<ギリシャ債務強制削減> 「問題先送り」と欧米メディア懸念。 では、ギリシャ債務なぜ強制削減されるのか? 国債市場への影響は?

「問題先送り」 欧米メディア懸念
ギリシャ債務強制削減
(日経 2012/3/11 0:38)

ギリシャ国債を保有する民間投資家の一部への強制的な債務削減が決まったが、欧米メディアでは先行きを懸念する声が目立った。米ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は「ギリシャは、高い失業率など長期の景気後退から抜け出せていない」と分析。今回の措置は「当面の問題を先送りした」だけだとして、一段の改革が必要になると報じた。

英フィナンシャル・タイムズ(同)は投資家が注意すべき2点を指摘。「ギリシャは一段の債務リストラを免れ得ない」ことと、「ギリシャの次とされるポルトガルの国債利回りが上昇している」ことを挙げた。

仏ルモンド(同)は、強制削減が「(ギリシャ国債を多く保有する)仏銀行の経営に影響する」と懸念を示した。「ギリシャ危機がイタリアやスペイン、ポルトガルに波及すれば、影響はさらに大きくなる」との見方を伝えた。

http://www.nikkei.com/news/headline/related-article /g=96958A9C9381959FE3E2E2E6958DE3E2E2E1E0E2E3E09494EAE2E2E2; bm=96958A9C9381959FE3E2E2E6978DE3E2E2E1E0E2E3E09494EAE2E2E2

ギリシャ債務なぜ強制削減 国債市場への影響は
(日経 2012/3/11 2:01)

【ロンドン=松崎雄典】 債務危機に陥っているギリシャ政府は9日、同国国債を保有している民間投資家の一部に債務削減を強制することを決めた。強制措置は市場の混乱を招くとの判断から回避されてきたのに、なぜ適用に至ったのか。背景と影響をまとめた。

欧州債務危機の民間負担を巡る動き

2010年 11月

  • 金融機関など民間の投資家に負担を求める議論が浮上
  • 独仏英など5カ国が「投資家を巻き込まない」との共同声明を発表
  • 欧州安定メカニズム(ESM)の枠組みに、ESM発足後に発行される国債に限定して民間負担を導入

2011年  7月 

  • ギリシャ向け債務への自発的な民間負担を決め、既発国債に適用。債務の削減率は21%

2011年 10月

  • ギリシャ向け債務への自発的な民間負担が拡大し、元本を5割削減

2011年 12月

  • メルケル独首相が「ギリシャの債務削減は特例」と発言

2012年  3月    

  • ギリシャ、民間債務の元本の5割強の削減を強制

Q 民間投資家の83.5%が自発的な債務削減に応じることを決めたが、十分ではないのか。

A ギリシャに金融支援する欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)は、同国の債務残高を2020年に対国内総生産(GDP)比で120%超に引き下げる再建計画を描く。計画の前提となる参加率は95%だった。

計画は14年にGDPの名目成長率が2%超に回復し、国債の利払いなどを除く財政の基礎的収支が4%台の黒字に改善するとの経済見通しに基づく。楽観的だとの見方も多く、少しでも債務を圧縮したい思惑がある。

Q 自発的な債務削減と強制の違いは。

A 最大の違いは保険商品の一種であるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の取り扱い。強制だと、CDSを債務不履行(デフォルト)に備えて買っていた債権者は、CDSの売り手から損失を補償してもらえる。CDSの売り手には損失の補填義務が生じる。

Q CDSの発動に伴うリスクは。

A ギリシャ政府は約1000億ユーロ(約11兆円)分の債務を削減する。CDSが発動されても、債権者とCDSの売り手が損失を分かち合うことになるだけで、全体の損失規模が11兆円から膨らむわけではない。

ただ、大量にCDSを売っていた特定の金融機関やヘッジファンドなど投資家が、補償金の支払いで破綻し、金融危機が連鎖しかねない怖さがある。08年のリーマン・ショック後は、多くのCDSを抱えた米保険大手AIGが、破綻の影響が甚大なため救済された。

ギリシャ国債の場合はCDSの売り手が分散され、全体の取引残高も32億ドル(約2600億円)と小さい。金融システムを揺るがすような影響はないとみられている。CDS発動の是非を決める国際スワップ・デリバティブズ協会(ISDA)は、CDSの売り手の実際の補償総額は24億ドルとの試算を出した。

昨秋まではCDS発動の影響が読み切れず、強制削減に踏み込むべきではないとの意見が多かったが、ギリシャやEU、IMFはリスクが小さいと判断した。国債でのCDS発動は、09年のエクアドル以来となる。

Q ユーロ圏の他の債務国にも強制削減が広がるのか。

A メルケル独首相や欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、「ギリシャは特例」と強調している。しかし、ギリシャは10年まで発行済みの国債について債務削減はしない方針だったのに、結局は強制措置に至ってしまった。市場では、ギリシャに次いで財政状態が悪いとみられるポルトガルの債務削減も警戒されている。

Q 国債市場への影響は。

A 国債価格は民間負担の動きに敏感だ。10年秋には、金融支援に国民の税金を使うなら債権者も負担を負うべきだとの議論がドイツ中心に高まり、アイルランドやポルトガルの国債利回りの上昇(価格は下落)につながった。

今回もポルトガルの国債利回りに上昇懸念が出ている。同国の10年物国債の利回りは、2月中旬には12%前後だったが、ギリシャの強制措置の可能性が強まるとともに14%弱まで上昇した。

http://www.nikkei.com/news/headline/article /g=96958A9C9381959FE3E2E2E6978DE3E2E2E1E0E2E3E09494EAE2E2E2

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