<松下政経塾内閣への不安と憂鬱―政経塾出身国会議員38人、民主党28人>迷走する政治、松下政経塾が悪いのか塾出身議員の資質が問題なのか?

テレビニュースなどで松下政経塾出身者の顔を見ない日はない。 松下政経塾出身者が政権政党・民主党を席巻しているから当然だが――首相・野田佳彦、外相・玄葉光一郎、国家公安委員長・松原仁、政調会長・前原誠司、幹事長代行・樽床 伸二。 松下政経塾出身の現職国会議員は38人いる、その内の7割28人が民主党議員だ。 しかし、彼らが得意とする政治手法が成功しているかどうかは、また別の問題だ。若いうちから政治の世界一筋で国政の場に登り詰めた彼らが主導する内閣は、この国をどこへ導こうとしているのだろうか。

産経電子版に「Theリーダー 第4部 指導者はつくれるか(1)松下イズム、忘れた面々」という記事が今朝のっていたのでブログ投稿することにした。 (末尾に松下政経塾出身現職国家議員一覧リスト掲載。)
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参照 <民主党・松下政経塾出身者前議員 総選挙当落一覧> 2012/12/1 投稿
松下政経塾出身国会議員の興亡、次は誰が落ち誰があがるのか…「そして誰もいなく      なった」と、なるのだろうか?> 2012-12-22 投稿
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The リーダー
第4部 指導者はつくれるか(1)松下イズム、忘れた面々
(産経 2012.5.13 07:35)

松下政経塾出身者が、政界を席巻している。特に民主党では首相の野田佳彦をはじめ外相・玄葉光一郎、国家公安委員長・松原仁、政調会長・前原誠司…と枢要なポストを占めている。だが、政経塾は「単なる出世塾」と揶揄(やゆ)され、本来の理念と趣旨を見失っているとの指摘もある。創設者の松下幸之助が目指した「次世代リーダーの養成」は、成功したのだろうか。

昨年9月16日、参院代表質問。政経塾OB初の首相となった野田は、長年にわたり松下の秘書を務め、入塾試験時の面接官だった江口克彦(みんなの党)の追及を受けた。

江口「松下さんに教えられた首相たる者の3つの条件とは何か」

野田「この場で滔々(とうとう)と師(松下)の教えを述べることは必ずしもお喜びにならないと思う…」

松下が説いた首相の要件は「国家国民全体を心から愛しその繁栄を真に求めようとする力強い信念」などだ。政経塾1期生である野田は即答できず、はぐらかしたのだ。

それから2週間後の民主党両院議員総会。野田は耳慣れない「大忍(たいにん)」という言葉を用いてあいさつした。

「予算委員会では心の中、おなかの中に『大忍』という文字を書いて冷静に答えるように努めた」

「大忍」は、松下がつくった耐え忍ぶ心構えを求める造語とされる。塾には松下直筆の「大忍」と書かれた書があり、野田の言葉は、「松下イズム」を忘れていない、とのメッセージかもしれない。

■ 政経塾出身は38人

現在、政経塾出身の国会議員は38人に上る。小渕恵三、森喜朗ら歴代5人の首相を輩出した早大雄弁会OBは20人。政経塾が政治リーダーの登竜門となったのは間違いない。中国も昨年7月、政経塾での半年間の研修経験を持つ韓志強を駐日公使に任命し、「政経塾シフト」を敷いた。

とはいえ、塾出身者の評判は「口先ばかりで実行力がない」「プライドが高くエリート意識が強い」「政策通だが社会を知らない」…と必ずしも芳しくない。

2期生の前杉並区長・山田宏は、松下が目指した方向性は逆だったと語る。

「松下さんは、20代の生意気盛りのわれわれの意見を『そうか。そうか』と聞いていたが、その後で『政策よりも人間の研究が先だ』といつも言っていた」

山田の在塾当時、町の電器店での販売、工場での実習は必須だった。後に地方議員となった塾生が、実習先の販売店の社長とケンカして塾に戻ってきた際、松下との間でこんなやりとりがあったのを覚えている。

松下「10のうち10まで全部、社長が悪いんか」

塾生「僕の方にもいくらかは非があります」

松下「10のうちたとえ1か2でも自分が悪いと思うんやったら相手が4歳の幼児でも土下座して謝れ。それができんような小さな器量では天下は取れんわ。君、退塾せえ!」

松下は怒るときも真剣勝負だった。その場はこの塾生が「私が間違っていました」と謝罪して収まったが、「そんなときでも寝ている塾生がいた」(山田)という。

■ 7番打者が4番に

「(政経塾の悪評は)松下さんに申し訳ない。でも私は自分なりに受け継いだ理念はたがえずやっている」

元沖縄・北方担当相、高市早苗は振り返る。5期生の高市は塾生時代、選挙時には千葉県船橋市の野田の実家近くの空き家に数カ月間住み込み、彼の街頭演説の場所取り、ポスター張り、戸別訪問にと朝から晩まで働いた。

