<学生ファンド“被害相次ぐ”(NHK)>ファンドの名はル・ミュウ、首謀者はKO大学生、とっくの昔にネットで知れ渡っているようで…

一説によると20億円近い被害額だそうです。 「学生ファンド ル・ミュウ」で検索すると一杯出てきます。 「ル・ミュウ」とはフランス語のLe mieuxで、「より良い」という意味です。 さーて「よりよい詐欺」というつもりで命名したのでしょうか? そのうち正式に告訴されて首謀者とその仲間たちの実名が飛び交うのでしょが、聞くところによると某大手新聞・球団の某監督の某子息も「学生ファンド ル・ミュウ」に名を連ねているとの事です。 詳しい話は、そのうちこれでもかと報道するワイドショーに任せましょう。

有名大学出身者や有名大学現役学生が巨額の金を動かした事件というと、最近では「ホリエモン」、古典的なところでいうと「光クラブ」事件です。 「ホリエモン」の場合は小説にもならないような事例ですが、「光クラブ事件」は今では伝説となりつつある事件でした。 「学生ファンド”被害相次ぐ」のNHKの記事の後に「光クラブ事件」の話を掲載します。

[追加情報5/18。 Zakzak「“慶大生ファンド”20億集めトンズラ?その驚きの手口」(5/18)追加掲載] ⇒民事では提訴されており、5/14に第1回口頭弁論が行われたようです、しかし刑事告訴はまだされていないので詐欺という言葉はまだ使うべきではないのでしょう。 ただ、投資したほうも投資したほうだと言われても仕方ないでしょう。 この世界経済の状況で投資が短期で数倍に増えるなどあり得ません。 投資者はかなりの間抜けとしかいいようがないと思うのですが。 欲の皮が突っ張ると見えるものも見えなくなるのが人間の本性でしょうか。

“学生ファンド”被害相次ぐ
(NHK 5月16日 20時18分)

東京に本部がある有名私立大学の学生が設立した投資団体が、株の値上がりなどを自動で監視して売買するシステムを開発したと言って投資金を集めたまま連絡が取れなくなっていることがNHKの取材で分かりました。 この投資団体は財務局への登録をしておらず、金融商品取引法に違反するとの指摘が出ています。

NHKの取材によりますと、東京に本部がある有名私立大学の学生が設立した投資団体が、株の値上がりや値下がりを自動で監視し、損失が出る前に売り抜けるシステムを開発したと言って投資金を集めていたということです。 しかし、ことし、投資団体の代表の学生と連絡が取れなくなり、東京や横浜の会社経営者などの投資家が被害者の会を作り、投資金の一部のおよそ3000万円の返還を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。

被害者の会によりますと、投資額が1人で4000万円を超える人もいるということで、少なくとも億単位の被害を訴えています。 金融商品を扱う際には財務局への登録が必要ですが、関東財務局によりますと、この投資団体は登録をしておらず、金融商品取引法に違反すると指摘しています。 投資家の一部は、警察への告訴も検討しているということです。

被害者の会の弁護士によりますと、投資団体を設立した学生は、ことし2月に出国したまま帰国していないということで、訴えに対して投資団体から連絡はないということです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120516/k10015169431000.html

(2012年5月16日放送 NHK「ニュースウォッチ9」)


<有名私立大学生による投資団体「ル ミュウ」>

▼[追加5/18]

“慶大生ファンド”20億集めトンズラ?その驚きの手口
(Zakzak 2012.05.18)

慶応大の男子学生が投資名目で巨額の資金を集めたまま海外に出国し、行方不明となっている。被害額は20億円という情報も。男子学生から勧誘を受けた都内に住む50代の会社社長が、その常識外れの手法を明かした。

「元本保証で1年で資金を5、6倍にもするというのだから驚いた」。昨年4月ごろ、知人を介して男子学生に会ったという会社社長は語る。

「男子学生は肩幅が狭く地味な感じでスーツ姿。大学2年生で20歳と言っていた。株を始めたのは2年前で、英国人の大金持ちから2億円預かり、5倍にしたと真顔で話していた」

投資手法は日本の小型株のデイトレーディングで、株の値動きで自動的に取引するプログラムを組んでいると説明したという。しかし、「過去の運用成績はエクセルで作ったもので、本当かどうか確かめようがなかった」と振り返る。

投資はAコースは1年で2~3倍、Bコースは5~6倍。Cコースは8倍と3つのコースがあるとし、投資額は最低1000万円で、現金での受け渡しをもちかけられたという。東京・台場地区のマンション内のディーリング・ルームも見学したが、「パソコンや経済ニュースのモニターは並んでいたが、人がいるような気配はなかった」。

顧客への接待は西麻布の会員制ラウンジの個室カラオケで行い、超高級外車のマイバッハで自宅まで送っていたという。

社長は結局、投資しなかった。「今年3月ごろ、知人が学生から『シンガポールにいるが戻れなくなった』と電話を受けて以降、連絡が取れなくなった」という。

男子学生をめぐっては、資金を提供した会社経営の男性ら3人が男子学生に計約3200万円の返還を求めて東京地裁に提訴。原告側の代理人は詐欺容疑で警視庁に刑事告訴することを検討している。

5月14日の第1回口頭弁論に男子学生は出廷しなかった。原告側の代理人は「集めた資金が運用されたかどうか分からない。説明もないまま行方をくらましており、詐欺と考えざるを得ない」と話している。

