<ユーロ離脱に突き進むギリシャ、いつデフォルトにすべきか>働かざる国民、動かざる政府、壊れた経済に壊れた政治、そんな国をあなたは救うか?

働かざる国民、動かざる政府、壊れた経済に壊れた政治、そんな国家と国民に自国の税金をつぎ込むのを不条理と思うのはトイツ国民だけではない… ではなぜフランスはギリシャ救済に一生懸命だったのか? 単純な話だ、ギリシャへの融資残高が多いのはフランスの銀行だからだ。 そのギリシャとフランスのために我々日本国民の血税もまわり回って投入された。

ギリシャ、SYRIZAのツィプラス党首、普通ならアホと思う。 だが、ギリシャ国民はそう思わない? なぜならアホはアホをアホと思わないからだ。

掲載記事の順番: 「ユーロ離脱に突き進むギリシャ」(FT)  ⇒  「ギリシャはいつデフォルトすべきか(FT)  ⇒  「ギリシャ、ユーロ離脱なら何が起きるか」(日経)

ユーロ離脱に突き進むギリシャ
(2012年5月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 ギリシャの国民は緊縮財政を拒絶した。ギリシャ国民が政界の腐敗した既成勢力を追放したことは到底責められない。海外の債権国・機関がギリシャに与えた経済の処方せんが驚くほど厳しいことにも議論の余地はない。問題は、怒りは政策ではないことだ。何度ギリシャが反対票を投じようと、緊縮は避けられないのだ。

緊縮拒否とユーロ圏残留は両立せず

ギリシャは債権者に押し付けられた恐慌というスキュラ(ギリシャ神話の怪物)と、一方的な債務返済拒否とユーロ圏離脱の大混乱というカリュブディス(ギリシャ神話の別の怪物)の間で進退窮まっている。5月6日の選挙では、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)が第2次支援の代償として課した歳出削減や増税、構造改革に反対する政党を、有権者の3分の2以上が支持した。ところが同様に3分の2以上の有権者は、ユーロを維持したいとも話している。

この根本的な矛盾は持続できない。アテネの政治家の手から決定権が奪われる時は迫っている。財政上の期限は近い。直近の選挙の結果と、6月の再選挙で再び決定的な結果が出ない見通しは、ギリシャが無秩序なデフォルト(債務不履行)の渦に向かって突き進んでいることを示している。

壊れた経済に壊れた政治

選挙で大敗を喫したのは、中道右派の新民主主義党(ND)と中道左派の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)という、数十年間にわたってギリシャの政治を支配し、腐敗させた政党だった。極左では共産党、極右ではネオナチ政党の「黄金の夜明け」など、野党の小規模政党が支持を大きく伸ばした。大勝利を収めたのは、PASOKを第3党に追いやった急進左翼連合(SYRIZA)だ。SYRIZAのアレクシス・ツィプラス党首は、EUとIMFの「残酷な」要求を破棄することを約束している。

こうして、壊れた経済の横に壊れた政治組織が並んだ。NDとPASOKによる古い複占体制は政治のバルカン化(分裂・細分化)という致命的な遺産を残した。現在の経済の進路に賛成か反対かを問わず、議会の過半数を握る政党はなくなった。抗議票について期待を込めて語り続ける欧州の政治家はいる。抗議票という苦痛の叫びを上げた後、ギリシャ人は自らの窮状を冷静に判断して既成勢力に回帰するとの見方だ。しかし、次の選挙が異なる結果になる保証は何もない。

ユーロ残留でも離脱でも厳しい調整

 これほど多くの有権者がツィプラス氏を支持したのも理解できる。NDとPASOKは腐敗した恩顧主義の政治体制を指揮して、経済を破壊しギリシャ社会を傷つけてきた。ギリシャ人は50歳で引退し、税金を払わない――。ベルリンなどで聞かれるこういった多くのあざけりにもかかわらず、緊縮財政は既に大きな打撃を与えた。公共支出は大幅に削減され、賃金と年金は25%も減った。ギリシャの国内総生産(GDP)は2割縮小した。羽毛のマットレスのような手厚い保護は、ごわごわしたざんげ服に取って代わられたのだ。

