防衛相交代、日本の防衛はどうなる?|森本前防衛相が語る日本の安全保障上の危機、現状では中国への対応不能となる可能性がある…

12月27日に防衛大臣が交代交代した。前防衛大臣は森本敏(もりもと さとし)氏、新任の大臣は小野寺五典(おのでら いつのり)衆院議員である。 民主党の人材枯渇のため、野田前首相のたっての願いを受けて民間人初の防衛大臣になったのが森本敏氏で、防衛の専門家・国際政治学者として知られる元自衛官である。 統治能力ゼロを露呈し、尖閣問題、北朝鮮ミサイル問題、沖縄普天間問題で右往左往する民主党政権の防衛大臣という「渦中の栗」を日本のためと言って敢えて拾い、泥をかぶった森本敏・前防衛大臣に敬意と感謝の意を表したい。

27日の離任式では日本の安全保障上の試練を危惧した離任の辞を述べ、また28日には産経新聞のインタビューに応じて「対中国での日本の安全保障の危うさ」への警鐘を鳴らしている。 防衛相交代、日本の防衛はどうなるのか。 森本前防衛相が語る日本の安全保障上の危機――現状では中国への対応不能となる可能性がある、という。

防衛大臣の離任式、交代、着任式、森本前防衛相のインタビュー記事と話を進めたい―

● 27日午前、森本防衛大臣の離任式が行われた

森本防衛大臣の離任

「日本は安全保障上の試練受ける」 離任あいさつで森本前防衛相 中国や北朝鮮に警戒感?
(産経 2012.12.27 12:09)

森本敏前防衛相は27日午前、自衛隊幹部らに対する防衛省での離任あいさつで「日本はそう遠くない時期に、国家安全保障上の試練を受けるのではないか」と述べた。 具体的な国名は挙げなかったが、軍備増強が著しい中国や核・ミサイル開発を続ける北朝鮮を念頭に警戒感を示した発言とみられる。

安全保障の「専門家として」の発言だと断った上で「周辺地域を注意深く見てほしい。 戦後半世紀以上、平和に発展してきた日本の安寧が今後も続くと思うか」と問い掛け、「諸兄の責任は重大だ」と語った。

米軍が沖縄に配備した新型輸送機オスプレイについては「地元で理解が得られているとは言い難いが、いずれこの政策は間違っていなかったと証明されると信じる」と強調した。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121227/plc12122712100011-n1.htm

● 同日、小野寺新防衛大臣の着任式が行われた

小野寺新防衛大臣の着任

● 同日後、新旧大臣事務引継ぎが行われた

新旧大臣事務引継

森本前防衛相インタビュー
海保・自衛隊の資源不足に強い危機感 「現状では中国に対応不能」
(産経 2012.12.29 07:51)

政権交代に伴い退任した森本敏前防衛相は28日までに産経新聞のインタビューに応じ、中国による沖縄県・尖閣諸島周辺での挑発活動を念頭に「現在、海上保安庁と自衛隊が持っている資源では、これからさらに近寄ってくる中国に十分、効率的に対応できない可能性がある」と述べ、自衛隊や海保の人員や装備を強化しない限り、中国に対応できない事態が起こりうるとの危機感を示した

森本氏は詳細を明らかにできないとしつつも、中国側が日本の対応能力を探るための活動を段階的に行っていることを示唆した。

13日にあった中国国家海洋局所属プロペラ機による尖閣諸島上空での領空侵犯では、自衛隊の地上レーダーが事前に接近を探知できなかった。 このため空自は空中警戒管制機AWACSや早期警戒機E2Cによる空からの警戒を強化。22日~26日にかけて領空に接近した中国機は事前に捕捉し、戦闘機が緊急発進して対応した。

