<3.7兆円に! 受給者急増で膨らむ生活保護> 誰でももらえる!? 欠陥だらけの制度の全貌 (週刊ダイヤモンドより)

この国はどうなってしまったのか….

3.7兆円に! 受給者急増で膨らむ生活保護
誰でももらえる!? 欠陥だらけの制度の全貌
(週刊ダイヤモンド 2012年6月25日)

|| 26歳で仕事があっても保護受給開始
|| 妹は私立医大に通うも親は扶養を拒否

「あのタレントの母親がOKなら、俺も“ナマポ”(生活保護のネットスラング)をもらう資格があるはずだ!!」

お笑いタレントの母親の生活保護受給が発覚して以降、厚生労働省や各自治体には連日、受給資格の問い合わせや苦情が寄せられている。インターネット上では、生活保護の集団申請を呼びかけるオフ会(ネット上で知り合った者同士が、現実社会で実際に会うこと)の開催情報まで出回る始末。

「仕事にならない。制度の底が抜けた」──。

ある都内の自治体担当者は、冷笑を浮かべる。天を仰いでいるのは、行政だけではない。「ナマポ、ナマポって何だよ!!」と相次ぐ苦情電話にいら立つのは、渦中のタレントを起用したテレビ番組のスポンサー企業の幹部だ。

東京都の生活保護の担当者はもはや諦め顔。「集計中だが、お笑いタレントの問題を受けて、申請件数が急増している。せっかくピークは過ぎたと思っていたのだが……」。

5月末に生活保護申請が認められ、今月から「本格的に生活保護生活を始めた」という東京23区内に住む26歳の木村明彦さん(仮名)も新たな受給者の1人だ。

生活保護を申請した際、福祉事務所から、扶養の可否を問われた父親は、これを拒否。

「俺は関わりたくないから、勝手にしろ」──。

木村さんに電話をかけてきて、こう言い放ったという。

木村さんの両親は1昨年に定年退職。しかし、元地方公務員だけに年金支給額は、民間のそれを大きく上回る。しかも、木村さんの妹は、都内の私立医大に通う現役医大生だ。私立医学部で卒業までに必要な金は学費だけでも、平均で約3000万円。さらに、妹が個人的な事情でつくった400万円以上の借金も、すべて両親が立て替えたという。

「これだけもらえるなんて驚きました。正直言って、働く意欲がなくなりますね」

木村さんは、生活保護の「保護決定通知書」を手に、そう苦笑いを浮かべた。

1ヵ月の支給額は、生活費に当たる「生活扶助」の8万3700円に、家賃相当の「住宅扶助」の3万円を加えた11万3700円。当然、住民税などの税金や国民年金保険料などが免除されるため、すべて可処分所得になる。

生活保護を受ける前、木村さんが勤めていた派遣会社の給料は、週5日、フルタイムで働いても生活保護より少ない月10万円程度だった。

派遣先の1つだった部品工場は、タイの大洪水の影響で大増産を迫られていた。給料も一時、月30万円近くに上ったという。ところが、洪水の影響が一段落すると一転。給料は下がり続け、最後はいわゆる“派遣切り”の憂き目に遭う。ハローワークで別の働き口を紹介されるが「一度、高額な給料を見てしまうと、月10万円の仕事に魅力を感じなくなっていた」。

それからは、引きこもり生活に転落。手持ちの金が底を突き、駆け込んだのが生活保護の申請窓口だった。

|| 働ける現役世代も受給
|| 4年間で2・3倍に増加

「まだ20代でしょ? 働くわけにはいかないの?」。福祉事務所の職員は、木村さんに対してそう言いつつも「(働けと)強制はできないので……」と最後は申請を受理したという。

自室にはパソコンがあり、ネットにかかる料金は1ヵ月当たり6000円。趣味はカードゲームで、月数回は東京・秋葉原などの専門ショップに足を運ぶという。もちろん携帯電話も持ち続けている。

「将来のことは、あまり考えていない」。だが、東京23区の住宅扶助の“上限額”は、1ヵ月当たり5万3700円(単身世帯)だ。現在の風呂・トイレ共同のアパートの家賃に比べ、2万円以上余裕がある。木村さんの目下の望みは、働いているときは断念した「トイレや風呂付きのもっといい部屋に移る」ことだ。

「お笑いタレントの問題への反発は、理解できます。他人のことは言えない立場ですが、この制度でいいのかなと思いますね」

都内のあるハローワークにいた中島祐樹さん(24歳・仮名)も、今月から受給者になった1人だ。金色に染めた長髪に、首や指にはアクセサリー。歌舞伎町のホストと言われても違和感はない。

先月、地方から単身で上京してきたという中島さんは「親とは縁を切っています」と穏やかな口調で話す。右目の視力がほとんどないといい、生活保護により医療費が無料となったことで、手術を受けるつもりだという。

「紹介される仕事は、工場や土木工事ばかり。俺、女っ気のない職場は考えられないッス」

ハローワークの喫煙所で仲間の受給者とそんな談笑をする中島さんの夢は「ソムリエかパティシエになって、自分の店を持つこと。だから、国もレストランとかの仕事を紹介してほしい」。

無論、生活保護受給者のうち、最も多いのは、高齢化に伴う「高齢者世帯」だが、その陰で急速に伸びているのが、木村さんや中島さんら、働ける年齢の就労世代(その他の世帯)である。

 2008年3月から今年3月までの4年間に、その他の世帯は、11万4252世帯から26万945世帯へと約2.3倍に達した(グラフ参照)。

|| 日本の根幹さえ揺るがしかねない
|| 欠陥だらけの生活保護制度を大解剖!

生活保護の受給者数が増加を続けています。今や、152万世帯、210万人に上り、保護費は3.7兆円にもなります。東京都の台東区では、税収と生活保護費の逆転がおきているほどです。

生活保護制度は欠陥だらけです。本当に必要な層には届いていない一方で、働くことが可能な若い層の受給が増えています。さらに、申請に際しての審査は抜け道だらけの“ザル”そのもの。芸能人の件で話題となった、家族の扶養能力の確認は実質的には不可能です。

さらに、場合によってはマジメに働いて得た収入や、年金よりも生活保護受給額の方が大きいことがあるため、不公平感が大変強いのです。本誌の試算によれば、生活保護を受給する4人家族の世帯では、実質年収が500万円にも上ります。

また、一度受給をしてしまうと、生活保護から脱することは極めて難しく、働く事で保護から脱した人は2%前後に留まっています。

こうした欠陥を助長するかのように、暗躍する団体や病院もあります。貧困ビジネスはなくなっていません。今の状態が続けば、本当に保護が必要な人が困るだけでなく、日本という国の根幹さえ揺るがしかねません。

『週刊ダイヤモンド』6月30日号では、歪む生活保護の実像を浮き彫りにしました。制度の欠陥や、それを取り巻く貧困ビジネス、多くの受給者の生の声、東京都や大阪府の対策などを紹介。作品中で生活保護制度に触れている漫画『闇金ウシジマくん』の作者である真鍋昌平さんにもお話をうかがいました。

さらには、都市別の保護費負担度ランキングも掲載、他にも保存板とも言えるデータが満載です。

(『週刊ダイヤモンド』生活保護問題取材班)

http://diamond.jp/articles/-/20522

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