だが、国民の怒りは解決策を与えない。ギリシャはEUやドイツ政府にノーと言える。IMFの官僚をあざけることもできる。ギリシャが望むならユーロの束縛から自国を解き放てる。できないのは罰を逃れることだ。ユーロ圏から離脱しようとユーロ圏内にとどまろうと、ギリシャは国家財政を立て直し、国際競争力を取り戻すために必要な厳しい調整を避けられない。単に債務をご破算にして旧通貨のドラクマを復活させれば、経済崩壊の引き金を引くことになる。

EUやIMFの態度ははったりか

ギリシャの政治家は、債権者がはったりをかけていると思っているのかもしれない。表向きにどれだけ違うことを言っても、EUとIMFにはギリシャの無秩序なデフォルトを容認する余裕はないというわけだ。スペインの銀行システムに新たに生じた亀裂は、ユーロ圏周縁国への感染の危険を思い出させるタイムリーな出来事だった。単一通貨の防火壁はまだ半分しかできていない。ドイツのメルケル首相は本当に、ユーロ圏解体の前触れとなりうるギリシャ離脱のリスクを取るつもりか?

確かにユーロ圏における緊縮と連帯のバランスについては今後なされるべき重要な議論がある。ドイツはユーロ圏周縁国に対して、あまりに早急に過度な要求をしたという説には強力な論拠がある。緊縮財政は自滅的な措置になりつつある。今ではベルリンでさえ、ユーロ圏の中核国は経済成長を取り戻すために貢献すべきだと示唆する声を聞くようになった。ありがたいことに、フランス大統領選でのオランド氏の勝利によりこうした議論が再開された。

だが、欧州の冷静な当局者や政治家との多くの会話から得た感覚からすれば、成長重視の新たなレトリックのおかげで、ギリシャが潔白な財政と構造改革に対する誓いを脇へ置けると思うなら自らを欺くことになる。EU諸国はしびれを切らしている。EU諸国とギリシャの政治家の関係は、信頼の完全な欠如と、ギリシャ政府が自己改革する能力に対する深刻な悲観論に彩られている。

ユーロ離脱がもたらす痛み

それは良いことだと言いそうなエコノミストはいる。ギリシャの救いはユーロ離脱にあり、ドラクマへの復帰に続く大幅な通貨切り下げが競争力を回復させるというのだ。過ちは通貨切り下げが痛みを伴わないと思い込むことだ。通貨切り下げは国内の生活水準を引き下げる方法といえる。無秩序なデフォルトは、ギリシャの銀行システムの内部崩壊と、外国資金へのアクセスの途絶をもたらすだろう。

すべての道は緊縮に続く。ただ、ギリシャの問題は経済だけではない。EUの一員になったギリシャの悲劇は、地理にあらがって自国を近代的な欧州国家として再定義できなかったことだ。今、ギリシャが単一通貨内にとどまる道筋を想像するのは難しい。だが、ギリシャはバルカン諸国の一員に戻りたいのか?

http://www.nikkei.com/biz/world/related-article
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ギリシャはいつデフォルトすべきか
(2012年5月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

経済と政治の状況からして、ギリシャにとって経済的に理にかなう選択肢は何か?選択肢は4つあり、いずれも不確実性に満ちている。

従来計画の断行はほぼ確実に失敗

 第1の選択肢は現状維持で、国際通貨基金(IMF)と欧州連合(EU)が定めた通りに、さらなる緊縮財政と経済改革を断行する道だ。ここに潜むリスクの1つは、ギリシャが永遠の恐慌に苦しめられ、債務の罠(わな)から抜け出せないことだ。もう1つのリスクは、理論上は経済的にうまくいくかもしれないが、政治的にはほぼ確実に失敗することだ。

実際、これが既に起きている可能性もある。直近の世論調査では、緊縮に反対する極左政党の急進左翼連合(SYRIZA)が支持率でトップだ。この結果が今後の選挙で再現されたら、SYRIZAは第1党に上積みされる50議席(全議席の6分の1に相当)という誰もが欲しがる“賞”も手に入れる。過激な政党が勝利を収めるわけだ。