森本氏はこうした事案などを念頭に「現有のAWACSやE2Cを展開させる態勢だけでは十分でない」と述べ、尖閣上空を含め、日本の領域警備態勢を全般的に見直す必要があると説明した。そのうえで「中国はどんどん近寄り、日本の対応が政権交代でどう変わるのかを見ようとしている」との分析を明かした

● 「ケタが違う」日本が中国に後れを取る可能性に懸念

中国海軍や政府公船についても「千トン級の船が毎年、何隻も出てくるが、こちらの新造艦と比べてケタが違う」と語り、日本が中国に後れを取る可能性に懸念を表明した。

また、尖閣周辺での中国の圧力が「今後、長期間にわたって続く」との可能性も示した。

米国が尖閣諸島に日米安全保障条約が適用されるとしていることに関しては「米国は日本がどこまで何をやる覚悟かをじっと見ている」と指摘。 「日本は領土を自ら守るため、必要なリソースを持ち、まず、自力でやりぬく覚悟を示さないといけない」と語り、日本自身が自衛隊や海保の拡充で抑止力と対応力を向上させる必要があるとの認識を示した。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121229/plc12122907550004-n1.htm

政権の本気度カギ 森本前防衛相インタビュー
(産経 2012.12.29 07:56)

森本敏前防衛相は産経新聞とのインタビューで、現状では中国の攻勢から日本領土を守りきれない恐れを吐露した。 直近まで自衛隊を指揮しただけに、深刻さを増す中国の脅威認識は説得力がある。 安倍晋三首相は集団的自衛権の行使容認が持論で日米同盟強化を掲げるが、法制面の整備と並行し、日本自身が足元の防衛力を向上させることも急務だ。

森本氏は「自分で何をできるかだ」と語り、沖縄県・尖閣諸島などを守り抜くため日本が主体性を発揮すべきだと強調した。 そのためには抑止力と対処能力の強化が不可欠となる。

日本がすぐに手をつけるべき課題は警戒・監視能力の向上。 中国国家海洋局のプロペラ機による領空侵犯は、中国軍の空(くう)挺(てい)部隊が降下作戦で尖閣に不法上陸することがいかにたやすいかを如実に示している。

防衛省幹部は「早期警戒機E2Cや空中警戒管制機AWACSは質量ともに底上げすべきだ」と指摘する。「前線」に近い那覇基地をE2Cの拠点にするための施設整備は平成27年度末を予定しているが、計画前倒しを求める声も多い。

海上監視能力も不安が残る。 国家海洋局は数年で海洋監視船「海監」を36隻建造する予定で、中国公船が海上保安庁の巡視船を数で逆転するのは避けられない。 このため、領海侵入を排除できるよう平時から海上自衛隊に海上保安庁を支援させる「領域警備法」などの制定も待ったなしだ。

運用方法のようなソフト面の整備は政治の意思次第。有事での協力内容を定めた日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の改定はその最たる例だ。

平成9年策定の現行ガイドラインは主に朝鮮半島有事を想定したもので、「周辺事態」に重きを置く。別の防衛省幹部は「台湾海峡有事には援用できるが、尖閣奪取など日本有事には役に立たない」と明かす。

今回のガイドライン改定で柱となるのは対中有事。 改定後には周辺事態法の見直しへとつながるが、その道筋にはハードルも残る。

米政府は尖閣について日米安保条約の適用範囲と明言しているが、米側には新ガイドラインに対中有事を盛り込むことに抵抗感を示す勢力もいる。 外務省幹部は「実際に適用するかどうかは日本の『本気度』にかかっている」と話す

本気度とは「尖閣有事では日本が独力で対処する気構えを示す」(自衛隊幹部)ことに尽きる。(半沢尚久、千葉倫之)

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121229/plc12122907570005-n1.htm

