<北朝鮮の核・ミサイル開発巨額費用の謎>中国はどこまで関与しているのか?

北朝鮮の正式の国名を知っているだろうか? 長い国名なので度忘れしてしまった人もいるかも知れない。 そう、朝鮮民主主義人民共和国。 しかしその国民の窮乏と貧困がゆえに得てしてこう呼ばれる―「朝鮮民主主義貧民共和国」…..貧民の貧民による独裁者のための政治。

ナントいう事か、共産主義の名のもとに行われた独裁で人民は貧民になってしまった、英語で言うとこうなる ―― For the government of the poor people, by the poor people, and for the dictator.

一回の弾道ミサイル発射にかかる費用は約690億円と言われる。 その金額で、「“貧民”共和国」の国民の大半に1年間最低限の食料配給ができるそうだ。 この国にとっては巨額の費用である、どうやって捻出しているのか? 過去には大量の偽ドル札やミサイル輸出でやりくりしていた。 しかし、米国による締め付けでそれもままならない。 人道的食糧援助は途絶えた。 

そこで、浮かび上がってくるのが中国の影の支援だ。 最近の軍事パレードで披露された新型巡航ミサイルを搭載していた車両が、中国製ではないかという疑惑も浮上している。 さて、中国はどこまで関与しているのか? その辺のところを日経の記事「北朝鮮の核・ミサイル開発 巨額費用の謎」 を参考にしてみたい。 その記事の後に朝鮮日報の「北朝鮮のミサイル運搬車両、中国が輸出か」を掲載した。

北朝鮮の核・ミサイル開発 巨額費用の謎
中国頼み 深まるジレンマ
(日経 2012/4/23 3:30)

人工衛星と称した長距離弾道ミサイルの発射に失敗した北朝鮮が、核も含めて開発を続けると宣言した。巨額の開発費用は、どうねん出するのか。北朝鮮の経済は中国依存を強めているが、頼みの隣国は新たな協力と引き換えに中国式の改革開放を求める。新指導者の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は軍事力強化とともに住民の生活改善を図る必要もあり、出足から経済運営のジレンマに直面している。

韓国政府の推定によると1回の弾道ミサイル発射費用は約8億5千万ドル(約690億円)。大半の住民に1年間最低限の食料を配給できる金額だ。故金正日総書記は不法な武器輸出だけで年1億ドル以上の外貨を稼ぎ、核・ミサイル開発に多額の資金をつぎ込んできた。

■ 米の支援白紙に

今回の発射で米国からの食品支援が白紙となり、食料不足が一段と深刻になると予想される。再度のミサイル発射や核実験の可能性が取り沙汰され、そうなれば国際社会が制裁を緩和する可能性はさらに遠のく。

今回の発射では「イランなどの関係者が北朝鮮入りしていた」(在京軍事筋)との情報がある。軍事協力や密輸をにらんだデモンストレーションと見られるが、国際社会の監視が強まり、以前に比べ武器輸出はしにくい。「第2経済」と呼ばれ、国内で優遇されてきた北朝鮮の軍経済も最近は民生分野への進出や経営多角化などで新たな収入源確保の道を探っているのが実態だ。

そこで望みをつなぐのが中国との経済協力。西側との交易が減り、いまや対外貿易の大半を中国が占める。近年は石炭や鉄鉱石の対中輸出が急増し、資源の切り売りで外貨を稼いでいる。

15日の軍事パレードに登場したミサイルの移動式発射車両を中国が支援した疑惑が浮上したように両者の取引には闇の部分が多い。しかし、最近は内外の厳しい視線があり、中国も一方的な援助はしにくくなっている。代わって増えているのが企業の投資で、北京大学の金景一教授は「輸血方式から(経済発展につながる)造血方式への転換だ」と解説する。

中朝の駆け引きが本格化しているのが、共同開発する羅先(ラソン)と黄金坪(ファングムピョン)。 境界の北朝鮮側に設けた経済特区だ。北朝鮮は体制への影響を懸念して中国式の改革開放に難色を示してきたが、特区の開発・管理のあり方でせめぎ合いを演じているのだ。

正恩氏の最高指導者就任と前後して公表された特区の関連法には「市場原理の順守」や企業の権利が明記され、専門家の関心を集めた。中国側の意向をくんだ格好で、羅先には中国式の農場をつくる計画もある。

ただ、北朝鮮が実際にどれだけ企業の裁量を認めるかは不透明。羅先の開発に関わる中国吉林省の王儒林省長は4日、鳥取市で記者会見し、特区の主役は企業で、市場経済原則が重視されるとクギを刺した。

■ 中国も小出しか

正恩氏は大衆を前にした初演説で軍事力の強化とともに「人民が(食糧難で)二度と身を削らないようにする」と語り、人民生活の向上にも取り組む姿勢を示した。権力基盤の弱い正恩氏は住民に親しみのあるリーダーを演出している。しかし、軍事力の増強と、軽工業や農業の振興による生活改善が短期的に矛盾するのは明らかだ。

中国は新体制の発足に合わせた食料支援を実施する構えだが、受け渡しは「北朝鮮の出方を見ながら小出しにする」(北京の外交筋)との情報がある。北朝鮮側には対中依存が強まり過ぎることへの警戒もある。経済路線をめぐり、党や軍などの各機関に中国も交えた駆け引きが続く。

http://www.nikkei.com/news/headline/article /g=96958A9C9381959FE0E0E2E2908DE0E0E2E6E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2

