ブラジルで自動車ローンのデフォルト急増 [FT 6/29]、融資がけん引する成長に限界か…

ブラジルで自動車ローンのデフォルト急増
(日経 2012/6/29付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

フランシソ・モレイラ・ジュニアさんは、数年前に小規模な製薬会社を興した。この時にはブラジルが好況だったこともあって、一生懸命に働けば会社の存続は可能だろうと楽観視していた。

■ ローンの90日超の延滞率が6.1%に

 モレイラ・ジュニアさんはその自信に支えられ、多目的スポーツ車(SUV)のヒュンダイ・ツーソンをローンで購入した。その金利は、ブラジルで消費者ローンの金利が3倍の数値に達する可能性があることを考慮に入れても特に高く、返済は月々3517レアル(1680ドル)の80回払いだった。

その後会社は倒産。モレイラ・ジュニアさんは「返済は10回まで済ませたが、それ以降はどうにもならなかった。最初に返済が立ち行かなくなったのは自動車ローンだった」と振り返る。

モレイラ・ジュニアさんのように苦境に陥った例は決して珍しくない。ブラジルでは、自動車ローンの90日超の延滞率が5月に6.1%に達した。同延滞率は2011年に倍増したが、同年12月末時点と比較しても22%の増加となっている。

自動車ローンのデフォルト(債務不履行)急増により、全体のデフォルト率は5月に過去最高の6%に達した。これにより、新興国の中では世界2位のブラジルの経済成長にブレーキがかかった。同国中銀は28日、12年の経済成長率見通しを前年実績の2.7%から2.5%に引き下げた。

債権回収業界では需要が急増している。ブラジル最大規模の債権回収業者18社を監督しているGOECのアンナ・ザッパ最高責任者は「最近では自動車販売を手掛ける企業から非常に大きな需要がある。小売業や不動産会社からの需要も大きい」と話す。

■ 融資がけん引する成長に限界か

ブラジルの金融システムは世界でも最も強力なものの1つと考えられており、デフォルトはシステム全体への脅威とはみられていない。だが、過去10年間の同国特有の経済モデルは消費者向け融資によってけん引されてきた面もあり、その持続性を疑問視する声が上がっている。

英キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ニール・シアリング氏は「新興市場について検討する場合、水面下の問題を最もよく示すものは、国内総生産(GDP)に融資が占める割合の大幅な増加だ。ブラジルの場合、これがわずか5年間で約2倍になっている」と指摘する。

ブラジルでの融資増加は、過去10年間にわたり苦労して得た経済的安定のたまものだとみる向きもある。一時的な低迷はあっても、融資がさらに拡大する余地はまだ残されている。

バンコ・イタウBBAの株式調査責任者、カルロス・コンスタンティニ氏は「当社は以前からブラジルが債務過多の状態にあるとは考えていないが、融資が増加すれば停滞期が訪れるだろう」と指摘する。

■ 予想より悪化するブラジルの自動車市場

ブラジルに数多あるサクセス・ストーリーの中でも、自動車市場は最たる成功例だ。ブラジルは10年にはドイツを抜き、売上高で世界4位の市場となった。不良債権が急増するまでは、3位の日本に迫る勢いだった。

5月の自動車販売台数は、自動車業界を支援するための減税政策のおかげで前月からは持ち直したものの、前年比では8.7%減となった。

一部の自動車メーカーは生産を縮小し、レンタカー会社など多くの車両を保有する企業は、価格下落のため評価額の引き下げを余儀なくされている。

価格下落がひいては担保価値の下落につながり、自動車保有者の債務を増加させている。

自動車業界担当のアナリストは「状況は多くの人が予想するより明らかに悪くなっている」とみている。

一方、デフォルトした債務者から回収した多数の自動車を毎週販売している自動車競売人は、今年は世界金融危機の時期ほど悪くはないとみており、「昨年末には銀行が突然新規融資をやめたため、今年と09年とでは状況が違う」と指摘する。

だが、モレイラ・ジュニアさんのように不利な状況にある債務者にとって、状況はそれほど楽観視できるものではない。

「普通は稼ぎが増えることを考え、稼ぎが減ることなど決して考えないだろう」と語るモレイラ・ジュニアさんは、この苦境に陥った経緯を嘆いた。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGV29002_Z20C12A6000000/

Financial Times 英語原文記事

Brazil car loan defaults surge
(June 28, 2012|By Joe Leahy)

Franciso Moreira J?nior was optimistic when he started a small pharmaceutical company a few years ago, believing that hard work and Brazil’s strong economy would carry him through.

He confidently took out financing for a Hyundai Tucson sports utility vehicle on terms that were particularly steep, even for Brazil, where interest rates on personal loans can reach triple figures. He was required to pay R$3,517 ($1,680) monthly in 80 instalments.

Then the business failed.

“I made 10 payments but could not manage any more,” said Mr Moreira J?nior. “The first thing I stopped paying was the car.”

Mr Moreira J?nior is far from unique in suffering in this way. The proportion of vehicle loans with payments overdue by more than 90 days in Brazil reached 6.1 per cent in May ? up 22 per cent since the end of December, after doubling last year.

The sector is helping drive a surge in overall defaults in the country, which hit a record high of 6 per cent as of May, helping to put a brake on growth in the world’s second-largest emerging economy. The central bank on Thursday lowered its estimate for Brazil’s economic growth in 2012 to 2.5 per cent, from 2.7 per cent a year earlier…..(全文はこのリンクをクリック http://www.ft.com/intl/cms/s/0/e2fa032e-c138-11e1-8eca-00144feabdc0.html#axzz1zNYQzN7n)

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