この選択肢は経済的にも政治的にもうまくいかないため、理にかなう選択肢にはなり得ない。

第2の選択肢は、ギリシャがプライマリーバランス(利払い前の基礎的財政収支)を均衡させるまで今の計画を断行し、均衡した段階でデフォルト(債務不履行)するか、少なくともIMFおよびEUと緊縮・改革プログラムについて再交渉することだ。これは1番目の選択肢よりは現実的だ。先週にはこの選択肢の一種が議論されていた。だが、この段階に至るまでに必要な緊縮が厳しすぎたり、時間がかかりすぎたりするせいで、やはり政治的なリスクが影響を及ぼす恐れがある。

計画の撤回やデフォルトで離脱は不可避か

第3の選択肢は、SYRIZAのアレクシス・ツィプラス党首が示した道筋だ。同氏は、ギリシャが即刻、今のプログラムを撤回して一部の改革を覆し、残っている対外債務のデフォルトの可能性を検討することを望んでいる。そうしてもユーロ圏からの離脱にはつながらないとツィプラス氏は主張する。EUははったりをかけているだけだと同氏は言う。後者について筆者はツィプラス氏が正しいと確信できないが、間違っているという確信もない。

ギリシャが一方的にプログラムを撤回したら、どうなるか?まず、EUがギリシャ向けの融資を打ち切る。次にギリシャはすべての対外債務についてデフォルトする。だが、プライマリーバランスが赤字なため、ギリシャは今以上に大規模な緊縮プログラムを実行しなければならない。ギリシャがまだユーロ圏内にとどまることを望んでいると仮定して、他国が離脱を強いることはできるのか?

欧州に不利益でも追い出される可能性

 欧州の条約には、ユーロ加盟国が単一通貨から離脱する条項がないし、どこかの国を追放する条項も当然ない。条約は、EUの通貨がユーロであることも定めている。理論上は、欧州中央銀行(ECB)はギリシャ国債を担保として受け入れることを拒める。緊急流動性支援の要請を拒むこともできる。そうなれば、ギリシャは「自発的に」ユーロ圏から離脱せざるを得なくなる。だが、これは信じ難いほど敵対的な行為だ。

ドイツのヴォルフガング・ショイブレ財務相は、ユーロ圏はギリシャ離脱に耐えられると確信している。この見方は、ギリシャの債務交換への債券保有者の自発的な参加に対してユーロ圏は容易に対処できると述べた同氏の判断を思い出させる。今回の判断も、長引く誤算の連鎖の1つになる恐れがある。筆者自身は、ギリシャが離脱を強いられたら投資家はユーロ解体に賭けて激しい攻撃に出ると思っている。

金融不安が感染する、不確かなリスクもある。格付け機関のフィッチ・レーティングスが11日の連立協議に際して述べたように、ギリシャの離脱はユーロ圏の格付けに悪影響を及ぼす。ギリシャを離脱させてもEUの利益にならないとのツィプラス氏の指摘は一理ある。問題は、それでもユーロ圏は指導者が状況を読み誤って、結局ギリシャを追い出しかねないことだ。

4番目の選択肢は、今すぐ自発的に離脱することだ。ギリシャの輸出産業は極めて小さいし、シティグループのウィレム・ブイター氏が指摘したように、離脱で高まる競争力は、すぐに国内政策によって損なわれてしまうだろう。

最善は財政収支均衡後のデフォルト

4つの中で最悪の選択肢は、実は1番目だ。EUとIMFのプログラムに従うと、ギリシャは10年にわたる恐慌に苦しみ、必然的にユーロから離脱する羽目になり、民主主義が崩壊する可能性さえある。

筆者の考える最善の選択肢は、2013年までにプライマリーバランスを均衡させ、その後に民間、公的を問わず残った対外債務をすべてデフォルトする戦略だ。ギリシャ国外では不評だろうが、ギリシャをユーロ圏から追放しにくくなるはずだ。

ツィプラス氏のやり方はリスクが高すぎると筆者は思う。だが、ギリシャ国民が同氏に投票する理由は分かる。ツィプラス氏の立場は、経済再生の観点を何一つ示せない緊縮・中道路線の既成勢力より明らかに理にかなっているからだ。今のギリシャは1930年代前半のドイツと同じだ。

