米「SNSバブル」破裂

フェイスブック、ソーシャルゲーム最大手ジンガ、割引クーポン購買のグルーポンがそろって上場来安値を更新している。 栄枯盛衰の激しい分野なのだから会社の寿命は短い。 5年後にこれらの会社はあるだろうか….

米「SNSバブル」破裂
(産経 2012.7.28 08:10)

【ニューヨーク=松浦肇、ワシントン=柿内公輔】 インターネット交流サイト(SNS)の成長性に陰りが見え始めた。SNS最大手の米フェイスブックが26日発表した上場後初の四半期決算は最終損益が1億5700万ドル(約123億円)の赤字。25日にはフェイスブック、ソーシャルゲーム最大手ジンガ、割引クーポン購買で知られるグルーポンの株価がそろって上場来安値を更新するなど、過度な成長期待がはがれ落ちた。

フェイスブックの2012年4~6月期決算は主力の広告事業が堅調で、上場費用を除けば実質黒字を確保した。ただ、時間外取引でフェイスブック株は一時10%超下落した。

フェイスブックは5月に、ネット企業最大のIPO(株式公開)の触れ込みでナスダック市場に上場したが、景気や広告頼みのビジネスモデルへの懸念から、株価は公開価格の38ドルを大幅に割り込み、上場以来、36%も値下がりした。

マンハッタンに住む個人投資家が毎月集まる情報交換会で先月末、話題になったのはSNSへの投資だった。SNSは米ネット広告市場シェアで約1割を占める規模まで急成長し、ウォール街では昨年から、SNSの上場が相次いだ。

SNSの創業者はテレビ番組にも引っ張りだこ。フェイスブックの創業者、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が映画のモデルになるなど、米国でのSNSの知名度は高い。だが、投資家たちの結論は「待て」だった。総じて、株価の割高を強調する見方が多かった。

 1カ月後に投資家たちの予想は見事に的中した。ジンガが24日発表した4~6月期決算は、最終損益が2281万ドルの赤字(前年同期は139万ドルの黒字)に転落。顧客数が急減し、ゲームの開発費用がかさんだ。続いたのはフェイスブックだった。

ネット広告市場で期待されている成長分野は携帯電話だ。だが、先輩格のグーグルやアップルと異なり、SNSは利用者との接点になる独自の基本ソフトを持っ ていない。決算発表後の電話会見で、ザッカーバーグCEOには携帯電話戦略に質問が集まったが、CEOは明確な戦略を述べず、市場の失望を買った。

売りが売りを呼ぶ「ソーシャル・バブル」破裂は資金循環の悪化につながる。SNSからは、駆け込み的に増資を引き受けた投資家が、上場直後に売り逃げる現 象が目立つ。グルーポンは上場した昨年11月から77%も株価が下落した。高い話題性に目を付け、短期の上場益にあやかろうと世界中の投資家がSNS株に 群がったのも、バブル破裂の一因になった。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/120728/amr12072808110000-n1.htm

 フェイスブック、稼ぐ力に厳しい目 3割増収も株価低迷
(日経 2012/7/27 21:57)

【シリコンバレー=奥平和行】交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブックの株価が「低空飛行」を続けている。上場企業として初めての決算だった4~6月期は売上高が前年同期比32%増の11億8400万ドル(約925億円)と堅調だったが、発表翌日の27日に株価は急落した。問われているのは「稼ぐ力」だ。

フェイスブックの株価は27日に一時、前日比15%強安い22ドル台前半まで下がり、上場来安値を更新した。失望売りを誘ったのは4~6月決算。成長力を示す売上高は市場予想を超えたが、上場関連の一時的な費用を除いた実質的な純利益は前年比4%増にとどまった。

改めて注目されたのはフェイスブックの収益モデルだ。現在はパソコン用のウェブサイトの右端に広告を載せ、この収入が売上高の大半を占める。だが、広告主の間で「効果があるのか」という疑問が浮上。10億人近い利用者の半数以上は画面が小さく広告を載せにくいスマートフォン(高機能携帯電話)などモバイル機器を使っていることもマイナスだ。

所得水準が高く、収入への貢献が大きい米欧の利用者数も伸び悩んでいる。4~6月期は北米の増加率が前年同期比10%、欧州が16%だったのに対して、アジアやその他地域は40%以上も増えた。利用者全体に占める米欧の比率は2年前の60%から45%に急低下した。

「稼ぐ力」をどう付けていくか。そのひとつが広告の効果測定だ。シェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)は26日の決算説明会で広告による増収効果を示し、広告主の確保やつなぎ留めを狙う姿勢を示した。

