<使えない無線LAN増加> 混雑進む電波、これでいいのか悪化する通信環境。 君のスマホは速度低下していないか?

急速に普及するスマートフォンで逼迫する電波、それに対処すべく公衆無線LANサービス急増している。 都市部では溢れる公衆無線LANの電波干渉やスマホの無線LAN自動接続機能の弊害による速度低下が顕著になってきている。 君のスマホはどうだろう? 公衆無線LANをよく使う人は、日経パソコンのこの記事を読んでみてはどうか…

これでいいのか「汚れた」無線LAN 混雑進む電波
(日経パソコン 2012年3月26日号の記事抜粋)

街を歩きながらスマートフォンでチェックしていると、無線LANのアクセスポイントを検知する機会が増えている。携帯電話事業者が、逼迫する3G(第3世代携帯電話)回線からデータ通信をオフロード(分散)すべく、公衆無線LANサービスのアクセスポイントを大量に新設しているためだ(図1)。ユーザーにとっては歓迎すべきことに思えるが、実は無線LANの通信環境は急速に“汚れて”いる。

 背景にあるのは、無線LANで主に使われている2.4GHz帯の電波の混雑だ(図2)。スマートフォンをはじめ、多くの無線LAN対応機器はIEEE 802.11b方式や同g方式、同n方式に対応している。2.4GHz帯の電波を14チャンネルに分けて通信に使うが、各チャンネルの周波数は重なっているため、安定的に通信できるのは実質3チャンネル分しかない。これに対し、都市部ではアクセスポイントやモバイルルーターなどで数十局の親機が検出される場合すらある。


■ 待ち時間の発生や干渉で通信速度が低下

無線LANには、同一の周波数で通信しているほかの無線LANの電波を検出し、空くのを待ってから通信を始める「CSMA/CA」という干渉回避技術がある。このため完全な通信不能にはならないが、待ち時間の発生により通信速度は低下する。

また、2.4GHz帯は電子レンジやコードレス電話など無線LAN以外の電波も利用しており、これらとの干渉も通信速度の低下につながる。「『ある時期から急に無線LANがつながらなくなった』とユーザーから問い合わせがあり、調べたところ、その時期に購入した無線対応のオーディオ機器が原因だった」(NECアクセステクニカ)というケースもある。

問題はこれだけではない。本来は店舗などの屋内向けに発信している公衆無線LANの電波が、近隣の屋外に漏れ出すことがある。スマートフォンはこうした弱い電波を検出すると、携帯電話回線より無線LANを優先して自動接続しようとする[注1]。数秒~数十秒間ほど接続を試みて結局失敗するか、仮に接続できても電波が弱く低速になる上、その間は携帯電話回線でのデータ通信が切れてしまう。街中に漏れ出る公衆無線LANの電波が、3G回線のオフロードどころか、スマートフォンの通信を邪魔してしまうのだ。

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[注1]無線LANへの自動的な優先接続の設定をオフにすることも可能だが、その場合、無線LANの電波を自動検出できなくなるスマートフォンが多い。
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 「バックホール回線」問題も浮上

2.4GHz帯の“汚れ”に加えて、アクセスポイントから公衆無線LANの基幹回線につながる「バックホール回線」の問題もある。ソフトバンクモバイルの「ソフトバンクWi-Fiスポット」は24万局、KDDI(au)の「au Wi-Fi SPOT」は7万局と、アクセスポイントを全国規模で急速に増やしている。

しかし、そのほとんどは簡易的なものだ。店舗での設置工事の手間を軽減するため、ソフトバンクは3G回線を、KDDIはWiMAXをバックホール回線として使用している。バックホールに光回線を使うNTTグループと比べ、アクセスポイントからインターネットにつながる通信速度は遅い。アクセスポイントを設置した場所の3GやWiMAXの電波状態が悪ければ、通信速度はさらに低下する。

これらの複合的な要因で、無線LANの使い勝手に黄信号がともっているのだ。

■ 5GHz帯へ移行の動きも始まる

このように“汚れて”いる2.4GHz帯に対し、IEEE 802.11a/n方式向けの5GHz帯は実質19チャンネルあり、同3チャンネルの2.4GHz帯よりはるかに多い。しかも、ほとんど使われていない状態だ(図3)。


混雑する2.4GHz帯から5GHz帯への移行を図る動きもある。NTTグループの公衆無線LANの構築・運用を手掛けるNTTブロードバンドプラットフォーム(NTTBP)は、2013年3月末に向けてアクセスポイントを6万局規模に拡充する方針。このうち新設分の約5万3000局は、全て2.4GHz帯と5GHz帯の両対応としている。過去に設置した約7000局は2.4GHz帯専用だが、これも2013年3月末までに全て両対応のアクセスポイントに交換する予定(図4)。

 加えて同社は「スマートフォンの5GHz帯対応についてNTTドコモと協議をしており、5GHz帯対応のスマートフォンの開発を端末メーカーに呼びかけている」(NTTBP代表取締役社長の小林忠男氏)。KDDIも、自社で新設するアクセスポイントは両対応としていく方針だ。

しかし、5GHz帯の普及にはコストの問題が立ちはだかる。国内のスマートフォンで5GHz帯が使えるのはごくわずか(図5)。5GHz帯に対応すると、通信制御ICやアンテナといった部品が高価になるほか、電波が端末内部のほかの回路に影響しないための設計や検証などの工数増もコストに跳ね返る。海外では両対応の機種も多いが、激しい販売競争でコスト削減が至上命題となっている国内では、5GHz帯対応に踏み切れないメーカーが多いのが現状だ。

とはいえ、このまま2.4GHz帯の混雑を放置すれば未来は険しい。「今はまだ2.4GHz帯もそれなりにつながるが、通信品質が重要な業務利用や動画視聴には、5GHz帯を使うべき」(無線LAN機器を製造・販売するバッファロー)。

■ 関係者が期待する次世代無線LAN規格

関係者が期待するのが、今後1~2年のうちに発売が見込まれる無線LANの次世代規格「IEEE 802.11ac」だ。アンテナ1本でも最大433Mbps(メガ・ビット/秒)、複数アンテナの併用で1Gbps(ギガ・ビット/秒)超と、既存のIEEE 802.11nの2倍以上の高速通信が可能。この11acは5GHz帯専用となる見込みだ。「11acならば2.4GHz帯にない速さが手に入るので、価格差以上のメリットがある。おのずと5GHz帯への移行が進むだろう」(バッファロー)。

5GHz帯への移行以外でも、無線LANの遅さを改善する動きがある。ソフトバンクモバイルは今後、バックホールに3G回線を使うアクセスポイントを、光回線やADSLなどの固定回線に順次置き換える方針。「24万局あるので時間はかかるが、主要駅周辺など需要の多いところから置き換えを始めている」(ソフトバンクモバイル)。

屋外に漏れ出た弱い電波に接続してしまう問題についても、解決策はある。NTTBPは、同社とバッファローが開発したモバイルルーター「光ポータブル」において、無線LANの電波強度が一定水準を超えたときのみ無線LANに接続し、それ以外は携帯電話回線で通信するという「コグニティブ技術」を実装済み。「スマートフォンにもアプリとして移植可能だと考えている」(NTTBPの小林社長)としており、今後具体的な検討を進めていく方針だ。


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