東電に巨額の賠償請求、トモダチ作戦参加の米海軍兵|原子力空母ロナルド・レーガンの乗組員ら8人なのだが…

トモダチ作戦・提訴(産経)「東日本大震災後、三陸沖に派遣された米原子力空母ロナルド・レーガンの乗員ら8人が27日までに、東京電力福島第1原発事故の影響が正確に伝えられなかったため、被ばくして健康被害を受けたなどとして、同社を相手に損害賠償を求める訴えを米連邦地裁に起こした。請求額は少なくとも数十億円とみられる。米メディアが伝えた。▼乗員らは米軍による被災地支援の「トモダチ作戦」で急派され、搭載機が発着する飛行甲板などで作業していた。在日米海軍司令部(神奈川県横須賀市)は「こうした訴えがこれまでに起こされたという話を聞いたことはない」と話している。東京電力は「訴状が届いておらず、コメントは差し控えたい」と産経電子版 (2012.12.27 18:35) http://sankei.jp.msn.com/world/news/121227/amr12122718360006-n1.htm が配信された。 あれこれ読んで見ると、ブルームバーグ日本語版が詳しいので掲載。 ニュースソースとおもわれる Courthouse News Service の記事「U.S. Sailors Sue Japan Over Fukushima」も掲載した。 それにしても不可解な提訴である、弁護士が絡んでいるとみた…..

日本に向け太平洋を航行する米原子力空母ロナルド・レーガン=2011年3月(在日米海軍提供・共同

日本に向け太平洋を航行する米原子力空母ロナルド・レーガン=2011年3月(在日米海軍提供・共同

東電を米空母乗組員が加州で提訴-原発事故で虚偽発表と主張
(ブルームバーグ 2012/12/27 18:33)

トモダチ作戦・提訴(ブルーム)福島第一原子力発電所を所有・運営する東京電力 を米軍の原子力空母乗組員8人が訴えた。放射能にさらされた上に、東電が危険性について虚偽の発表をしたと主張している。

米カリフォルニア州サンディエゴにある連邦地裁に21日提出された訴状によれば、米空母ロナルド・レーガンに乗船していた8人は、2011年3月11日の東日本大震災後の災害救助活動に関わっていた。地震と津波の被害を受けた福島第一原発はメルトダウン(炉心溶融)を起こした。

訴状は、福島第一原発での放射能漏れが乗組員らに脅威をもたらすことはないとの誤った印象を東電と日本政府が共謀してつくり出したと主張。その結果、原告らは安全ではない原発に近過ぎるエリアに入り、放射能にさらされたと原告の弁護士らは指摘している。

弁護士らは日本政府は「全てがコントロールされている」と言うことで空母乗組員を安心させたが、「原子炉のメルトダウンについて真っ赤なうそをついた」とし、「原告は今、放射能汚染と被ばくに一生耐えなければならない」と訴えた。

原告の空母乗組員は各々、損害賠償1000万ドル(約8億6000万円)と懲罰的賠償金3000万ドルに加え、健康状態をモニターし治療を受けるための費用を賄う1億ドルの基金の創設を命じる判断を求めている。

東電の広報担当、国影祐介氏は27日の電話取材に対し、「訴状が届いていないためコメントは差し控える。訴状の内容を精査した上で対応策を検討したい」と述べた。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MFOML56K50ZB01.html


ちなみに、NHKニュースは12月28日 5時20分にこのようには報道している――

トモダチ作戦参加の米兵が東電訴える』(NHK 12月28日 5時20分)
FS2637_'トモダチ作戦参加の米兵が東電訴える NHKニュース'_20121228東日本大震災の直後にアメリカ軍が行った支援活動「トモダチ作戦」に参加した原子力空母の乗組員らが「福島第一原子力発電所の事故の正確な情報を得られなかったために被ばくした」として、東京電力に合わせて2億2000万ドル(日本円で189億円)の損害賠償などを求める訴えをアメリカの裁判所に起こしました。▼訴えたのは、アメリカ海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」の乗組員8人を含む9人で、今月21日、カリフォルニア州サンディエゴの連邦地方裁判所に提訴しました。▼訴状によりますと、乗組員8人は、東日本大震災直後、被災地を支援する「トモダチ作戦」のため、空母が福島県の沖合の太平洋上にいた際、福島第一原発の事故によって被ばくし、がんのリスクが高まったとしています。被ばくした線量やがんのリスクがどの程度高まったかなどの情報は訴状には書かれていませんが、原告らは「東京電力が原発事故の危険性について不完全で不正確な情報をアメリカ側に伝えたため、安全だという誤解のなかでトモダチ作戦が行われた」と主張しています。そして、東京電力に、原告それぞれに1000万ドルの損害賠償と、将来の医療費に充てるための基金の創設など合わせて2億2000万ドル(日本円にして189億円)を支払うよう求めています。▼これについて、東京電力は「訴状が届いておらず、コメントは差し控えたい」と話しています。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121228/k10014491471000.html

これらの記事のニュース―ソースになっているのは、米弁護士事務所に訴訟・裁判関連の情報を配信している「Courthouse News Service」<http://www.courthousenews.com/> (参照Wekipedia英語版 <http://en.wikipedia.org/wiki/Courthouse_News_Service>)の配信したこの記事だろう――

U.S. Sailors Sue Japan Over Fukushima
By ELIZABETH WARMERDAM

トモダチ作戦・提訴(Courthouse)SAN DIEGO (CN) – The Fukushima nuclear disaster exposed Navy rescue workers to dangerous levels of radiation, which the government-owned power plant covered up, eight U.S. sailors claim in court.