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森本 敏(もりもと さとし)
☛ 東京府東京市(現東京都)に生まれ、大阪府豊中市で育つ。豊中市立第六中学校、大阪府立豊中高等学校、防衛大学校本科(電気工学専攻、第9期生)卒業。1965年、航空自衛隊入隊。1977年から外務省アメリカ局(現北米局)安全保障課に出向。1979年に航空自衛隊を除隊し、正式に外務省入省。航空自衛官退官時の階級は3等空佐。1980年、タフツ大学フレッチャー法律外交大学院修士課程を修了する。その後在ナイジェリア日本国大使館参事官、情報調査局企画課安全保障政策室長、外務大臣官房領事移住部領事移住政策課長等を経て、1992年に外務省を退官。その後は野村総合研究所主席研究員(1992年-2001年)を務める傍ら、慶應義塾大学大学院や中央大学大学院、政策研究大学院大学、聖心女子大学、東洋大学等で教鞭を執る。2000年、拓殖大学国際学部教授に着任し、2005年からは拓殖大学海外事情研究所所長及び同大学院教授を務める。▼2009年8月、麻生内閣の要請を受け浜田靖一防衛大臣の下、初代防衛大臣補佐官に就任したが、同月30日投開票の第45回衆議院議員総選挙で自由民主党が大敗し、鳩山由紀夫内閣の発足に伴い短期間で退任した。▼2012年6月、野田第2次改造内閣の防衛大臣に任命され、民間人初の国防担当閣僚として入閣。同年12月の政権交代に伴い、12月27日離任。 (参考: Wikipedia  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%AE%E6%9C%AC%E6%95%8F
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では、小野寺五典・新防衛大臣は日本の防衛に関してなんといっているのか?

防衛相“自衛隊の人員装備の拡充を”
(NHK 12月27日20時23分)

小野寺防衛大臣は、防衛省で行われた着任式で訓示し、北朝鮮や中国の動向に懸念を示したうえで、「防衛力を質、量ともに見直す必要がある」と述べ、来年度予算では、自衛隊の人員や装備などを拡充させたいという考えを示しました。

自衛隊の人員装備の拡充1自衛隊の人員装備の拡充2小野寺防衛大臣は、27日午後、防衛省で自衛隊による栄誉礼を受けたあと、着任式で、防衛省・自衛隊の幹部およそ600人を前に初めて訓示しました。 この中で、小野寺大臣は「北朝鮮の核やミサイルの問題は、より深刻になっている。また、尖閣諸島周辺の領海や領空への侵入など、中国による活動が活発化しており、日本周辺の安全保障環境は一層厳しさを増している」と述べ、懸念を示しました。

そのうえで、「厳しい環境を踏まえ、防衛力を質、量ともに見直す必要があり、間近に迫った来年度予算の編成に全力で取り組みたい」と述べ、来年度予算では自衛隊の人員や装備などを拡充させたいという考えを示しました。 このあと、新旧大臣の引き継ぎが行われ、森本前大臣は「新政権のために頑張っていただきたい」と激励したのに対し、小野寺大臣は「森本氏が支えてきた日本の安全保障体制をしっかり引き継いでいきたい」と述べました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121227/k10014485701000.html

小野寺防衛相 「動的防衛力」検証の考え
(NHK 12月28日22時49分)

小野寺防衛大臣は、民主党政権がおととし、中国の軍事動向などを踏まえて打ち出した、機動的に自衛隊の部隊を展開する「動的防衛力」という考え方について、「防衛態勢の強化に直結する感じはしない」として、検証を行う考えを示しました

動的防衛力の検証民主党政権は、おととし、防衛力整備の指針となる「防衛計画の大綱」を決定した際、中国の軍事動向などを踏まえて、それまで日本の防衛力の考え方となってきた「抑止力」を重視する姿勢を転換させて、警戒・監視能力を高め、機動的に自衛隊の部隊を展開する「動的防衛力」という考え方を打ち出しました。

