<太陽は今、2013年の極大期に向かっている> 3月8日の太陽嵐、予想外に穏やか

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[2012-4-20 追記。 当ブログ関連記事、「<太陽極域磁場反転を捉えた衛星「ひので」> 太陽の4重極構造で地球は寒冷期に入っていくのか?」。
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3月7日発生した2つの太陽フレアの影響で地球で最大規模の磁気嵐が発生するとNASAが警告を出していたが、8日に地球へ到達した太陽嵐の影響は予想外に穏やかで混乱が起きなかったのはメデタシ、メデタシ。 太陽は現在、2013年の極大期(11年周期の太陽活動のピーク)に向かっているわけで、今年1月24日にも太陽から放出された荷電粒子の巨大な波が地球の磁場に衝突している。

さて、ナショナルジオグラフィックの1月25日と3月9日の記事を掲載しよう。 NASAが提供している2012年3月6日の太陽フレア動画、これもなかなかいい。 その前に、カナダで観測されたオーローラ….. 美しい

<太陽嵐、8年ぶりの規模で地球に到達>
(National Geographic January 25, 2012)

地球は現在、8年ぶりの規模となる強力な太陽嵐にさらされている。太陽から放出された荷電粒子の巨大な波が1月24日午前(日本時間24日深夜)、地球の磁場に衝突した。


NASAのソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリー(SDO)が太陽フレアからの極紫外線フラッシュをとらえたのは23日未明。それに続いて巨大なコロナ質量放出(CME)が発生した。CMEは太陽から放出される超高温ガスと荷電粒子の雲で、時速約500万キロのスピードで地球に向かい、わずか35時間で到達した。

CMEが地球に衝突すると、荷電粒子が地球を保護する磁場にぶつかり、磁気嵐が起きて鮮やかなオーロラが発生する。スカンジナビア半島、アラスカ、カナダでは既にオーロラの増加が報告されており、24日夜に最も活発になると予想されている。

だが強力な太陽嵐は、送電網や周回軌道衛星、GPS信号、無線通信の障害につながりかねない。航空機のフライトにも影響を与える可能性がある。

アメリカ、コロラド州ボルダーにある米国海洋大気庁(NOAA)宇宙天気予報センターの上級予報官ビル・マータフ(Bill Murtagh)氏は、「最初の太陽フレアが非常に強力だったため、2003年10月以来の巨大な太陽放射が発生した」と話す。「放射は現在強力なレベルにあり、すべてが地球を通過するまで少なくとも1~2日間はかかる。現時点でも高緯度地域における散発的な無線通信障害が報告されている。その影響で一部の極地フライトのルート変更が行われた」。

◆太陽嵐が極地フライトに影響

極地を通るフライトを運行する航空会社は太陽嵐を特に気にかけている。CMEの粒子は地球の磁場の影響で極付近に集中するためだ。「極地の長距離フライトでは衛星通信を常時使えるとは限らないため、従来の無線通信に依存している。しかし、太陽嵐の際は長時間にわたって無線通信できない事態が頻発する。連邦航空規制では、飛行中は常時通信可能な状態を維持する必要があると定められているが、従うのが難しくなる」とマータフ氏は述べる。

一方、メリーランド州にあるNASAゴダード宇宙飛行センターの宇宙気象科学者アンティ・プルキネン(Antti Pulkkinen)氏は、「今回の太陽嵐は実は中程度のレベルだ。地上や宇宙の設備に大きな障害は起きないだろう」と言う。

◆2013年にかけて太陽嵐が増加

コンピューターモデリングの進歩と太陽観測衛星のおかげで、宇宙気象の予報精度が高まり、太陽嵐の到達時間は数時間の幅で特定できるようになった。「今回のCMEに関して、我々のモデルは実際の到達時間から13分しか外れていなかった。驚くべき結果だ」とプルキネン氏は満足そうに話す。

太陽は現在、2013年の極大期(11年周期の太陽活動のピーク)に向かっている。太陽嵐の規模や頻度が増加するため、モニタリングや予測がさらに重要になると考えられている。「2013年が近づくにつれ、太陽ではより強力な爆発が起きる。その一部が地球に向かってくるのは間違いない。今回のような現象は一層増えていくだろう」とプルキネン氏は述べている。

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20120125002&expand#title

<太陽嵐、予想外に穏やか>
(National Geographic March 9, 2012)

日本時間3月7日に発生した2つの太陽フレアに関して、NASAは地球で最大規模の磁気嵐が発生し、送電網、GPS、通信などに障害が出る恐れがあると警告を発した。しかし、8日に地球へ到達した太陽嵐の影響は予想外に穏やかだった。


NASAゴダード宇宙飛行センターの太陽宇宙物理学者アレックス・ヤング氏は、磁場の向きが原因だと指摘する。

磁気嵐は9日にかけて活発化する可能性も残っているが、8日現在ではNOAA宇宙天気スケールの5段階のうち最も弱いG1(弱)に留まった。「このレベルなら影響は最小限で済むだろう。実質上何の問題も起きないはずだ」とヤング氏は言う。同氏は太陽観測衛星SOHOプロジェクトチームに参加している。

「太陽嵐の影響が予想外に小さかったのは、地球の磁場に衝突したときの移動方向が大きな原因だ。地球の磁場の北から到達している」。一方、太陽嵐、すなわち太陽フレアに伴うコロナ質量放出(CME)が南から飛来した場合は影響が大きくなる。CMEは太陽磁場の変化に伴い大量のプラズマ粒子が噴出する現象である。

CMEが北からやって来ると、地球の磁場との相互作用は弱まる。「どちらの磁場も同じ向きになるからだ。逆に太陽嵐が南から到達すれば、相互作用ははるかに大きくなる。巨大なエネルギーが地球の磁気圏に注ぎ込まれていただろう」。

◆さらに強力な太陽嵐が到来?

