい状況だ。

対象タンクが1本しかない沖縄県を除き、改修率が14・2%(昨年9月末時点)と全国最低だった青森県の石油商業協同組合は「改修せずに廃業されると、過疎地が多いだけに燃料の供給ルートが維持されるか心配」という。

利用者の不便さにどう立ち向かうか。スタンドが3カ所以下の自治体を資源エネルギー庁は「給油所過疎地」と定義しているが、12年3月末で238市町村あり、拡大中だ。

これまでも長野県南部の泰阜(やすおか)村で、村唯一のスタンドを運営するJAが08年、地下タンク老朽化で閉鎖の意向を示した際、村の有志18人が380万円を出資し、スタンドを買い取ったことがあった。宮城県七ケ宿町は、閉鎖したスタンドを自治体が引き取り、公設民営で別の企業に無償で貸し付け、再開した例もある。今回の廃業続出でも、自治体がどう対応するかが問われる。

===================================================
危険物の地下タンク改修義務》 消防庁は2011年2月の消防法改正で、ガソリンなどの危険物の地下貯蔵タンクのうち、設置から原則として40年を経過したものに改修を義務づけた。タンクの内側を繊維強化プラスチックで覆って補強したり、地下に埋め込んだ電極に電流を流し、タンク壁面の腐食を防いだりする対策が求められる。改修の猶予期間は今月末まで。
====================================================


財団法人・全国石油協会(http://http://www.sekiyu.or.jp/)の平成23年度の「今後の給油所経営の方針について」の調査結果(http://www.sekiyu.or.jp/topics/)によると――

● 「継続する」が64.6%
● 「廃業を考えている」が11.5%
● 「規模縮小」が6.4%
● 「未定」16.7%

廃業の理由(複数回答)については
● 「地下タンク規制強化への対応不能」が49.8%
● 「粗利益減少」が40.3%
● 「燃料油販売量減少」が34.6%
● 「施設の老朽化」が30.3%
● 「後継者の不在」が21.2%

資源エネルギー庁 平成24年7月10日発表の統計によると揮発油販売業者数及び給油所数の推移(平成元年から平成23年)はこのようになっている(画像クリックで拡大)――

揮発油販売業者数及び給油所数の推移http://www.enecho.meti.go.jp/hinnkakuhou/data/ss23fy.pdf

改正消防法が施行された2011年2月にNHKクローズアップ現代では「ガソリンスタンドが消える」と題してこの問題を取り上げた――

いまガソリンスタンドが急速に地域から姿を消している。理由は不況による節約志向やエコカー普及などによるガソリン需要の減少。09年度は1年間で1733ヶ所が消滅、平成になってから最多の減少数となった。過疎化が進むもともとスタンドが少ない地方では、ガス欠が頻発したり、高齢者がガソリンを入れるためだけに遠出を強いられるなど、くらしに深刻な影響が出始めている。「ガソリンスタンド過疎地」と呼ばれる自治体は全国で200を超え、存続を訴え署名運動に発展した地域もある。こうしたなかで閉鎖したスタンドの運営を住民組織が引き継ぐなどの取り組みも各地で始まっている。身近な生活インフラをどう守るのか。揺れる現場から伝える。

ガソリンスタンドが消えるこの番組を紹介している「これまでの放送」 http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3001.html へアクセスると番組を7分15秒に圧縮した動画を視聴することができる。 動画キャプチャ画像にナレーションを勝手に追加して3枚程掲載する――

ガソリンスタンドが消える1ガソリンスタンドが消える2ガソリンスタンドが消える3ガソリンスタンド過疎地帯はなぜ生まれる

小嶌 正稔さん(東洋大学教授) >> ガソリンスタンドの問題というと、原油価格が上がってしまった、ガソリンの値段がどうやって上がっていくんだろうか、まず第1の問題です。そして2つ目の問題は、ガソリンスタンド業界といえば、過当競争の代名詞のようになっている。そうしますと、初めから皆さんが供給不安というものを全く感じないような業界であったわけですね。ですから、ガスだとか電気のような生活のインフラ、それをあえて意識する必要が全く存在しない、そういうような状態からスタートしてきます。その上で、自由化が行われた、ガソリンスタンドが急激に減っていった、気がついてみたら、周りに1か所か2か所のガソリンスタンドしかなかったと。そこで慌てて、どうして対策をするんだろうかというような問題が出てきました。実際には、燃料の問題というのは複雑で、例えば灯油の問題もそうですね。ピーク時に比べると、もうすでに灯油の消費量は半分になっているんですが、われわれがそれを日頃、感じることはあるかというと、実は感じない、そのような形で、忍び寄ってくる問題だということです。先ほどビデオの中にもありましたけれども、6万か所が4万か所になったと。どこまで将来、減ってしまうのか、3万か所だという人もいますし、2万か所だという人もいます。恐らく2万か所に近づいていくような形になるだろうと思います。まず一番最初の問題というのは何かというと、実は先ほどのビデオの中にもあったように、ガソリンスタンドが一番たくさん作られたのはちょうど今から40年から45年前です。そのときのガソリンスタンドの地下タンクというのがあるんですが、それがどんどん古くなって、油漏れの危険が出てくる。そうすると、タンクを入れ替えなければいけない。それには2000万円ぐらいのお金がかかってしまうわけです。しかし、全国のガソリンスタンドの40%から50%は、赤字に苦しんでいる。さらに、その当時に商売を始めた方々、高齢化も進んでいます。先も見えません。後継者の方もなかなか育っていないと、それならば、どうせお金がかかるんだったら、タンクを入れ替えるこの時期にやめてしまおう、そういう意思決定をしているんだと思います。ガソリンスタンド、特にセルフのガソリンスタンドが出てきたときに、セルフのガソリンスタンドというのは、消費者が自分でガソリンを入れる。その分、ガソリンは当然、安くていいという頭があるわけです。そうしますと、通常のフルのガソリンスタンドと、セルフのガソリンスタンドの格差、それが結果的に順番にガソリンの価格を下げ、価格競争に陥ってしまう。そういう構造があるんだと思います。 (クローズアップ現代「ガソリンスタンドが消える」より。 以下、同様にクロ現代からの転載。)