スマホ対応の広告表示にも取り組む。投稿などを一覧表示する「ニュースフィード」に広告を加えられる仕組みを導入。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は「すでに1日あたり100万ドルの売上高につながっている」と述べた。

ひたすら利用者の拡大を目指してきたフェイスブック。だが上場企業となれば、投資家を納得させるだけの収益モデルが必要になる。

26日の決算発表。フェイスブック幹部が今後の収益見通しへの具体的な言及を見送ったことが「自信のなさの表れだ」と受け止められた。軟調な株価は「稼ぐ力」への投資家の不満を映す。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM27049_X20C12A7EA1000/

コラム: フェイスブックには新たなCEOが必要
(ロイター 2012年07月27日 17:18)

By John C Abell

フェイスブックは今、上場企業としての厳しい試練を初めて経験している。同社が26日発表した第2・四半期決算は、売上高こそ11億8000万ドルと市場予想を若干上回ったが、純損益は大幅な赤字となった。株価は時間外取引で急落し、株式時価総額は過去10週間で半分にまで減った。

新規株式公開(IPO)でフェイスブックの株主になった人たちにとって、これは悪夢のような状況だ。こうした株主の97%は個人投資家であり、機関投資家が株式の大半を所有する他の大手IT企業とは事情が違う。グーグルでは株式の68%、アップルでは67%を機関投資家が保有している。

このことは、フェイスブックの株式が一般大衆向けであることを意味する。そして、大衆にはヒーローが必要だ。

マーク・ザッカーバーグはヒーローではない。彼は最高経営責任者(CEO)の座から降りるべきだ。単に四半期の業績がひどかったからという理由だけではない。彼が本来の力を発揮できていないからだ。

フェイスブックには、スウェットパーカーを着た革新を主導するカリスマは必要だ。しかし、だからと言って彼をCEOにしておく必要はない。フェイスブックをビジネスとしてかじ取りできる人材はたくさんいる。ザッカーバーグは商品戦略に注力すべき人物であり、インベスター・リレーションズ(IR)に力を割くべきではない。

私は、フェイスブックの先行きに懸念を抱いていることを公言してきた。ソーシャルネットワークとして成功したほど、ビジネスでは成功できないと。ザッカーバーグ自身もほんの数日前、モバイル分野は、特に収益化するとなると難題だと認めている。スマートフォンやタブレット端末でフェイスブックを使うユーザーが増えている以上、それは大きな問題だ。

しかし、フェイスブックにとって根本的な問題は、われわれが彼らをどう見ているかだ。今現在、われわれはフェイスブックをサービスではなく、会社だと考えている。このジレンマを言い当てているコラムがあった。そこではこう書かれている。「ザッカーバーグは他のCEO同様、自社の株価をコントロールする力はほとんどないが、いったん上場してしまえば、一般大衆の関心は株価にしか行かなくなる。フェイスブックは世界を変えたかもしれないが、それは非上場企業としてだ。人々はもうそれには関心がない。彼らが気にかけるのは、一にも二にも株価だ」。

フェイスブックには、世の中を変える存在という評価を守るだけの革新を続けつつ、上場企業として投資家を満足させるという難題が立ちはだかる。

こうした二律背反とも言える状況をうまく切り抜けられる人もいるだろうが、実際にはかなり難しいことだ。革新精神も必要だが、もっと重要なのは、卓越した経営手腕や自信にあふれた態度、営業マインドだ。

ザッカーバーグがよく比較されるマイクロソフトの創業者ビル・ゲイツは、長期にわたって経営のかじ取りをした後、CEOを退いてチーフ・ソフトウエア・アーキテクトになった。ツイッターでは、共同創業者のエバン・ウィリアムズがディック・コストロにCEO職をバトンタッチし、ウィリアムズは現在、商品戦略に注力している。

グーグルの共同創業者ラリー・ペイジも、一時期はエリック・シュミットにCEO職を任せていた。CEOに復帰したペイジは現在、ザッカーバーグ同様、広告事業以外をどう収益化させるかという難題に直面している。

株式時価総額で世界一となったアップルでさえ、共同創業者スティーブ・ジョブズが、後にカリスマ経営者と称賛されることにはなったが、いったんはアップルから追い出されている。

ザッカーバーグは、フェイスブックの支配株主であり、会長でもある。それ故、彼の黙認なしに会社が大きく動くことはいずれにしろない。そして、彼はまだ28歳であり、発明や再発明のための時間はたっぷりある。

実弾が飛び交う経営の一線を退き、研究室にいったん退却するには、今が絶好のタイミングではないだろうか。

http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYE86Q05F20120727?pageNumber=1&virtualBrandChannel=13848

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