Eight crew members of the U.S.S. Ronald Reagan, whose home port is San Diego, sued the Tokyo Electric Power Co. in Federal Court.

They claim the utility company, “a wholly owned public benefit subsidiary of the government of Japan,” misrepresented radiation levels to lull the U.S. Navy “into a false sense of security.”

Lead plaintiff Lindsay R. Cooper claims Tokyo Electric (TEPCO) intentionally concealed the dangerous levels of radiation in the environment from U.S. Navy rescue crews working off the coast of Japan after the March 10, 2011 earthquake and tsunami set off the nuclear disaster…….

途中割愛、全文は文末サムネイルクリックまたはリンクから閲覧

….. The plaintiffs are Lindsay Cooper, James Sutton, Kim Gieseking and her daughter, Charles Yarris, Robert Miller, Christopher Bittner, Eric Membrila and Judy Goodwin.

They are seeking $10 million in compensatory damages and $30 million in punitive damages for fraud, negligence, strict liability, failure to warn, public and private nuisance, and defective design. They also want TEPCO ordered to establish a fund of $100 million to pay for their medical expenses.  They are represented by Paul Garner

<記事全文リンク http://www.courthousenews.com/2012/12/26/53414.htm>

英文記事を読んで比較するとブルームバーグの日本文記事が上手にまとめられていると思う。 英文記事には原告名前が出ている、Lindsay Cooper, James Sutton, Kim Gieseking, Charles Yarris, Robert Miller, Christopher Bittner, Eric Membrila and Judy Goodwin ら兵士8名。 ただし、Kim Gieseking の場合は「Kim Gieseking and her daughter」とあり、本文中に「One sued also on behalf of her infant daughter」とあるので幼い娘の代理人としての訴訟のようだ。どういう因果関係かは英文記事は伝えていない。 原告者たちののリーダーは最初に名前が出ている Lindsay R. Cooper だ。

トモダチ作戦の時、6名が発着甲板で働いており、他の二名は原子力空母の汚染空気処理部門で働いていたようだ(英文の表現あまり明瞭でない)。 訴訟理由はブルムバーグの記事にまとめらている通りだが、私には合点がいかない事が一杯ある。 それは、

● 原子力空母なので、放射能モニターや汚染対処の部門があり、専門に訓練された兵士・将校が配置されており、常に放射能の数値をモニターしているという事。 更に、米軍は乗組員用の放射能防護服等の装備が極めて充実している。 米軍には放射の対処の基準マニュアルがあり、すべの兵隊が定期的に習熟訓練を受けることになっている。

● 「トモダチ作戦」に出動した米軍は米政府と放射能汚染情報に関し緊密な情報の共有と連携を取っていたという事実。 米政府はNRC(U.S. Nuclear Regulatory Commission 米国原子力規制委員会)を通して情報を把握していた。 また、米政府は在日空軍に偵察機を飛ばさせて放射能汚染数値をいち早く手にしていた。 それらの情報を基にして、NRCはメルトダウンの可能性を予測しオバマ大統領に報告していた(と後日報道されている)。

● 危険度が高くなった段階で、米政府は在日米国人の任意国外避難勧告を出していた。 同様に在日米軍家族の任意国外避難勧勧告も出した。 そして国外避難したものはご存じのように大勢いた。

このような状況下で、米太平洋軍は放射能汚染が軍作戦運用基準以下であることを確認して「トモダチ作戦」を了承し、原子力空母ロナルド・レーガンの場合は横須賀の第七艦隊司令官が出動命令を出した。 空母が出動した後は、放射能汚染のモニタリングと作戦中止・撤収または続行は空母艦長の指揮権の内にある。

もちろん東電側の意図的情報の歪曲とか隠ぺいは事故調報告書でも指弾されているように疑わしいし、日本政府の怠慢・落ち度もあるだろう。 しかし、空母ロナルド・レーガンの作戦行動の責任は艦長、第七艦隊司令官、そして米国大統領にあるのだから、被曝して健康被害をもたらしたとするならば先ず、艦長、第七艦隊司令官、そして米国大統領を提訴すべきものだ。 なぜ、東電、日本政府を相手取ったのか… 思うに、この件で米政府が相手では賠償金を取るのはまずむかしいので取り易そうな東電、日本政府を相手にしたのではないか。 何分にも今の段階の情報では、被曝していたとしてその健康被害がどの程度のものなのか全く分からないのは何ともしがたい。