「同じ釜の飯を食べた仲間」である野田の首相就任はうれしかったが、野田政権は「『政治は国家経営だ』という松下さんの教えと方向が違う気がして寂しい」と語る。

「リーダーにとって一番大事なのはまず理念を打ち出すことだが、野田さんにはそこが見えない」

一方、江口は「政経塾では、政治家として傑作でも失敗作でもない普通の作品ができ上がった」と言う。

「野田君をスカウトしたのは、野球で言えば7番バッターの政治家になると判断したからだ。それが今、4番を打っている」

政経塾出身者は松下が最も重視した「人間観」「国家観」を身につけておらず、ポストを追うのに汲々(きゅうきゅう)としている-と江口の目には映る。「彼らに落選を勧めたい。一から出直して初めて、松下のいう人間観が分かるだろう」

■ 開塾30年「幸之助体験」に濃淡

石造りのアーチ門をくぐり抜けた先に、高さ30メートル超の鐘楼がそびえ立つ。神奈川県茅ケ崎市の郊外、2万平方メートルの広大な敷地内には、民主主義発祥の地であるギリシャの建築様式を取り込んだ建物が点在し、独特の学舎(まなびや)の雰囲気をかもし出す。これが松下幸之助が、70億円の私財を投じて創設した松下政経塾だ。

政経塾が昭和55年に開塾してすでに30年以上がたつ。その間、多くの人材を送り出してきたが、松下が85歳のときに開塾しただけに、世代によって「幸之助体験」には濃淡がある。

初期の頃、入塾試験には松下自身が立ち会った。「無言でじーっと私をにらんでいるので恐ろしかったが、後で顔に愛嬌(あいきょう)があるか、運は強そうかを見ていただけだと知った」(5期生の高市早苗)。幸之助は愛嬌と運を重視したのだ。

2期生の山田宏は「元気で頻繁に話を聞けたのは最初の3年くらい。5年目になると年に1、2回程度になり、声もだいぶ弱られていた」と語る。松下の秘書を務めた江口克彦は「8期の前原誠司らは塾主(幸之助)の『うんうん』という声くらいしか聞いていない。その分、もっと必死に幸之助研究をすべきだったのに」と残念がる。

では今、幸之助が生きていたら何というだろうか。塾頭で3期生の古山和宏は語る。

「2つのことを言うのではないか。一言目は『よくここまでやったな』。そして『これでいいのか』と」(敬称略)

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120513/plc12051307420003-n1.htm

朝日「WebRonza+」の2012年04月18日には榊原英資(さかきばら・えいすけ)氏のこういうご意見が掲載されていた。

松下政経塾内閣で大丈夫なのか
2012年04月18日

消費税問題をめぐって民主党が逆走している。増税の閣議決定をしたあと、小沢系議員の役職辞任などが相次いでいるのだ。中長期的に考えれば消費税増税は避けて通れない。40兆円前後の税収で約90兆円の歳出を中長期的にファイナンスすることが困難なのは誰の目にも明らかだ。ただ問題はタイミングだ。

野田佳彦総理は消費税増税を当面の最重要課題としてそのスケジュールを策定し、これを強行しようとしている。

しかし日本経済は、2011年度は震災と津波の影響で恐らくマイナス成長。2012年度の景気回復も日銀短観などによると、必ずしも順調に進むとは予測できない。経済政策上は、こういうときは増税よりもむしろ減税が望ましい。現在の財政状況では減税は難しいだろうが、当面は国債発行で景気回復に努め、回復後に増税というのが常識的な順序というものだろう。

野田総理はどうも原理原則にこだわりすぎるようだ。確かに中長期的には増税は必要だし、その原理原則をしっかり持っていることは大切なことだろう。しかし、政治は応用動作が重要だ。いつもど真ん中の直球ではどこかで肩を壊すか、狙いをつけて長打を打たれてしまう。時にはカーブもスローボールも必要だ。

現在の内閣は総理、外務大臣、政調会長など、主要閣僚や党の中枢が松下政経塾出身。別に政経塾だから悪いというわけではないが、若いときから政治家を目指し、政経塾から県会議員などを経て、国会議員、そして閣僚や総理というコースが定着してきている。