北朝鮮のミサイル運搬車両、中国が輸出か
(朝鮮日報 2012/04/21 08:59)


パネッタ米国防長官をはじめ、米国の政府関係者、議会、メディアは19日(現地時間)、一斉に中国が北朝鮮のミサイル開発を支援しているという疑惑を指摘し始めた。

きっかけとなったのは、今月15日に北朝鮮で行われた大規模な軍事パレードに登場した新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)運搬車両だった。17日付本紙が、問題の車両は中国から輸出された可能性が高いと報じたことを受け、米国の政府、議会、メディアがこの疑惑を集中的に取り上げた格好だ。韓国の外交通商部(省に相当)関係者も「中国が北朝鮮に問題の車両を輸出したとすれば、大きな問題となるだけに、中国政府に経緯を確認している」と述べた。

しかし、中国は2009年に国連の対北朝鮮制裁に同意しており、制裁違反が確認された場合、韓米日など関係国が反発することは中国も十分承知しているはずだが、なぜ中国がICBM用特殊車両を北朝鮮に輸出したのかは依然として不明だ。

中国外務省の劉為民報道局参事官は20日、「中国は大量破壊兵器とその運搬手段の拡散に断固反対してきた。一貫して国連安全保障理事会の決議を厳格に履行しており、中国独自の輸出規制に関する法規を厳格に執行している」と述べ、疑惑を否定した。

■ 中国企業、対北朝鮮輸出用に生産か

全長20メートルに達する北朝鮮のICBM運搬・発射車両は、中国のある特殊車両メーカーが2010-11年に生産した16輪特殊車両「WS51200」と同じ形態だということが分かった。AP通信によると、米国際平和戦略センター(IASC)の中国専門家、リチャード・フィッシャー氏は「中国の中国航天科工集団(CASIC)が北朝鮮への輸出用に生産したのは明らかだ」と指摘した。フィッシャー氏は「北朝鮮には16輪車両のステアリング装置を制御する先端車両用コンピューターシステムの開発能力はない。中国航天科工集団は最大で6-7台を生産し、その半分が平壌に輸出されたとみられる」と述べた。

中国航天科工集団は国営の軍需メーカーで、湖北省にある子会社で、最大積載重量122トン、全長20メートルのトラックを生産している。AP通信は、同社が最近、16輪車両を海外に輸出したことを認めたが、購入者が誰なのかについては明かさなかったと報じた。

WS51200は米カミンズ社のエンジンを搭載しているとされる。消息筋によると「米アラスカを攻撃できるミサイルの運搬・発射車両に米国製エンジンが輸出され、搭載された格好となり、米国はさらに神経質な反応を示さざるを得ない」と述べた。

これらの車両がどういうルートで北朝鮮に輸出されたかもミステリーだ。韓国政府は、国連の制裁があるため、軍事用ではなく、形式上は商用として輸出されたか、中国政府の承認なしに密輸出された可能性があるとみている。

また一部では、北朝鮮が40トンに達する車両を分解し、商用として輸入した後、北朝鮮国内で組み立て、ミサイルの発射台、発射制御設備などを追加し、ミサイル用車両へと改造した可能性も指摘されている。

ただし、商用として輸出されたとしても、中国政府の承認または黙認が必要となるため、北朝鮮のミサイル問題に関する中国のダブルスタンダードを指摘する声もある。スウェーデン・ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の武器取引専門家、ピーター・ウェズマン氏は「中国で生産されたミサイル運搬・発射車両がパキスタンなど第三国を経由し、北朝鮮に再輸出されたか、北朝鮮が代理人を立てて購入したのではないか」との見方を示した。

■ 北朝鮮の武器輸出に港湾・領空の通過容認か

このほか、今回のケースをめぐっては、1970年代以降、水面下で続いてきた中国と北朝鮮のミサイル開発協力を示す「証拠」ではないかと指摘する声もある。中国と北朝鮮のミサイル開発協力は、70年代の中国によるCSS-2中距離弾道ミサイル(東風-3・射程距離2800キロ)開発計画にまでさかのぼる。北朝鮮はこの計画で得た技術をテポドン1・2号の開発に活用したとされる。テポドン1号(射程距離2500キロ)はCSS-2と類似しており、テポドン2号の1段目ロケットはCSS-2またはCSS-3(東風-4)との類似性が指摘されている。テポドン2号の1段目ロケットは、ノドンミサイルのロケット4基を束ねたものだが、この技術も中国から導入された可能性がある。

2000年代に入り、北朝鮮の武器輸出に対する国際社会の制裁が強化された背後で、中国は北朝鮮の武器輸出に港湾、領空の通過を認めていた疑いがある。09年8月、アラブ首長国連邦(UAE)は、対北朝鮮制裁に関する国連安保理決議第1874号に従い、北朝鮮製の武器を積み、イランに向かっていた貨物船「ANLオーストラリア」を検挙した。問題の貨物は、北朝鮮の南浦港で船積みされ、中国・大連港経由でイランのバンダル・アッバース港に搬入される途中だった。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/04/21/2012042100314.html

続報
■ <中国、北朝鮮に軍用車両 昨年8月 安保理決議に違反> (朝日6/13)  (投稿日:2012/06/13)
■ <北朝鮮ミサイル・核|中国はどこまで関与しているのか?>隠れ蓑の中国大連港、さらにシリア輸出への介在…  (投稿日:2012/06/14)

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