住民が結束し経営するガソリンスタンドについて

>>安芸高田の例というのは、何がすばらしいかというと、ガソリンスタンドがなくなったといったときに、ガソリンスタンドにこだわらずに、自分たちに必要なすべてのものをそこに集めようとした努力だと思いますね。食料品、雑貨、切手を買おうと思う郵便局、年金のためにお金をおろすような施設、そしてガソリンも入れられる。自分たちの生活の支援の中で、すべてが賄えるようなものを作っていったということがとても大切なお取り組みだと思います。これからのこういう地域というのは、何が大切かといいますと、コミュニティの核をどうやって作っていくのかということだと思います。ただ、生活するだけじゃいけません。自分たちのものを、自分たちで作ったものをどうやって売っていくのか、産業の拠点になりたい。地域の情報を集めるような拠点を作っていく。交通全体を見れば、交通の拠点にしていきたい。そして何よりも大切なのは、こういうものを作ることによって、自分たちのコミュニティが交流する場所を作っていくことの大切さを教えて頂いているんだろうと思います。いろんな所にこれからはコミュニティ、例えば、オンデマンド交通のようなバス、もしくはタクシーのようなものがあるかもしれません。すべてここに集まってくるんだ、コミュニティの核を作っていくという発想が、これからの周りの人たちにも、ぜひまねをして頂きたい事例だと思います。

ガソリンスタンドへの設備投資の展望

>>先ほどもビデオの中にありましたけれども、今から10年後にガソリンの消費というのは、30%も減ってしまうんですね。しかしながら、10年後に一体どれぐらい次世代自動車が伸びているのか、環境省の出した統計があります。その統計を当時、10年後にある車の数で割り返すと、なんと100台中95台は相変わらず従来のガソリンの車が走っているわけです。実はエネルギーの転換というのは、本当に時間がかかるんですね。そういう意味で、今、重要なのは何か。新しいエネルギーも出てくる、しかし同時に、ガソリンというものも非常に大切なんだ。この過渡期をどうやって乗り越えていくのか、そういう発想が非常に重要になってくるんだろうと思います。

住民に情報提供を

>>実際には、業者が自分たちの経営判断の中でお店を閉めていきます。しかしながら、一度、お店を閉めてしまった場合に、それは元に戻ることができないわけですね。住民の人たちが一体この拠点がどういう意味を持ち、どういう大切なものであるのかと、それに対してどういう対策をするのかということに対しては、必ず時間が必要です。この町の場合は、2年前に情報を出したと、それによって、住民の皆さんたちがそれに対する対処ができたと、それが非常に重要なポイントだと思います。

国はどう動く

>>これから考えてゆかなければいけないのは、本当にガソリンスタンドがどうしてなくなっていったのか、根本的な問題をきちんと考えていく必要があります。そしてもしなくなっていってしまった地域があるとすれば、これからその地域のエネルギーの供給を、どういう形で賄っていくのか、それを具体的な形で示していく。そして、さまざまな成功例を示すことによって、皆さん方に考える機会を与えていくということが大切だと思います。


この放送から二年、事態はどうなったか? ご存じのように何も好転していない。 これからもガソリンスタンドは減り続け、地域格差は更に大きくなっていくことが危惧される。

続報 2013-4-29

ガソリンスタンド「過疎地」増加(NHK)ガソリンスタンド「過疎地」増加
(NHK 4月29日11時18分)

全国の市町村のうち、ガソリンスタンドの数が3か所以下で、ガソリンスタンドの「過疎地」とされる市町村は合わせて257に上り、需要の減少を背景にガソリンスタンドの閉店が一段と進んでいることが、資源エネルギー庁の調査で分かりました。

資源エネルギー庁が先月末の時点で全国1719の市町村を調査したところ、ガソリンスタンドの数が3か所以下で、ガソリンスタンドの過疎地とされる市町村は、合わせて257でした。 2年前の平成23年の調査に比べると、19の町と村が増加し、ガソリンスタンドの閉店が一段と進んでいます。

この背景には、人口の減少や自動車の燃費の向上でガソリンの需要が減っていることや、経営者の高齢化などがあり、全国のガソリンスタンドの数は、平成6年のピーク時の6万か所余りから、3万5000か所程度に減少しています。 資源エネルギー庁は、ガソリンスタンドの閉鎖は地域への影響が大きいとして、ガソリンスタンドの運営を自治体が引き継ぐ場合に補助金を交付するなど、地域の対策を支援することにしています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130429/k10014257481000.html

広告

ガソリンスタンド廃業続出、2千店|給油所2月危機、あなたの地域は大丈夫か?」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 閉鎖後のガソリンスタンドについて » 土壌汚染問題解決に日々挑んでいる社員のブログ

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中