これに関連して、小野寺防衛大臣は28日、NHKなどとのインタビューで、「国民の生命財産や領土を守れるのかということを考えながら、大綱の見直しに取り組みたい」と述べ、「防衛計画の大綱」を見直す方針を明らかにしました。 そのうえで、小野寺大臣は「『動的防衛力』ということばが、防衛態勢の強化に直結する感じはしない。日本を取り巻く環境を考えて、運用がしやすい防衛力なのか、量的にも質的にも防衛力全体の向上につながっているのかを検証したい」と述べ、大綱の見直しの中では民主党政権が打ち出した「動的防衛力」という考え方についての検証を行う考えを示しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121228/k10014515381000.html

新旧大臣の引き継ぎで、小野寺大臣は「森本氏が支えてきた日本の安全保障体制をしっかり引き継いでいきたい」と述べたが、その言葉は外交辞令ではなかったようだ――

オスプレイ防衛省、オスプレイ導入検討 13年度予算に調査費要求
(朝日 2012年12月30日21時09分)

防衛省は、自衛隊に新型輸送機オスプレイを導入する検討に入った。2013年度予算案に調査研究費として数百万円を要求する。安全性への懸念から国内配備には沖縄を中心に反発が強いが、安倍晋三首相が指示した「自衛隊の態勢強化」に資すると判断した。

オスプレイはいまの自衛隊のヘリコプターより航続距離や速度、積載量で優れる。尖閣諸島をめぐる中国との緊張が続くなか、防衛省は尖閣を含む南西諸島の防衛に活用できるとみる。

森本敏・前防衛相は11月ごろに調査研究費の要求を省内で指示。政権交代後も方針は引き継がれることになった。防衛省は1機約100億円とみており、いまのヘリより高額なため効果的な配備や在日米軍との連携などを研究する方針だ。

オスプレイは両翼についた大きな回転翼が特徴で、これを前向きから上向きに切り替えてヘリのように離着陸する。だが切り替え時の墜落事故が、今年4月にモロッコ、6月には米フロリダ州で発生。日米両政府は事故を調査したうえで9月に「安全宣言」を出し、米軍は10月に沖縄・普天間飛行場に12機を配備した。来年中にさらに12機を沖縄に配備する計画だ。

自衛隊での活用方針は、安倍首相が指示した防衛計画の大綱や中期防衛力整備計画の見直しにもからみ、調査研究費が認められても導入までには数年かかる。ただ、沖縄に加え、米軍が低空飛行訓練をするルートにあたる全国の自治体ではオスプレイへの不安が根強い。自衛隊の配備先や訓練場所も焦点となる。

http://www.asahi.com/politics/update/1230/TKY201212300266.html

米無人偵察機「グローバルホーク」で尖閣監視計画 防衛省
(産経 2012.12.31 18:56)

米無人偵察機グローバルホーク=2010年10月、米カリフォルニア州エドワーズ空軍基地(共同)

米無人偵察機グローバルホーク=2010年10月、米カリフォルニア州エドワーズ空軍基地(共同)

防衛省は、平成27年度までの自衛隊の規模や装備を示した中期防衛力整備計画(中期防)を見直す際に、米軍の最新鋭無人偵察機グローバルホークの導入を明記する方向で調整に入った。中国が活動を活発化させる沖縄県・尖閣諸島周辺などの警戒監視能力を強化する狙いだ。安倍晋三首相は、民主党政権が策定した長期的な防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」と、これに基づく中期防見直しを防衛相に指示した。

現行の中期防では、グローバルホークを含む無人機導入については「検討する」との表現にとどめている。しかし政府は中国による尖閣周辺の領海、領空侵犯や北朝鮮ミサイル発射が早期導入への追い風になると判断。早ければ27年度までに導入したい考えだ。

グローバルホークは、高性能カメラや高感度の通信傍受機能を備え、民間旅客機の約2倍の高度約1万8千メートルを30時間以上にわたり自動操縦で飛行する。攻撃能力は備えていない。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121231/plc12123118580015-n1.htm

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