今回、太陽嵐の影響は予想を下回ったが、まだ危険を脱していないとヤング氏は警告する。

CMEを起こす爆発は通常、太陽黒点で発生する。磁場の乱流領域である黒点は周囲の温度(摂氏5500度)よりも低く、摂氏3300度の領域が暗く見える。

7日に太陽フレアが発生した黒点は太陽表面に沿って移動し、複雑な成長を続けている。地球方向への噴出が新たに発生する可能性が高まっているという。

「黒点はホクロと似ている。ホクロの形が左右対称で整っていれば、まず大丈夫だ。やっかいな問題にはならない」とヤング氏は語る。

「黒点も複雑な形になり歪曲すれば、内部の磁場がさらに乱れていることを意味する。輪ゴムをぐるぐる巻いたような状態で、いずれ小さな結び目が飛び出す。現在私たちは黒点を監視しているが、次第に入り組んできている。Xクラスの太陽フレアが発生する可能性は依然として高い」。Xクラスは最大級の太陽フレアであり、CMEの発生を伴う。

3月7日に発生した2つの太陽フレアは、大規模な方がX5.4だった。Xクラスの中間の強度に相当する。太陽は11年周期で活動を変化させており、現在の周期中では2011年8月9日のX6.9に次ぐ大きさだった。もう1つのフレアの規模はX1.3で、X5.4の5分の1ほどである。

太陽活動が最も活発になる2013年の極大期前後には、はるかに大きな太陽嵐が発生する恐れがある。

「これも正常な周期の一環だ。太陽嵐は大きくなるだろう。深刻な影響を及ぼすかどうかは不明だが、NASAや米国海洋大気庁(NOAA)をはじめ、あらゆる機関が動向を監視している。これまでよりも的確に把握できるはずだ」。

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20120309002&expand&source=gnews

◇ この件に関する英文 Wired News の記事も掲載してみよう ◇

Strong Solar Storm Could Produce Auroras Over Northern U.S.
(Wired News March 8, 2012)

The most powerful solar storm in five years hit Earth on March 8, and could create northern lights far south of their usual range.

On March 6, the sun produced two enormous X-class flares ? the most powerful types of blasts to erupt from the sun’s surface ? that flung waves of charged particles into space. The particle bursts are called coronal mass ejections, or CMEs, and as they hit Earth’s atmosphere they can disrupt communication satellites and power grids. But the interaction of CMEs with Earth’s magnetic field also produces the incredible displays known as the northern lights.

When the storm reached Earth, it was slightly weaker than expected, and the alignment of Earth’s magnetic field with the CME’s magnetism further weakened the storm. On the NOAA Space Weather Prediction Center’s Facebook page, the effect was likened to two bar magnets placed side-by-side with their poles misaligned. But NOAA goes on to note that the storm may take 24 hours to completely pass and could intensify further. Officials predict a “strong” geomagnetic storm before the CME is done.

If the storm reaches predicted intensities, it could cause northern lights as far south as geomagnetic latitude 50 (this is not identical to geographic latitude). This includes most of the northeastern U.S., the upper Great Plains region, and Washington state. You can check your geomagnetic latitude at the SWPC website.

If you’re in line to potentially see the northern lights tonight, you can increase your chances by getting away from bright cities and looking for clear, cloudless skies. Any amateur photographers can send their best shots to us.

The sun is currently waking up from a lull in its 11-year solar cycle. The next several years should see increased activity, and there’s a real possibility of a dangerously strong solar storm occurring in the next decade. In addition to the double burst on March 6, another powerful X1.1-class flare erupted from the sun’s surface on March 4, but its CME missed Earth.

NASA has also built an app that can send the most up-to-date space weather information directly to your smartphone.

http://www.wired.com/wiredscience/2012/03/solar-storm-auroras/

当ブログ関連投稿記事

■ <太陽の活動、過去20年低下|地球は寒冷化へ向かうのか?>衛星「ひので」の観測データーの件もある、「マウンダー極小期」の寒冷期再来はあるのか…  (投稿日 2012-6-1)

■ <太陽極域磁場反転を捉えた衛星「ひので」> 太陽の4重極構造で地球は寒冷期に入っていくのか? (投稿日 2012-4-20)

■ NHKスペシャル<宇宙の渚|天空の女神 オーロラ>5/20夜9時、見ませう。 宇宙から見たオーロラ。金環日食前夜、オーロラが教える太陽の異変…オーロラが姿を消した時代の謎  (投稿日 2012-5-20)

■ <太陽は今、2013年の極大期に向かっている> 3月8日の太陽嵐、予想外に穏やか (投稿日 2012-3-10)

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