<混迷のユーロ|ギリシャ再選挙前夜、臨戦態勢の主要中央銀行>借金が膨らみ借りた者勝ち、と居直るギリシャ。 困っているのは、ユーロの恩恵を最も受けた貸し手のドイツ…

「ここまで借金が膨らむと借りた者勝ち」、そもそも返すアテもなく失うモノもない借り手のギリシャは居直っている。 困っているのはユーロの恩恵を最も受けたドイツ、失うモノは多いからだ。 交渉の主導権を握るのはカネを借りた方という、バカげた話をギリシャはやっている。 「ふざけるな、ギリシャ!」と世界中がいいたい。 なぜ、ギリシャに我々日本まで振り回されなければいけないのか…

日米欧の中銀が協調行動で準備 ギリシャ選挙後の混乱に備え
(産経 2012.6.15 09:31)

【ワシントン=柿内公輔】ロイター通信は14日、ギリシャの再選挙後に懸念される市場の混乱に備え、日米欧の主要中央銀行が大量の資金供給で協調行動に踏み切る準備をしていると報じた。選挙結果次第でギリシャのユーロ圏離脱など欧州債務危機が拡大し市場が動揺する可能性があるためで、主要中銀が結束して不測の事態に備える。

ギリシャはユーロ圏の残留をかけた再選挙を17日に予定。反財政緊縮派が政権を掌握した場合、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)による支援が停止される可能性が高まり、ユーロ圏離脱が現実味を帯びる。選挙直後の18、19日にはメキシコで主要20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれ、ギリシャ情勢を含めて欧州危機への対応が話し合われる見通しだ。

ロイターはG20当局者の話として、ギリシャの再選挙の結果を受けて金融市場に混乱が生じた場合、「主要中銀は市場の安定と信用収縮の阻止に向けて措置を講じる用意がある」と伝えた。さらに別の関係筋は、日米欧の主要中銀は、市場の資金の目詰まりを防ぐために流動性供給で協調する準備があると指摘した。

米連邦制度準備理事会(FRB)や日銀など日米欧の主要中銀は、欧州危機で市場の緊張が高まった昨年11月、金融機関の資金繰りを支えるため基軸通貨の米ドルの市場供給を拡充することで合意。FRBが日銀などにドル資金を融通するスワップ協定を2013年2月まで延長するなど、金融システム不安の沈静化で協調行動を取った。

日銀は15日に金融政策決定会合を開き、白川方明総裁が記者会見する。

またロイターは、ギリシャの再選挙で週明けの市場が大きく動揺した場合、先進7カ国(G7)の財務相と中央銀行総裁による緊急会合が18日にも開かれる可能性があるとも報じた。

欧州はスペインでも信用不安が拡大。EUは金融安全網の欧州安定メカニズム(ESM)がスペインの銀行に直接資本注入する案などを検討しているが、欧州各国でも意見が対立し、格下げされたスペイン国債の利回りが急騰するなど市場の緊張が高まっている。

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120615/fnc12061509330007-n1.htm

ギリシャ再選挙前夜、臨戦態勢の主要中銀
(日経 2012/6/15 9:15)

「ギリシャがEU(欧州連合)をいじめることはしない」。急進左派リーダーの選挙演説での発言である。

ギリシャがユーロ離脱した場合、EUに失うものが多いことは計算尽くだ。

さらに、仮にも銀行取り付け騒動ともなれば、信用収縮(クレジット・クランチ)が欧州全体に波及するは必定。従って、選挙結果次第では直ちに主要中央銀行が緊急流動性投入を実行せざるを得まい。

そこで再選挙後のマーケットの反応だが、反緊縮派が勝利すれば、すかさず主要中央銀行の共同資金投入で、市場にはひとまず安堵感が広がる「リスク・オン・シナリオ」が考えられる。その予告編が昨日のニューヨーク株式市場の大引け1時間前にみられた。中銀共同流動性注入の可能性との報道が流れ、ダウが瞬間的に急騰したのだ。

一方、緊縮賛成派が勝利すれば、当然、市場は安堵する。

流動性供給は「救急ばんそうこう」のようなもので、傷口の出血を止める効果はあるが、傷そのものの治癒は望めない。それでも、瀬戸際のギリシャにとっては、当面問題を先送りできる。

長期的には、日本同様、選挙を繰り返し、首相が頻繁に代わり、政治の混迷が続きそう。「失われた10年」などまだ序の口。オリーブとかコルクなどに頼り、産業基盤が脆弱な国の場合は「失われた100年」を覚悟せねばなるまい。事実、ポルトガルは1755年のリスボン大地震(推定震度8.5~9.0)後、「失われた250年」の道を歩んでいるのだ。

そして、当のギリシャ国民は、生活水準の切り下げと資産保全で長期戦に備えている。

現地紙の報道では、アテネのゴミ回収量が27%減少して、タバコ消費量も3割近く減ったという。

マイカーもマイホームも売却して得たユーロ・キャッシュを国境外に運び、ドイツやスイスの銀行に持ち込む。そこで、フランクフルト―アテネ便は満席が多い。乗客は、資本海外逃避のギリシャ人か、EU、欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)のいわゆるトロイカが編成する国家再建仕事人集団である。

