生活習慣病の薬 初の市販薬に(NHK)|脂質異常症の治療薬「エパデール」のことなのだが…

血液中の中性脂肪などが高い「脂質異常症」いわゆる高脂血症などの治療薬「エパデール」(持田製薬)が、生活習慣病の医薬品としては初めて薬局などで購入できる市販薬として承認される。 この脂質異常症治療薬の一般名は「イコサペント酸エチル」。

医療用医薬品から一般用医薬品への転用のことを医療界では『スイッチOTC薬』とよんでいる。 OTCとは英語で「店頭販売」を意味するOver-the-Counterの略語で、英語でOTCは「処方箋が必要のない、薬局で自由に買える薬」を指す。 医者の処方箋を必要とする医療用医薬品からスイッチして、処方箋なしで薬局で買えるOTC薬になるので『スイッチOTC薬』と呼ぶわけだ。

エパデールのスイッチOTC薬の効能効果は、「健康診断等で指摘された、境界領域の中性脂肪値の改善」。健康診断などで中性脂肪が正常値よりもやや高めの値(150mg/dL以上300mg/dL未満)の成人が対象で、1回1包、1日3回、食後すぐに服用する。販売に際して、持田製薬では薬剤師向けに研修会なども開くという。

患者に自覚症状の少ない生活習慣病領域でのスイッチOTCは初めてとなる。 薬局・薬店の店頭で誰でも買えるようになり、消費者にとって利便性が増す。 実は持田製薬がOTC化を申請してから認可されるまで3年を要している。 本当は数か月で認可されてもおかしくないのだが、医師会の抵抗があったのだ。 以下のNHKニュースの後にその辺の事情を…

生活習慣病の薬 初の市販薬に
(NHK 12月19日 18時0分)

エパデール(1)エパデール(2)エパデール(3)血液中の中性脂肪などが高い「脂質異常症」の治療薬が、生活習慣病の医薬品としては初めて、薬局などで購入できる市販薬として承認されることになりました。 市販薬として承認されるのは、東京の製薬会社が製造している脂質異常症の治療薬で、中性脂肪の値を下げる効果があるとされる「エパデール」です。 19日開かれた厚生労働省の審議会で報告されました。

この薬は、現在、医師の処方箋が必要な医療用医薬品ですが、厚生労働省は、薬の主な原料はイワシの油で、副作用のリスクは比較的低いなどとして、市販薬として承認することになりました。 生活習慣病の治療薬が市販薬となるのは初めてです。

厚生労働省は、症状が進む前に薬局で薬を購入し、自分で中性脂肪を管理できれば、動脈硬化や心筋梗塞などを減らし、医療費の削減にもつながるとしています。 厚生労働省は年内にも承認の手続きを行い、早ければ来年度中にも薬局などで販売が始まる見通しです。

生活習慣病の治療薬を市販薬として販売することを巡っては、日本医師会が、患者が病院を訪れず、病気の悪化を見過ごし、生活習慣の改善を怠ったりするおそれがあるとして、反対しており、厚生労働省は今後、新たに検討の場を作って議論することになりました。

販売店と医師会の反応は

日本チェーンドラッグストア協会の宗像守事務総長は、「薬局で販売されれば、病気の予備軍の人が手軽に自己管理ができるようになり、非常によいことだと思う。初期の段階では市販薬を飲んで改善を図り、進行したら医療機関を受診するという仕組みを作りたい」と話していました。

一方、厚生労働省の審議会の委員で、日本医師会の中川俊男副会長は、「生活習慣病の医薬品を市販薬とすると、最初から医師にかからず、薬で済ましてしまい、重症化するおそれもあり、反対だ。生活習慣病の薬を市販薬として認める際の手続きの在り方について、厚生労働省と議論していきたい」と話しています。

エパデール(4)http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121219/k10014301841000.html

NHKニュースに出てくる厚生労働省の審議会の委員で日本医師会の中川俊男副会長とはこの人なのだが…

日本医師会の中川俊男副会長

日本医師会の中川俊男副会長

日刊薬業HPの2012年11月21日の記事はこう報じている。

「日医  エパデール・スイッチ化で再審議を要請へ」

脂質異常症治療薬「エパデール」(一般名=イコサペント酸エチル)のスイッチOTC化をめぐり、日本医師会は21日、生活習慣病薬のスイッチ化に反対する見解を発表した。生活習慣病薬は医師の診断と適切な治療方針の下に処方され、医師の管理下で服用すべきと主張。12月にも開かれる薬事・食品衛生審議会薬事分科会で委員を務める中川俊男副会長が一般用医薬品部会での再審議を求める。 http://nk.jiho.jp/servlet/nk/dantai/article/1226570940651.html?pageKind=outline
日刊薬業記事2012-11-21