デフォルトは後からすべき

ここで残るのは、デフォルトを後でするか、今するかの選択だ。筆者は後でデフォルトする方がいいと思う。より穏やかに財政を調整でき、賢明な改革をいくつか進められ、ギリシャがユーロ圏内にとどまる確率を高めるからだ。

悲しいかな、今の政治の勢いは反対方向に振れている。

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ギリシャ、ユーロ離脱なら何が起きるか (真相深層)
通貨暴落、インフレ必至
(日経 2012/5/15)

欧州危機の震源地、ギリシャが単一通貨ユーロから離脱に追い込まれるとの観測が広がっている。二大政党が議会選挙で惨敗し、約束した緊縮財政などを放棄して金融支援が止まる可能性が浮上してきたからだ。ユーロ離脱はあるのか。現実になればギリシャで、欧州で何が起きるのか。

EU脱退必要?

ギリシャは2001年、自国通貨「ドラクマ」からユーロに移行した。通貨が同じなのでギリシャもドイツも金利や為替レートは同じ。ギリシャにとってユーロは不相応に強い通貨で、輸出にも不利だ。

ユーロから離脱して自国通貨「新ドラクマ」に戻れば、通貨を切り下げて競争力を高める余地が生まれる。選挙では緊縮策に反対する野党が勢力を伸ばした。ギリシャは金融支援の前提となる改革を続けられず、ユーロ圏から去って経済再生を自前で進めなければならなくなるというのが離脱論の筋立てだ。

 だが離脱の道筋は不透明だ。まず規定がない。EU条約は50条で「加盟国はEUからの離脱を決められる」と定めているだけだ。欧州通貨をユーロと定めた条約に沿えば「ユーロ離脱にはEUからの離脱が必要」というのがEUの中核機関、欧州委員会の公式見解だ。

一方、欧州中央銀行(ECB)の専門家が09年に公表した論文は、ユーロ導入を見送っている英国やデンマークを例に「EUに在籍したままで通貨統合からの離脱はできる」と指摘しており、解釈は微妙に食い違う。

欧州域内で通用する便利なユーロから不便な「新ドラクマ」への切り替え作業は困難を極める。ドイツのIfo経済研究所が今春公表した独など信用力の高い国のユーロ離脱を想定した論文によると、作業の手始めは「現状の把握と混乱の防止」だ。銀行を土曜から月曜まで三連休とし、基準日を決めて預金残高を把握。火曜から市中のユーロ紙幣に識別用のスタンプを押し、新通貨との交換に備える。資金逃避が起きないよう、資本規制や国境検問も敷く。

だが新ドラクマの通貨価値が大幅に切り下がるのは明らか。切り替え前にユーロの現金を持とうと預金者は銀行に殺到するはずだ。資本規制の網も万全ではない。離脱方針の議決に始まり、新ドラクマの紙幣デザインから印刷、各金融機関への輸送、実際の紙幣の交換といった作業には長期間を要する。その間に混乱が増幅するのは自明だ。

波及防止が焦点

焦点は新ドラクマの切り下げ幅だ。01~02年のアルゼンチン危機では、ドル連動を放棄した通貨ペソの相場が対ドルで30~40%下がった。大幅な切り下げはギリシャの輸出を有利にするが、経済の輸出依存度は低い。半面、エネルギーなどの輸入価格は上がる。インフレで国民生活は厳しくなり、国内総生産(GDP)の160%にのぼる政府債務負担も膨らむ。

民間の貸し借りも混乱は必至だ。外貨建ての債務負担が急激に増えるので、ギリシャ企業の債務不履行が続出するとみられる。ギリシャへの融資残高が多いフランスなどの銀行への波及を防ぐ手立てが焦点になる。

ユーロ離脱という「Xデー」は今より深い混迷の始まりを意味する。緊縮を拒否したギリシャ国民の8割がユーロ圏残留を望むという矛盾した世論調査の結果は、行き場のないギリシャの深い葛藤を示す。

http://www.nikkei.com/biz/world/related-article/g=96958A9C93819691E3E3E2E2818DE3E1E2E7E0E2E3E0819A93E2E2E2;
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