個人の外食やツアー旅行などは当然カット。テレビで欧州サッカー選手権のギリシャ・チーム応援と、ビーチでの昼寝が数少ない楽しみ。既に連日最高気温35~40℃。日焼け止めは良く売れるという。バーは混みあっているが、ワン・ドリンクで長居する客ばかり。

国の財布が底をつくと、国全体が兵糧攻めに遭った城みたいなものだ。アテネ名物の大型犬の野良犬たちも、まだ餌にありついているが、その姿が見えなくなったときがギリシャ経済の臨界点となろう。

http://www.nikkei.com/money/gold/toshimagold.aspx?g=DGXNMSFK1500E_15062012000000&df=1

再選挙目前、アテネ市民は「有事の食料買い」
(日経 2012/6/14 9:00)

アテネ市街を歩くと電器店、宝飾店などは開店休業状態だが、スーパーの食料品など日常必需品コーナーではボチボチ買い占めとおぼしき顧客の姿が見られる。店長に聞けば、再選挙の結果次第で万が一ユーロ離脱の可能性が強まるケースを想定しての「ヘッジ買い」だという。

銀行からの現金引き出しも再選挙日が近づくにつれ加速しているようだ。「有事の食料とキャッシュ」なのか。

実は、再選挙でユーロ離脱の方向性が明確になる可能性は著しく低い。急進左派も「ユーロには留まる」方針を明言している。現実的なマニュフェストとしては「旧政権がEUなどいわゆるトロイカと合意した救済案を白紙に戻し再交渉」を掲げている。

それでも、ユーロ離脱の可能性が消えたわけではないので、「有事」を想定して一部の市民が先んじて動き始めたわけだ。「ユーロにこだわるから超緊縮を強いられる」という本音も見え隠れする。多くの市民は経済知識が希薄ゆえ、「ドラクマ時代のほうが良かった」という単なるノスタルジアもシニア層を中心に見られる。ここに、再選挙で思わぬサプライズの可能性を見る。

一方、ドラクマ復活などご免こうむるとばかり、外国語が喋れる若者たちは再選挙の結果次第でさっさと国外逃避を決め込んでいる。老人が残るシャッター街という日本でもお馴染みの過疎化現象がギリシャでも既に顕著である。

なお、「ギリシャ第2次救済の条件面を再交渉すべし」との主張に勢いをつけたのがスペインの銀行支援合意。「スペインは緊縮強化などの条件無しで銀行支援を取り付けた。スペイン首相はこの屈辱なき救済を、自国の経済構造改革努力が評価されたためと胸を張る。しかし、その首相が先週末にはなんと欧州サッカー選手権のスペイン・チーム応援のためポーランドに外遊した。これであの国を優等生と言えるのか」とスペイン銀行支援を羨望の眼差しで見守る。スペインとギリシャを同じ土俵に乗せ同等の扱いを求める論法が選挙演説でも強まろう。

「ここまで借金が膨らむと借りた者勝ち」という計算も透けて見える。そもそも返すアテもなく失うモノもない借り手が開き直ると、貸し手のほうが困る。交渉の主導権を握るのはカネ借りた方ということになる。ユーロの恩恵を最も受けたドイツのほうに失うモノは多い。3月、第二次救済合意の日の現地メディアの見出しが「ねばり勝ち」であった。今回も、再交渉に持ち込み、ねばる作戦なのか。

そして、選挙演説では、ギリシャ人のドイツへの反感に訴え、反救済を唱える論調も目に付く。ドイツ主導というよりドイツ支配のギリシャ救済というわけだ。そこにはナチ占領時代の記憶が未だに強く残っている。筆者がアテネの中年女性と直接対話したとき、いきなり「私は日本人が嫌いだ。あなた達はナチと組んだでしょう」と切り出し、ややあって、ニコリとして「でも、あなたたちは大震災の後に頑張ったわね。今は日本が好きよ」。このエピソードの落ちは「でもドイツだけは許せない」の一言であった。

いっぽう、そのドイツに行けば、政治の都ベルリンと経済の都フランクフルトで微妙な温度差を感じる。

ベルリンでは選挙民を意識して「ドイツ納税者によるギリシャ救済ももはや限界」との強硬論が支配。しかし、フランクフルトはユーロの恩恵を一番身に染みて感じているから、瀬戸際では先送りという妥協案で当面の危機回避、との論調が目立つ。

総論としては、最後はギリシャを切らざるをえまいが、今、ギリシャに出て行かれては困る。まずは、イタリア・スペインへの延焼を食い止める防火壁(巨額の救済資金プール)を構築することが先決。その後、直ちに切る、というのが本音ではあるまいか。

従って、今回の再選挙で第2次ギリシャ救済は再交渉に持ち込まれ、例えばIMFのブリッジ・ローンなど当座の妥協案で結論先送り、というのが筆者の見立てである。

http://www.nikkei.com/money/gold/toshimagold.aspx?g=DGXNASFK1400F_14062012000000&df=1

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中