また、薬事日報11月26日の記事はこう報じている。

「【日本医師会】生活習慣病の自己管理懸念‐エパデールOTC化で見解」

日本医師会は21日、薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会で高脂血症治療薬「エパデール」のスイッチOTC化が了承されたことについて、症状がない生活習慣病の自己管理は危険などとして、生活習慣病領域のスイッチOTC化に反対する見解を発表した。都内で記者会見した中川俊男副会長は、「生活習慣病の患者が自己判断で医薬品を使用することは非常に危険。エパデールを認めれば、アリの一穴になる可能性がある」と懸念を表明した。

日医は、10月の部会でもエパデールのスイッチOTC化に反対を表明したが、多数決で押し切られた経緯がある。見解では、「医薬品は医師の管理下で服用すべき」とし、安易な購入が食事・運動療法の取り組みを後退させ、結果的に症状の発現や悪化につながると懸念を示した。 http://www.yakuji.co.jp/entry29162.html
薬事日報記事2012-12-26

さらに、日経メディカルOnline 2012年10月18日は過去の経緯(いきさつ)をこのように伝えている。

厚生労働省の薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会は10月17日、持田製薬が製造販売する脂質異常症治療薬「エパデール(一般名イコサペント酸エチル)」の一般用医薬品(OTC薬)の製造販売を承認した。効能・効果は「健康診断等で指摘された、境界領域の中性脂肪値の改善」。中性脂肪値が150mg/dL以上、300mg/dL未満の人が服用対象となる。

イコサペント酸エチルは、2008年8月の同部会でOTC薬にスイッチする候補成分として了承された。これを受け、持田製薬が09年7月にイコサペント酸エチルのOTC薬の製造販売承認を申請。しかし過去2回の部会で、医師委員から「脂質異常症には糖尿病や脂肪肝などが隠れている場合があり、それらの早期発見を妨げる可能性がある」といった反対意見が出たため、継続審議となっていた。

こうした意見も踏まえ、厚労省はイコサペント酸エチルのスイッチOTCを承認するに当たり、「一定数の症例データが蓄積されるまでの間、適正使用調査を実施する」「3年間の安全性に関する製造販売後調査を行う」といった条件を課した。

イコサペント酸エチルのOTC薬は、大正製薬が発売する予定。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201210/527287.html
日経メディカルOnline2012-10-18


日本医師会はなぜ強硬に反対するのか? 昨年は、第一三共の解熱鎮痛剤『ロキソニン』、エスエス製薬の鼻炎薬『アレジオン』が、OTC薬として認可を受け発売された。今年は『エパデール』のOTC薬が決議され、早ければ年内にも正式承認されることになった。だが、これに反対してきたのが、審議会の医師会側委員だった。

「昨年の2つは申請から承認まで数カ月しか掛かっていません。ところがエパデールの申請は2009年なのに’10年、’11年とも医師会側委員の反対で見送られたのです。今年も医師会側委員は強硬に反対したのですが、多数決で決着しました。反対の理由は“安全性”ですが、エパデールの原料はイワシ油で、『問題ない』というのが他委員の評価です。承認を強硬に反対してきたのは、抗メタボ薬として初のスイッチであるためでしょうね」(厚労省担当記者)

医療ジャーナリストが、その理由を説明によると、「これまでのOTC薬は、一時的な症状の改善薬。これに対し、メタボは長期にわたって薬を服用しなければならない。つまり開業医たちにとって“お得意様”を失うことになりかねないのです。今後、厚労省の医療費削減策は強まる一方、加えて、医師会の政治力も長期凋落傾向にあります。これからも、医師の処方で多用されている血圧降下剤や糖尿病治療薬などがOTC薬になると思われます」 (「医師会が猛反対した メタボ薬販売“解禁”ウラ事情」(リアルライブ 2012年11月30日)より)

日本医師会は、長期に渡り顧客となるメタボ患者というカネヅルを逃したくないというのが本当のところのような気がする。 メタボ患者とはそれほど旨味があるんでしょうね、こんなに反対するとは。 イワシの油が原料だというのに!?

「エパデール」の詳しい説明は持田製薬のHPのこのページに掲載されている⇒http://www.mochida.co.jp/dis/medicaldomain/circulatory/epadel/jelis/index.html

読んで見ては….

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中