慶應義塾広報室は「事実関係が判然としていないので、現時点では答えられない」とコメントしている。

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20120518/dms1205181143013-n1.htm

◇ ◇ ◇ ◇

さて、

「光クラブ事件」とは――

1948年(昭和23年)9月、東大生の山崎晃嗣(あきつぐ)は、友人の日本医科大生三木仙也とともに貸金業「光クラブ」を東京中野の鍋屋横丁に設立。社長は山崎、専務は三木、常務は東大生、監査は中大生であった。周囲の目を引く画期的な広告を打ち、多額の資金を調達することに成功。集めた資金を商店、企業などに高利で貸し付けた。学生、それも東大生が中心となって経営を行っているということが業界で注目され開業4ヶ月後の1949年(昭和24年)1月には、資本金400万円、社員30人を擁する会社にまで発展する。

しかし、同年7月4日に山崎が物価統制令違反で逮捕(後に不起訴)されると同時に出資者の信用を失い、業績が急激に悪化。その後、名称のみ変更してさらに資金を集めようと図るも成功せず、11月24日深夜、約3000万円の債務を履行できなくなった山崎は、本社の一室で青酸カリをあおり、下記の遺書を残して服毒自殺した。

1. 御注意、検視前に死體(体)に手をふれぬこと。 法の規定するところなれば、京橋警察署にただちに通知し、検視後、法に基ぎ解剖すべし。 死因は毒物。青酸カリ(と称し入手したるものなれど、渡したる者が本當(当)のことをいつたかどうかは確かめられし)。 死體はモルモットと共に焼却すべし。 灰と骨は肥料として農家に賽(売)却すること(そこから生えた木が金のなる木か、金を吸う木なら結楕)

2. 望みつつ心安けし散るもみじ理知の命のしるしありけリ。

3. 出資者諸兄へ、陰徳あれば陽報あり、陽匿なければ死亡あり。 お疑いあればアブハチとらすの無謀かな。 高利貸冷たいものと聞きしかど死体さわれぱナル……氷カシ(貨――自殺して仮死にあらざる証依而如件よってくだんのごとし)。

4. 貸借法すベて清算カリ自殺。 晃嗣。午後一一時四八分五五秒呑む、午後一一時四九分……い]

(参考: Wikipedia  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%89%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%96)

首謀者・山崎晃嗣(あきつぐ)の遺書の最後に書き記している言葉は、彼が集めたカネ(つまり「借り」)を自殺をもって清算するという事を示している。 「青酸カリ」を用いた服毒自殺だったわけだが、「青酸カリ自殺」を「清算カリ自殺」と書き残し、その自殺と遺書は強烈な衝撃を与えたようだ。

故・三島由紀夫は彼をモデルにして『青の時代』という短編小説を1950年に書き下ろしている。 その小説を基にしてNHKは『蒼い光芒』をいう全4回のドラマを1981年に放送した。 山崎役は根津甚八であったが、秀逸な作品だったと記憶している。 根津甚八が脚光を浴びるきっかけとなったドラマといえる。 出来れば、またみたい。

また、推理作家・高木彬光は山崎晃嗣をモデルにして「白昼の死角」を1960年に書き下ろし、1979年に映画化されている。

今回の「学生ファンド」の事件は「光クラブ事件」と比べるべくも無く単純・幼稚だと思うが、もし告訴されたなれば(恐らくそうなるだろう)メディアとくに「ワイドショウー」系は「光クラブ事件」の「山崎晃嗣」を引き合いに出してくるだろう…と私は思う。

ホリエモンといい今回の首謀者といい知性と品格が無いのにはがっかりする。 山崎晃嗣を肯定する訳ではないが、彼のアイロニックな遺書に三島由紀夫も高木彬光もある意味引き付けられたのだろう。 その破滅を自らの死で清算したことを、「律儀」な犯罪者だったと表現する後世の評論家がいることは事実だ。

山崎晃嗣の死に潔(いさぎよ)いという言葉を使うことが適切かどうかは議論のあるところだろう、しかし現代の「ホリエモン」や学生ファンドの首謀者、付け加えるならば「AIJの浅川和彦社長」、にはカネという目標はあっても美意識とか品格というものがない。 古い言葉でいうならば、「ツラのカワの厚い守銭奴」。 彼らは投資者のカネを屁とも思っていない単なる欲のかたまりであるがゆえに小説のモデルにも成り得ない。

なぜ、三島由紀夫は山崎晃嗣を小説のモデルにしたのか? 私が勝手に思うには、山崎晃嗣の生きざまと死にざまそしてその遺書に込められたメッセージに、三島独特の美意識の琴線に反応したからではないか…….誰にも分からないことではあるが。

連発するカネ絡みの事件、迷走する政治を見るにつけ故・三島由紀夫が鳴らした警鐘―彼の檄文のこの一節が頭によぎる――

『われわれは戦後の日本が、経済的繁栄にうつつを抜かし、国の大本を忘れ、国民精神を失い、本を正さずして末に走り、その場しのぎと偽善に陥り、自ら魂の空白状態へ落ち込んでゆくのを見た。 政治は矛盾の糊塗、自己の保身、権力欲、偽善にのみ捧げられ、国家百年の大計は外国に委ね、敗戦の汚辱は払拭されずにただごまかされ、日本人自ら日本の歴史と伝統を涜してゆくのを、歯噛みをしながら見ていなければならなかった。…』

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