さらに、弁護士が気になる。 英文の最後に They are represented by Paul Garner とある。 ミドルネームの表示がないので確信は持てないが、もし Paul C. Garner だとするば、環境問題を得意とし2007年、2008年、2011年にスーパー弁護士に選ばれたことのある人物だ。 そうだとするならば艦長、第七艦隊司令官、米国大統領ではなく東電や日本政府を訴えるというシナリオを考え出してもおかしくない。

ただし、東電も凄腕の弁護士を雇って軍運用上の米国側の責任に話を持って行くだろう。 そのさい、空母の艦長の放射能汚染のモニタリング記録や空母艦長⇔第七艦隊司令官⇔太平洋軍⇔大統領の放射能汚染情報の共有の記録が問題になってくる。 これは軍事上の国家機密になるので裁判に提出されれることはない。

この裁判、始まりから終わりが見えない。 ロナルド・レーガンには5500名の乗り乗組員がおり、また「トモダチ作戦」に参加した兵士は延べで万を超える。 その参加者が全て訴訟を起こしてもおかしくないとしたら…  この訴訟、前代未聞以外の何物でも無い。 軍上層部、政府の人間はかなり頭にきているだろう、何せ行き着くところは「軍隊」そのものの問題となりかねないのだから…

さらなる情報が手に入ったら、ブログに続報を投稿しようと思う。

米国防省・トモダチ作戦参加者放射線量確認登録システム】の構築と運用

今年、2012年9月5日、米国防総省は5日、東日本大震災での米軍による救援活動「トモダチ作戦」に参加した兵士やその家族らを対象に、東京電力福島第1原発事故の影響で浴びたとみられる放射線量を確認できる登録システムを構築すると発表し、運用している 対象は、震災発生翌日の2011年3月12日から同作戦を終えた時期に当たる5月11日までの約60日間に在日米軍基地などにいた兵士や家族、関係者ら約7万人。同作戦に参加した兵士らの不安解消に役立てる。 同省は、当時の線量は健康への影響が懸念されるレベルではなかったと結論付けている。 このシステムによって、兵士らは名前や日本国内で活動していた場所などを基に、各自の推定線量が閲覧できる――

● 米国防省が公開しているウェッブページ Environmental Health Surveillance Rgistries  <https://registry.csd.disa.mil/registryWeb/DisplayHomePage.do;jsessionid=29c5f33f9e0d9223d7a234b76648ab1b251b89c683
2f5aa208058a0b9ec104c4.e3yLbh8Nch0Ke3iPc3ePbheOe0
> が入口となている――

Environmental Health Surveillance Registries

● Environmental Health Surveillance Registries の趣旨がこのように説明されている――
Environmental Health Surveillance Registries2The health of our Service men and women, DOD civilian personnel, and other DOD-affiliated individuals, including family members and contractors, is a top priority of the Department of Defense. The Department of Defense’s Force Health Protection Program was established to protect members of DOD from injuries and illness and to provide medical and rehabilitative care to those who become sick or injured anywhere in the world. A critical component of Force Health Protection is occupational and environmental health (OEH), which is focused on protecting individuals from hazardous physical, chemical, and biological agents in the air, water, and soil.

The DOD may establish an environmental health surveillance registry when: 1) occupational and environmental health exposures could cause illness, or 2) when the exposure is not expected to cause illness, but individuals need access to exposure data. In either case, these registries will contain the names of all the individuals who were known or believed to have been exposed along with estimates of their exposure.

Through this website, interested individuals will be able to learn more about why these registries were created and receive answers to any registry-related questions they may have. <https://registry.csd.disa.mil/registryWeb/DisplayAbout.do>

● Operation Tomodachi Registry の解説はこのようになされている――

Operation Tomodachi Registry (about)About this Registry
The Department of Defense (DOD) began establishing the Operation Tomodachi Registry following the devastating March 11, 2011 earthquake and tsunami in Japan. These unfortunate events caused severe damage to the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station, which resulted in the release of radiation into the environment. This Registry will include the names of nearly 70,000 DOD-affiliated individuals who were on or near the mainland of Japan during the period from March 12, 2011 to May 11, 2011 along with radiation exposure estimates for each of these individuals.

The Operation Tomodachi Registry is being completed in phases. This website provides radiation exposure estimates for 13 different shore-based locations. Those locations were selected since most of the members of the DOD-affiliated population resided on or near the 13 DOD installations in Japan or in the cities represented.

Final radiation dose estimates are expected to be available by the end of 2012. These estimates may include updates to dose estimates for shore-based locations as well as dose estimates for U.S. Navy ships located off the mainland of Japan during the March 12 through May 11, 2011 timeframe. By the end of 2012, radiation doses are also expected to be available for upwards of 8,000 individuals who had their external or internal radiation measured directly. <https://registry.csd.disa.mil/registryWeb/Registry/OperationTomodachi/DisplayAbout.do>

● Location-Based Radiation Dose Estimates のページで Does (放射線量)を確認できるようになっている――

Operation Tomodachi Registry(Dose Map)https://registry.csd.disa.mil/registryWeb/Registry/OperationTomodachi/DisplayEstimatedAreaDoses.do

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