政治一筋が必ずしも問題というのではないが、民間企業や行政の経験も全くなく、またそうした分野での人脈もない。かつての総理たちは民間、あるいは行政の経験を持った人たちが多かった。池田勇人は大蔵次官、田中角栄は自ら企業をマネージしていた。 これに対し、政経塾出身の政治家たちは選挙や演説のプロではあるが… <http://astand.asahi.com/magazine/wrbusiness/2012041700008.html?iref=webronza>

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榊原英資(さかきばら・えいすけ)
1941年生まれ。東京大学経済学部卒、1965年に大蔵省に入省。ミシガン大学に留学し、経済学博士号取得。1994年に財政金融研究所所長、1995年に国際金融局長を経て1997年に財務官に就任。1999年に大蔵省退官、慶応義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、2010年4月から青山学院大学教授。近著に「フレンチ・パラドックス」(文藝春秋社)、「ドル漂流」「龍馬伝説の虚実」(朝日新聞出版) 「世界同時不況がすでに始まっている!」(アスコム)、「『日本脳』改造講座」(祥伝社)など。
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榊原英輔氏の最近の著書に『なぜ日本の政治はここまで堕落したのか 松下政経塾の大罪』というのがある、内容紹介によると――「野田内閣は素人集団だ! うまく機能しない「政治主導」「脱官僚」、衆愚政治やポピュリズムに結びつく「選挙至上主義」……。 日本政治の病巣を鋭くえぐる問題作!」―― 政治家の質が低下している。内閣は素人集団といってもいい。選挙戦術に長けた「政治屋」であっても、優れた見識を持つ政治家、つまり「ステーツマン」ではない。経験が足りず、人脈も広くない。若い頃から政治が好きだった政治屋さんたちが民主主義ごっこをしているようで、危なくて見ていられない。なぜ政治家の質が低下したのか。なぜ日本の民主主義は堕落したのか。日本の中枢、大蔵省(現財務省)で要職を歴任した著者が、日本政治の病巣を鋭くえぐる問題作!(朝日出版、2012-4-6発売)。

松下政経塾出身の現職国会議員の一覧リスト
(議員名は松下政経塾掲載プロフィールにリンク済み。クリックでプロフィール閲覧可。)

衆議院議員(31)–民主党は25名
氏名 党派 選挙区 当選回数
逢沢 一郎 1 自民党 岡山1区 8
野田 佳彦 1 民主党 千葉4区 5
打越 明司 2 民主党 九州ブロック(鹿児島2区) 1
松原 仁 2 民主党 東京3区 4
笹木 竜三 3 民主党 北陸信越ブロック(福井1区) 4
樽床 伸二 3 民主党 大阪12区 5
原口 一博 4 民主党 佐賀1区 5
三谷 光男 4 民主党 広島5区 2
高市 早苗 5 自民党 近畿ブロック(奈良2区) 5
武正 公一 5 民主党 埼玉1区 4
河井 克行 6 自民党 中国ブロック(広島県) 4
吉田 治 6 民主党 大阪4区 4
神風 英男 7 民主党 埼玉4区 3
谷田川 元 7 民主党 千葉10区 1
山井 和則 7 民主党 京都6区 4
勝又 恒一郎 8 民主党 南関東ブロック(神奈川15区) 1
玄葉 光一郎 8 民主党 福島3区 6
前原 誠司 8 民主党 京都2区 6
秋葉 賢也 9 自民党 東北ブロック(宮城県) 3
市村 浩一郎 9 民主党 兵庫6区 3
井戸 正枝 9 民主党 兵庫1区 1
本多 平直 9 民主党 埼玉12区 2
松野 博一 9 自民党 南関東ブロック(千葉3区) 4
小野寺 五典 11 自民党 宮城6区 4
稲富 修二 17 民主党 福岡2区 1
城井 崇 19 民主党 福岡10区 2
森岡 洋一郎 20 民主党 埼玉13区 1
松本 大輔 22 民主党 広島2区 3
橘 秀徳 23 民主党 神奈川13区 1
三日月 大造 23 民主党 滋賀3区 3
神山 洋介 24 民主党 神奈川17区 1
参議院議員(7)–民主党は3名
氏名 党派 選挙区 当選回数
長浜 博行 2 民主党 千葉選挙区 1
徳永 久志 8 民主党 滋賀選挙区 1
福山 哲郎 11 民主党 京都選挙区 3
渡辺 猛之 13 自民党 岐阜選挙区 1
宇都 隆史 28 自民党 比例区 1
熊谷 大 28 自民党 宮城選挙区 1
中西 祐介 28 自民党 徳島選挙区 1

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